リーダーとして存在感は示しておこう
このゲーム開始早々に再結成された漆黒の翼。
しかし、団員には不満があった。
「グリッドよ。『大食らいのユアン』というのはやめてもらいたいのだが」
「私も『疾風のカトリーヌ』って少し恥ずかしいかと…。語呂もよくありませんし…」
「ハハハ、何を言っているんだ君たち!
ナンバー2となるべき男性の称号は代々『大食らいの~~』、女性の称号は代々『疾風の~』と決まっているのだ」
妙な伝統を持ち出すグリッド。といっても、漆黒の翼の結成はグリッドの代である。
要するに、他の称号が思いつかなかった、ということだ。
「しかしだな…」
しかし、団員には不満があった。
「グリッドよ。『大食らいのユアン』というのはやめてもらいたいのだが」
「私も『疾風のカトリーヌ』って少し恥ずかしいかと…。語呂もよくありませんし…」
「ハハハ、何を言っているんだ君たち!
ナンバー2となるべき男性の称号は代々『大食らいの~~』、女性の称号は代々『疾風の~』と決まっているのだ」
妙な伝統を持ち出すグリッド。といっても、漆黒の翼の結成はグリッドの代である。
要するに、他の称号が思いつかなかった、ということだ。
「しかしだな…」
「仕方がない。そんなにイヤなら別の称号を付けよう。『黒バラのユアン』はどうだ?」
「もういい」
この組織に入団したのは果たして正解だったのか、疑問に思うユアンであった。
「もういい」
この組織に入団したのは果たして正解だったのか、疑問に思うユアンであった。
「ところで、これから何をするつもりだ?」
「そのことに関してだがな。
先ほどまで誰を新メンバーにスカウトしようかと話し合っていたんだが、君が入団してくれたことでその必要もなくなった」
答えになっているかなっていないかのきわどいところである。
「そのことに関してだがな。
先ほどまで誰を新メンバーにスカウトしようかと話し合っていたんだが、君が入団してくれたことでその必要もなくなった」
答えになっているかなっていないかのきわどいところである。
「予定がないなら、まずは近くの町へ行かないか? 色々あって疲れているのでな。少し休みたい。
それから私の仲間が数人ほど参加していてる。彼らを捜したい。
地図を見たところ、南の町、…ジファイブというらしいが、ちょうど城と城を結ぶ街道の中間点にあたる。
多くの者がここに立ち寄ることだろう。
同志を見つけるのにしても、知り合いと合流するにしても適した場所だ」
「ですが、そういったところには危険な人も集まってくるのではないですか…?」
カトリーヌが不安げに疑問を投げかけるが、これは既に想定済みだ。
それから私の仲間が数人ほど参加していてる。彼らを捜したい。
地図を見たところ、南の町、…ジファイブというらしいが、ちょうど城と城を結ぶ街道の中間点にあたる。
多くの者がここに立ち寄ることだろう。
同志を見つけるのにしても、知り合いと合流するにしても適した場所だ」
「ですが、そういったところには危険な人も集まってくるのではないですか…?」
カトリーヌが不安げに疑問を投げかけるが、これは既に想定済みだ。
「無論、このゲームに乗った者も集まってくるだろうな。
だが、昼間なら高い場所に陣を取り、見張りを付ければ、外から近づく者を発見するのはそう難しいことではない。
我らの支給品なら、相手がよほどの手練れでない限り、逃げ切ることは可能だろう。
不安要素は、今、町の中にゲームに乗った者が潜んでいないかどうかだが…」
「それならきっと大丈夫だと思います。私は先ほど町の中を通ったのですが、危険そうな参加者は見かけませんでした。
あれから時間はそれほど経ってはいませんし…」
カトリーヌが町の中を走り抜けた際、支給品袋を持ったまま気の抜けたように固まっていた参加者(=ルーティ)は見かけた。
もしゲームに乗った参加者がいたなら、彼女の方を襲うことだろう。
そして今、町に戦闘の様子はない、つまり、まだ安全だということだ。
「よし、ではまず町で最も高い建物を確保する! それでいいな?」
グリッドは話に参加できなくても、まとめだけはやって、リーダーとして自分をアピールしたいようだ。
だが、昼間なら高い場所に陣を取り、見張りを付ければ、外から近づく者を発見するのはそう難しいことではない。
我らの支給品なら、相手がよほどの手練れでない限り、逃げ切ることは可能だろう。
不安要素は、今、町の中にゲームに乗った者が潜んでいないかどうかだが…」
「それならきっと大丈夫だと思います。私は先ほど町の中を通ったのですが、危険そうな参加者は見かけませんでした。
あれから時間はそれほど経ってはいませんし…」
カトリーヌが町の中を走り抜けた際、支給品袋を持ったまま気の抜けたように固まっていた参加者(=ルーティ)は見かけた。
もしゲームに乗った参加者がいたなら、彼女の方を襲うことだろう。
そして今、町に戦闘の様子はない、つまり、まだ安全だということだ。
「よし、ではまず町で最も高い建物を確保する! それでいいな?」
グリッドは話に参加できなくても、まとめだけはやって、リーダーとして自分をアピールしたいようだ。
そういうことで、一番近いジファイブの町に向かうことにした一行であったが
靴の性能からか、どうしてもカトリーヌ、グリッド、ユアンの順になってしまうのであった。
「ま、待て! お前達、歩くのが少し速すぎないか?」
「何を言っているんだ。君もさっきの箒で空を飛べばいいではないか」
グリッドはこういうが、ユアンは乗り気ではない。
「この箒はマナを消費するようでな。…電気を使っても飛べるかもしれんが…多用は避けたい」
グリッドがカトリーヌに耳打ちする。
「…カトリーヌ。マナとは何だ?」
「え? ええと、魔法力ってことじゃないんですか?」
彼女の返答を聞くやいなや、グリッドはいかにも知った風に答える。
「なるほど、確かにマナの無駄な消費は得策ではないな。だが、これで消費を抑えられるのだろう?」
靴の性能からか、どうしてもカトリーヌ、グリッド、ユアンの順になってしまうのであった。
「ま、待て! お前達、歩くのが少し速すぎないか?」
「何を言っているんだ。君もさっきの箒で空を飛べばいいではないか」
グリッドはこういうが、ユアンは乗り気ではない。
「この箒はマナを消費するようでな。…電気を使っても飛べるかもしれんが…多用は避けたい」
グリッドがカトリーヌに耳打ちする。
「…カトリーヌ。マナとは何だ?」
「え? ええと、魔法力ってことじゃないんですか?」
彼女の返答を聞くやいなや、グリッドはいかにも知った風に答える。
「なるほど、確かにマナの無駄な消費は得策ではないな。だが、これで消費を抑えられるのだろう?」
グリッドがフェアリィリングを手渡す。マナの消費は確かにこれで抑えられる。
「それはフェアリィリングか。少々サイズが大きいようだが、ありがたい。頂いておこう」
「ところで」
「何だ?」
「ユアンさんって本当にその箒で自由に飛べるんですか?」
森を抜けたところでカトリーヌがユアンに疑問をぶつける。
「さきほどは緊急事態だったからな。注ぎ込むマナの量を調節すれば上手く操れるだろう」
答えを上手くはぐらかすが、ユアン自身も不安になってきた。
敵を避けようとして、逆に敵に突っ込んでいくようでは困るのだ。
「それはフェアリィリングか。少々サイズが大きいようだが、ありがたい。頂いておこう」
「ところで」
「何だ?」
「ユアンさんって本当にその箒で自由に飛べるんですか?」
森を抜けたところでカトリーヌがユアンに疑問をぶつける。
「さきほどは緊急事態だったからな。注ぎ込むマナの量を調節すれば上手く操れるだろう」
答えを上手くはぐらかすが、ユアン自身も不安になってきた。
敵を避けようとして、逆に敵に突っ込んでいくようでは困るのだ。
彼は休憩したあとこっそり練習しようと考えていたが、
「さっき電気で飛べるって言ってましたよね? これならマナとやらも消費せずに済むのではないでしょうか?」
カトリーヌが取りだしたのはエナジーブレット。電気を溜めたレンズ製品である。
彼女はこれをマナの代わりにして飛べるのではないかと考えたのだ。
「上手く帯電させることができれば長時間飛ぶことも可能かもしれんが…。いずれにしろ、今は休みたい」
他にも箒にまたがっているのを見られたくないという理由もあったが、それは言わなかった。
「さっき電気で飛べるって言ってましたよね? これならマナとやらも消費せずに済むのではないでしょうか?」
カトリーヌが取りだしたのはエナジーブレット。電気を溜めたレンズ製品である。
彼女はこれをマナの代わりにして飛べるのではないかと考えたのだ。
「上手く帯電させることができれば長時間飛ぶことも可能かもしれんが…。いずれにしろ、今は休みたい」
他にも箒にまたがっているのを見られたくないという理由もあったが、それは言わなかった。
「ユアン、君が乗らないなら、俺に乗らせてくれないか」
またもしゃしゃり出てきたグリッド。
5つもあるので、護身用にとカトリーヌが二人共に一つずつエナジーブレットを配っていたのだが、
グリッドがそれを取りだし、箒に対してスイッチを入れる。
「ブーストサンダー!」
またもしゃしゃり出てきたグリッド。
5つもあるので、護身用にとカトリーヌが二人共に一つずつエナジーブレットを配っていたのだが、
グリッドがそれを取りだし、箒に対してスイッチを入れる。
「ブーストサンダー!」
バリバリバリバリ!!
「…」
「…」
「ん? 少しやりすぎたかな?」
明らかに過剰な電気を流してしまっている。静電気が放出されているのが目に見える。
「どうなっても知らんぞ…」
「私もそれに乗るのはちょっと…」
ユアンもカトリーヌもビリビリいいながら静電気を放出する箒を見て、明らかにひいている。
「なんだなんだ、二人とも…。勇者たる俺が、この程度扱いきれないないはずがないだろう」
グリッドが箒にまたがる。彼は一回空を飛んでみたかったのだ。
「ほら、上手くいったようだぞ…」
本来なら魔力を持たない者が乗っても浮くことはほとんどないのだが、
電力を与えられたことと、グリッドの持っているC・ケイジに入った雷晶霊の存在が、それを可能にしていた。
だが、次の瞬間、グリッドが声をあげる間もなく、箒が暴走し、南の町の方へ突っ込んでいった。
「…」
「ん? 少しやりすぎたかな?」
明らかに過剰な電気を流してしまっている。静電気が放出されているのが目に見える。
「どうなっても知らんぞ…」
「私もそれに乗るのはちょっと…」
ユアンもカトリーヌもビリビリいいながら静電気を放出する箒を見て、明らかにひいている。
「なんだなんだ、二人とも…。勇者たる俺が、この程度扱いきれないないはずがないだろう」
グリッドが箒にまたがる。彼は一回空を飛んでみたかったのだ。
「ほら、上手くいったようだぞ…」
本来なら魔力を持たない者が乗っても浮くことはほとんどないのだが、
電力を与えられたことと、グリッドの持っているC・ケイジに入った雷晶霊の存在が、それを可能にしていた。
だが、次の瞬間、グリッドが声をあげる間もなく、箒が暴走し、南の町の方へ突っ込んでいった。
「何をやっているんでしょうね…?」
「知らん。私に聞くな」
ユアンとカトリーヌが頭をかかえたのは言うまでもない。
「知らん。私に聞くな」
ユアンとカトリーヌが頭をかかえたのは言うまでもない。
【グリッド 生存確認】
状態:擦り傷、ミスティブルームで暴走中。そのうち止まる。
所持品:C・ケイジ ナイトメアブーツ ミスティブルーム
現在位置:F5の平原→G5の町へ
基本行動方針:漆黒の翼のリーダーとして行動。危なそうなやつに会ったら逃げる
状態:擦り傷、ミスティブルームで暴走中。そのうち止まる。
所持品:C・ケイジ ナイトメアブーツ ミスティブルーム
現在位置:F5の平原→G5の町へ
基本行動方針:漆黒の翼のリーダーとして行動。危なそうなやつに会ったら逃げる
【カトリーヌ 生存確認】
状態:擦り傷
所持品:マジックミスト ジェットブーツ エナジーブレット×3
基本行動方針:漆黒の翼の一員として行動。死にたくはない
現在位置:F5の平原
状態:擦り傷
所持品:マジックミスト ジェットブーツ エナジーブレット×3
基本行動方針:漆黒の翼の一員として行動。死にたくはない
現在位置:F5の平原
【ユアン 生存確認】
所持品:占いの本、チャームボトル、フェアリィリング エナジーブレット
現在位置:F5の平原
状態:極度の疲労状態
基本行動方針:漆黒の翼の一員として行動しつつ、マーテルと合流
所持品:占いの本、チャームボトル、フェアリィリング エナジーブレット
現在位置:F5の平原
状態:極度の疲労状態
基本行動方針:漆黒の翼の一員として行動しつつ、マーテルと合流