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  • 戦線のコンチェルト

テイルズオブバトルロワイアル@wiki

戦線のコンチェルト

最終更新:2019年10月13日 21:01

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

戦線のコンチェルト


[side:K]

上擦り気味の声で去り行く男に叫びかけても、男は振り返らなかった。
声の主である少年は追いかけようとするも足の傷が痛んで怯んでしまった。
自分の足と消失点の向こうへと消えていく男を交互に見ることしか、無力な彼には出来なかった。


完全に男の影が消えてからしばらく経つ。広場には再び彼1人だけが取り残されていた。
相も変わらず西からは戦いの音がする。
「……鈴の音、ってどういう意味だろ」
彼はどこか不満げな音で言い、顔をしかめさせていた。
『分からん。我らは聞いていない上に、鈴なんて小さい音が聞こえるとも思わん』
未だ彼の手に握られたままである炎の大剣はコアを光らせながら答えた。
少年も頷き同意を示す。おかげで彼のしかめ面は尚更酷くなった。
手がかりとなるヒントもまるでない上に、彼は頭脳労働は苦手だ。
「追いかけた方がいいのかな?」
そうなると行動的な提案が出るのも至極当然である。しかし、物言う剣の反応は明朗なものではなかった。
『射手であるティトレイを放置するのは危険だが、1人でこの霧の中を追うのもリスクが高い。
 ……奴はまるで気配がないからな』
「でも、東からアトワイトさんが来たってことは」
『ああ。その方面にミトスがいる可能性は高い』
剣の言葉に、少年は顔に真剣みを帯びさせた。
彼にとって、ミトスがいるということはその場にミントもいるということだ。
兄や知人の死に喚き散らしていた自分を諭してくれたのはあの人だ。
悲痛な叫びを上げていたあの人を助けない理由は、自分にはない。
しかし同時に、こんな足でミントを連れ出すことは出来ず、万が一の時、箒に乗ってではミトスを倒せる保障もないと、
そんな考えが頭で浮かんだ。
今の自分1人ではミントを助け出すことも出来ない。
ましてや、仮にティトレイがミトスに何らかの目的で呼ばれたのだとしたら、下手を打てば2対1の状況を強いられる。
もちろん、1は自分の方だ。これでは無策の玉砕突撃に等しい。
「……少しでも、手があれば……」
行き場のない感情が少年の胸の内でわだかまり、どうにも歯痒かった。


[side:K']

メルディの手を握ったままエアリアルボードで駆ける青年、キール・ツァイベル。
走るのは彼の運動能力の低さを考慮すれば却下だ。何よりも時間が惜しい。
彼にとって、これからのことを考えればミトスに接触するのは重要なファクターなのだ。
もしあのコレットを昨夜のE2でのクレスに例えるなら、ミトスが行おうとしているのは一斉殲滅。
一気に時空剣士2人を葬ってくれるのはありがたいが、同じ西にいては巻き添えを喰らい兼ねない。
西にミトスがいないと分かっただけでも十分な収穫だ。
しかし、それならミトスはどこにいるのか。
グリッドの言葉が思い起こされるも、馬鹿馬鹿しいと頭を振った。
(南には僕たちがいた……ミトスもそこにいたなら接触してきた筈だ)
そうなると残るのは北か東。何にせよ、中央広場に向かわなければ最短距離では移動出来ない。
西を離れ少し経ち、その広場にもうじき着く。
霧は相変わらず白く広がっている。視界は不明瞭で、物の少ない広場ではぼんやりとした縁取りしか見えず、
だからこそ目の前に見える影に反応は遅れてしまった。
白亜の中にうっすらと灰色のシルエットが浮かぶ。
思わずエアリアルボードを解除し急停止する。
手が伸ばされるかのように、霧の中から金髪が現れる。
飛び跳ねるような金髪にもしやという一抹の期待は裏切られ、そうして青い瞳とあどけない顔立ちが見えるようになった。
相手も突然の来訪に驚いているのか、丸い目と、僅かな警戒をキールへと向けている。
それも、見知った相手だと分かってか、ふっと和らいでいった。
ただ単に仲間に会えたというよりも、もっと強い安堵と眼差しを見せていた。
「よかった、2人とも……来てたんですね!」
座り込んだまま言うカイルに、キールは相手の足元を見やる。
やはり骨折したままの足では思うように動けないのだろう。全身には傷もあり、E3を離れた時よりも増えている。
ひとまず駆け寄り、治癒晶霊術を唱え身体の傷を癒す。


キールにとってカイルとの邂逅は予想外だった。
確かに西にカイルとティトレイはいなかったが、中央に1人いるというのはどこか頭の片隅から抜け落ちていたのだ。
とりあえず疑われる材料を作らないためにも治癒を行う。
「1人で何をしている?」
術を唱えたまま問いかける。
「東から反応があって、アトワイトさ……あ、ええっと、コレットと戦ったんです。でも、西に行かれてしまって」
手に持ったディムロスを見せるように掲げてカイルは説明した。
そしてはっとしたような顔をして手を振る。
「それで、その後ティトレイがここを通って東に行ったんです。音がするって」
「音?」
彼は耳を澄ませるも、何の音もしない。せいぜいが風の吹く声と西からの剣戟音だ。
「何もしないんですけど、でもそう言ってました。やっぱり東には何かあるんだと思います」
なるほど、と一言添えてキールは目線をカイルから奥の風景へと移す。
口元が少し上に向きそうになるが、何とか堪える。
ティトレイの信憑性はともかく、コレットが東から来たのならミトスも同じ方向にいる可能性が高い。
再びカイルの方へと目を移す。
その顔は焦っているような、しかしどこか希望に満ちた色のようなものが見える。
つまり、期待だ。
カイルは彼に対して、一緒に東に行ってミントを助け出してくれるという期待を抱いている。
紛れもなく仲間だと思っているのだから。
キールの目が細められる。
カイルは剣の扱いに優れる前衛型の剣士だが、今は両足の骨折、おまけに左足甲の刺し傷のせいで箒での移動を余儀なくされている。
おかげで本分ではない術士のような役割に就かされている。ソーディアンがなければ間違いなく戦力外だっただろう。
足だけではなく、股間や全身の傷もある。彼は1度低く唸った。
カイルはロイドと違って、脱出に関わるようなキーパーソンではない。
仮にミトスの軍門に降った後でも、カイルが協力するのを拒めば武力屈服ないしは破棄も有り得る。
要するに、絶対に必要な人物ではないのだ。
グリッドのスケープゴートにちょうどいいか、とずいぶん稀薄な考えがキールの中で浮かんだ。


カイルはじっと彼を見つめ、少し不思議そうな顔をしている。
意味もなく流れた沈黙が作り出す溝に、カイルはまだ気付いていない。
霧によって覆い隠されたキールの黒い眼光に気付いていない。
だが、疑惑の分量はどれほどにせよ、カイルもまた1人ではなかった。
『キール、お前はメルディと一緒なのか?』
突如発せられたディムロスの声に、キールは一瞬口を噤む。
質問の意図は彼にも推測可能で、いつか来るだろうことも分かっていた。彼は1拍置いて淀みなく答える。
「ああ。戦えないグリッドが入村までするのは危険と考慮して、今は入口に待機させている」
『……1人で残す方が危険ではないか?』
「いや、何が起きるのか分からない。ましてやクレスもミトスもいるんだ。凡人のあいつは残すのが賢明――――」
唐突にキールの言葉は遮られる。
ぴりぴりとした、肌の上で酸性の泡が立つような感触。耳の奥でごお、という低い地響きが聞こえる。
単なる耳鳴りかとも思ったが、違う。そしてこれは地鳴りでもなかった。
空気が、波紋を立てるように震えている――彼は空を見上げた。
空が夕方前の空のように、黄ばみがかった白に染まっている。しかしまだそんな時間になるには幾分早い。
何よりも、その白の中央には正反対のどす黒い闇が渦巻いている。
一見しただけで感想は良いものではない。
あれが、ミトスの狙っていた盤面をリセットする撃鉄か。
「一体、あれは――――」
同じく空を見上げていたカイルが呻いた瞬間、中央の闇から光が降り注ぐ。
ちょうど真下に落ちてきた光の1つが3人の近くへと着弾する。
3人はなす術もなくただそれを眺めていたが、大地に焼き付いた熱の跡や衝撃で抉られたのを見て、
事態はただならぬものだと気付いた。
光は四方問わず飛んでいるが、特に西に多く集中していた。
鏡に反射しどこもかしこも行き交う光景は、まるで光の1つ1つが意思を持っているようだった。
それも、悪意という名の。
キールは2人と共に避難しようと移動を試みたが、カイルは足の怪我もあって動けない。
このまま見捨ててしまおうか、と脳裏の悪魔が囁く。しかしその手を打つにはまだ早い。
落ちっぱなしの箒の下に向かおうとして、1本の光の束が鏡に反射して軌道を変え向かってきた。
その通過点にはちょうど、ぼんやりとしたままの少女が立っている。


「メルディ!!」
彼にしては咄嗟の、いや少しは鈍い反応だったから咄嗟なのか、とにかく彼はメルディの下へと飛んだ。
彼女の身体を突き飛ばして、その上空を光が飛んでいく。
そのまま光は直進して先にある民家へと衝突した。
間一髪。あと少し遅ければ彼女の肉は塵も残っていなかった。
しかしそれは彼の勘違いだった。
何が勘違いかと言えば、メルディを突き飛ばしたのは別に彼ではなかったのだ。
証拠にキールの身体はメルディの前で倒れている。
あっという間の出来事で、キールの目に確かに焼きついているのは黒、その一言で済むものだった。
影、残像、そんな類のものだけなのだ。
「……大丈夫か?」
彼は立ち上がり、座り込んだまま無言で首肯するメルディを見て、一息こぼし安堵の表情を見せる。
今までのどこか冷たい面持ちとはかけ離れた穏やか過ぎるものだった。
だが、すぐに腑抜けた表情に戻って天を仰ぐ。
ひとまずミトスの策、無差別攻撃は終わりを迎えたようだった。
別に緊張の糸がほどけて気持ちまで緩んだ訳ではない。何故メルディは助かったのか、それだけが腑に落ちなかった。
神風か、それとも――――
「飛行機、黒い羽」
「……烏?」
カイルとメルディが唐突に切り出す。
2人とも呆然としたように一点を見つめている(尤も、メルディは元々そんな顔になってしまっているが)。
キールの頭が2人の言葉に導かれるように映像を再生する。
メルディを突き飛ばそうとする自分の横を通り過ぎる黒、影、背中の黒、不敵な笑み。
すっと身体の熱が下がっていき、頭が透き通る。あれは、あれは――何だ。どうして「生きている」。

次の瞬間にはメルディの手を引いて走っていた。


[side:K returns]

「あ、キールさん、待っ……痛っ!」
薄情にも自分を置いて駆け出したキールをカイルは追おうとするが、足が痛み咄嗟に庇ってしまう。
その内にキールと、なすがままに引かれ走るメルディは奥へと消えてしまった。
霧は先刻の光によって掻き消され、視界は澄み渡っている。
キールが消えたのは自身もさっきまでいた方角、西だ。
そして、西に向かって右、左、右、左と地面がめくり返ったような形跡があった。
あの光によるものではないとカイルは直感する。あれは、走った跡だ。
「さっきの人は誰? ロイドみたいな羽が後ろにあって……」
カイルの動体視力でもごく僅かしか姿は捉えられず、記憶に残っているのがそれだった。
ましてや光による状況の混乱や少しばかりの霧もあったのだから仕方なかった。
『私にも分からん。羽、ということはロイドたちの世界の住民か……。
 だが、キールの様子を考えても一刻も早く追わなくては。あいつの様子は、以前と違いどこかおかしい』
「別に普通じゃなかった?」
『……そうだろうか。私の勘違いかもしれないが』
カイルの顔が少しだけ怒気を帯びる。
「ディムロス、前もあったけどさ、疑うのを前提にしちゃ駄目だ」
言っていることは甘く、子供じみた言葉だったが、顔をむくれ上げたりしない対応は彼の言葉に相応の説得力を持たせていた。
ディムロスも彼に圧され、つい封殺されてしまった。
以前なら自分がこの少年を嗜める立場であったというのに、一体この短い間のいつ、形勢は逆転してしまったのか。
けれども例え自分が下になったとしても、不快感はなくむしろ充実感のあるものだった。
いつか、子供は大人を越えていくものなのだから。
果実酒のように甘美な悦がディムロスを満たして、小さく息をついた。
そのカイルは改めて西を見つめる。
「あっちの方がひどかったし……2人が心配だ」
身体を引きずらせ落ちたままのミスティブルームの方へと向かう。
ゆっくりと、しかし確実に箒へと近付いて、やっと手にしようとした時にカイルの耳は1つの物騒な物音を聞く。
「え?」
その音がしたのは、誰もいないであろう北からだった。


[side:C]

クレスの叫び声が西の空間を満たし、1つの背景音楽として完成する。
しかし、ロイドはそれをまるで歯牙にもかけずにいた。
ただがむしゃらに剣を振り、コレットを敵とみなすヴェイグに一撃を加えている。
ヴェイグはクレスの発狂を把握していたが、ロイドの相手で手一杯だった。
ちらりと一瞥を投げても相変わらず頭に手を当て髪を掻き毟っている。手や顔に飛び散った血は鮮やかな赤色をしていた。
「よそ見してんじゃねぇッ!!」
時空の力を帯びた2刀がヴェイグへと牙を剥く。
氷を纏わせたチンクエディアで応戦するも、天使の馬鹿力はもとより
我を失いかけているロイドのでたらめな力は強く、押されがちになり防戦一方になってしまう。
故に、隙の大きくなった所を狙うカウンターでヴェイグは攻め、的確に攻撃を加えていく。
云わば力と技の戦いだった。
ヴェイグも大剣使いで、どちらかと言えば大味な攻め方をする方だが、
今のロイド相手にはこの戦い方が1番理に適っている。
がきん、と相手は木刀の筈なのに金属を思わせるような鈍い音が鳴った。
霧で濡れた髪から水の飛沫が飛び散る。
「ロイド、まだ分からないのか!? あいつはお前にも攻撃したんだぞ! それでも仲間だと言い張るのか!!」
「うるせえ! コレットは仲間だ! ただ、ただ誤解して、何かされてるだけだ!
 それに一撃加えただけで仲間じゃないなら、お前なんてもう仲間じゃねえッ!!」
剣を交差したままの状況が変わり、互いに間合いを取る。
「調子に乗るなよッ……!!」
支離滅裂な会話を交わして、2人は再び剣を交える。
攻撃を捌いては一撃を与え、また相手の剣を受け止める。両方ともその連続だった。
仲間である筈の2人は本当に無駄な労力を使っていた。
尤も、ロイドは天使と化しているため、体力を消耗しているのはヴェイグだけなのだが、
だからと言って頭に血が昇っているロイドがそんな迂遠な策を思いつき、実行している訳では当然なかった。
コレット、もといアトワイトは2人の様子を見て喜びほくそ笑むべきなのだろうが、そんな気には到底なれなかった。
目前で悶え苦しみ、箍の外れた声を上げる男。
頭から血を被ったように、べったりと付いた顔面の血が、アトワイトには恐怖の象徴でしかなかった。
この男は、真に違う世界の人間だ。いくらミトスでもこいつには敵うか分からない。
ましてや、自分が制圧出来る訳もない。
早くジャッジメントを発動させて、とアトワイトは心の中で願い続けた。
彼女には場を混乱させる役目があるというのに、まるで自身の足は動いていなかった。
その代わりに、優しいロイドは汲み取ってでもくれたのか、見事に混乱してヴェイグを巻き込んでいる。
結果として間接的に目的は果たしているものの、アトワイトの全身には畏怖が埋め尽くされていた。
誰か、誰か助けて。お願い、誰でもいいから、あの人でもいいから。
ふと視線が合い、クレスの手が止まる。激しく動いていた腕がぴたりと、ブレ1つなく止まる。
「ミント」
クレスはぽつりと呟き、頭に当てていた手をコレットの身体の方へと伸ばす。


「ミント、だいじょうぶ、君は僕が、僕が守るから」
グローブや銀の篭手に付着した血が白の霧の中で映える。
何よりも、殺人鬼らしからぬ笑顔が浮いたように血と対比され強調されている。
ふるふると小さくアトワイトは首を振った。
それに気付いたロイドが咆哮を上げる。そして一気にヴェイグを吹き飛ばし、コレットの下に向かおうとする。
しかし感覚のない天使の足が動くことは叶わなかった。
足元に氷が張られ、ロイドの膝下まで及んでいた。
「ヴェイグ、てめえッ……早くこれを――――」
叫んで、目の前が一瞬で光の壁に遮られ、出かけた声を呑んだ。
オールバックの鳶色の髪が風に煽られ、身体の動きが止まった。
すぐに消えた光の跡は黒く焼きついている。
ロイドの嗅覚は機能していないが、きっと大地が焦げるとしたらとても嫌な臭いなのだと思った。
きっと臭いなんて本当はしないのだろう。だが、今目の前の状況が好転の兆しだとはとても考えられない。
あ、な、と呻いて、もう少し前に出ていれば天使であろうと自分は死んでいたと、やっと気付いた。
理由が氷解するのと共に足に纏わり付いていた氷も消えていく。
呆然としたままのロイドが更に突き飛ばされ横転する。そのまま横を光が駆け抜けていく。
覆いかぶさったままのヴェイグは、下にいるロイドを残された片目で睨みつけた。
「ぼうっとしている場合か!」
「ヴェイグ、どうして」
起き上がり、目の前に向かってきた光に反射的に氷壁を作り出し防ぐ。
「いつまでふざけているつもりだ。お前が死んだら何もかも台無しになるんだぞ」
熱で氷は溶け、僅かに残り防ぎきった氷が砕け散る。
目の前でいかにも死にそうな人間を無視することも、ヴェイグには出来なかった。
ロイドの頭の中で上がっていた熱の温度がようやく下がっていく。
「……ごめん、悪かった」
今も西には光が降り、家や木々を燃やしている。
鏡に反射して上からではなく左右からも光が飛ぶ光景は異様で、まるで何かの包囲網のようだった。
「けど、だからってコレットのことまで認めた訳じゃない。絶対にコレットは俺の仲間だ」
「まだ言っているのか?」
「何か事情があるんだ。少なくとも、コレットはあんな大人っぽく笑うんじゃなくて、にこって愛想笑いをするんだ」
愛想笑いって良いものなのか、という疑問が浮かぶも、ヴェイグは呆れた風に溜息をついた。
「お前の言うことはとりあえず分かった。だが、どうやってそれを見定める?」
「分からない。でも、絶対にどっか違う……」
振り返ったロイドは、何重にも重なった光線の先を見据える。
バリケードのように2人を遮り妨げるその先に――クレスとコレットがいる。
光の舞台の中を、クレスは歩いていた。それも止まることもなく、コレットの方へよたよたと進んでいた。
赤く塗れた手を差し出して。
思わずロイドは飛び込もうとするが、ヴェイグに腕を掴まれ阻止される。


「離せよ! コレットが、コレットが!」
「あの中に突っ込む気か! いくらお前でも危険過ぎる!!」
口論の内に再び上空から光が落ち、2人はバックステップを取って回避する。
1歩後ろに下がり離れる間に、クレスはまた進んでいた。
光の1つがクレスに落ちるも、瞬時にエターナルソードで地を叩き作り出された守護方陣で跡形もなく掻き消される。
そして何事もなくクレスは進む。
アトワイトもまたじりじりと下がるが、ミトスの放ったジャッジメントが逆に災いして、大した身動きも出来なかった。
彼女の下に直接落ちることはなかったものの、他に落ちるのだから動ける訳がない。
その他に落ちた光をクレスは無理矢理にでも消して進むのだから仕様もない。
遂に、手がコレットへと伸ばされる――――顔に伸ばされるそれがロイドには首を絞めようとしているとしか思えなかった。
「止めろ……止めろおぉぉぉぉッ!!!」
進もうとするロイドの身体を強引にヴェイグが押さえ付ける。ロイドの絶叫が虚しく空に響く。
しかし、その絶叫もまた1つの音に掻き消される。
耳をつんざく一瞬の轟音。
視界が白ばみ、勝手に筋肉の刺激が混信し、身体が痺れなす術もなく地に膝を付ける。
男のその行動を、目の前に立つアトワイトは混乱気味に座視していた。
一体何が起きたのか。ミトスの術ではない。同じ光速の速度を持ちながら、属性の違う術。
いや、そもそもこれは術なのか?
益々分からない。ただ1つ言えるのは、これが天から降ってきたということだ。
彼女は天を仰視する。ロイドとヴェイグもまた同じ行動を取る。
霧が消え、太陽の光が差し込む空が見え、民家の屋根が現れ、その青の中に浮かぶ黒い影。
暖かい陽光を背に受けるシルエットは、少しだけ透き通った影を持っていた。
何枚もの羽根のような影――否、それは光である。

ある伝承では、3本の足を持つ烏が太陽の中にいるという。
またある伝承では、その烏は険しき道の先導にもなったという。
そして何にせよ、格好いい男は高い所から現れるものだ。
「おいおい、この俺様を置いてそのまま忘れっぱなしてのはいい度胸じゃねーか? ん?」
聞き覚えのある、やけに自信満々な声が2人の声を満たす。
ロイドとヴェイグは驚いたような顔をしてその人物を見上げる。
膝を付いていたクレスもまた、殺気に満ちた表情で声の方を見つめる。
右手には約束の双身剣、突き出したままの左手には電気を帯びたままの指輪。
懐かしい顔が遂に現れた。
「主役のお出ましだ。どいつもこいつも照覧しやがれッ!」
1羽の正義の烏。黒い天使の羽を背負うその者の名はグリッドといった。


【カイル=デュナミス 生存確認】
状態:HP40% TP20% 両足粉砕骨折(処置済み) 両睾丸破裂(男性機能喪失)
   右腕裂傷 左足甲刺傷(術により処置済み)
所持品:鍋の蓋 フォースリング ウィス 忍刀血桜 クラトスの輝石 料理大全
    蝙蝠の首輪 レアガントレット(左手甲に穴)セレスティマント ロリポップ ミントの帽子
    S・D 魔玩ビシャスコア アビシオン人形 漆黒の翼のバッジ ペルシャブーツ ミスティブルーム
基本行動方針:生きる
第一行動方針:北からの物音が気になる
第二行動方針:西へ向かい、ロイドとヴェイグに合流
第三行動方針:守られる側から守る側に成長する
第四行動方針:ヴェイグの行動を見続ける
SD基本行動方針:一同を指揮
現在位置:C3村中央地区・広場東側付近

【ヴェイグ=リュングベル 生存確認】
状態:HP25% TP15% 他人の死への拒絶 リオンのサック所持
   両腕内出血 背中3箇所裂傷 胸に裂傷 打撲
   軽微疲労 左眼失明(眼球破裂、眼窩を布で覆ってます) 胸甲無し
所持品:チンクエディア 忍刀桔梗 ミトスの手紙 ガーネット
    45ACP弾7発マガジン×3 漆黒の翼のバッジ ナイトメアブーツ ホーリィリング
基本行動方針:今まで犯した罪を償う(特にカイルへ)
第一行動方針:状況の把握
第二行動方針:コレットの撃破?(但し、完全に敵と見なしてはいない)
第三行動方針:ティトレイと再接触した場合、聖獣の力でティトレイを正気に戻せるか試みる
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前

【ロイド=アーヴィング 生存確認】
状態:天使化 HP25%(実感無し) TP30%(TP0で終了) 右手甲損傷 心臓喪失(包帯で隠している) 砕けた理想
   背中大裂傷 顔面打撲 右頬に傷 太股と胸部に傷
所持品:ウッドブレード エターナルリング
    忍刀・紫電 イクストリーム ジェットブーツ
    漆黒の翼のバッジ フェアリィリング
基本行動方針:最後まで貫く
第一行動方針:コレットを守る
第二行動方針:エターナルソードの為にクレスを倒すand(or)コレットの為にミトスを倒す?
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前

【クレス=アルベイン 生存確認】
状態:HP35% TP45% 善意及び判断能力の喪失 薬物中毒(禁断症状発症は18時頃?)
   戦闘狂 殺人狂 殺意が禁断症状を上回っている 放送を聞いていない
   背中大裂傷 胸装甲無し 全身に裂傷 発狂寸前 背中に複数穴 軽度の痺れ
所持品:エターナルソード クレスの荷物
基本行動方針:ミントを守る?
第一行動方針:目の前の3人を殺す?
第二行動方針:ティトレイはまだ殺さない?
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前
※今のクレスにはコレットとミントの区別が付きません


【アトワイト=エックス@コレット 生存確認】
状態:HP90% TP20% コレットの精神への介入 ミトスへの隷属衝動 思考放棄?
所持品(サック未所持):苦無×1 ピヨチェック エクスフィア強化S・A
基本行動方針:積極的にミトスに従う
第一行動方針:この場から離脱し鐘楼まで撤退、以後ミントと実りの守備
第三行動方針:コレットの魂を消化し、自らの力とする
第四行動方針:ミトスが死亡した場合、命令を遂行する?
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前

【コレット=ブルーネル 生存確認?】
状態:魂をアトワイトにほぼ占領されつつある 無機生命体化 外界との拒絶
所持品:アトワイト・エックス@コレット・ブルーネルと同じ
基本行動方針:待つ
現在位置:アトワイト・エックス@コレット・ブルーネルと同じ

【メルディ 生存確認】
状態:TP50% 色褪せた生への失望(TP最大値が半減。上級術で廃人化?)
 神の罪の意識 キールにサインを教わった 何かが見えている?
所持品:スカウトオーブ・少ない トレカ カードキー ウグイスブエ BCロッド C・ケイジ@C(風・光・元・地・時)
    ダーツセット クナイ×3 
双眼鏡 クィッキー(バッジ装備中) E漆黒の翼のバッジ
基本行動方針:もう少しだけ歩く
第一行動方針:もうどうでもいいので言われるままに
第二行動方針:キールと共に歩く
第三行動方針:ロイドの結果を見届ける
現在位置:C3村中央地区・広場→西地区

【キール・ツァイベル 生存確認】
状態:TP45% 「鬼」になる覚悟  裏インディグネイション発動可能 ミトスが来なかった事への動揺
   ロイドの損害に対する憤慨 メルディにサインを教授済み 先行きに対する不安
所持品:ベレット セイファートキー キールのレポート ジェイのメモ ダオスの遺書 首輪×3
    ハロルドメモ1 2(1は炙り出し済) C・ケイジ@I(水・雷・闇・氷・火) 魔杖ケイオスハート マジカルポーチ
    ハロルドのサック(分解中のレーダーあり)
    実験サンプル(燃える草微量以外詳細不明) ミラクルグミ
    ハロルドの首輪 スティレット 金のフライパン ウィングパック(メガグランチャーとUZISMG入り)
基本行動方針:脱出法を探し出す。またマーダー排除のためならばどんな卑劣な手段も辞さない
第一行動方針:西に向かいグリッドの真偽を確かめる
第二行動方針:ミトスを探し出し、接触する
第三行動方針:首輪の情報を更に解析し、解除を試みる
第四行動方針:暇を見てキールのレポートを増補改訂する
現在位置:C3村中央地区・広場→西地区

【グリッド 生存確認】
状態:HP25% TP95% プリムラ・ユアンのサック所持 天使化
   左脇腹から胸に掛けて中裂傷 右腹部貫通 左太股貫通 右手小指骨折 全身に裂傷及び打撲 
習得スキル:『通常攻撃三連』『瞬雷剣』(要雷属性アイテム)
所持品:リーダー用漆黒の翼のバッジ 漆黒の輝石 ダブルセイバー 要の紋@コレット
    ソーサラーリング@雷属性モード リバヴィウス鉱 マジックミスト
基本行動方針:バトルロワイアルを否定する
第一行動方針:ロイドにコレットの要の紋を返す
第二行動方針:仲間をもう一度集める
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前

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