重なる想い
クラトスの不安は的中していた。
辺りを適当に散策しようと思ったものの、あの金髪の少年―――カイルが気になり後を付けて出していた。
まさに予感していた事が眼前で起こってしまった。
黒い法衣を纏った魔術師に魔術で攻撃され、崖から落ちていった。そしてそこには先ほど見かけた少女がその男と対峙している。
少女は恐れているのか膝を付いて硬直しており、しかも魔術師はまさに少女を攻撃しようと手を翳していた。
「――魔人剣!!!!」
クラトスの放った衝撃波が魔術師―――デミテルに向けて地面を滑走する。
「ちっ!!」
間一髪で身を引いて、デミテルはその攻撃を紙一重でかわした。
青灰の髪はそれを掠め、はらりと数本散る。
「あなたは…!」
リアラは驚く。
乱れた髪を軽く手櫛で整えながら、デミテルは言う。
「全く間が悪い、この少女も仕留めれていたものを」
眉間に皺を寄せ、鷹の様な眼で自分を睨む男に対してデミテルは薄く笑った。
「…成程、貴様はこのゲームのマーダーか」
「ええ。あの男―――ミクトランがこのゲームを中止するとは思えない。
ならばせめて盛り上げて差し上げようとね」
クラトスの表情が険しくなる。
「そうか…だがあの少年の分は償ってもらおうか」
ふ、とデミテルはまた笑った。
「少年…?名も知らぬ人間の仇討ちでもするというのか。理解不能だな」
険しく固まっていたクラトスの表情が、少し動いた。
本来ならクラトス自身も他人の為にそんなことをしようとは思わないだろう。
しかしあの少年が父さんと自分を呼んだ瞬間、その少年が自分の親しい者の姿が重なった。息子の姿が…
「黙れ。二度と口をきけないようにしてやろう」
デミテルは溜め息を吐いた。魔人剣で裂けた地面を見やる。
「かなりの実力を持っているようだな。先程の太刀筋も素晴らしい」
クラトスは無言で剣を構え、デミテルに向けて駆けだした。
「だが私は危険な橋を渡るのは極力避けたいのでね」
「何!?」
クラトスが驚いた頃には遅かった。
足元からいきなり炎が吹き出した。
トラップだった。
「ぐうっ!!」
轟音と熱がクラトスを包み、クラトスは悶える。
「いつの間に!」
リアラが叫ぶ。
クラトスは剣を大きく振り、剣風で炎を断ち切るように捲く。
そして炎を振り払った時には既にデミテルの姿はそこにはなかった。
「あの…!」
リアラはクラトスに駆け寄る。
「…私とした事が…しくったな」
炎が巻き上がった地面を忌々しげに見やる。
「回復します…えっと…」
「私の名はクラトスだ。回復なら自分でも出来るから構わなくていい」
クラトスのぶっきらぼうな態度にリアラは内心怯えつつも頭を下げた。
「助けて下さってありがとうございます。私はリアラといいます。」
安堵の表情ではあってもその瞳は曇っていた。
そしてリアラは居ても立ってもいれないという様子で掛けだそうとした。
「待て」
それをクラトスが制止する。
「あの少年か…」
「はい」
リアラは胸元で結んだ手をぎゅ、と握った。
伏せた瞼が小刻みに揺れて長い睫が震える。
「…焦る気持ちは分かる。だがあの男のことだ。まだどこかにトラップを仕掛けているかもしれない。先程トラップが発動した場所ならば大丈夫だからそこから迂回しよう」
え、とリアラが眼を見開く。
「私もお前に協力しよう。あの少年を見つけ出す。私が誘導するからお前はあの少年が無事であるように祈っていてくれ」
クラトスのいきなりの提案にリアラは驚きを隠せず、眼を丸めたままだが、その次に大きく頭を下げた。
「本当に…本当にありがとうございます。私……」
今までの緊張の糸が一気に切れて、目頭に熱さがこみ上げたが呑み込むようにそれを堪えた。
それを知ってか知らずかクラトスは行くぞ、と一言だけ掛けると先を歩きだした。北に向けて。
そしてその胸に息子を案じる気持ちが溢れていった。
辺りを適当に散策しようと思ったものの、あの金髪の少年―――カイルが気になり後を付けて出していた。
まさに予感していた事が眼前で起こってしまった。
黒い法衣を纏った魔術師に魔術で攻撃され、崖から落ちていった。そしてそこには先ほど見かけた少女がその男と対峙している。
少女は恐れているのか膝を付いて硬直しており、しかも魔術師はまさに少女を攻撃しようと手を翳していた。
「――魔人剣!!!!」
クラトスの放った衝撃波が魔術師―――デミテルに向けて地面を滑走する。
「ちっ!!」
間一髪で身を引いて、デミテルはその攻撃を紙一重でかわした。
青灰の髪はそれを掠め、はらりと数本散る。
「あなたは…!」
リアラは驚く。
乱れた髪を軽く手櫛で整えながら、デミテルは言う。
「全く間が悪い、この少女も仕留めれていたものを」
眉間に皺を寄せ、鷹の様な眼で自分を睨む男に対してデミテルは薄く笑った。
「…成程、貴様はこのゲームのマーダーか」
「ええ。あの男―――ミクトランがこのゲームを中止するとは思えない。
ならばせめて盛り上げて差し上げようとね」
クラトスの表情が険しくなる。
「そうか…だがあの少年の分は償ってもらおうか」
ふ、とデミテルはまた笑った。
「少年…?名も知らぬ人間の仇討ちでもするというのか。理解不能だな」
険しく固まっていたクラトスの表情が、少し動いた。
本来ならクラトス自身も他人の為にそんなことをしようとは思わないだろう。
しかしあの少年が父さんと自分を呼んだ瞬間、その少年が自分の親しい者の姿が重なった。息子の姿が…
「黙れ。二度と口をきけないようにしてやろう」
デミテルは溜め息を吐いた。魔人剣で裂けた地面を見やる。
「かなりの実力を持っているようだな。先程の太刀筋も素晴らしい」
クラトスは無言で剣を構え、デミテルに向けて駆けだした。
「だが私は危険な橋を渡るのは極力避けたいのでね」
「何!?」
クラトスが驚いた頃には遅かった。
足元からいきなり炎が吹き出した。
トラップだった。
「ぐうっ!!」
轟音と熱がクラトスを包み、クラトスは悶える。
「いつの間に!」
リアラが叫ぶ。
クラトスは剣を大きく振り、剣風で炎を断ち切るように捲く。
そして炎を振り払った時には既にデミテルの姿はそこにはなかった。
「あの…!」
リアラはクラトスに駆け寄る。
「…私とした事が…しくったな」
炎が巻き上がった地面を忌々しげに見やる。
「回復します…えっと…」
「私の名はクラトスだ。回復なら自分でも出来るから構わなくていい」
クラトスのぶっきらぼうな態度にリアラは内心怯えつつも頭を下げた。
「助けて下さってありがとうございます。私はリアラといいます。」
安堵の表情ではあってもその瞳は曇っていた。
そしてリアラは居ても立ってもいれないという様子で掛けだそうとした。
「待て」
それをクラトスが制止する。
「あの少年か…」
「はい」
リアラは胸元で結んだ手をぎゅ、と握った。
伏せた瞼が小刻みに揺れて長い睫が震える。
「…焦る気持ちは分かる。だがあの男のことだ。まだどこかにトラップを仕掛けているかもしれない。先程トラップが発動した場所ならば大丈夫だからそこから迂回しよう」
え、とリアラが眼を見開く。
「私もお前に協力しよう。あの少年を見つけ出す。私が誘導するからお前はあの少年が無事であるように祈っていてくれ」
クラトスのいきなりの提案にリアラは驚きを隠せず、眼を丸めたままだが、その次に大きく頭を下げた。
「本当に…本当にありがとうございます。私……」
今までの緊張の糸が一気に切れて、目頭に熱さがこみ上げたが呑み込むようにそれを堪えた。
それを知ってか知らずかクラトスは行くぞ、と一言だけ掛けると先を歩きだした。北に向けて。
そしてその胸に息子を案じる気持ちが溢れていった。
一方デミテルは―――
クラトスがトラップに掛かった瞬間、なんと崖を飛び降りていた。
魔術の手練である彼は魔力で風を操り、重力の抵抗を弱めれば降りるのは造作もない事だった。目的はただ一つ
カイルに止めを刺すためだった。
クラトスがトラップに掛かった瞬間、なんと崖を飛び降りていた。
魔術の手練である彼は魔力で風を操り、重力の抵抗を弱めれば降りるのは造作もない事だった。目的はただ一つ
カイルに止めを刺すためだった。
【リアラ 生存確認】
状態:無傷
所持品:ロリポップ ???? ????
第一行動方針:デミテルをやりすごす
第二行動方針:カイルを探す
現在位置:G2の崖付近
状態:無傷
所持品:ロリポップ ???? ????
第一行動方針:デミテルをやりすごす
第二行動方針:カイルを探す
現在位置:G2の崖付近
【クラトス 生存確認】
状態:全身、特に足元に中程度の火傷
所持品:ディフェンダー ??? ???
第一行動方針:リアラと行動 カイルを見つける
第二行動方針:ロイドが気になる
状態:全身、特に足元に中程度の火傷
所持品:ディフェンダー ??? ???
第一行動方針:リアラと行動 カイルを見つける
第二行動方針:ロイドが気になる
【デミテル 生存確認】
所持品:フィートシンボル ストロー ミスティシンボル ????
第一行動方針:カイルを殺す
第二行動方針:出来る限り最低限の方法で邪魔者を駆逐する
第三行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在地:G2の崖下降中
所持品:フィートシンボル ストロー ミスティシンボル ????
第一行動方針:カイルを殺す
第二行動方針:出来る限り最低限の方法で邪魔者を駆逐する
第三行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在地:G2の崖下降中