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テイルズオブバトルロワイアル@wiki

Will in the Darkness

最終更新:2019年10月13日 16:57

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
Will in the Darkness



坊ちゃんは「なんで」と言いました。
私にはあの時何を指して何故を問うたのか見当が付きませんでしたよ。
どちらかというと見当がありすぎてどれなのか分からない、が正しいんでしょうがね。
掌から流れ込んでくる坊ちゃんの感情自体は理解できました。
それがソーディアンですし、なにより私は坊ちゃんとの付き合いが長いですから。
ですから、私は坊ちゃんよりほんの少し早く目の前の現実を
理解しました。坊ちゃんも理解はとっくにしていたのだとは思いますが、
それを了承はしていなかったんですね。坊ちゃんらしいと言うか何と言うか。
繊細なくせに融通が利かない、本当に損な性情だと思いますよ。
多分、限りなく確信に近い多分ですが、あの時目の前にいた人物もまた
そんな坊ちゃんの心情を察していたのでしょうねえ、私以上に。
そして、こう‘なる’ことを、決めたのだと思います。
鏡の中の坊ちゃん、ジューダスは。最初から、答えは明確だったんですよ。


遠くの山から音が鳴って、その後耳の傍で爆音がなった。
少し早いが、鎮魂の音。弔いの鐘。
鳴っているのに、でも、もう、何も聞こえない。

その状況を一番最初に理解したのはシャルティエで、
その彼が一番最初に知ったのは、彼のマスターの右腕が死んだという事実。
肘までが見事に吹き飛んで真っ赤な花が咲いた。
咲いた真っ赤な肉の華、咲いた真っ赤な彼女の頭。
唯唯「あ」とか「ああ」と喉から洩らすばかりのリオンは
既に地面の養分になった彼女のことを思い返すばかりで、
時間さえあれば狂うのに手間もコストもそれほど要らなかっただろうに。

ジューダスは地面に着いた肩膝に力を込めて立ち上がり
目の前の自分を凝視した。戦鬼の如き眼光は、リオンに狂う自由さえ与えない。
「まだだ…ここからだ、これでようやく五分だ」
滅多にヘの字から上がらない唇を鈍角の逆三角形にしてジューダスは剣を握り直す。

聞きたいことなど最初から無い。僕が僕から何を聞く?
こうすることから眼を背けたかっただけだ。

安全ピンが抜ける音から手榴弾を察知して飛び退くまで1秒。
耳は辛うじて生きていたが、景色がやけに白い。
閃光により瞳孔が一気に縮小したからか、目の前が白に霞んでいる。
何にせよ一時的なものであろうが見えないという事実に変わりは無い。
それでもなおジューダス自信に満ちたような微笑は揺るがない。

「貴様の手の内にあるのは何だ?天地戦争の切札、最強の携行兵器だぞ?」
リオンはほんの少しだけシャルティエに意識を移した後、
すぐさまジューダスに神経を注ぐ。覚悟、決意、もしくは諦観。
「僕一人殺すだけなら釣りが来る代物だ。
貴様それでもソーディアン・マスターか?」
シャルティエだけが感じ取った微かな‘揺らぎ’を機に
すぐさまマントを裂き、右上腕に固く結んで止血を施す。
片手と口で15秒、リオンが器用を褒めるべきか、
15秒待っていたジューダスを糾弾するべきか。
何らかの確信に基づく傲慢か、本当に五分の地平に立つことが望みなのか。
余裕とも取れるその行為に従来のリオン=マグナスならば自尊心故に逆上していただろう。
しかし、そのような不純物を一切捨て去った上で、構えを取った彼の眼光に濁りは無い。
刀を持っていないほうの足を前に出して半身になる、自分の剣を射線
から覆い隠す。最短距離で相手を仕留めるリオン=マグナスの必勝型。

「そうだ…もう眼を逸らすなよ?」
微笑を止め、左の剣を水平に、右の刀を垂直に、
十字を形作りスタンスを若干広げて待ち構える。ジューダスの守備後先の型。
沈黙の中で、10cm、1cm、1㎜と両者の間合いが近づいてゆく。
互いの間合いが全て重なったとき、超接近戦の中で戦争が始まった。

始まったのは、乱撃戦。
斬撃、刺突、柄打、考えうる全ての単撃が彼らの前で赤く撥ねる。
眼が見えないことを言い訳にするほどジューダスは甘くは無い。
眼が機能せずとも草を踏む音、血の匂い、目の前の自分が放つ凛とした殺気、
そして何より当人達しか共感できないだろうその剣の鼓動を読みきれば、
眼など不要。寧ろこの勝負は眼で追い切れるレベルの話ではない。
リオンもまたこの乱撃戦に‘必死’になっていた。
この島に来て初めて、必死になった。余裕が無くなったとか全力を尽くすとか
そういう意味合いではない。それは即ち目的と手段の逆転。
目の前にいるのは誰で、自分は何のために戦って、今何をしたいのか?
それらがこの瞬間に限って無意味になる。
こういう暑苦しいのはディムロスの領分だと、
通常の二倍の労働をしていたシャルティエは火花を発しながら思った。

火花散ること三桁を越えた所で剣に十分な加速を得る為、
二人は互いに半歩退く。先に動いたのはジューダス。
若干体を屈めて加速、地面の際で走らせた刃を一気に切り上げる。
第三の月「月閃光」、振り上げた右の月刃に手応えは無く、
しかし未だ見えざる敵の離れたる気配も無く。
伸びた右の手首に力を込めて月の軌道を逆さに返す。
虚ろなる月「月閃虚崩」は、浮かび上がらなかった。
振り下ろす筈の右の手首を穿っていたのは、リオン=マグナスの上段足刀。
月を紙一重で捌き、虚月の出掛かりのこの一撃。
伸びきった手首を更に伸ばせば、折れるのは至極当然。
ジューダスに苦悶の表情が浮かべ、前屈になり頭を下げる。
その無防備な様にここぞとばかりにリオンが飛ぶ。
中空での蹴足の連撃からの一閃「飛燕連脚」。その無様に突き出た頭ごと
頚椎をへし折った上で刺し殺す心算のリオンであった。
頼りなさ気に掲げられた左手を第一蹴で打ち払う。
第二蹴が頭に掛かろうとしたとき、ジューダスが一歩前に出た。
一歩は一歩であるが、幻影刃の際の歩法の一歩。
実に妖しげな速さで中空に未だ滞空しているリオンに繰り出したのは、

「…!ッッ!!」
ほんの少し自分の顎を持ち上げて一気に引いた。
位置的な関係上頭蓋がリオンにめり込む。詰まる所の頭突き(バッティング)だ。
唯のバッティングをするだけでもロニならばともかく、
撃ったのがジューダスであるならば一大事である。
(どういう観点から見て一大事なのかは棚上げしておいたほうが精神上の健康にいいと思う)
リオンが声にならない声と共に転げ落ちる。
なにより狙った場所が場所で、睾丸、まあ、人体急所で言う所の、金的だ。
卑怯でも何でもない。敵の都合のいい位置で空中蹴りをするほうが悪い。

リオンが蹴技を使い、ジューダスが頭突で返す。
ジューダスとリオンの人格を一般論よりほんの少し踏み込んで知っていれば、
魔科学なりレンズ製品なり晶霊機械なりあらすじに書くなり
ありとあらゆる手段を尽くし記憶と記録を模索するに値する
価値をこの一戦に見出せるであろう。
それほど2人のやり取りは戦いとか死闘というよりもっと野蛮な何かである。
少なくともセインガルド客員剣士の剣でも歴史の亡霊の剣でもない。
彼らだけが知っているエミリオ=カトレットの剣は、とても幼稚で、とても強い。

リオンがようやくのた打ち回るのをやめて、息を整え始める。
ジューダスもまた損傷を馬鹿に出来ない手首を引き釣り
ようやく霞が晴れてきた目で吹き飛んだ剣を回収に向かう。
折れては無いもののその右手首は真っ赤になっている。

若干の休息を置いて二人が再び立ち上がる。
リオンが、大地を蹴って斬撃と共に突進。
土が盛り返るほどの踏み込みから生まれる爪竜連牙斬は、
先ほどの物とは比較にならない。
舞い上がった土が剣風に消し飛んでゆく、悪鬼羅刹の行進。
口を動かすのを止めたジューダスはスタンスを大きく広げ腰を落とす。
絶対に退かぬという意思を両の足に込めて、真っ向から迎え撃つ。
ジューダスの手が、消えた。正確には凄まじい速度で斬撃の弾幕、
双連撃から千裂虚光閃への連携が展開された。
リオンの一撃に対してジューダスの五撃で勘定が合ったのだから、
ジューダスが撃ち負けるのも勘定通りといえる。

差し引きで残った最後の一刀を打ち下ろさんとしたリオンは
突然踏み込みを過剰に鋭くし、勢いを自ら殺して退いた。
天才の嗅覚とも呼べる曖昧な何かを信じ、敵との距離を空ける。
誰にも気づかれない程微小に、ジューダスが眼を細める。
振り終えた腕を強引に前に突き出す。
突如地面より湧く黒い波形。先ほどのリオンがいたところに重力震。
中級晶術「エアプレッシャー」が奥義に連携して発動する。
ジューダスとリオンの間に立ち込める重力震の余波による砂煙。

砂煙の中にリオンは一歩踏み出す。
流石に裏の裏を読みきれなかったのは、不可抗力と言えるだろう。
再びぶつかる二人の剣。立ち込める煙。
ジューダスが一足飛びで後退し、剣を払う。
リオンの足元に魔陣「魔人滅殺闇」が広がり、
そこから浮かぶ闇の炎が砂煙、粉塵の中で引火する。
ジューダスの目の前で、リオンを中心に大規模な粉塵爆破が辺りを包む。

目の前で起こる燃焼の連鎖を前にして、ジューダスは敵の恐ろしさを
再確認した。確かに戦いが始まった当初はこちらが優勢だったといえる。
しかし所詮それは向こうが知らないことを知っているというだけ
のアドバンテェジでしか無く、実際徐々にこちらの動きに追いついて来ている。
もはやこちらの太刀筋も全て読まれたといって良い。
「闇の炎に抱かれて…」
ジューダスは風に煽られるマントを靡かせて後ろを振り向く。
脳裏をよぎるのは敗北、中断、例えばデモンズランス。

紙一重でその真槍を避ける。頬に滲む血液、完全な回避。
ソーサラーリングの遣い方も、イクシフォスラーの操縦法も、
悪魔の槍は生殖器に例えられることも、リオン=マグナスが生きていることも、
次に立ち会えば負けることも、ジューダスは全て知っていた。
「…消えるほど、僕は甘く無い、か」
魔人でも出てきそうな煙の中から、影。
出てきたのは紛れも無く自分。些か顔を泥で汚している以外には
先ほどまでと変哲は無い。掘った穴の分だけ、唯でさえ小柄な体が
ますます小さく見えていたが。
「晶術まで使うのか、多芸だな」
穴の中から現れたリオンは、久方ぶりに声を発した。
その手に握られているシャルティエは今しがた発動した晶術の余韻を残している。
土系晶術をインプットされたシャルティエを使いこなすリオンにとって
地面に穴を掘り炎を避けることなど造作も無い話だ。
自分が何故ソーディアン無しで晶術を使えるのか?
そんなことを論ずる気はリオンには無い。もう奇策は通用しないのだから。
「今までの技も剣も置いてきたんでな。多芸にもなるさ」
半歩下って、皮肉を投げつける。
その手をほんの一瞬サックの方へ運び、握り拳を作って選択という誘惑を堪えた。

大気の熱は冷ややかな月達に奪われ、
今しがたのやり取りなどさも無かったように、戦場は静寂に帰依する。
「…お前は、本当に奴に勝てると思っているのか」
リオンが、自問自答する。
奴の言った運命の邂逅がこのことを指しているのならば、
全てが奴の掌の上にあると言っても過言ではない。
例え自身が認めたあの生涯の友であろうとも、覆せぬものもある。
「さあな…少なくとも僕には、無理だ。」
ジューダスは頭を掻き揚げ、自分に言い聞かせる。
奴との、正確には奴の依代との付き合いも長い。
精神論に縋るほど、ロマンチシズムがある訳でもない。
「だが、やるとしたらあいつらだ」
ジューダスは微笑む。酔っているのかも知れない。
それだけ、その言葉には甘美な響きがあった。
「5人も馬鹿がいるんだ、道理の外の何かをしでかすに決まっている」
18年前言えなかった信頼の言葉。
「何一つ諦めない、あいつらは強い」
それを見届けられないのは仕方が無い、やるべきことがあるのだから。

「それでも、運命は、変えられない。僕の罪も、変わらない」
決着の意思を悟り、リオンは型を取る。
先ほどの半身より更に相手に背中を見せて、横目で自分を見据える。
愛するものの名を冠した終の札。
「…そうだな。僕ならそう言うだろうな。だから、こうするんだ」
左の剣を鞘に収め、右半身より更に背中を自分に見せ、自分の剣を射線から覆い隠す。
もう二度と使うことは無いと思っていた、18年前の型。

互いの手の内などもう割れている。だからこそ奥の手。
右半身と左半身、不愉快なほど素敵な素敵なシンメトリィ。

さようなら、エミリオ=カトレット。

「魔人闇!!」

月明かりの中、2人いるのに声量は、1人分。
彼の剣と心臓の間にあったのは、突き出た肘、
その手は刺突の型であったが剣が握られてはいなかった。
盾代わりに捧げられた殺意無き右腕は吹き飛んで、
剣は心臓を逸れ、彼の脇腹に刺さる。
彼の背中から覗くシャルティエは、血涙を流していた。
静寂の中、残された左の腕が短剣を抜く。
剣を掴んだまま、ほんの一瞬、彼は動かない。

「心臓だ。この攻撃はガードし切れん。過去を断ち切り、お前は生きろ。‘ジューダス’」

するりと音も無く、青い短剣が肋骨を片道通行した。
心筋に一筋、彼の服を紅く汚していく。
血液と共に崩れ落ちる意識の中、彼は自分に聞く。
僕という存在が運命に縛られているなら、
僕は、誰で、どこから来て、どこに行くのか。
その答えを聞く前に、彼の意識は仄暗い穴の底に沈む。

彼は一言も漏らさぬまま、毅然とした態度で自分の腕を拾う。
腸が抜け落ちないだけマシとは言えるが、
もう幾許の余裕も無い出血量であるはずの体を騙し
意識の無いもう1人の自分の腕に「ねじ込んだ」。
唯でさえ青白いその顔を蒼白にして、彼はサックから小瓶を取り出す。
長寿の霊薬・エリクシール。少しだけ眼を閉じて逡巡。
彼はこの島で出逢った仲間達に1つだけ嘘を付いていた。
彼がこの薬の使用を躊躇っていたのは戦略上の理由ではない。
放り投げた小瓶は弧を描いて眠る彼の上へ。
仲間達に出会う前から考えていたこと、この島に自分が2人いることの意味。
出逢った時、どうするのか、どうなるのか。
残った左手が、自分の下に収まった剣に添えられる。
生きたい。生きて幸せを掴み、戦友と共に歩めたら、でも。
答えを決めたのは3人目の仲間に出会った時。
彼は姉を殺した男を赦した、憎むのではなく罪を償う機会を
与えてやれば良いと。それが答えだった。
自分を赦すことなど出来はしない。だが、この目の前の自分にならば。

汝跪きて罪を捧げよ。浄罪の刃を経て、我は汝の全てを赦す。

僕がここにいる意味、それは僕が僕を赦す為。

最後から二番目の一刀を縦一文字に薙ぐ。
小瓶は割れ、霊薬が、眠る僕へ。
僕の顔へ、口へ、右腕へ、左足へ、降り注ぐ。

私がジューダスに刺さった時、彼の感情が流れ込んできたんです。
ミクトランに刺さったベルセリオスもこんな感覚だったんですかね。
柄から坊ちゃんの感情が、刀身からはジューダスの感情が流れ込んできて
大変でしたよ。でも、それほど辛くは無かったのですね。
実際根本的なものは同じですから。
私はジューダスと色んな話をしました。

戦いの最中苦しんでいたんですよ、彼も。
実力が均衡しているならエリクシールを使えば勝利は揺るがない。
坊ちゃんを殺してミクトランの駒を消す。そして仲間達と共に
ミクトランを倒してハッピーエンド。その誘惑とずうっと戦っていたんです。
それでも、ハロルドにフォルスという鍵を託した以上、残された全てを
切り捨てた過去の為に使うことにしたんです。
わざわざ相手に技を見せて、晶術を公開し、奥義を披露した。
一人で戦う為の技を実戦で教授したんです。一人で戦えるように。


種明かしを、一つ。
坊ちゃんの行動は、全て「見られて」いました。
教会で坊ちゃんがジューダスの顔を知ったときも、見られていました。
私が、見ていました。全部、見ていました。

ミクトランは私を坊ちゃんに渡すときこう言いました。
「私からのほんのプレゼントだ。おまえがこの舞台で運命の邂逅を 
果たした時に、それがないと楽しみが一つ減るのでな」
坊ちゃんの戦力として、2人が出逢うまで坊ちゃんを守り、
もし出逢えたなら、僕の眼を通じてそれを観戦する。
それが、私がここに存在する意義、あるいは、機能なんです。

「チャネリング」…ピピピな電波は自動的に、受動的に、四肢を侵しめる。
でも、操られている側が操られている事実に気付かなければ
そこに疑問の余地は無いのですよ。それが運命という物のシステムですから。
実際、ジューダスが気付かなければ私も一生気付かなかったでしょう。
私が伝えていることは知っていましたが具体的な仕組みには無知でした。
コアクリスタルに仕込まれていたんですもの、分かるはずもないでしょう?
マリアンを殺し、ジューダスの存在を伝えてまでこの戦いをお膳立て
するミクトランにとってこの戦いだけはその眼で見たかったのでしょうね。
それだけの為に、坊ちゃんは再度ミクトランに運命を翻弄されたのです。
私がこう言うのもなんですが、ミクトランにとって、坊ちゃんがここにいる意味は
それだけだったんでしょうね。マリアンの死すら、機能的な意味しか持っていなかった。
現に、奴はマリアンを殺したときも、坊ちゃんが狂ったときも、画像に興味を持たなかったんです。
あるいは、ヒューゴ=ジルクリフトの感傷、とでも言うべき何かが存在していたのか、
そう考えるよりは、自然だと私は思いました。

議論の余地はまだ在るのですが。時間も無いので、最後に、問題を一つ。
私はいつミクトランに操作を受けたのでしょうか?
私はどうやって操作を受けたのでしょうか?
私は実はよく出来た贋物なんじゃないでしょうか?
私は本当にソーディアン・シャルティエなのでしょうか?
私は、誰なのでしょうか?
私がシャルティエであるという証明も、反証ももう出来ません。
ずっと考えていた疑問を、私は最後に彼に聞きました。
彼は何も答えません。
答えに意味は無く、唯それを問うことに意味があるのですから。

シャルティエかもしれない私は、唯坊ちゃんが日の光を再び歩むことを願うばかりです。


結果が出る前に彼は手ごろな岩の上に腰を落ち着け、体を岩に預ける
落ち着けた途端に一気に血が吹き出、腸が洩れた。
力無く縋るように月を見上げたジューダスの鼓膜が、規則的に震える。
冷えた空気に澄み渡る教会の鐘の音。幻聴かもしれないがそれは問題ではない。
聞こえていたほうがロマンチックだからそれでいいのだ。
空に月、祝福の鐘、残した希望。自害するにはもってこいの夜。
過去を断ち切るのではなく、過去を変える。
その為の代価はあまりに大きい。
シャルティエ、マリアン、リオン=マグナスという名前、他の全てを引き換えとする。

彼は一言ぼそりと呟いて最後の一刀を振り下ろした。首輪への衝撃。
破壊力が首の周りに収束し、首の周りにあるもの全てを破壊する
頭蓋も、脳も、眼球も、舌も、鼻も、そしてコアクリスタルも、全部。
少し遅いが、鎮魂の音。弔いの鐘。
鳴っていないのに、でも、何かが聞こえた。

「これで、おそろいだ」


その行為は実に問題無く行われました。
この戦いが終わった以上、ミクトランにとって
坊ちゃんも私も存在価値が無くなったのでしょう、多分。

ああ、でも、もう一つ問題が残っていましたね。
この勝負、結局どっちが勝ったんでしょう?
勝ち逃げか、生き残ったほうが勝ちか、解釈は様々なんですが
模範解答は一つしかないんですよ。


「坊ちゃん」が勝ったんです。

【リオン=マグナス 生存確認】
状態:意識不明 心臓損傷 出血多 エリクシール回復中(右腕接続?)
基本行動方針:???
所持品:無し(袋散乱の為)
現在地:E5東

E5東にあるもの…アイスコフィン 忍刀桔梗 首輪 簡易レーダー 
ジューダスのサック、竜骨の仮面(ひび割れ)、コアクリスタルの欠片 チャネリング

【ジューダス 死亡】
【残り22人】

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