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テイルズオブバトルロワイアル@wiki

ZERO

最終更新:2019年10月13日 21:59

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

ZERO


氷の針衾と炎の城塞が消え行く中に、夜の黒と血の赤は聖槍の光を受けてやけに映えた。
その空間の中で、ミトスも、アトワイトも、ディムロスも、
ともすれば落日より早く光る星々さえも、この宙にある一切が静止する。
カイルの細腰を正中に射抜く一投、加減の余地も無い殺傷がこの空に滴るオブジェとなっている。
勝敗と生死を分かつ一閃。アトワイトも、ディムロスも決したと思った。
結果だけではない。ミトスとカイルを隔てる僅かにして絶対の差がそれを確かたらしめている。
マーダー、或いはシルヴァラントとテセアラの敵としてミトスと相対したならば、
今この空に飛び続けていたのはカイルだったろう。
だが、ミトスの逆鱗に触れ、四千年の深淵を覗いたのは他ならぬカイルだ。
不器用と言うよりは、馬鹿の極み。カイルらしい結末と言えば、それまでの決着だ。

『…………ミトス?』
なのに、ソーディアンを握るその手が緩まない。
「なんで」
アトワイトも――――――――――ディムロスも。

見上げたアトワイトの視界に映ったのは、瞳孔を開いて食い入るように見開かれたミトスの瞳の震え。
嬉々でも怒気でもなく、純粋な驚愕。「何故」しか存在しない感情がそこにあった。
アトワイトにはマスターの気分を完全に理解することなど出来はしない。
ただ彼女に分かるのは、その瞳の先に何かが浮いていたということだけ。
彼女は知っている。ソーディアンの意思だけでは人はこの空に留まれない。つまり。
「なんで、生き切らない?」
まだ、彼の命は終わっていない。

『カイル……お前』
「はは、言ったろ…………死なないよ、俺は」

その声に導かれたディムロスの眼に飛び込んだのは、真っ赤な飛沫の奥でくすんでいたカイルの瞳だった。
血の気の薄い顔で力無く笑うカイルの胸元、溢れ散る鮮血の源泉で槍が止まっている。
だが、そこは臓腑ではなかった。それよりも僅か三寸、彼の手がその槍を握っているように見える。
『嘘…………魔術を、手で掴んでる……?』
まるで削岩機で削り廻すように、夥しい散血が渦を巻いて彼の左の掌を真っ赤に蒸かす。
止められない英雄の意志を、その小さな手が抗している。
『まだ、やれるのか?』
剣の問いにカイルは何も答えなかった。だが、ディムロスはそれだけで全てを了解した。
生命は未だ希薄で、心音は胡乱。
でも生きていて、まだ空を飛んでいる。それだけで十二分だった。
生きて戦う。それのみがこの空に示せる唯一つの意思だ。


そして眼に湛えられたその意思がミトスを睨み付ける。
顔の蒼白さが一種の錯覚でないかと思えるほどに血走った瞳が、ミトスの心臓を圧迫した。
その瞬間、カイルの手とディムロスの炎が同時に動く。
ホーリーランスを、より正確に言えばホーリーランスと掌の間の隙間を押し上げて、
槍の切先を僅かに逸らし、それと同時にエクスプロード級の爆発力で自らを一気に加速させる。
『掴んでたのは、槍じゃない…………だったら、あの渦を巻く空間は……ミトス!?』
掌に集めた威力全てをぶつけて魔術を弾いたカイルがソーディアン二つの驚きよりも早くミトスへと肉薄する。
僅かばかりに反応で上回ったミトスの右手に氷柱が握られ、左手足の二振り合わせて三つで受け止める。
「ごっ……お前……ッ」
ミトスは驚愕と困惑に見開いた眼の中で青目をふるふると震わせた。
だが、ミトスを驚愕せしめたのは大仕掛けの後の隙とはいえ魔術の一つも撃たせずに距離を詰めた速度でもなく、
その剣威に抗するために増した足を重ねてなお五分にしか持ち込めないほどに強いこの斬撃でもない。

「何処から、湧いて出た。その力……三味線を引いてた訳じゃ、無いだろ……何処に隠してた……?」
ミトスが奥歯を真っ二つに割りかねないほどに食い縛った口から、漏れ出すように眼前に問いかける。
ここまで叩いて尚折れないモノがあるとしたら、それは一体なんなのか、興味があった。
「そんなもん、無い。でも、ここで死んだらお前の言う英雄を認めることになる。だから、死なない」
カイルは淡々と応ずる。少しでも取り扱いを誤れば爆発してしまいそうな感情を意識的に押さえ込むように。
ミトスはその答えに落胆と安堵を綯い交ぜにしたような息をついた。

「ここまで言って、分からないのか。まあ、別に分かれ――――」
「“分かるんだよ”。だから、負けられないんだ!!」

完全に止まったはずの剣が更に押し込まれ、ミトスの体が吹き飛ばされる。
「くそ、しつこいッ!」
飛ばされたミトスがアトワイトを進行方向上に突き立てると、そこに氷壁が一枚生成された。
勢いが付くよりも早く、中空に出現した足場を踏みしめてミトスは体勢を整える。
しかし体の制御は容易くとも、心はそうは行かない。
(どうして、ここまで這い上がれる? 何も知らないガキが、僕に追い縋ってくる!?)
完全に折ったはずのカイルから放たれる闘気に、ミトスの心が気圧されている。
初めて剣を交えたときには潮騒程度のざわめきだったそれが、今や津波と化して荒れ狂っている。
一体、カイルの何に引っかかっていると言うのか―――――――――――
『ミトス、ガード!!』
「!?」
アトワイトの声に首を上げたミトスの眼には、カイルが剣を今振り下ろさんとしている瞬間が写っていた。
この攻撃は幾らなんでも速過ぎる。受身を取ることまで予測していなければ成立しない。
「リジェクション!!」
避けるも払うも間に合わないミトスは咄嗟に前面に障壁を放ち、間一髪でカイルの剣を僅かに止める。
「分かってる、だと? 歯も生え揃ってないようなお前如きが、その青い嘴で何を囀る!?」
「何かを失くすことは避けられない。全部を守ろうとしたって、俺達の手は2つしかない。
 守りたいものが多すぎて、そうやって苦しんで来た人たちを、知っている」
ロイド=アーヴィング。差し伸べた手をもぎ取られて、残った命の短さに追い詰められた人。
ヴェイグ=リュングベル。選択を常に突きつけられ、望まない結果を与えられながらも、迷うことを捨てなかった人。
彼らだけではない。数え切れないほどの喪失が、この空の下には溢れ返っている。
「だったら、分かるだろ。何かを求めるなら―――――」
「父さんは言ってた。英雄は多くでも、1つだけでも、かけがえのない何かを守れる人のことだって。
 でも、その為に全部を犠牲にするような奴は、英雄なんかじゃない」


消えた障壁の波の向こうには、驚愕しかなかった。
目の前に現れたのはカイルではなく、屈折した軌跡を残す3本の光の矢だ。
光はその速さ故に不可避。それでいて、どこに避けても身体への接着は逃れ得ないたった3本の布陣――デルタレイは、
カイルの愚直さとは似ても似つかない精密さを持っていた。
とっさに発動した粋護陣に光はかき消えたが、代償として少しの硬直が襲いかかる。
その代償を理解しながらも、ミトスは回避ではなく防御を選んだ。
カイルにとって術は本腰を入れて撃つものではなく、単なる牽制の手段だ。ましてや下級晶術など。
ならばカイルの狙いは――――

「たああぁぁぁぁっ!!」

視界外からの超高速奇襲攻撃!
視野から消えた部分から攻める。その考えは分かる上、結局は馬鹿さ加減を露呈する手法だ。
だが、普通ならば捌けるこの攻め手も、カイルの場合は状況が異なる。
こちらが攻撃に転じる前に、あの箒の、それこそ馬鹿げた速度で距離を詰められる。
そうなればどうなるか。もちろん、反撃することはできない。よくて手がイカれるか、最悪胴が真っ二つになるだろう。
ミトスがとった手段はどれでもなかった。選ばれた者のみが扱える完全回避――すなわち空間転移。
速度に乗って振るわれたディムロスは空を切り、転移の光と炎の残滓だけがその場に残る。
だがカイルは止まらない。止まれないのだ。急停止すれば圧力で身体がひしゃげてしまう。
そしてそれを見越したミトスは、ミスティブルームの制動距離の少し先――

『カイル、上だッ!』

――カイルの速度が落ち始める頃合いに転移した。
上空から落ちてきた剣は、まるで未来の時空剣士の技のよう。降下の威力を上乗せしたアトワイトをミトスは振り落とす。
「っぐ!?」
しかし、声を上げたのはカイルではなくミトス当人だった。
カイルもまた、ディムロスを上に振り上げてミトスに抗戦した。
通常ならば力が入りきらない状況で、カイルはミトスの一撃を受け止めてみせたのだ。
体躯の差でもない。力の差でもない。ましてや、大剣と曲刀の差でもない。
けれども、カイルは訳の分からないもので差を埋め、力を拮抗させた。
精神論を頭から否定するつもりはないが、それを引いても今のカイルは理解の範疇外だった。
それをもみ消すように、ミトスは目を細めたまま小さく嘲笑を放つ。
「多くでも、1つだけでも、かけがえのない何かを守れるのが英雄だって?
 馬鹿馬鹿しい。ならば英雄はそのために、守るもの以上のものを失う者だ。お前の父親とやらは、それを経験しなかったのか?」
剣と剣が重なり合う。お互いの表情が視野から溢れ出すほど、2人の剣はぎりぎりと軋み合っていた。
鼻先がぶつかり合ってしまうほどの距離でも、気迫だけはしっかりと感じ取れる。
「僕はそれで姉さまを失った。世界が救われても何も変わりやしない人間のせいで! 
 変わらない人間が作った、変わらない世界のせいで!
 だから、僕は姉さまの願いを叶えるために、世界の仕組みも変えてやることを選んだんだよ!」
しかし、目の前のミトスの怨嗟を耳に入れても、怯む様子はまるで見受けられない。それどころか更に強まるばかりだ。
その気圧に押されてか、カイルが持つディムロスのコアが一瞬だけ輝く。
「選んだ? 違うだろ。お前はそうするしかなかっただけだ。
 大切な人を守れなかった自分の無能を棚に上げて、何が世界の仕組みだ」


上方向に弾かれた剣が、地面との摩擦ではなく晶術の力によって炎に包まれる。
「そんなもの、関係ない。お前は大切な人を亡くした理由を自分以外に押し付けて、そうやって自分を納得させてるだけだ」
レリーフの刻まれた剣身が、勢いを殺さぬ内に振り落とされる。接触した刀身から爆発が広がる。
衝撃を利用し、爆炎剣をいなしてミトスは後方へ飛んだ。
アトワイト、とパートナーの名を唱える。相方は状況と5文字の名前とその響きだけで、ミトスの意図を把握した。
コアに組み込まれた、本来は存在しないエクスフィアの力を用いて、アトワイトは主君のEXジェムを遠隔操作した。
構成を組み替えられる。それを確認してミトスはすぐさま術を編んだ。
詠唱が即座に破棄され、4本の氷の針がミトスの指揮によって規則的に向かっていく。
「お前に、お前に何が分かる!? お前だって、ここで失くしておきながら!」
具現化されたアイスニードルは、ミトスの冷徹な怒りをそのまま冷気へと変貌させ速度を増した。
反撃魔術<スペルリベンジ>。吹き飛び中、下級魔術が詠唱なしで発動する複合EXスキル。
箒の機動力を以って、カイルは向かってくるアイスニードルを、最低限の動きだけで、その場でくぐり抜けるように避けた。
3本が横を通り過ぎていく中、最後の1本だけが箒をへし折らんとばかりに柄を狙う。
機動力の要である魔導の箒。カイルは、それを手放し、折れた足で思い切り柄を“押した”。
「言っただろ。知ってるって。だから、分かるんだよ」
空中に身を投げ出せば、待っているのは無論墜落。つまりこの行動は自殺行為だ。ミトスも、ついに焼きが回ったかと思ったほどである。
だが、カイルは空中で最後のアイスニードルを見据えた。そして身体を捻り、跳躍した際の軸足ではない、もう片方の折れた足を振り上げる。
あとは重力に任せるのみ。痛みなど当に忘却の彼方で知りやしない。
足に針が突き刺さる前に、踵が氷を捉える。父は得意でも息子は得手ではない体術で、それを“叩き割った”。
残された冷気の余韻が少しだけ周囲を凍てつかせたが、それもすぐに昇華された。ディムロスが引き戻した箒の熱が、冷たさをかき消していた。
カイルは空いた片手で箒を掴み、身体の前に持っていきすぐにホバリングさせた。
距離が離れ、2人は相手の顔を見合う。片や焦燥、片や決意。
肉体的にも、精神的にも追い詰められているミトスは、張り詰めた面差しのカイルを見て焦燥せざるを得なかった。
少なくとも、昨日の夕方に戦った甘っちょろい青二才が、馬鹿げているとはいえこれほどの反撃をしてくるなど。

「世界より一人を選ぶなんて、違うんだ。間違ってるんだよ」

何より。
箒に乗りディムロスを構えるカイルは、先程まで傷つき、心を消耗させていた人間とは別人のようだ。
まるで、痛みを感じていないかのように、否“傷み過ぎて痛みを忘れてしまったかのように”。

「お前、まさか―――――」
「そんなのを選ぶ奴は、英雄になれない。なっちゃいけない」

ある可能性に思い至ったミトスの眼に、カイルの瞳が重なる。
さっきまでの痛みとは比べものにならない。
童顔に浮かぶのは、15の幼い少年のものとは思えぬ痛みに塗れた湿った表情。
ミトスは、それを識っていた。遥か昔、姉を失い、全てに諦めたあの一瞬にそれを見た。

世界よりも大切なモノを失った、愚者の絶望を。


「亡く――――――――――――――――いや、“捨てた”のか」


ミトスの問いに、カイルは無言を以って応じた。
世界と少女。どちらかを選べばどちらかを失う。
神を倒した果てに、世界を救うことを選んだ少年は、その代償としてかけがえのない存在を無くした。
すべての始まりであった、様々な時空を共に歩み、少年を英雄と認めてくれた少女を。
彼が初めて焦がれる想いを抱いた少女を、彼はその手で切り落としたのだ。

「そんなの、英雄じゃない。唯の莫迦だ。
 たった一人の為に世界を犠牲にしようとしたお前も、たった一人の為に世界が壊れててもいいと思った俺も」

ミトス=ユグドラシルに想像が付いただろうか。
そんな彼女を失って、彼がどれほどの痛みを負ったか。
ただ一言「生きたい」と言ってくれれば、世界を捨ててでも選んだろう彼女をその手で殺した痛みを。

ミトスは呆然とカイルを見ていた。
失うということを知らないと思い、散々と大事なものを奪っていったのに、カイルはとっくに捨てていた。
捨てることで英雄となる道を示していたのに、それのなんて滑稽なことか。
既にカイルは、昨夜ミトスが定義した「英雄」であったのだ。
だが、彼は自分と同じミトスに向かって「英雄」ではないと否定した。
それを聞いて、ミトスが言葉を失わない訳がなかった。

「俺だって、とっくの昔に失ってる。世界と天秤にかけられて、俺は世界を選んだんだ。
 そしたら、幻のように消えていっちゃった」

綴られる言葉は、15歳の子供が背負う十字架には重すぎた。
だからこそ外見に似合わぬ語りは不思議な説得力を持っていた。
この島に来る前のことなどミトスには分からない。だが、彼が述べていることは紛れもなく事実なのだと。
辛酸では足りぬほどの猛毒を、この島に来てなお彼は呷り続けてきたのだと。

「俺はあの子の――リアラの英雄だ。英雄だと、思ってた。
 だから、あの子が生きれるなら、世界なんて滅んじゃってもいいって、あのときは思った」

ディムロスを両手で握り、体を丸くするカイルの背に、あのときの感触が蘇る。
彼女の体の感触だ。神を具現させていたレンズを前に躊躇い、恐れ、剣を振り上げたままの自分に寄り添ってきた。

「でも、そんなの違う。それは俺の望みだ。
 リアラは、消えるのは怖くないって、神に捕らわれる世界よりも再会できる世界を、未来を望んだんだ」

そして、いつの間にか背中に残っていた感触はどこかへと、溶けるように消え去ってしまっていた。

「俺、そんなことも忘れてた」

遥か昔に見失った宝物を見つけたような懐かしみをカイルは胸に抱いた。
辛き現実の果て、今ここにカイルがいる。
その彼が見据えるのは、自分と同じく世界に大切な人を奪われ、その大切な人ひとりのために全てを敵に回した幼子。
洞窟で聞いたクラトスの言葉を思い出す。
大切な人のためならば世界すらも犠牲にする。その堅き信念は、カイルも共感し肯定はできた。
しかし、カイルは首を横に動かし、自分の心の奥底にある澱みを振り切った。
自分は、ミトスとは違うのだと。
越えるのであれば、この少年とは違う道を、
いや、この少年の道の“続き”を示さねばならぬ。


「一人のための、自分の願いよりも、もっと大事なものがあるんだ。
 本当に大切な人の英雄なら、英雄なら――自分の想い以上に、譲っちゃだめなものが、あるんだ!!」

世界よりも一人を優先する。同族嫌悪、あるいはシンパシー。
カイルがミトスに抱いていた情念はそれだった。

大切な人の想いも聞き入れず、世界だけを憎み壊すなんて間違っている。
その人が世界と可能性を愛したのならば、自分も同じように信じなければならない。
そうでなければ、通じ合った想いからの声を受け入れないだけの、単なる独りよがりの願望でしかない。
そして、カイルはそれを選ばない。

「だから、俺は行く。
 リアラが俺とまた会える未来を信じたなら、俺はそう信じたリアラを信じて、ずっと先に行くだけだ!」

カイル=デュナミスが望む未来は、彼女が笑顔でいられる世界の上にしか存在しないのだから。

「正気か……? お前、自分が何を言っているのか、分かってるのか……?」
掠れた声でミトスはかろうじてそれだけを紡ぐ。
リアラの死体を見ておいて、優勝の対価も跳ね除けて、犠牲さえ拒んで、
それでも再会できることを信じるというのか。

投げかけられた言葉、それはカイルの迷いそのものだった。
できるのか。無理じゃないのか。妥協したほうがいいのではないか。
だが、それでも進む。カイルには、それを打ち払う“力”を持っている!!

「無茶だって分かってる。でも俺、信じるよ。もう、それを疑わない。
 信じること、信じ続けること。それが本当の強さだから!!」

自分の中の僅かな惑いさえも打ち払うようにカイルは英雄の父の、大きな背中を思い出しながら、その言葉を綴った。
とても越えられる存在ではないけれど、父から伝えられた一字一句は確かに息子の中に刻まれていた。

『ミトス!?』
カイルの大声を聞き入れていたミトスは、すっと手の曲刀を下す。
アトワイトが呼びかけるように名を唱えたが、ミトスは何の反応も示さない。
戦意が喪失したのか。カイルからは陰った表情は伺えない。ただ、戦闘態勢を解除したことはカイルにとっても驚くことだった。
自分の言葉に自信がないわけでも、偽りがあるわけでもない。
だがミトスは、自分の言葉を素直に受け入れる精根の持ち主ではないと、カイルは心のどこかで思っていた。
それは弛めぬ臨戦態勢にも表れている。ミトスの作戦の内だと、カイルはなおも相手を目から離さないでいる。
そしてその目は、ミトスの凄惨な笑みを観測した。

「そう。そう、なのか。お前の出した答えはそれか。
 お前はそうやって、僕を越えて行こうとするんだね」



余裕を醸し出している笑みではない。
見下すような、嗜虐味に満ちたものではなく、馬鹿にするような軽薄なものでもなく、
この世界に存在する全ての謎が解き明かされたかのように実に晴れやかな笑顔だった。

「礼を言うよ。やっとハッキリした。お前が何者で、僕がどうするべきか、お前とどう向き合うか」
だからこそ、カイルはそれに全身を総毛立たせた。
少年の相貌でありながら常に大人の冷ややかな表情を浮かべてきた、あのミトスとはまるでかけ離れていた。
その切り離されたような感情は、いわゆる善の要素――改心とか、懺悔とか――とは、何の繋がりも見せなかった。
では、何故こうも明朗とした表情なのか。

「そんなの、認められるか」
理由はただ1つ。ミトスにとって心底“面白くない”からだ。

「潰す。お前を、全力で、叩き、潰す。
 完全に、完璧に、完膚なきまでに殺す――アトワイト!!」
『ッ、了解。術式転移、凍結解除<キープスペル>――ホーリーランス!!』

アトワイトを翻してミトスが剣先を突きつけた瞬間、カイルの真下から無数の光輝の槍が顕現し、飛翔する。
先程の壁を突き破ったときの突貫型とは違い、四方から出現した槍が、交錯して真中のカイルを貫かんと迫る。
空中であるが故に、地面に接触して消滅することはない。
おまけにご丁寧なことに、本来発動させるような急な角度で発動させておらず、ベクトルに調整をかけている。
上から逃げては間に合わない、そうカイルは確信した。穂先を下方へ思い切り向ける。
しかし、一瞬の内にカイルの血は冷え切った。

剣に秘められし七色の裁きを受けよ。
その無情な、しかし荘厳な言葉の響きが目前に白光の剣を生み出した。

急降下するカイルを追尾するホーリーランス。もちろんベクトルは上から下、つまり押さえているのは縦方向の軸である。
そして、次に現れた複合上級術・プリズムソードはカイルの下ではなく背後に陣を張ることで、前方向だけではなく横軸をも制していた。
しかも詠唱のラグもなく、速急に。
「上級から上級へだと!?」
槍の雨の次は猛スピードで突っ込んでくる巨大な光の剣。
連続で繰り出される高位魔術の応酬に、ディムロスも舌を巻くしかなかった。
現れた数は6つ。ホーリーランスよりも数が多いとは、笑いたくもなる。
剣がカイルの周囲に降り注ぎ、まず逃げ場を埋める。それも高位の術であるがゆえに広範囲に展開されている。
唯一開かれた正面も、残された逃げ先というには到底及ばない。
切っ先はカイルを狙い澄ましていた。

初級術のような単発で攻めるのではなく、広範囲で発動する上級術を選ぶ。ゆえに、連続で行使するには詠唱を要するはずである。
ディムロスも言った通り、詠唱もなくいきなり上級術から上級術に繋ぐことは、どんな恩恵を受けようと不可能だ。
何の加護もなければ、初級ですら一拍の間は挟むだろう。
ミスティシンボルがあったところで、詠唱時間が初級術レベルまで縮まるわけもない。


だが、1つだけ方法がある。
複合EXスキル、遅速博打<ランダマイザー>。つまり、完全なる天運の力だ。
下手をすればかえって詠唱時間を延ばしてしまうだけの、気まぐれな拡張能力。
それを連携に組み込むこと自体が間違いの代物。しかし、ミトスはそれに頼った。
ミトスは、自分のあらゆる要素――運という偶然さえも――を力として集約させ、全てを勝利に繋げるべく機能させ始めた。
それに、これは運よく発動すれば重畳、という程度のもの。
恐るべきほどの速さでマナが編み上がることがなければ、単に詠唱を破棄してもう一度唱えればいいだけの話なのだから。

そして天はミトスに味方した。いくら天の使いだからとはいえ、とても尋常とは思えない、身を凍えさせるような味方の仕方である。
いや、かつて誰もが不可能と笑った古代戦争を終わらせた英雄ミトスに“天が味方する確率”を問うことそのものが間違いか。
捕まればそれだけでひとたまりもないが、なにより前後から魔術の連撃が決まり――間違いなく身体を双方向から引き裂かれる!
肝を冷やすのも当然である。上下左右、そして斜方向。三次元における全方位がカイルの行く手を塞いでいるのだから!

それを前に、この少年は怯まないというのだから――ああ、とてもとても恐ろしい。

2本の光の刃が中心に迫るのと同時に、周りを遮っていた光の剣の1つが消えていく。
コンマ1秒、いや1フレーム。サブリミナルすら認識するほどの速さで切れ目の糸口を直感的に見出したカイルは、両手で舵を切り横へ急転回した。
最後のプリズムソードはすぐ近くにまで迫っている。
速度が乗った状態でのカーブは当然大味になる。直角に近く曲がろうとするほど難易度は高まる。
だが、いかにその大回りの旋回を縮めるかで、結果はまるで違ってくる。
剣が身体を貫くか、腕を持っていくか、皮膚を舐め取っていくか。それだけの違いである。
相手は光だ。技術だけではなくとっさの判断力も、一瞬を大きく変貌させる。
まるで、速度と速度がぶつかり合うカーチェイス。時速が跳ね上がるスピードだけで言えばまさにドッグファイト。
そのイカれた速域のぶつかり合いに競り勝つために、カイルは思いきりハンドルを切ったのだ。

ごう、と唸る風の音が常に耳を満たす。
轟音と呼んでもいいほどのそれは、永遠に耳の奥で反響し続けるのではないかと思わせるような威力があった。
カイルは風圧で箒も身体もへし折れてしまうのではないかと思った。
しかし、こんな風よりも、襲いかかってくる剣の威圧の方がよほど強い――!
それもそのはず。肌をひりつかせるそれは、すぐ真横ですれ違う光からの熱だ。
熱も、引き裂かれた烈風も、互いに譲り合うこともなくカイルの皮膚を傷つける。既にぼろぼろの身体から更に血を奪ってもまだ足りない。
だが、いくら身体を傷つけられても。その奥にある想いまでは、傷1つつけさせやしない。
箒を握り締める手に、さらに力を込める。ぎゅう、と血管が浮いて見えるのではないかというまでに。
何も聞こえない突風の中で、カイルは叫んだ。
激しい空気の流れを、すべて吸い込んでしまおうとするかのように大口を開けた。
エンジンのバーナーが熱を上げる。
そして光の剣は、カイルの目尻の横をすり抜けていって、後方から迫っていた光の槍と衝突した。
周囲に広がる、真っ白な光の波動。
カイルはそれを背に浴びながら箒を走らせた。
命中しきる前になんとか矛先を逃れ、ぎりぎりの瀬戸際で旋回しきったのだ。
力に力を重ねた、畏怖すべき光の十連撃を避けきり、ほうとカイルは息をつく。
凄まじい威力の行使を越えて、少しの気の緩みが生まれた。


――<Turn Shift> 今度はこっちの手番だ。
目の前に、空間転移の光と純白の羽根。
その中心から現れた幼き大天使は、手に収まっている得物を迷うことなく振り抜いた。

うめき声が上がる。奥歯がぐっと無意識のうちに噛み締められた。
とっさにディムロスで防いだが、体勢は崩れきっており、とても戦闘を行うような姿勢ではない。
ミトスは絶え間なく攻撃を繰り出す。まるで舞うような剣戟だ。一連の動きに淀みは一切ない。
『……イル!』
防御と呼べるぎりぎりの境界線の上でカイルは耐え凌いでいた。
ラインを少しでも越えてしまえば、間違いなくアトワイトが身体を貫くだろう。
だがここは空中。いくらミトスとはいえ、攻撃を続けたまま風を制御することなど不可能だ。
地上にたどり着くまで守りきれば勝機は見えると、カイルは断じた。
『カイル!』
ひたすらにミトスの斬撃をいなし、降下していく。防戦一方だが誤ってはいないと思った。

それはつまり、1人で考えた結果の行動だ。
耳には全くパートナーの呼び声が入っていなかった。
『カイル、避けろッ!』
「僕を前にして、そんな守りに入ってていいのか?」

ディムロスの呼びかけに気づいて、カイルの脳はすっと冴え渡った。
交差するソーディアンはぎりぎりと軋みを立てている。
目に強い光が射し込む。前方のミトスからそれは発せられていた。
発生箇所は、右足。

「それで僕より先に行こうなんて、四千年早いんだよ馬鹿が」

既に左足でレーザーを放ち、右足でアウトバーストを放っている。負荷は掛かりきっているはずだ。
カイルの動揺をせせら笑うように、ミトスは冷笑を浮かべる。
――そんなものは関係ない。
大切な人のために、大切な人を失って、それでまた会いに行くなんて。
そんな理合からかけ離れた馬鹿を相手にして、負荷なんてものに拘っている方がおかしい!
常識を越えた相手には、越えた常識をもって相対せねば太刀打ちできないのだから!
何より、こいつを倒すことに比べたら、足の1本や2本など惜しくはないッ!

「そうさ……僕のしてきた過去より先に行こうなんて、行こうなんて……そんなこと……」



お前は世界と大切なものを天秤にかけて、世界に心を殺されたんだ。
お前は僕と同じだ。世界に翼をもがれた、飛べない雛鳥。
大切なものを奪われて、嘆き、憎むべき存在。
そんなお前が、僕と同じ選択をしたくせに、先に進もうとするなんて。
最果ての先に、まだ道があることを示そうとするなんて。
僕は認めない。絶っ対に認めない。
もしお前がそこから更に進むというなら、僕のしてきたことは何だったんだ?
四千年もの間、世界を分離させ、人間に繁栄と衰退を繰り返させ、姉さまの固有マナに近づけさせるよう調整して。
再び逢えたこの世界でも姉さまに否定されて自棄になって。
それは、何もかも中途半端な努力でしかなかったということなのか?
心のどこかで、諦めていただけなのか?

そんな筈がない。認めるか。認めてたまるか。
僕は姉さまの英雄だ。姉さまを復活させるために、数え切れないほどの犠牲を払ってきたんだ。
例え未来でロイドたちに滅ぼされ、違う道があったことを示されるとしても、僕がなくしてきたものを否定させはしない。
ましてや、カイルになんて。僕と同一の存在になんて。
僕と同じ道を歩みながら、まだ未来があるなんてことを示させはしない!
僕は姉さまの英雄として最善を尽くしてきた。限界まで、限界まで進んで、それでも駄目だったんだ。
それが、その先があるだなんて、認められるわけがない!!
だからお前を倒す。お前を倒して、僕は僕の正しさを示す。
僕を越えようなんて、そんなこと――――

自ら剣を弾き返したミトスの表情が、一瞬で怒気をはらむ。
左の軸足が空を踏み、右の爪先が光と共に蹴り抜かれた。

「そんなこと――――あってたまるかああああぁぁぁァァァァッッ!!!」

極大のレーザーがカイルの視界を包み込む。
逃れ得ぬ射程から放たれたそれは、真っ向から立ち向かうミトスの意地そのものだった。



そうだよな。やっぱり、譲らないよな。
お前だって、あんなに強い意志を持ってるんだから。
ミトスの言ったとおりだ。散々ディムロスにも言われてたじゃんか。
やっぱ馬鹿だなあ、俺って。
あの洞窟のときに、もう分かっていたんじゃないか。
リアラがいなくちゃ何もできない。
リアラがいなくちゃ駄目なんだ。
どうしようもなく、リアラが必要なんだ。
けれど、命を絶ちはしない。
死んで会いに行くことなんてしない。
この島で会えたんだから、元の世界でだって、また会える筈だろ?
奇跡なんて言うつもりはないけれど、あんなにもう会えないと思っていたのに、再会することが出来たんだから。

だから、生きて、どこまでも生きて――――もう1度あの子に会いに行くんだ。
そのためには、まずはこの壁を、お前を――世界<バトルロワイアル>を越える!


――<Turn Shift>! まだ、終わりも譲りもしない!

「魔神炎ッ!」
向かってくる光のレーザーに対して、カイルはあろうことかソーディアンの炎をぶつけた。
単純な光ならば、炎をぶつけたところですり抜けられておしまいだ。
だが、これはいわばエネルギーの塊。力と力を衝突させれば、2つの間で力の相殺が生じる。
例えその威力の差が歴然としていても、微々たるものでも、そこには僅かな歪みが生じる。
「空破……」

そして――歪みは切れ目となり、突破口となる。

「――――絶風撃!!」

カイルは裂け目に向かって、思い切りディムロスを突き立てた。
その勢いのままに箒を全速力で走らせ、更に威力を重ねる。
生じた衝撃波が防御壁となって、光の粒子を切り崩しながらも進んでいく。攻撃は最大の防御とは正にこのことだ。
力と力がぶつかり合い、互いに勢いを殺していく。更に炎の壁を構築して光を突き破る。
炎が光を喰えば、光が炎を浸食する。炎の弾丸を食い止めようと光の波濤は防壁と化す。
力量は均衡。あとはどちらの意気が持つかの背比べ。
それぞれの表情が、力を込めすぎてぐしゃぐしゃに崩れる。
エネルギーの相殺の中では互いの声も聞こえない。だからこそ、2人は力を込めて応えた。
カイルが更に剣を突き出し、ミトスが強く左足に力を重ね――――光が爆ぜる。


白光が藍色の空に広がり満ちる。まるで時が一気に逆巻いて、新しい朝が訪れたのではないかと思うほどだった。
まばゆい光がうっすらと、だんだんと消えていった。
カイルの動きが止まる。
ミトスの光が消滅する。


吹雪が吹きつけたようにまっさらな景色が色を取り戻していく中、それぞれのソーディアンは思いを馳せていた。
それも全く同じようなことだった。番いというのは嘘でもないらしい。
得てして感じていることは同様なのだと、協調とも違うソーディアン同士の“確信”があった。
この地で似たようなマスターを持ったからだろうか。
どちらも無理に無理を重ねるような攻撃の仕方をするものだから冷や汗ものである。
だが、2本――否、2人とも最早それを止めるようなこと心持ちもなかった。
むしろ、どこまでも愚直な在り方に、安堵すら心の片隅のどこかで覚えていた。
方法はこれしかないのだと、2人は分かっていた。
そうでもして勝たねばならないのだ。勝たなければ、相手を打ち倒したことにならないのだ。
意味はその一点にしか存在しない。
カイルとミトスにとって、相対する相手とはそれほどの境目に在る者なのだから。

アトワイトは分析する。
カイルは決してリアラの為に自分を蔑ろにしている訳ではない。
リアラの想いのために自分の願いを捨てているのではなく、2人で共に歩める明日を目指し、あるがままに考えている。
自分が片棒を担ぎ、殺してしまった少女のために、カイルはあるかも分からないものに向かって奔走しているのだ。

ディムロスは推察する。
ミトスは未来と自分を諦め続けるために、カイルを容認できない。
認めれば、それは自分を否定することになる。姉のために生き、それでも悲願を為せなかった今までの自分を。
その自分が、単に歩みを止め立ち止まっていただけだなど、認められる筈がない。

2人は純粋で、まっすぐだ。自分の思いを知って止めることなど出来ない。
そしてソーディアンは武器として、相棒として、そんなマスターを助けなければいけないのだ。

そう。マスターを助け、更に進まなければならない。
カイルの動きが止まる――それが“視認できる”。
ミトスの光が消滅する――五体満足の姿を“視認できる”。
大剣は光を真っ二つに切り裂いた。だが、同時に暴力的な光の壁は剣士の動きを停止させた。
剣士はなおも空中に、天使は羽ばたく力さえないかのように、ゆっくりと舞い降りていく。


「どうした……ずい、ぶん、息が上がってるぞ?」
「お前が……いうな……」
両方とも完璧な隙をさらけ出しながら、それを攻めることはなかった。
満身創痍。疲労困憊。2人とも、既に動く気力すらないのだ。
息を切らしたまま、2人は互いを見つめている。
無機生命体であるミトスですら、無意識的に息の乱れを覚えていた。
(僕が、呼吸? 馬鹿を言えよ。何のための、身体だよ)
天使の身体に、疲れも呼吸も存在しない。
だから、これは記憶だ。まだ疲れがあって、全力で動けば息が上がったころの記憶。
(息切れなんて、冗談じゃない。まるで、生きているみたいじゃないか)
この身に浮かぶのは4千年前の、まだ僕が英雄でなかったころの疲れだ。

「……譲るつもりはない、か」
「そっちこそ。さっさと、俺に、倒されろ、よ」
だからこそ、言葉を吐き出す。
僅かに生まれた時間を、呼吸にあてがうかのようにして。

ぜえ、はあ、と荒い吐息の中に、子供じみた感情に満ちた声が混ざる。
カイルが身を乗り出すように敵意を放つ。
「俺は、リアラに会いに行くんだ」
しかし、カイルはそうそう動いてこないということを見抜いてか、ミトスは口元に手を当てて余裕ぶる。
「もう遅いだろ。どっちにしたってお前はここで死ぬしかない」
実際のところ、動けないのはミトスも同じだ。ぼろぼろの手を隠すように、手を固定させているに過ぎない。
だから、それはただの話題でしかなかった。
ほんの少しだけ休むために、ささやかな絶望をもう一度だけ確認する。

だが、カイルの答えはどうしようもなくカイルだった。
「知るかよ。そんなの、お前を倒してから、全力で走れば間に合うさ」
「ク、あ、っは。はっはっは、僕じゃあるまいし。馬鹿じゃないの? お前」
ミトスはたまらず吹いてしまった。何を今更、こいつの我侭っぷりに驚く必要がある。
「いや、だからか。僕の一撃を真っ正面から突き破るほど、強いのは。
 それほど逢いたくて――それほど、想っているのか」
ミトスはその我侭――カイルの覚悟を口に含む。
だが、それはあまりに大きすぎて、嚥下することができない。頬を目一杯膨らませて、息をすることすら叶わない。
苦しくてたまらなかった。背反する悩みを前にしては、吐き出すことも不可能だ。

「なあ」
ミトスが既に半分を地平線に隠した夕日を見ながら、言った。
「なんだよ」
「このままだと時間切れだ。お互い、それは嫌だろ」
まるで、夕方に遊んでいたこどもが暗くなって遊びを畳まなければならなくなったような未練だった。
もう、帰らなければならない。だから、最後にもう一回。


「次で、終わりにしない?」



遂に大地に降り立ったミトスは当てていた手を下ろし、アトワイトに添える。
抑え切れぬ感情をせき止めているかのように、ミトスの身体は闘気の光の点滅を繰り返している。
だが、地上から空に向かって吼える少年は、天使でも神でもなかった。
大地に生き、ささやかな理想のために世界に、運命に反抗を宣言した者。それは古の英雄の姿だった。

「…………ああ、いいよ」
休息は終わりだと、カイルは剣を構える。
激しい心臓の鼓動に対応するかのように、身体には赤い残像がちらついている。
カイルはミトスの気迫に無言で応じ、空中からミトスを見据えた。
決して見下しているのではない。相手は眼前にそびえ立つ、見上げても切れ端の見えない壁だった。
だが、それを今から越える。
越えなければ、リアラに逢うなんて――リアラの英雄になるなんて、先のまた先だ。
箒にエンジンをかけ、さらにミトスとの距離を取るべく飛び立つ。
小手先の攻撃など、もうレパートリーも体力もない。

なればこそ、終の札を今こそ切ろう。限界程度、魂爆ぜれば超えるは容易い!!

「俺の全てで、お前に挑む。勝負だ、ミトス=ユグドラシル。今度こそお前を超えて――――俺はリアラに会いに行く!!」
「お前がリアラと再会するなんて、認めない。それでも逢うと謳うなら――――越えてみせろ、カイル=デュナミスッ!」

紅の光を纏いし潜在の解放――スピリッツブラスター
白の光を纏いし稀少の邂逅――オーバーリミッツ

全力全開。決意の宣言をした今、ここから先はそれだけだ。


□



カツン。
硬質の音がひとつ、静かな空間の中で綺麗に響いた。
音源となったチェスの駒から伸びた指は、なめらかな曲線を描いている。
薄暗い部屋を照らす青白い光によって、色の白さは更に拍車をかけている。
空間に発せられた音はそれきりで、彼女も、対面する相手も、一言も声を漏らさない。
ただ指された一手をじっと見つめ、相手の意図を探り、次なる手を考えているだけだ。
その2人を見つめる、道化師がひとり。
闇を縫って現れたその道化師は、2人の目の前に現れるまで1つの気配も発していなかった。
いや、それともチェスを指す2人が思考の海に潜り続けていたせいなのか。
何にせよ、突然現れた道化師に対して、少なからず2人はさしたる興味を抱いていなかった。
白黒のボードをじっと見つめるだけで目を配べもしない。
しかし、道化師もまたそんな2人を――正式には2人の采配を――眺めているだけで、肩をすくめはしなかった。
顎を手でさすり、道化師は興味深く盤を俯瞰する。
面白い。
ただ試合を傍観するだけの存在、そのような立場の道化師から見ても、この戦いは実に面白いと感じさせた。
村の外れの次期禁止エリアで広げられる指し合いは、一手ごとにめくるめく展開を見せ、
両方とも一歩も譲らない、薄氷の上を渡るような攻防を続けていた。
内容の派手さとは逆に、許されるだけの時間をかけて考えた攻撃だ。
少しでも誤れば一気にチェックメイトまで攻め込まれる、それゆえの長考から成り立つ最善手。
実際の駒の顛末もさることながら、2人が一体どんな思考の上で動かしているのか? 一体どんな心境の上でそれを選択したのか?
道化師にとっては、それを考量するだけでも笑いを押し殺したくなる。
大胆だが、とても迂遠な探り合いなのだ。この2人の手合わせは。
2人は粘密に、神経質に、かつ相手の懐に潜り込む大胆さを兼ね備えた指し手を繰り出し合っていた。

「……クハハハ……了解です……下座からの…………決戦申請を承諾しました…………」

そして、遂に下座が仕掛けた。
さらに“炎剣”を北へ捩じ込み、最終決戦の一手が示される。

「上座……この決戦に応じるかどうか…………返答をお願いいたします…………」

タイムリミットが設定されていて駒の実力も差がある中、ここまで五分の戦いを繰り広げてきたのは下座の実力だろう。
これで僅かながら、勝利の光は見えてきた。
今までの流れで仕込んできた策の全てを用いた決戦。当然、敗れれば全てを失う。
だが、これを乗り越えることが出来たなら、一気に形勢は下座に傾く。
(もっとも、上座がこれに乗れば、という前提で、ですが…………)
ふと、無音の空間で淀んだ空気が、微弱ながら流れを変えた。
次の手番であり盤上を眺めていた上座の男が、陰鬱な笑い声を上げていた。
始めは抑えられていた声も、次第に声量が大きくなっていった。
道化師も、下座の彼女も怪訝そうな目で見つめる。
剃刀の上をなぞるような指し合いに遂に気が狂ったか。
ただ、先ほどまでは静謐に包まれていた空間に響く、相手を馬鹿にする子供のような笑声は、
生気さえ感じさせなかったこの場所に初めて「生きたもの」をもたらした。


「な~るほっど。全力全開で最後の決戦、実に分かりやすい好手だね。陳腐過ぎるくらい」

まだ駒を動かしていない、長考の時間に上座が対戦相手に語りかけたのは初めてである。
下座の彼女は少しも眉を顰めることもなく、相手の言葉を聞き入れる。
「だが陳腐とは王道。使い古されるには、誰でも使えるほどに完成されていなければならない。
 こっちだって『愛』っていう同じような手を指したからね。定石の効果は実に高い。
 現にそちらの全力に対して、受けるか逃げるか、私が指せる手は狭まった」
盤上を見つめながら何度も首肯する男は、相手を讃えるように明るい調子で喋り、柏手を打った。
ぱん、ぱんと数回打ち鳴らした後、男は両手を付けたまま、俯かせた顔を手に近づける。
あまり特徴の無い、記憶に残らない類の本当に平凡な面構え。
だが、身体を小刻みに震わせて裂ける口元だけが鮮烈に視界を占領する。そうしたら後にせき止めるものはない。
黒くてぎらりとした、悪魔の目のようなものが口の中から姿を覗かせた。
まるで子供の嘲笑だった。
喉仏を揺らして溢れ出た声は大音量のサウンドとなって、この場には彼を除き2人しかいないのに、
世界中の人間全てに聞かせてやるかのような笑い方だった。
一人腹を抱えて大笑する姿は滑稽にも見えたが、あまりに子供じみた声は純粋ささえ感じさせる。
そう、純粋に相手を馬鹿にしているのだ。
息を切らし、腹痛を起こし、目元に涙まで浮かべて、それほどまで全力で貶している。
時間に圧されまんまと安易な手を指したと、彼は嗤っているのだ。

「おしまいだね、もう」
それが“神の一手”かと。随分とお安いベットじゃないかと。

だが、それでも対戦相手はびくともしない。
侮蔑に満ちた哄笑に顔をしかめていても、彼女の張り詰めた真摯な面差しは陰りもしない。
しばらく笑い転げていた男は、そんな彼女の様子を気にもかけず、腹の酸素が尽きてやっと嘲笑を喉笛の奥にしまい込んだ。
一息ついて、男は組んだ手を顎に近づけ、口を開けた。
両手を台座にし、目線だけを下方の盤面に配べ、彼は穏やかな笑みを唇に描いた。

―――――――――――ええ、直に終わります。

「君の負けでね」
動じない相手を前にしても、彼はその一笑を絶やさない。置かれた黒いピースをひとつ取り、手元で弄ぶ。
「確かに、戦況は五分。どちらの子供が勝つかは、神様にだって読めはしない」
サイグローグは両者が承認した最終決戦の準備を整えながら、二人の会話を聞いていた。
そう、勝敗は読めない。だけど、それは“戦術レベル”に限った話だ。
「どちらが勝つにしろ、まずどちらも五体満足じゃ済まないし力も残ってない。
 でも、そうなったらどうなるか分かってるだろう?
 タイムリミットに焦って決着を急ぎたいのは分かるけど、もう遅すぎる。
 帰るための力も壊れて枯れて結局タイムオーバーさ」
一週間後のアサガオの観察日記を朗読するかのように、ベルセリオスは結末を指し示す。
「むしろ首が飛ばされるまでの時間が残されている分、もっと性質が悪いかもね!
 それでおあいこ痛み分け。ああ、夕日を見ながら『お前、なかなかやるじゃないか』『お前もな』
 とか言いながら首がボンッってね。グフフフフ、想像したらお腹が痛くなってきた」
再び大声で笑い出す上座の男は、ぽんぽんと黒い駒を軽く上方へ投げては掴んでを繰り返す。
端から見れば乱暴な扱い様だが、そんなものは気にしない彼はとても楽しそうだ。
それでいて視線を盤の上に固定している。だが、今彼の目に映っているのは今この瞬間の盤面ではない。
彼が見据えているのは何手も先の未来で、錯綜している悲劇という名の喜劇。それを弄ぶ事に心を弾ませているのだろう。

「全力を出させたって別になーんにも困らない。だって“どうでもいい”んだから」


上座は弾ませた声で言い、宙に放っていた駒をぱしりと強く手中に収める。
擦り切れて、傷ついた天使の駒。だが、掌の内に消えた駒に対する尊厳はまるで見られない。
むしろ自分のものなのだから、と意のままに扱っているようにも見える。
「これはもう死駒だ。ここで捨てると決めてるこっちには何のリスクもない。
 あるのはリターンだけ。賭駒<ベット>を取られるのはそっちの方だ」
そう、彼のこの余裕をもたらしているものこそが、上座と下座を分け隔てる差に他ならない。
ベルセリオスにとって負けても失うものは無く、下座の彼女は勝っても得るものが無い。
なぜなら、この局面において両者の目指す勝利条件は決して相反しないからだ。
「要するに、君は私が占有しているこの天使の駒を救いたいわけだ。
 だが、その救いが“生”である必要性は無い。双剣がそうだったように、安らかなる死でもOKな訳で」
あと少し先の未来を見通すように、ベルセリオスは悪性を瞳より垂れ流した。

「だから、君はあの二人の精神を好きなだけ救うと良い。その代わり、肉体的な死は私が戴くよ」

やはりか、とサイグローグはベルセリオスの言葉に目を細めた。
ゼロサムゲーム。通常、この手合いのゲームは誰かの優位が誰かの不利に直結している。
下座は少なからず上座から優位を奪い取り、2人の少年を救えるように上座を追い詰めていたはずだった。
だが、それもそのはず。上座は、B3とは違う場所で得を得ようとしていたのだから。

「上げて落とす。定石じゃないか。炎剣が帰ってこない。それだけで、氷剣を落とすには十分なんだよ。
 精神的にあの2人が救われようが救われまいが、帰りを待つ者たちには知りえない。
 残された氷剣は自分の愚かさで現実に平伏するよ。そして無様に堕ちるんだ、前のゲームみたいにね。
 得物は違うが、まあエターナルソードでも十分な働きは期待できる。
 あとはもうなし崩し、そりゃ山積みの本を突き倒したみたいにね!!」

手のひらで相槌を打ちたくなる衝動を、サイグローグは辛うじて堪えた。
天使をこうも捨て駒にできるのは、既に次のマーダーを見つけていたからか。
凶剣が死んだ後は、もうエターナルソードほどの大剣を装備できるのは彼しかいない。
そして同時に、現行の生存者の中で奴を止められるものはもういない。
弓士ならば辛うじて渡り合えるだろうが、堕ちた旧友を相手にすることが“やりにくい”のは、当の本人がよく知っていることだろう。
なにより、絶望の種だけを仕込めるのが“おいしい”。上座の好きなタイミングで爆弾を爆発させることができるのだから。

「確かに、このB3という限定的なエリアだけで見れば非ゼロ和も成立する。
 だけど、だからこそ君は私の勝利を止められない。
 ゼロはマイナスよりも上だ。私は失っても良い駒を失い、君は決して多くない貴重な駒をドブに捨てる。
 君の損は私の得。勝つのはこっち。どんな過程を通ろうが結局最後はこっちだけが点を取ってておしまいなんだよ」

そうして再び腹を捩らせる男は、唯一、1カ所だけ笑っていなかった。
細めた目から爬虫類のような、ぬるりと湿った瞳を覗かせる。
全身で笑いを表現して、その目だけが冷徹に相手を見下し、貫き通していた。

「結局救えないんだよ、君は――――――――チェック。この最終決戦、受けよう」



手に握っていた黒のポーンを指先に移し、上座の男はチェスを指す。
逃走も降参もない。下座の術策を馬鹿にした男が指した手は紛れもなく“戦闘続行”だ。
傍で成り行きを傍観していた道化師もゲームを止めることなく、男の行動を承認した。
道化師は手番が下座に移動したことを宣言するが、既に下座の彼女は同じエリアにある白い駒を手に取っていた。

――――――――ベルセリオス。貴方は今、このゲームは“損得の和がゼロになる訳ではない”と、定義しましたね?

さして考える時間も取らず、即座に動かそうとする彼女を、男は座視していた。
男――天才かつ狂的科学者であるベルセリオスの言葉は、別に相手の精神を砕き、ゲームから退場させることが目的ではない。
ただ相手の思考にノイズを与えるための布石の1つであり、同時に相手を単に見下げるためのものだ。

――――――――ならば、わたくしにもまだ手はあります。
だからこそ、全く揺らがないこの女の、意志の消えていない双眸に興味を覚えているのだ。

――――――――WIN・LOSEが絶対ではないのであれば、双方を勝ちに導くことも可能であるはず。

単なる夢想家の言動ではない。
恐れることなく、実際に手を打ってきているのは、この対局の記録でも明らかだ。
彼女はどれだけ憫笑を買われようが、決してその内なる炎を絶やしはしない。
未だに何も諦観していないのだ。
戦意を喪失しない相手方を見て、男は青筋を浮かばせるどころか、むしろ楽しげな笑顔を浮かばせていた。
「諦めないのか。まだ全員を救うことを。けれど、そっちの方がこっちも面白いからいいよ」
なぜなら男にとって彼女の指示は結局“どうでもいい”のだから、楽しまなければ損ではないか。
彼女の思いは貫徹されない。
諦めずに手を出してくるならば、男もその手に、愉快に非情に応えるだけなのである。
助けを求めて蜘蛛の糸を掴むのなら、それをちょきんと切ってやる。
邪悪な意思に見つめられた彼女は白い駒を静かに動かさんとする。

「何でも叶えられるって、そんな全能ぶった顔を叩き潰すの、すごく楽しみだ。来なよ、"時の紡ぎ手"」

静寂の中に秘められたその堅い意志は、敵手と同じく“戦闘続行”だ。


「それでは、両者合意を確認いたしました。B3最終フェイズ、下座の手番からです」



カツン、と音が鳴って、最後のラウンドの幕が切り落とされる。




最古の英雄、失ってきたその過去を守り通すために。
最後の英雄、失いきれないその未来を勝ち取るために。
鏡合わせにさえならない二人が、己の為だけに乾坤一擲を賭す。

宴もたけなわ。されど、楽しき祭囃子もやがては終わる。
これより先全ては終点へと続く。

その前に綴る最後の余興演目。
24時間前の再演。
延々と繰り返される惨“劇”の一幕。

それが、遂に終わる。


小細工は絶無。この黄昏の狭間の、一時の祭宴を愉しまれることを。

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