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  • 黒白転々

テイルズオブバトルロワイアル@wiki

黒白転々

最終更新:2019年10月13日 16:55

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

黒白転々


城の南、黒々とした森の端に記憶喪失を偽証した少年、ミトスがいた。
右肩から左腕にかけて布で固定したその傷は今では大分調子が良い。
肉も神経も繋がっているのが分かる。戦闘には使えなくとも
日常的な行動には支障はない気がする。最も、あくまで繋げる事を
最優先とされた治癒術はミトスの体力を削っていた。
治療と体力回復は別物であるのは世の常だが
患者の体力を使って重傷をまずは接続する――成程、中々に優秀な治癒師だ。

「ま、それでも姉さまの足元程度って所か…さて。」
自嘲した後、まだ生きている右手で剣、ソーディアン・アトワイトを翳す。
発光する青。ミトスの目は少し細くなり、手にマナを込める。
様々な形、属性のマナをアトワイトに反射、透過、して晶術と魔術の
差異を検証しそこから晶術の発生理論だけを構築する。
未開の土地の知らない言葉を韻や抑揚などから意味を推し量るように。
「プロトコルは魔術と変わらないな…レンズとやらのエネルギーを
引き出して力に変換するのか?変換言語は…どちらかと言えば
魔科学のそれに近いか。出力の命令文は…ああ、精霊召喚と同じだ、
全く面倒な話だね。これじゃ確かに契約者、君達の言う所のマスター
として適合しないと全力解放は無理だ。とりあえずソースを…」
解析を進めながらアトワイトの状態を気遣う。高密度エネルギー体とはいえ
こうやって自身を揺さぶられれば嬌声の一つでも上げるかと思ったが
その素振りは一向に見えない。中々に気丈な女だ、悪くない。

幾つかの呪文を理解した所で草を踏む音が聞こえた。
すぐさまアトワイトを収めると、2人の少女がその場に現れた。
リアラとコレットである。
「あの…怪我、大丈夫ですか?」
リアラは恐る恐る尋ねる。ミトスは微笑を返して
「ええ、すこぶる快調です。治療をしてもらって、すいません。
…僕は貴方に危害を加えようとしていたらしいというのに。」
そういって沈痛な面持ちを作る。さり気なく‘らしい’を
強調することを忘れない。
「いえ…そんな…それはお互い様で…」
リアラは改めてこの少年と先ほど自分を殺そうとしていた人間との
差異を感じる。これは甘い、というより純粋だ、というほうが適当だろう。
「それで、あの、僕に何か…」
ミトスは恐る恐る尋ねる。質問の内容は分かっていたから
用意していた答弁を先に言ってやろうかと思ったが堪えた。
「…貴方は、コレット―この少女のことを知っているんですか?
知っているなら、この子に今何が起こっているか分かりませんか?」
「僕のいた世界ではその少女は再生の神子と呼ばれています。
マーテル教の教えには神子は試練の果てにそのような状態になると
言われていますが…ここはテセ、いや、シルヴァラントでは
ないですし…詳しい経緯を、教えていただけませんか?」

少年ミトスがこのとき得た情報はかなりの量になっている。
一言で言うならば「五人の素性、及びこのゲーム内での経緯」の
殆どである。無論リアラも他の四人からの又聞きであるわけで
情報の劣化は避けられないのだが。それでも純度85%といった所か。

その最後にミトスは驚嘆に値すべき情報を得た。
「…彼女が英雄ミトスと戦った?」
意味がわからない。記憶の空白が存在するというのか。
「はい…でも偶然ってすごいですね。同じ名前だなんて…」
精神の高ぶりを押さえ表面のコントロールに集中する。
「まあ、男の名前としてはありがちですからね。
それで…そのミトスを倒して…」
自分の喉下に指を添える。罵声と怒号が喉下で渋滞している。
「その後のことは教えてくれなかったんです。
とても素敵なことがあったって…」
コレットが天使化する前にリアラに話した自分たちの事、
即ち、ミトスを基準点と定めた場合の未来の情報。
全てが、ミトスの中で繋がった。条件を仮定して近未来をシュミレートすれば
有り得ない話ではない。空間的に異世界から来た人間が
これだけいるのだ。時間的に異世界から来ていてもおかしくない。
マーテルの存在とロイドがクルシスを知っていた事実がそれを
証明している。体が、熱い。
トレントの森でクラトスが解放…オリジン…デリスエンブレムの封呪…
「あの…大丈夫ですか?傷が開いたとか…」
リアラは動悸が早くなったミトスを気遣う。
(うるさい!!そんな言葉に何の意味がある!)
必死に表面のコントロールに集中し、何とか聞きたいことを纏める。
「その、クラトスが作った剣というのは?」
リアラはその質問の意図を良く考えずに、コレットとの会話を思い出す。
「名前ですか?えっと、確か…マテリアルブレード、だったかな?」
名前は違うが間違いない、エターナルソードだ。
E2黒、D2白、G3黒、取って、返され、更に奪い取る。
大事なのは隅だ、故にその周囲を打つのは愚考。
盤上の駒は唯々平等だ、違いなど無い。
ただ、どうしようもない白と黒の二面性がそこにあるだけだ。
ミトスに、戦略が浮かんだ。

ミトスは突然脱力したようにへたりと崩れ落ちる。
「大丈夫?」
ミトスのそばに駆け寄るリアラ。
「そいつから離れろ、リアラ!!」
「カイル!?」
そこに必然的に現れたカイル。リアラ以外はその存在に気付いていた。
カイルがリアラを引き離そうとその肩を掴み、
コレットがそのカイルの肩を掴み引き離す。
思わず尻餅を突いたカイルはリアラの目に小さく写る。
「ッ…お前!リアラに何をしようとした!」
「僕は…」「止めてカイル、一体どうしちゃったの?」
表面的な事象だけに目を向ければ、いじめっ子からいじめられっ子を
守る少女といった構図だろうか。
「カイルと戦ったってことは分かってる。でもこの子だって
好きで戦ったわけじゃない。それはカイルも知っているでしょう?」
平時ならばリアラの説得は正しい。
「でもこいつは!」
「信じること、信じ続けること、それが本当の強さだって、そう言ってくれた
のはカイルでしょう?カイルが信じてあげなきゃ、ね?」
カイルは何も言わずに、城に踵を返した。
口喧嘩に負けて手を出さないあたり、さすがに孤児院のチビたちよりは
無駄に人生を生きてはいない。ミトスは2人の馴れ初めを知らないため、
この状況に不自然を感じるのを禁じえなかった。

城に全員が集まった後、ミトスは起きたスタンを含め
「こんな作り話はすぐに露見するという前提」で
インスタントな虚構を5人に伝えた。
まあ簡潔にまとめれば
早々と姉と合流できたミトスは
村のほうから聞こえた少女ファラの下へ向かった。そこには何人かの
賛同者が集い姉を旗手として団結していた。
そこに一人の剣士が現れる、顔がボロボロに腫れた剣士だ。
彼は姉の治療を受け回復した後すぐに本性を顕わにした。
自分の姉は剣士に人質に取られ脅迫した。
時を越える魔剣、エターナルソードを寄越せと。
自分達はそんなもの知らないというやいなや剣士は姉を屋外に連れ出した。
引きとめようとしたがそれは適わなかった。
仲間がいたようだが後ろから気絶させられ
誰が仲間だったかは分からない。
気が付くと自分を残して家には火が放たれていた。
命からがら脱出し、姉を見つけたときには
丁度剣士によって処刑が行われた所であった。
腹から血を噴出し絶命する姉、血飛沫の中で卑猥に笑う剣士。
そこからの記憶は無く、気付いたらこの場所にいた…ということだ。

「そのエターナルソードっていうのは?」
カイルはふいに尋ねてみる。その顔は誰から見ても不機嫌そうだ。
ミントが皆に説明する。時間と空間を操る魔剣。
魔王を倒す唯一の鍵。ダイヤモンドの契約。
そしてその剣に選ばれた剣士、クレス・アルベインの存在。
力を求めて魔剣を求める剣士…否定する材料が見当たらない。

「あなたとクラトスさんはどういう…?」
「僕の剣の先生です。昔…僕と、姉さんと、
クラトスと、あと一人、4人で旅をしていました。
クラトスは天使だったけど…ハーフエルフの僕達に優しくて、強くて…」
もし、リアラがクラトスの羽を見たとき、クラトスの自嘲、
クラトスが仕える人物の名前を知っていたなら、彼の計画はもっと
面倒で不自然なものになっていた。しかし、歴史にIf文は無い。
彼女がミトスの名前を知らないというのが方程式の条件だ。

そこにいたそれぞれの思惑を持ってその話を聞いていた。
憤慨する者、少年を憎悪する者、
剣士の存在を肯定できない者、少年の境遇に悲しむもの、
何を考えているか分からない者。
ミントとリアラは自身が知るクレスの差に戸惑うが
ここにクレスは存在しない。
リアラはコレットからの又聞きの話ではあるし
ミントもまた一度もクレスに出逢っていない。
ミトスの話以外に信じる根拠がない。
不安とは得てして時間と共に悪化に向かうものだ。

話が終わったとき少年は大粒の涙を流していた。
それの涙を受け止めたのはミント。抱きしめた手は少し震えている。
どうかあなたの言っていることが少しでも間違っていますように、と。

すこし羨ましそうな目をしていたのをリアラに見つかったスタンは
話題を変えるようにミトスに質問する。
アトワイトのことだ。その質問に対しミトスは用意していた答えを提示する。
この剣はとても強い力を持ってはいるが喋ったことは一度も無いと。
スタンは信じられなかったが、ミトスに剣を手渡され声をかけてみても
一向に帰ってくる気配はない。ディムロスとの出会っても会話が出来ないと
知って大分堪えたようだ。無論、アトワイトはスタンと通信できるし
他の四人とも可能ではあろう。しかし、アトワイトは完全沈黙を選んだ。
ミトスの思惑に協力はしない、しかしスタンたちの当面の安全のために
反逆は出来ない。軍人アトワイト・エックス衛生兵長が選んだ
最後の抵抗である。

「これからどうしましょう…」
地図を広げてリアラは頭を悩ませる。
先ず六人が考えたのは全員が聞き逃した放送の内容。
E2のC3の情報をつなぎ合わせた結果分かった死者はミミーを除いた計10人。
それぞれが複雑な顔をして頭を下げている。
「動くにしても留まるにしても禁止エリアが分からないと…」
そう言いながらも心ここにあらずと言った感じのミント。
「コレットは…聞いてないよね、多分。」
リアラが物言わぬ少女に声をかけた瞬間。コレットが2本指で
地図に向けて貫指を放つ。A3、E4、D1、C8と穴を開けてゆく。
「ちょ、コレ、キミ、俺の地図…」
突然自分の地図に穴を開けられたスタンを除いて、他の4人は地図に
書き込んでゆく。

ミトスは書き込みながら口から笑みがこぼれるのを堪えた。
(…これで確定したな。こいつの再生儀式担当は確かレミエル…
奴が死んで空白になったプログラムの矛盾を防ぐ為に
こいつはこの娘を仮に上位命令系統に定めた。
故に服従、こいつの命に関わる情報の公開を惜しまない。
ならばこの女さえいなくなれば、
命令系統の優先順位は天使の僕に帰属するはず)
ミトスはリアラから得た情報と先ほどの戦闘から得た事実を組み合わせ
結論付けた。ただのプログラムにしてはやけに必死にリアラを守ろう
としていたことが気にはなるが、プログラムエラーとして結論づけた。

実はミトスは晶術解析の時点ですでにアトワイトから
放送の内容を把握していた。それでも内容を他の連中に伝えなかったのは
疑われること以上に戦闘中に考察したコレットの推論を
確かめる為でもある。

ミトスはすっと立ち上がり、他の五人を見据える。計画を動かすためだ。
「すいませんが僕はそろそろ行こうと思います。
ミントさんには悪いですが、あんな奴にそのエターナルソード
とか言う剣を渡すわけには行きません。…本当なら姉さまの仇を
取りたいけど…きっと姉さまはそんなことはして欲しくないだろうし、
だからせめて、あいつらの思い通りにはさせません。」
彼らの性格を読みきった上で力強くはっきりと言葉を放つ。
「ダメです!まだ傷が…」
まず止めに入ったのはミント。傷の状態を直に知っている分止め
に入るのが早い。ミトスは出来る限り自然に体調不良を演じる。
いや、体力が落ちているのだから演じる必要も無い。
「あなた達も早くここを離れた方がいい。もしかしたら
僕の口を封じるためにあいつらが南下してくるかも…」

そこで一人の剣士が間に入った。
ミトスにとっては唯一の誤算といっていい。
「よし、じゃあ俺が残ろう。」
皆が一斉にスタンのほうを向く。驚きを隠せない。
「G3に洞窟がある。皆はそこに行ってくれ。
半分はバルバトスのせいで崩れちゃったけどもう半分に隠れれば
暫くは持つ。それまではここで時間を稼いでみるよ。」
アトワイト以外の誰もがスタンを見ていた。
アトワイト以外の誰もがミトスの口元に気が付かなかった。
「危険すぎます!」
リアラとミントが口をそろえる。スタンは笑顔で答えた。
「大丈夫だって。もうすっかり骨折も良くなったし、
夕方の一件も寝てばっかでてんで役に立たなかったしさ~。それに…」
突然スタンの表情が真剣そのものになる。語気に怒気が混じり始めた。
「俺もミントから聞いただけだからクレスさんって人が
どういう人かは分からない。でも、もしそいつらがあいつを、
ジョニーを殺したって言うなら…一発殴ってやらなきゃ気が済まない。
場合によっては、斬らなくちゃならないかもしれない。」
スタンの拳は強く握られていて、グローブをつけていなければ
爪が肉にかかっていただろう。

「じゃあ僕も残ります!僕も、あいつらを!!」
ミトスはタイミングを計って口を開く。勿論ここに残る気は毛頭無い。
「君はダメだ。もし相手がクレス達だったら君は冷静にはいられないだろ?
君はミントとリアラを守ってやってくれ。」
スタンは子供をあやすようにミトスを制する。
「それは…分かりました。」
ミトスがおとなしく引き下がってくれたことにスタンは満足そうな笑顔を見せた。
「待ってくれ。こいつは、ここに、残った方がいいと思う。
…回復が出来る奴も必要だ。アトワイトを持ってるんだから、
それくらい出来るだろ?」
カイルが口を開いた。誰が聞いても攻撃的な口調だ。
「いや、それはやめておいた方がいい。このゲームの中じゃ戦闘中の回復は
ほとんど意味がないし、魔剣というのを狙っているのなら
アトワイトを奪われる可能性もある。なにより、怪我人を守って戦える自信は無いよ。」
スタンは真剣な表情でカイルを、次いでミトスを見た。
「…でも、一人じゃ危険すぎます!!そうでしょう!?」
カイルはなおも食い下がる。故に、墓穴を掘った。
「うん、俺もそう思う。だから君に頼みたい。…俺と、戦ってくれないか?」
いつものスタンからは想像も付かないほどの眼光。
ミトスも含めて全員が固唾を呑んだ。
「初めて会った君にこんなことを言うのはとても失礼だとは思うんだけど、
でも、俺は、どこかで君に出会っているようなそんな気がするんだ。
君と一緒なら、何処までも戦える。あのバルバトスにも負けないと思う。
そんな気がするんだ…だから、俺に力を貸してほしい。」
スタンは一人の剣士として、一人の剣士であるカイルに協力を求めた。
その事実にカイルが嬉しくない筈は無い。
「でも、俺、リアラを…」
だからこそ、カイルの精神は大きく揺さぶられていた。
「私は大丈夫だから、ね?私、カイルを信じてる。」
リアラがカイルにやさしく声を掛ける。
父さんが、自分を頼ってくれている。
リアラが、自分を信じてくれている。でも、でも、

「でも!俺はこいつとリアラが一緒にいるのは嫌だ!!」
でも幾ら姉が殺されて、錯乱したからといって、 あの戦いで見せたあの眼は、
一朝一夕で出来るものじゃない。カイルはあの眼を、黒き洞穴を疑っていた。
怖れていた、というニュアンスでもいい。
「カイル、何を言ってるの?この子は」
俺を信じてくれるリアラがこいつを庇う。
「リアラもこいつに殺されそうになっただろ!!コレットがいたから良いものの、
もし居なかったら、居なかったら…!!」
カイルは吠えた。喚く子供のように。
「…カイル君。君の気持ちは分かる。
でも、君も、リアラも、こうして生きている。
信じること、信じ続けること、それが本当の強さだ。
それが無きゃ、英雄になんかなれっこないぞ?」
スタンが未来の息子に優しく諭す。
俺を頼ってくれる父さんがこいつを擁護する。
父さんは何を頼ってくれている。リアラは俺を信じてくれる。
でも、俺の気持ちを分かってくれる人は何処にいるんだ?
俺は、俺は、何なんだ?英雄って、何なんだ?教えてくれよ、誰か…!!
カイルは顔を上げてミトスを見上げた、まるで教えを請うように。
神に縋るように。しかしミトスの表情は、ただただ怯えているだけ。
「…分かりました。俺が、ここに残ります。」
カイルはそう言い残してふらりと仲間の元を離れた。
何も考えたくない。まずは敵を片付けよう。その方が幾分楽だと、
カイルは甘ったれた、甘ったれてしまった。

「カイルさん、大丈夫でしょうか…」
ミントは憂いた表情でカイルが消えた先を見つめた。
「大丈夫。すぐに立ち直るよ、俺が保障する。
ん?何で俺が保障するんだ?初めて会ったのに…まあいいや
それじゃあ君たちはすぐに向かってくれ。
グズグズしてると何が起こるか分からない。」
リアラしか明確な答えを知らない疑問に悩んだ後、
スタンは残りのメンバーに喚起を促す。
「分かりました…でもどうか気をつけて下さい。
相手はどんな顔をして入り込んでこようとするか分かりません。」
ミトスはダメ押しの忠告をする。
あくまで敵の存在をアピールすることを忘れない。
「気持ちだけ受け取っておくよ。でも、やっぱり最後まで信じてみたいんだ。
じゃあ、君達は行ってくれ。日の出まで誰も来なかったら、
僕達もそちらに向かう。朝ごはんを作って待っていてくれ。」
様々な気持ちの中、4人は意思を確認しあう。
「じゃあ今すぐに…」
「あの、すいません。最後に、クラトスに挨拶させてください。」
ミトスは申し訳なさそうな表情を繕った。

ミトスは城跡、凹状の元拷問部屋にいた。
じいっとクラトスの遺体を見ている。
上を向いて空を見上げているかのような穏やかな笑顔。
まるで生きているように見える。
天使化したまま死んだため、死後硬直が殆ど無いのだ。
『何であんな嘘をついたの?』
「静かに」
ミトスは耳を済ませる。他の連中は城の端で何かを喋っているようだ。
羊皮紙を取り出して筆記を始める。首輪ではなく、コレットへの対策だ。
同時に自身の戦略を完全に構築する為である。
『…よく出来ていただろ?本当だったら洞窟への誘導も
僕がするつもりだったけど、手間が省けた。追い風が吹いているね。
正直、甘っちょろいやつらばかりで助かった。それなりに頭も働きそうな
あの紛い物も僕の話どころじゃなかったし…
タイミングが良かったとしか言いようが無い。』
『あんな嘘すぐにばれる。C3を生き残った人たちを
あの人たちと戦わせるつもりでしょうけど…そんなのできっこないわ』
アトワイトは小声でミトスを牽制する。
『うん、多分そうだろうね。あの殺人鬼も仲間がいる可能性は高いから
もしかしたらそっちが来るかもしれない。勿論誰も来ない可能性もある。
でもそれ以上にロイドやリッド達が来る可能性のほうが高い。消去法だね。
僕が動くには真相を知っているあいつらが邪魔だ。
出来ればここで消しておかなければならない。』
いや、この時点で既にその可能性をミトスは除外していた。
『でもスタンもカイルも説得されるかも知れないし
向こうもこの作り話を聞けば僕の意図に気づくだろう。
でもそれはたいした問題じゃない。』
『どういうこと?』

ミトスはにんまり笑ってペンを走らせる。
『過程に価値は無いんだ。殺し合いをしてくれれば一番嬉しいし
殺人鬼が出張ってきてくれれば二番目に嬉しい。
でも、重要なのは結果だ。あの二人を引き離したという結果だ。』
その凹状の元拷問部屋は風は無くて、とても冷ややかで。
『僕が黒に仕立てたコマは恐らくすぐにひっくり返って白になる。
でも、彼女を殺せばあいつは必ず黒になる。
後は勝手に挟まれてみんな黒になるんだ。』
上を見上げた。天には星。しかし星を掴んではいけない。
隅を取られてしまうから。
『もうエターナルソードの入手の目処は立ったから
僕が犯人だということは露見してもいい。いや、寧ろ露見するべきだ。
でも今すぐにばれては不味い。だからもう少し時間は稼いでおこう。』
ペンを片付けアトワイトを構える。標的は、師匠の首。
「僕の未来のお前は息子を選んだみたいだよ?
裏切り者クラトス、お前の首級を以って夜会を開幕としよう。」
首を、刎ねた。しかし血は噴出しない。
天使化したまま死んだため、血液の流動がほとんどないのだ。
すぐさま首を元の位置に戻し切断面に折れた羊皮紙を仕込む。
‘魔剣を持って、追って来い。僕は、いつでも待っている’
(ロイド、ロイド・アーヴィング、願わくば君がここに来ますように。
これは僕からのささやかな招待状だ。)
アトワイトを翳す。首の周りの血液が凝結し、首が固定される。
遠目から見る限りにはただの死体に見えるであろう。
しかし時間がたてば元々凍りにくい血液は解けて首は落ちる
余りにもチープな時間差トリック。
ほんの1時間、気付かれなければそれでいい。

ミトスは手に付いた血を処理しながら最後の未処理の問題を吟味する。
(あの紛い物はどうしようか?殺してもいいけど、ひょっとしたら
殺人鬼の撒き餌くらいにはなるかも…まあ、後で考えようか。)
風は吹かない。ここで終わり、ここから始まる。だから吹き溜まり。
「さあ、彼女達のところへ戻ろう。ここは寒い。」

「お待たせしてすいません。」
ミトスは深々と5人にに礼をする。
「気にしないで下さい。そんなに待ってないですから。」
そういうミントの顔はやはりどこか物憂げで。
「アトワイトの晶術に関してはさっき教えたとおりだ。ミトス、3人を頼む。」
「分かりました。スタンさんたちが来るまでは、僕が。」
「本当か。」
言うや否や、カイルが剣を抜き、ミトスに剣を突きつける。
それに呼応して、ミトスもまた剣をカイルに突きつける。
「カイル!!」
「大丈夫。」
前に出ようとするリアラとそれを手で制するスタン。

「俺はお前を…信じる。信じるから…だから…!!」
俺を裏切るなと、言葉を殺意に、殺意を剣先に乗せる。
ミトスは少しだけ長い息をついて、
「ファーストエイド」
少しだけ微笑んで、少しだけ彼の外傷を癒す。
「…もしリアラさんたちに何かあったら、その時は、好きにして下さい。」
剣を退き押し黙って、次の句が見つからないカイルの
心中などミトスにとってはどうでも良かった。
間違ったことは言っていない、生理的な罪悪感は封印する。
「それじゃ、皆さん、行きましょう。街道は危険ですから南の森を直進します。」

さあ、今打てる手は全て打った。
僕を追って来いロイド・アーヴィング。父の首を刎ねた僕を憎め!
僕を狙って来いカイル・デュナミス。自分の女を殺す僕を恨め!
フランベルジュとエターナルリングの出会いはお膳立てしてやる。
憎悪に身を焦がし力を欲しろ。どちらでもいい。
エターナルソードを持って僕を殺しに来い!!

その城跡には5つの死体があって、一つはナマス切りの血塗れで、
一つはボロボロで、一つは首が繋がっていなくて、一つは立ったまま死んでいて、

(大事なものは自分の手元においておかないと、失くしてしまうよ?英雄?)

最後の一つは、両目が無いのに、とても歪んだ笑顔だった。
廃墟の古城で嵐が、嗤う。もうすぐ、あの時吹かなかった、嵐が、踊る。

【スタン 生存確認】
状態:ジョニーを殺した相手への怒り
所持品:ディフェンサー ガーネット オーガアクス
第一行動方針:南下してくる敵の迎撃
第二行動方針:仲間と合流
現在位置:E2城跡

【カイル 生存確認】
状態:重度のジレンマ 苛立ち
所持品:フランヴェルジュ 鍋の蓋 フォースリング 
ラビッドシンボル(黒・割れかけ) ウィス
第一行動方針:南下してくる敵の迎撃
第二行動方針:リアラを守る
第三行動方針:クラトスの息子(ロイド)に剣を返す
第四行動方針:ハロルドが気になる
現在位置:E2城跡

【コレット 生存確認】
状態: 無機生命体化 (疲労感・精神力磨耗無視)
所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(残弾0)  苦無(残り1)
基本行動方針:防衛本能(自己及びリアラへの危機排除)
第一行動方針:リアラに付いてG3洞窟へ
現在位置:E2城跡→G3洞窟へ

【ミント 生存確認】
状態:TP75% 重度のショック
所持品:ホーリィスタッフ サンダーマント
第一行動方針:G3洞窟に移動
第ニ行動方針:クレスがとても気になる
第三行動方針:仲間と合流
現在位置:E2城跡→G3洞窟へ

【リアラ 生存確認】
状態:TP60% 衝撃を受けている 
所持品:強化ロリポップ 料理大全
フルーツポンチ1/2人分 ピヨチェック 要の紋
第一行動方針:G3洞窟に移動
第二行動方針:コレットを信じる
第三行動方針:ハロルドが気になる
現在位置:E2城跡→G3洞窟へ  

【ミトス・ユグドラシル 生存確認】
状態:TP70% 左肩損傷(処置済み) 治療による体力の中度消耗
   全身軽度損傷 天使能力制限(一時的) 
   記憶障害の振り(カイルとの戦いを覚えていない振り)
所持品:S・アトワイト(初級晶術使用可能)、大いなる実り、邪剣ファフニール
基本行動方針:マーテル復活
第一行動方針:G3洞窟でリアラを殺しコレットを確保
第二行動方針:ミント・コレットをクレス殺害に利用する
第三行動方針:カイル・ロイドを復讐鬼に仕立てエターナルソードを探させる
第四行動方針:アトワイトが密告した可能性のある場合その人間を殺害
第五行動方針:蘇生失敗の時は皆殺し
現在位置:E2城跡→G3洞窟へ

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