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  • interlude -Stargazer'-

テイルズオブバトルロワイアル@wiki

interlude -Stargazer'-

最終更新:2019年10月13日 16:56

匿名ユーザー

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interlude -Stargazer'-


神聖の光により崩壊した城址は、深夜の寒々とした空気と同じように殺風景で、
遠い宙から届く赤と青の清光が、所々で微かな存在を保つ崩れかけの壁に影を作らせていた。
辺りは暗い。が、影は更に黒を増長させ、まるで深淵に続く穴ではと
一瞬の間でも思わせる程、黒々とした闇が特定の範囲を染めている。
そこに、カイルはいた。様々な方向に向く硬質の金髪は光に映えず、
光沢を失った鈍い金髪は闇に溶けかけていた。
血色のよい、健康優良児の鑑のようなやや浅黒がかった肌は、夜と影の黒でくすんで見える。
光彩を遮られた瞳に星は宿っていない。濁りのない、しかし明暗もない
原色の青い瞳は、ただ一点の方向に向けられている。
南、厳密に言えば南々東、即ちG3である。
脆い、しゃがんで何とか自分を隠す程度の高さの壁に寄り掛かる。ぱらりと小さい音が聞こえる。
壁に寄り掛かったのは敵から身を隠す為(北からはカイルの姿は壁に隠れ見えない)と、
ただ単に丁度そこに壁があったからだ。何かに自分を委ねたかったのかもしれない。
微弱な風が吹き、髪を撫でる。視界を邪魔する。
「カイル君、寝なくても大丈夫かい?」

そこに現れたのはスタン・エルロン、若かりし姿の父。
現在、いや昔? とにかくカイルの記憶にあるスタンよりは髪が長く、
やはり若くて、それでも父という感情は強かった。
ただ今も昔も変わらない朗らかな笑みをたたえている姿は、少し羨ましかった。
今の自分に笑う心の余裕はない。だから、父相手なのに精一杯の愛想笑いを浮かべた。
「・・・はい、大丈夫です。あ、あと俺のことは呼び捨てでいいです」
「そうか? じゃあカイル、俺も敬語じゃなくていいよ。何か慣れなくてさ」
思わぬ申し出に一呼吸おいて、分かりましたと答えた直後に、分かったと訂正した。
そうして、父は夜空を仰ぐ。
見たことのない羅列の星々は、あ、あれメロンみたいだ、あっちは七面鳥かなあ、と
あらぬ星座を想像させ食いしん坊スタンの食欲を更に駆り立てる。
端から聞けばどんな家庭事情なんだと何だかわびしくなってくる。
我が父ながら、と思いつつも、自らも旅の始めで所持金が少ない頃は様々な星を組み合わせては、
パンだのオムライスだの言ってロニを呆れさせていたから、一概に言えない。
──義兄であり親友のロニ・デュナミスは、もうここにはいない。きっと元の世界にもいない。

駄目だ。悲しいという感情は湧いてこない。今あるのは、怒りにも憎しみにも似た釈然としない苛立ちだけだ。
その感情は自ずと顔に出て、険しい表情になる。
それを知るスタンはカイルの気を少しでも紛らわそうと、暗がりにいるカイルの隣に座り、卒然と話し始める。
「星が綺麗だな~。リーネの夜空を思い出すよ。あ、俺の出身って田舎だからさ、その分空気が澄んでて星がよく見えて・・・」
ほら、無駄な明かりもないだろ? そういやじっちゃんやリリスは元気かなあ、と繋げて呟く。
何の反応もしない。
「君も1回見てみろよ。結構気持ち落ち着くもんだぞ」
もう1度。が、やはり何の反応もしない。
諦めか呆れか、そんなものが篭った溜め息をついて、カイルの方へ向き直る。
「・・・寝てた間に何があったか知らないけど、君、少しは落ち着きなよ?」
落ち着く、という言葉が今のカイルに相応しいのかは分からなかったが、他に当て嵌まる言葉もなかった。
声色は至って真剣そのもの。咎めにも似た父の言葉に乗るようにして、やっとカイルも口を開く。
俯き加減の顔に更に影が落ちる。

「俺は・・・ミトスのことが分からない。あいつは絶対危険だって本能が言ってるのに、でも心のすっごい隅に、信じようとする自分もいるんだ。
 リアラをミトスと一緒に行かせてよかったのか、信じてるのか信じてないのか、信じたいのか信じたくないのか・・・」
スタンは押し黙った。やはりカイルの主張はミトスのことだった。
「姉を殺され混乱していた可哀相な少年ミトス」しか知らない、
その悲しみと怯えの裏に狂気を隠していることなど少しも知らないスタン。
先程まではミトスを庇っていたスタンが、真剣な面持ちで少年を見ていた。
「これから君が取る道は2つある」
そうして、スタンはかつて治癒の説明の時にミントがしたように、人差し指を1本立てる。
「1つはここに残って南下してくるかもしれない敵と戦う」
そして、中指が加わる。
「もう1つはここを離れてG3の洞窟に向かう」
カイルの表情が一気に変わった。
輝きともショックとも取れる驚愕が顔に広がり、無言で、いや言葉も出ずスタンの方へと向いた。

「君はリアラ達を心配してるんだろ? なら、無理に戦わせはしないよ。そりゃ頼りにしてるし、
 残って欲しいって言ったのは俺だし本心だけど、君の考えを無視してまで無理強いするつもりもないし。
 ただ、俺はここに残るし、ミトスを信じてる」
心が躍った。
やっと俺の気持ちに気付いてくれた。やっと俺の言葉に耳を傾けてくれた。
カイルは心から嬉しくなった。そうだ、ミトスは危険なんだ。今もリアラが危機に瀕しているかもしれない。
だが──父らしい最後の言葉が、階段を全速力で駆け登るカイルに歯止めをかける。
「あなたは・・・あなたは1人で戦うつもりですか!? そんなの無茶だ!」
「無茶だとは自分でも承知してるよ。でも、君が去るなら仕方ない」
思わず立ち上がり、勢いで腕を横に振るう。しかしカイルの動揺に動じることなく、スタンは静かに首を横に振る。
酷な提案だった。
つまりは、大切な人であるリアラと、父であるスタンのどちらかを選べというのだ。
リアラを選べば、父は残虐非道を尽くす、クレスという人達と1人で戦うかもしれない。
父を選べば、リアラはあのミトスに殺されるかもしれない。

助けてくれる人はいるかもしれない。だが、期待はあくまで期待で、実現するかどうかなんて分からない。
天秤に、大き過ぎて乗せられないものを無理にでも乗せて計れ、と言っているのと同じだ。
しかも2つ。壊れるのは計る方に決まっている。

──駄目だ・・・駄目だ、そんなの! 2回も父さんを失うなんて・・・!!

最後の1段は高い。
「正直言えば、信じて欲しいんだよ。ミトスのことを」
そしてまた父はミトスを庇う。
英雄は狂奔する少年を信じる。
それがカイルを階段を昇るのを躊躇わせる。
そこまで、ミトスは信用に足る人物なのか? 彼の言葉は本物なのか?
それなら、全てを失うことが、英雄への道? それなら、まずどちらかは失わなければいけない?
片方は既に失い、片方は失うことを選んだ。
どちらもとっくに失ったも同じだ。
「・・・1つ、聞かせて」
はっきりとした口調。
「全てを失うことが英雄になることに繋がると思う? 全てを失った人の果てが、英雄だと思う?
 英雄って、何?」
堕ちた英雄の台詞。スタンが知らないミトスの本質。
目を大きくしてカイルを見つめる。向こうの瞳は真っ直ぐで、しかし救いを求めるような真摯さが胸を締め付けた。

もし今のカイルが元の世界にいたら、ひょっとしたら幸福をもたらす神フォルトゥナを求めているかもしれない。
青空の引き込まれるような目が、スタンを引き付けて離そうとしない、離せない、離したくない。
「どうなんだろうな」
声色は真剣。体を起こして立ち上がり、1歩2歩と進む。
父の背中は広かった。
「自分じゃあんま自覚ないけど、俺、元の世界じゃ英雄って呼ばれてるんだ。世界を救った英雄、ってね。
 でも俺は・・・気付いたら、そう呼ばれていた。別にそうなろうとかじゃなくて、大切な人達を守りたいと思って戦っていたら、英雄っていう肩書きがついていた」
誰に語っているのか、迷える少年の方には向かず、広がる荒れ地を視界に含めて
1つ1つの言葉を噛み締めるようにして話していく。
カイルは黙していた。何も言ってはいけない、そんな不思議な侵し難い雰囲気が夜の城跡に形成されていた。
「失ったものもあるけど、全ては失くしてない。
 だから・・・それぞれなんじゃないかな。英雄って言葉1つ取ったって、大勢の人を救った英雄、
 君が憧れるような誰か1人の英雄、色々いる。歴史の表舞台に出ない、名もなき英雄とかもね」

一字一句が体に染み込んでいくのが分かる。
仲間として、父として、英雄として、様々な意味を持つ言葉がカイルの耳に届いては、
爪先まで行き渡り体を駆け巡って頭に行き着く。
がん、と後頭部を殴られるのに似たような感覚があるのに意識ははっきりとしていて、
体の芯が熱くも冷たくも感じて、その存在をくっきりと感じた。
「同じ様に、失ったからこそ・・・英雄になれた人もいるのかもしれない。
 俺は会ったことないけど、君がそんなこと言うんだから、そういう人もいるんだろうな」
その英雄が失ったものは何か。
地位、名誉、信頼、金、家族、友人、恋人、同僚、仲間、世界、自分。
何を失い、何を救ったのだろうか。
「あ、これだけは答えられるよ」
急に声を明るい声質に変わり、振り返る。
運命の英雄の顔に月光がかかった。
「英雄は多くでも、1つだけでも、かけがえのない何かを守れる人のことだ。だから、難しいんだよ」
一陣の風が吹く。やけに夜風は冷たかった。
なびく髪に見え隠れする真剣な表情は英雄という名そのもので、碧眼がカイルを射抜く。
動けない。指先でもぴくりとも。威圧感に似たものが押さえ付ける。
──父はこんなに近くて遠い存在だったのか。

「・・・俺、残ります。あなた1人で戦わせる訳にはいかない」
カイルは先程まで無愛想な顔をしていたとは思えない程の、スタンと同じ真剣な表情になっていた。
苛立ちも消えていた。いや、一時的に鳴りをひそめた、と言った方がいいかもしれない。
スタンは嬉しそうに笑って、ありがとうと頷き答えた。
カイルも笑って頷いた。

今の落ち着いている間に考える。
俺はまだ、本当の英雄じゃないんだ。
まだ失っていないから。本当に信じていなかったから。
それでも俺は守らなくちゃいけない。
かけがえのないものの1つ、スタン・エルロンを。
父を再び凶刃にかけさせる訳にはいかない。まだこの人は死んでいい人間じゃない。
その人に近付く為に必要なこと。
信じること、信じ続けること、それが本当の強さだ。
父さんは最初から信じていたんだ。
信じ続けていたから、あんな強い決断を出来るんだ。
だから信じよう。信じるしかないんだ。
リアラ、どうか無事で。
コレット、ミントさん、リアラを守って。
ミトス、リアラを傷つけないで。

「凄いな、やっぱり」
そう呟いて、聞こえていたのかスタンは微かにはにかんだ。

「ありがとう。でも、そんなことないさ。俺、いつ殺し合いが起きるかってヒヤヒヤしてるんだから」
そしてまた、夜空を仰ぐ。
相変わらず星は地上で闘い続ける、闘い果てた人々のことなどお構いなしに、煌々と輝き続けている。
綺麗なのに冷たく残酷な気がするのはそのせいだろうか。
「俺の知人はもうほとんど死んだ。ついさっきまで生きてると思ってたジョニーも死んでた。
 ルーティにマリーさん、ジョニーに・・・この城にいる、闘技場で戦ったコングマンもか」
体を後ろに反らし、ぽっかり開いた口を見る。姿は見えないが、
その瞳は奥に誇り高く立つ獅子を確かに捉らえているのだろう。
「マリアンさんも死んでたなんて・・・リオンは・・・」
何か言いかけて、口は結局開かれなかった。
リオンの真実を知っている1人だ。故に、何度も運命に翻弄される彼を心苦しく思っているのかもしれない。
「無意識に笑って自分を落ち着かせようとしてるのかもしれないな。案外」
さっきまで座っていた場所と同じ所に戻り、今度はその場に寝っ転がった。
大量の血を吸ってきたこの大地は、温かいのだろうか、冷たいのだろうか?
きっと冷たい。死んだ人の体のように。

スタンはそこに体を直に触れさせて、死を改めて実感しようとしているのかもしれない。
それとも、人は死ねば星になるというから、この空の何処かにいる仲間達を探している?
「俺も・・・大事な親友が死んじゃった。小さい頃から孤児院でずっと一緒だったけど・・・」
隣に座り込み、カイルもまた星を見上げながら語る。
「何でこんなことになったんだろうな。何で・・・こんなことをするんだろう」
腕枕をして転がるスタンに、分からない、とカイルの首は左右に揺れて答える。
「今だけは・・・」
ぽつり。
「今だけは、いつもみたいな話をしたい。忘れちゃダメだけど・・・今だけは、忘れたい」
ぽつりと。
同じ空を見つめて、カイルはささやかな1つの願いを叶えようとする、自ら。
「俺、ずっと憧れてる人がいるんだ」
カイルの声は大分明るかったが、作為的でもあった。
それを知ってか知らずか、スタンは唐突な話題に驚きつつも、うんと相槌を打ちながら聞く。
「その人はすっごく強くて・・・力も、心も・・・俺はその人みたいになりたい、ってずっと背中を追い掛けてきた。
 俺の中で、その人は英雄なんだ」
もちろんその人は普通に英雄って呼ばれてるんだけどね、と付け足す。

「ずっと、どうすればなれるんだろう、って思ってた。
 でもその人はすぐ近くにいなかったから、聞けなかった」
そして顔をゆっくり寝転ぶスタンへと向ける。
何も言わない。沈黙が語る。でも、声が小さすぎて伝わらない。
だから、声に出す。
「あなたですよ」
意味が把捉出来ない、といったようにスタンはカイルを見返す。
「俺が憧れてる英雄はあなただ、スタンさん」
突然のカミングアウト。
スタンは目を大きくして、恥ずかしげに頬をかいた。
何を言おうか、迷ったあげくの次の句が、
「俺の冒険の始まりは飛行竜に密航したことだったなあ」
だった。
いきなり? とカイルが言うと、だって普通の話がしたいって言ったのは君だろ?
とスタンは体を起こし、困ったように微苦笑を浮かべながら言った。
「家出同然だった。帰ったらリリスに怒られるから帰るもんか、って感じだったよ」
まあ案の定帰ったら怒られたけど、と一言。
「そこでディムロスに会ったのが全ての始まりだった。
 それからウッドロウさんに会って、ルーティ達に会って・・・
 あ、ルーティはトラップに引っ掛かっててさ、助けに行ったんだよ」
当時のことを思い出してか、思わず失笑するスタン。

どうやら父と母の出会いは戯曲や小説と違って、あまりロマンチックではなかったらしい。
「それからリオンに会って、そういや電気が流れるティアラ着けさせられたりしたな。これがまた凄くてさ~」
スタンはまだ笑っていたが、これにはカイルも笑った。
父がティアラを着けている姿が想像つかなかったし、つかないのは着けてもどうせ似合わないからだ。
当のスタンはそんな理由など知りもしない。
「それで神の眼を見にストレイライズ大神殿に行って、そこでフィリアに会ったんだ。
 神の眼は盗まれてて、それで俺達は神の眼を追って旅を続けて・・・って、何か一方的に話しちゃってるな。ごめんごめん」
ううん。もっと聞きたい、と答えるカイル。
そっか、と嬉しそうに答えるスタン。
遠くから見れば兄弟に見えるかもしれない。スタンもそんな風に見ているかもしれない。
だが、カイルにとって目の前にいるスタンは、今までの人生の大半を一緒に過ごせなかった、父その人だった。
深夜の城址という似つかわしからぬ舞台の、声量の小さい賑やかな間奏家庭劇の観客は、夜空と瓦礫だけだった。


空に瞬くは満天の星空。
その中に1つ、きらり流れる星を探す。
願いを叶える、奔星とも呼ばれるそれは希望の象徴で、だからそんなものはこの世界にはなくて。
それでも探す。探して、願いを唱える。
それはあまりにも悲しく少年らしい夢です。
どうか、どうか。
楽しかった日々を返して下さい。
いつもの日常を返して下さい。
来る筈だった明日を返して下さい。
一瞬でもいいから、夢でもいいから。
父さんと母さんとロニと孤児院のチビ達とリアラとジューダスとナナリーとハロルドと沢山の人達と、
みんなと過ごし過ごす日々を、返して下さい。



「・・・泣いてるのか?」
何処まで話しただろうか。
不意に見たカイルの大きな青空の瞳から流れたのは、小さな流星。
つうと頬を伝う水の軌跡が、すぐに消えない流れ星の存在を証明していた。
その言葉にはっとして、カイルは目元をごしごしと腕で擦った。
「な、泣いてなんかない! 泣く訳なんか」
「いや、泣いてるだろ。今は変に無理しない方がいい」
行動の手順が逆だった。そう言ってから拭った方がまだ説得力があったかもしれない。
変えた所で生じる変化など皆無に近いが。

あっさり真実を指摘されたことに言葉を詰まらせたのか、その代わりに頭を己の両腕に埋めて顔を隠蔽する。
「・・・ゲームに勝ったら、また皆と会えるのかな・・・母さんやロニを蘇らせられるのかな・・・
 もし皆が死んだら・・・父さんが死んだら・・・」
しばしの沈黙の後に訪れた告白は、彼の本心だった。
顔を塞ぎ込ませたまま、会えなくなってしまった人との再会を願い、会えなくなってしまうかもしれない人達を想う。
ここでスタンは悲痛に襲われると共に、1つの疑問を抱いた。
「母さん」とは誰のことなのか? まさかこのゲームに彼の母親が参加している?
しかし、母親らしい年齢の人物は名簿を見る限りいない。カイルくらいの年齢なら最低でも30以上の筈だ。
そういえば彼は孤児院出身だというから、ひょっとして亡くした母親も
復活出来ると思っているのではないか──そうスタンは結論づけた。
神の眼を破壊したことで崩壊した地殻は、地上に落下し数多の人々の命を奪った。
その際、親を失い孤児になった子供も多くいたという。彼もその内の1人なのかもしれない。
そして、まだ何処かで生きる「父さん」までをも失ってしまうのではないか、そんな錯覚に陥り憂いているのでは。

ミント達と別れる前のカイルの激情、先程までの悩み様、今の泣く姿、
カイルの思考がこの悪きゲームにより錯乱し始めているのでは。
ひょっとして俺はこの子の気持ちを弾圧してしまっていたのでは、
俺もカイルを追い詰めていたのでは、そう思ったからさっきはあんな質問をした。
1度は収まったかと思ったが、ミトスに対する混乱の余波はまだ続いているのだ。
この子の気持ちは、何処にある?
「何でだよ、何でだよぉっ・・・」
そう考えている間にも、カイルの口から鳴咽が漏れ始めている。かける言葉を模索しても見つからない。
せめて気持ちを落ち着かせようと、ぽんぽんと頭を叩いた。そしてやっと見つけた言葉を声に乗せる。
「今の俺があるのは出会ってきた人達のおかげだと思うんだ。仲間とか敵とか関係なしにね。
 その自分を作り上げてきた要素が消えてくんだもんな・・・悲しいし、崩れるのは仕方ないよな」
積み上げられた物は、根本を取ってしまえばいともたやすく崩れる。かつてこの地にあった城のように。
構築の主軸だったのなら尚更だ。
時には揺らぎながらも保つことはあるが、少し衝撃を加えてしまえば、やはり崩れる。
安定するのには多少の時間が必要なのである。尤も、時間を置いて崩れる場合もあるのだが。

「でも、俺はまだここにいる。まだ仲間が生きてるからとかじゃない。
 こう・・・何ていうかな、ありきたりだけど、俺の中にいるんだよ、うん」
それを支えるのは何か、と聞かれれば、物理学で言えば作用点にかかる力、精神論で言えば心の強さ。
なだめる英雄にあるもので、泣きじゃくる英雄にまだ少し足りないものである。
「・・・やっぱり、凄いよ」
カイルは小さく呟く。
「強いよ。俺はそこまで・・・まだ強くない。父さんの方が、沢山の仲間が死んでるのに、父さんはこうで・・・俺はこう」
「父さん」という単語に多少困惑したが、自分を父親と重ねて見ているのではないか、それなら納得も出来た。
なら、本当の父親ではなくとも、せめて今だけは彼の父親らしくいよう。そう思った。
「俺、決めてるんだ。泣くなら、帰ってから思いっ切り泣くって。
 ・・・でもそれは俺の話だからさ、泣いてもいいと思うよ。少しの間でも、誰かの為に泣くのって大事だと思うし」
何も言わず、啜り泣く音だけが聞こえる。伏せる奥の顔には、辛苦の表情が広がっているのだろう。
それを思うだけで、自然と己の心も痛む。また頭をぽんぽんと叩く。
咽びが混じり始め、やがて幼い慟哭が城一円に響き渡った。

【スタン 生存確認】
状態:ジョニーを殺した相手への怒り カイルへの同情
所持品:ディフェンサー ガーネット オーガアクス
第一行動方針:南下してくる敵の迎撃
第二行動方針:仲間と合流
現在位置:E2城跡

【カイル 生存確認】
状態:ジレンマ 潜在的な苛立ち  悲しみ
所持品:フランヴェルジュ 鍋の蓋 フォースリング 
ラビッドシンボル(黒・割れかけ) ウィス
第一行動方針:泣く
第二行動方針:南下してくる敵の迎撃、スタンを守る
第三行動方針:リアラを守る
第四行動方針:クラトスの息子(ロイド)に剣を返す
第五行動方針:ハロルドが気になる
現在位置:E2城跡

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