忍び寄る邪神
神に実体というものはない。ほとんどの神は精神体である。
そして、それは星に存在するものすべてに宿っている。
こっちにある木にも、あそこにある岩にも、すべてに宿っている。
とはいっても、やはり相性といったものはあるわけで。
鉱石や人形のようなものには宿りやすく、ときにはその力を封じてしまうこともある。
そして、善神が存在する限り、悪神もまた存在する。
そして、それは星に存在するものすべてに宿っている。
こっちにある木にも、あそこにある岩にも、すべてに宿っている。
とはいっても、やはり相性といったものはあるわけで。
鉱石や人形のようなものには宿りやすく、ときにはその力を封じてしまうこともある。
そして、善神が存在する限り、悪神もまた存在する。
彼女が飛ばされたのは古い塔。
飛ばされたのは彼女だけだった。いつもはそばにいるはずの小動物は見当たらないし、仲間達もいない。
とにかく仲間を探そうとして行動を開始しようとしたとき、近くで誰かが戦っているのに気付いた。
マグニスとバルバトス。彼らが戦い、そして手を組み、武器を作る一連の出来事を目撃してしまった。
幸いなことに彼女の支給品のスカウトオーブで、彼女の気配を最小にすることができ、
また彼女の存在感はマグニス、バルバトス両名が放つ圧倒的な存在感の前にかき消され、気付かれることはなかった。
だが、彼女はその二人のデタラメな強さに恐怖した。
彼女だって術が使えないことはないが、キールのように素早い詠唱は得意ではない。
相手は二人。術師が前衛無しで複数人の相手をするのは無謀というものだ。
そして、彼女は当然、開始前にマグニスが男性の首を折ったのを覚えている。
見つかってしまえば最後、その男のように、自分も首を折られてしまうことだろう。 「リッド…。ファラ…。キール…。お母さん…。助けて…」
彼女はただ隠れ、祈ることしかできなかった。
飛ばされたのは彼女だけだった。いつもはそばにいるはずの小動物は見当たらないし、仲間達もいない。
とにかく仲間を探そうとして行動を開始しようとしたとき、近くで誰かが戦っているのに気付いた。
マグニスとバルバトス。彼らが戦い、そして手を組み、武器を作る一連の出来事を目撃してしまった。
幸いなことに彼女の支給品のスカウトオーブで、彼女の気配を最小にすることができ、
また彼女の存在感はマグニス、バルバトス両名が放つ圧倒的な存在感の前にかき消され、気付かれることはなかった。
だが、彼女はその二人のデタラメな強さに恐怖した。
彼女だって術が使えないことはないが、キールのように素早い詠唱は得意ではない。
相手は二人。術師が前衛無しで複数人の相手をするのは無謀というものだ。
そして、彼女は当然、開始前にマグニスが男性の首を折ったのを覚えている。
見つかってしまえば最後、その男のように、自分も首を折られてしまうことだろう。 「リッド…。ファラ…。キール…。お母さん…。助けて…」
彼女はただ隠れ、祈ることしかできなかった。
やがて、マグニスもバルバトスも塔を去り、二人の戦いの現場をあらためて見る。
多少古くはなっていたものの、神秘的な雰囲気をたたえていたはずのその回廊は見るも無惨な光景と化していた。
壁には大穴が空き、大理石の柱は折られ、あちこちが焼けこげ、床には瓦礫が散乱していた。
規模は小さいものの、ルイシカを思わせる崩壊ぶりだ。
もし生き残りたいなら、あの二人も殺さなければならない。
もし生き残りたいなら、かけがえのない仲間達をも殺さなければならない。
だが、そんなことができるはずがないし、したくもなかった。
「死にたくないよ…。帰りたいよ…。神様…」
《ならば我が生き残る手助けをしてやろうか》
突如、頭の中に声が響いた。まるで地の底からはい出してくるような、そんな声だ。
聞き覚えがある。そう、あれは確かレグルスの丘で…。
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
多少古くはなっていたものの、神秘的な雰囲気をたたえていたはずのその回廊は見るも無惨な光景と化していた。
壁には大穴が空き、大理石の柱は折られ、あちこちが焼けこげ、床には瓦礫が散乱していた。
規模は小さいものの、ルイシカを思わせる崩壊ぶりだ。
もし生き残りたいなら、あの二人も殺さなければならない。
もし生き残りたいなら、かけがえのない仲間達をも殺さなければならない。
だが、そんなことができるはずがないし、したくもなかった。
「死にたくないよ…。帰りたいよ…。神様…」
《ならば我が生き残る手助けをしてやろうか》
突如、頭の中に声が響いた。まるで地の底からはい出してくるような、そんな声だ。
聞き覚えがある。そう、あれは確かレグルスの丘で…。
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
彼女のもう一つの支給品は、鉱石だった。
リバヴィウス鉱といい、幻の鉱石とされているものだ。
技術の高い職人が加工すれば、最高の武器防具が作られることだろう。
だが、この鉱石にはもう一つの性格があった。破壊神の封印。
創造神の加護を得たものが存在するなら、破壊神の加護を得たものもまた、存在する。
彼女に配られた鉱石には、破壊神の残留思念が残っていた。
そして、その破壊神の精神は、自分に最も適した器を探し求める。
その器こそが、メルディ。
彼女にとって幸いだったのは、残留思念は彼女が耐えられる程度の弱いものであったこと。
多少錯乱したものの、今は声もなにも聞こえない
だが、もし彼女が精神に異常をきたせば、またはそれを望めば、彼女は破壊神に体を乗っ取られてしまうかもしれない。
リバヴィウス鉱といい、幻の鉱石とされているものだ。
技術の高い職人が加工すれば、最高の武器防具が作られることだろう。
だが、この鉱石にはもう一つの性格があった。破壊神の封印。
創造神の加護を得たものが存在するなら、破壊神の加護を得たものもまた、存在する。
彼女に配られた鉱石には、破壊神の残留思念が残っていた。
そして、その破壊神の精神は、自分に最も適した器を探し求める。
その器こそが、メルディ。
彼女にとって幸いだったのは、残留思念は彼女が耐えられる程度の弱いものであったこと。
多少錯乱したものの、今は声もなにも聞こえない
だが、もし彼女が精神に異常をきたせば、またはそれを望めば、彼女は破壊神に体を乗っ取られてしまうかもしれない。
【メルディ 生存確認】
状態:パニック。ネレイドの干渉は押さえ込んでいる
所持品:スカウトオーブ、リバヴィウス鉱
行動方針:仲間と合流、元の世界へ帰る
現在地:A2の草原地帯
状態:パニック。ネレイドの干渉は押さえ込んでいる
所持品:スカウトオーブ、リバヴィウス鉱
行動方針:仲間と合流、元の世界へ帰る
現在地:A2の草原地帯