くノ一は見た! ◆KKid85tGwY
そのメイド服を着た女は、忍の者としての訓練を修めている。
だから月明かりを通さぬ鬱蒼とした森の中でも、周囲の様子ははっきりと視えていた。
だから人の気配の無い鬱蒼とした森の中でも、草木の擦れる音まで聞こえていた。
だから森の中の匂いに、文明の気配が混じっていないと嗅ぎ分けていた。
そう、ここがまるで見知らぬ森の中だとはっきり認識出来ていたのだ。
(……ここは一体? 私は何故、この様な所に?)
篠崎流37代目を継ぐ彼女――篠崎咲世子は、全くの未知の世界に1人置き去りにされていた。
だから月明かりを通さぬ鬱蒼とした森の中でも、周囲の様子ははっきりと視えていた。
だから人の気配の無い鬱蒼とした森の中でも、草木の擦れる音まで聞こえていた。
だから森の中の匂いに、文明の気配が混じっていないと嗅ぎ分けていた。
そう、ここがまるで見知らぬ森の中だとはっきり認識出来ていたのだ。
(……ここは一体? 私は何故、この様な所に?)
篠崎流37代目を継ぐ彼女――篠崎咲世子は、全くの未知の世界に1人置き去りにされていた。
とりあえず頬を抓ってみる。
痛い。やはり夢では無いらしい。
そして現実ならば、今の状況はそのまま解決すべき問題となる。
まずは現在の状況を整理してみる。
何時の間にか得体の知れない空間に居て、突然殺し合いをしろと命じられ
そして次の瞬間にはこの場に居た。
つまりここは殺し合いをする為に招待された会場、と言った所か。
では身の振り方はどうするか?
当然目的となるのは、一刻も早い帰還だ。
自分は反ブリタニア組織『黒の騎士団』の構成員である。
それがこんな所に居ては、自分の任務も遂行出来ない。
殺し合いに勝ち残るなり首輪を外すなり、とにかく最も迅速かつ確実な方法で帰還に臨めば良い。有る意味簡単な話だ。
自分1人の問題だったなら。
この殺し合いには黒の騎士団のリーダーにして咲世子の主であるゼロ、ルルーシュまで参加していた。
ルルーシュが参加しているとなると、まるで話が違って来る。
最優先にすべきはルルーシュの生還だ。それは自分も含めた、あらゆる命にも優先する。
ではルルーシュを除く全員を殺害し、最後に自殺すれば良いのだろうか?
確かにその方法が最も迅速かつ確実に思える。
しかし殺し合いを主催する者が、何処まで信用出来るかと言う問題がある。
何よりそのやり方は強者が弱者を蹂躙する事を良しとしない黒の騎士団、即ちゼロの掲げる理念に反するのではないか?
今はそんな建前を気に掛けている場合では、無いのかも知れないが。
しかしそもそも他の参加者を殺して回っている内に、肝心のルルーシュが殺されていたら目も当てられない。
痛い。やはり夢では無いらしい。
そして現実ならば、今の状況はそのまま解決すべき問題となる。
まずは現在の状況を整理してみる。
何時の間にか得体の知れない空間に居て、突然殺し合いをしろと命じられ
そして次の瞬間にはこの場に居た。
つまりここは殺し合いをする為に招待された会場、と言った所か。
では身の振り方はどうするか?
当然目的となるのは、一刻も早い帰還だ。
自分は反ブリタニア組織『黒の騎士団』の構成員である。
それがこんな所に居ては、自分の任務も遂行出来ない。
殺し合いに勝ち残るなり首輪を外すなり、とにかく最も迅速かつ確実な方法で帰還に臨めば良い。有る意味簡単な話だ。
自分1人の問題だったなら。
この殺し合いには黒の騎士団のリーダーにして咲世子の主であるゼロ、ルルーシュまで参加していた。
ルルーシュが参加しているとなると、まるで話が違って来る。
最優先にすべきはルルーシュの生還だ。それは自分も含めた、あらゆる命にも優先する。
ではルルーシュを除く全員を殺害し、最後に自殺すれば良いのだろうか?
確かにその方法が最も迅速かつ確実に思える。
しかし殺し合いを主催する者が、何処まで信用出来るかと言う問題がある。
何よりそのやり方は強者が弱者を蹂躙する事を良しとしない黒の騎士団、即ちゼロの掲げる理念に反するのではないか?
今はそんな建前を気に掛けている場合では、無いのかも知れないが。
しかしそもそも他の参加者を殺して回っている内に、肝心のルルーシュが殺されていたら目も当てられない。
思案の末に咲世子が出した結論は、見。
先ずはルルーシュと合流して、可能な限りの安全を確保。
その後状況や入手出来た情報を見て、ルルーシュの帰還方法を検討。
大まかな行動方針を決めた所で、先ずは手元から情報収集を始める。
配られたと言う武器とやらも、確かめておきたい。
何しろ今の咲世子は苦内や煙幕弾等の、常から携帯している武器は全て無くなっているのだ。
ルルーシュを捜して動く為にも、支給武器に頼る必要が有る。
支給されたデイパックを開け、中を改める。
折り畳まれた紙片が添えられた、双眼鏡の様な物が見付かった。
どうやら紙は説明書であるらしく、物はそのまま只の双眼鏡。説明書の必要性を疑う。
これも支給武器と言う事なのだろうか?
試しに覗いて見る。
それは本当に偶然だった。
双眼鏡の性能を試す為、深い意味も無く覗いて見たその先。
そこに2人の少女が居た。
1人は10代後半と思しき、緑の長い髪を後ろで結んだ少女。
少女は草葉に潜み、もう1人の少女を観察している。
まだティーンエイジにも満たないと思しき、長い赤髪の少女。
片手に軽々と剣を握り、殺し合いに怖気付く様子は無い。
何気無い、しかし武術の熟練をすら匂わせる自然体の立ち方。
放つ気配は沈着にして、この上なく獰猛。
とても年端もいかない子供の物とは思えない、距離を置いたこの場にさえ届かせる危険な気配。
緑髪の少女の方は、完全に赤髪の少女に呑まれていた。
不意に赤髪の少女の身体が揺らいだ。
次の瞬間には、緑髪の少女の首から上はまるで玩具のそれの如く
呆気無く零れ落ちていた。
先ずはルルーシュと合流して、可能な限りの安全を確保。
その後状況や入手出来た情報を見て、ルルーシュの帰還方法を検討。
大まかな行動方針を決めた所で、先ずは手元から情報収集を始める。
配られたと言う武器とやらも、確かめておきたい。
何しろ今の咲世子は苦内や煙幕弾等の、常から携帯している武器は全て無くなっているのだ。
ルルーシュを捜して動く為にも、支給武器に頼る必要が有る。
支給されたデイパックを開け、中を改める。
折り畳まれた紙片が添えられた、双眼鏡の様な物が見付かった。
どうやら紙は説明書であるらしく、物はそのまま只の双眼鏡。説明書の必要性を疑う。
これも支給武器と言う事なのだろうか?
試しに覗いて見る。
それは本当に偶然だった。
双眼鏡の性能を試す為、深い意味も無く覗いて見たその先。
そこに2人の少女が居た。
1人は10代後半と思しき、緑の長い髪を後ろで結んだ少女。
少女は草葉に潜み、もう1人の少女を観察している。
まだティーンエイジにも満たないと思しき、長い赤髪の少女。
片手に軽々と剣を握り、殺し合いに怖気付く様子は無い。
何気無い、しかし武術の熟練をすら匂わせる自然体の立ち方。
放つ気配は沈着にして、この上なく獰猛。
とても年端もいかない子供の物とは思えない、距離を置いたこの場にさえ届かせる危険な気配。
緑髪の少女の方は、完全に赤髪の少女に呑まれていた。
不意に赤髪の少女の身体が揺らいだ。
次の瞬間には、緑髪の少女の首から上はまるで玩具のそれの如く
呆気無く零れ落ちていた。
赤髪の少女が首を刎ねた。
咲世子だからこそ、ようやくそう認識出来た早業。
否、そんな表現では足りない人間の速さを超えた業。斬られた当の少女と同じく、常人には知覚すら及ばないであろう。
咲世子とて篠崎流を修めた、一流の武人。
同じ人間と言う枠組みの中なら、トップレベルの戦力を持っている。
そんな咲世子だからこそ、赤髪の少女のたった一閃で見抜いた。
あの赤髪の少女は、明らかに人類を逸脱した存在だと。
衝撃と、それに付随する恐怖を覚える。
確かに先程までも、ここに来るまでの瞬間移動等の超常現象を体験して来た。
しかし赤髪の少女は、無抵抗な他者をあっさり殺害した事からも完全に殺し合いに乗っている。
つまりは咲世子にとって、そしてルルーシュにとっても極めて危険な存在。
赤髪の少女が、首を刎ねられた少女の下に屈み込み
血塗れた首輪を回収する。
そして体を起こした瞬間に――咲世子と視線が交差した。
咲世子だからこそ、ようやくそう認識出来た早業。
否、そんな表現では足りない人間の速さを超えた業。斬られた当の少女と同じく、常人には知覚すら及ばないであろう。
咲世子とて篠崎流を修めた、一流の武人。
同じ人間と言う枠組みの中なら、トップレベルの戦力を持っている。
そんな咲世子だからこそ、赤髪の少女のたった一閃で見抜いた。
あの赤髪の少女は、明らかに人類を逸脱した存在だと。
衝撃と、それに付随する恐怖を覚える。
確かに先程までも、ここに来るまでの瞬間移動等の超常現象を体験して来た。
しかし赤髪の少女は、無抵抗な他者をあっさり殺害した事からも完全に殺し合いに乗っている。
つまりは咲世子にとって、そしてルルーシュにとっても極めて危険な存在。
赤髪の少女が、首を刎ねられた少女の下に屈み込み
血塗れた首輪を回収する。
そして体を起こした瞬間に――咲世子と視線が交差した。
見付かった!?
どうすればいい?
敵は完全に身体を隠していた、緑髪の少女を見付け出せる程の策敵能力を持つ。
身体能力は敵が上、逃げる事すら容易ではない。
そして戦いになれば、絶対に敵わない!
全てを考え終えるか終えないかの刹那、咲世子は赤髪の少女に背を向け走り出していた。
どうすればいい?
敵は完全に身体を隠していた、緑髪の少女を見付け出せる程の策敵能力を持つ。
身体能力は敵が上、逃げる事すら容易ではない。
そして戦いになれば、絶対に敵わない!
全てを考え終えるか終えないかの刹那、咲世子は赤髪の少女に背を向け走り出していた。
足跡、足音、呼吸、木の枝葉に擦れる音等を極力殺して咲世子は森の中を駆け抜けていた。
どれ程慌てても、身に付いた忍の走りは意識せずにこなせる。
しばらく走っている内に追ってくる気配が無い事に気付き、足を止めた。
どうやら、少なくとも敵が追跡して来る事は無い様だ。
最も油断は出来ないので、周囲への警戒は怠らないが。
どれ程慌てても、身に付いた忍の走りは意識せずにこなせる。
しばらく走っている内に追ってくる気配が無い事に気付き、足を止めた。
どうやら、少なくとも敵が追跡して来る事は無い様だ。
最も油断は出来ないので、周囲への警戒は怠らないが。
一息入れる内に、少しは冷静に先程の出来事を振り返れる様になる。
思い返せば、敵がこちらの存在を察知していたか否かも確認していなかった。
何しろこちらからは、双眼鏡が無ければ視覚が届かない距離だ。
敵が如何な怪物とは言え、こちらに気付いていない可能性の方が高い。
それを確認せずに逃げたのは、些か早計だった様に思われる。
思い返せば、敵がこちらの存在を察知していたか否かも確認していなかった。
何しろこちらからは、双眼鏡が無ければ視覚が届かない距離だ。
敵が如何な怪物とは言え、こちらに気付いていない可能性の方が高い。
それを確認せずに逃げたのは、些か早計だった様に思われる。
結論を言えば赤髪の少女――シャナは、咲世子の存在に気付いていない。
咲世子にその事実を確かめる術は無いのだが。
咲世子にその事実を確かめる術は無いのだが。
何れにしろ今のは慎重を期すのでは無く、怯えから来る短慮な行動。
殺し合いと言う状況と得体の知れない怪物を敵に回す事実は、これ程平静を欠くとは。
最早ここが一刻の猶予も持てない環境だと分かった。
早急にルルーシュと合流し、安全を確保しなければならない。
そして如何なる手段を持ってしても、ルルーシュを守らなければならない。
無駄な殺生は避けたいが、ルルーシュの為と有れば話は別だ。
それは決して『無駄な殺生』では無いのだから。
殺し合いと言う状況と得体の知れない怪物を敵に回す事実は、これ程平静を欠くとは。
最早ここが一刻の猶予も持てない環境だと分かった。
早急にルルーシュと合流し、安全を確保しなければならない。
そして如何なる手段を持ってしても、ルルーシュを守らなければならない。
無駄な殺生は避けたいが、ルルーシュの為と有れば話は別だ。
それは決して『無駄な殺生』では無いのだから。
手に持っていた双眼鏡を仕舞い、咲世子は再び闇を駆け抜けていく。
全ては主、ルルーシュの為に。
全ては主、ルルーシュの為に。
【一日目深夜/C-2 北東部】
【篠崎咲世子@コードギアス 反逆のルルーシュ(アニメ)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式 双眼鏡@現実、未確認(0〜2)
[状態]健康
[思考・行動]
1:ルルーシュと合流する。
2:ルルーシュが殺し合いから脱出する方法を探す。
3:赤い髪の少女(シャナ)を警戒。
[備考]
※参戦時期は未定。
※赤い髪の少女(シャナ)が殺し合いに乗っていると思っています。
【篠崎咲世子@コードギアス 反逆のルルーシュ(アニメ)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式 双眼鏡@現実、未確認(0〜2)
[状態]健康
[思考・行動]
1:ルルーシュと合流する。
2:ルルーシュが殺し合いから脱出する方法を探す。
3:赤い髪の少女(シャナ)を警戒。
[備考]
※参戦時期は未定。
※赤い髪の少女(シャナ)が殺し合いに乗っていると思っています。
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