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情報系まとめ作成者に聞く!(vol11:ちよ様)

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teikyodo

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情報系まとめ作成者に聞く!(vol11:ちよ様)

お名前

ちよ

出している本/ネップリの主な傾向やコンセプトを教えてください(刀の調査/刀以外の調査/旅行記 等)

粟田口吉光作の刀剣についてまとめた『よしみつ手帖』。他、吉光銘を切る刀工についても調べております。


あなたのテーマ周辺で、浅く広く系のおすすめ本をMAX5冊くらいまで教えてください

『日本刀 五ヶ伝の旅 山城伝編』『日本の美術 No.107 山城鍛冶』この3冊はぜひ吉光好きには読んで欲しい。


あなたの調べているテーマに該当する、深くコアな内容のおすすめ本をMAX5冊くらいまで教えてください

『Museum 東京国立博物館研究誌No.647&671』…岡山藤四郎を中心に、現存する吉光の比較を客観的に行なっているのでおすすめ。
『短刀の美-鉄の煌めき』…歴代の短刀を見ながら粟田口吉光と比較できる貴重な図録。


調査を始めたきっかけを教えてください

2016年、刀剣乱舞初コラボが行われた山形県米沢市にある「米沢市上杉博物館」での五虎退の展示に行く際に、個人的に旅のしおりを作ろろうと図書館に本を読みに行きました。そこから沼入り。


(ネット公開/ネップリ/本など形を問わず)発信したきっかけをおしえてください

遠征の際に吉光中心に刀剣メモを書き溜めていたので、それと合わせて「粟田口吉光」だけについてまとめた本があったら楽しいな、と思ったので。


集めた資料はどんな感じで管理していますか?(保管およびインデックスつけ等)

リフィル別のクリアファイルに複写した資料をひたすら入れ、まとめて箱に入れてます。吉光とその他でざっくり分けて。


本を作るときのざっくり手順やスケジュール感、こだわり等々を教えてください

印刷所を決める(できればサンプルや資料請求をする)→出るイベントと締め切りを決定と把握→(一応)原稿スケジュール立てる→紙にスケッチを描きまくる(プロットとネーム)→印刷所の入稿仕様に合わせてIllustratorとPhotoshopで原稿作成→入稿(いつもギリギリ)

  • 表紙とタイトルは本文に手をつける前にやる。スケジュールが立てやすくなり、個人的に完成までのやる気が段違い。
  • 原稿用の情報の整理はGoogleのスプレッドシートを使用。
  • 本文のイラストや表はIllustratorで力技。
  • 印刷部数はいつも違うのでノーコメントで…必要と思われる部数より多めに刷ってはいます。
  • 冊数の参考にするのは主にBOOTHの入荷お知らせメール。


(本)初めて本を作ったときに困ったことと、どんなふうに解決したかを教えてください

「よしみつ手帖(2018)」最初に表紙を作ったけれど、本文が出来上がった時に気に入らなくなったので締め切り直前に作り直した。
その後発行した同人誌は、表紙のデザインと紙選びの時間をかけるようにしています。
表紙は顔なので自分の納得のいくものにしたいので…。
本文制作に関してはスケジュール管理が甘くてラストスパートが大変でした。時間にゆとりがある制作は大事です。時間がないと見直しできなくて誤字脱字も多くなります…。


(本)印刷所選びの基準を教えてください

オフセットで印刷が綺麗なところ。ほぼ緑陽社さんで印刷していますが、表紙と本文の印刷や本体のクオリティ(綴じの緩みがないとか)にばらつきがないのでいつもありがたいです。
印刷所を決めるまで有料無償問わず、気になった印刷所のサンプルを取り寄せて比較しました(10社ほど)。


(本)印刷所用の原稿を作るとき、表紙と本文それぞれどのようなソフトを使用していますか?

表紙→Illustratorでざっくりデザインとレイアウト決めてPhotoshopで2色刷り用にレイヤー分けしたデータを制作。
本文→Illustratorのみ。画像データが多いと入稿時混乱するのでイラストや表はIllustratorで完結するように作ってます。


あなたの資料の探し方を教えてください

マシュマロに載ってる以外の方法であれば、調べて手に入れた資料の参考文献を芋づる式に調べること。
検索ワード的に引っかからない資料にアクセスするならこれが今のところ確実かと。


近現代の人物について扱った、あるいは扱いを検討したことはありますか?ある場合、どのような配慮をしましたか?

戦後以降の持ち主については文化施設蔵以外は個人蔵と記載しています。
あと戦後以降の個人間の所有変遷については刀剣乱舞が始まる以前についてはあえて調べたり文章等には書かないようにしています(積極的に調べていると不意に知ってしまうことはありますが)。


伝承がたどりきれなかったとき:資料をたどっていって、一旦行き止まりになったときにどうしますか?

「ここがわかりません」としっかりと明記してTLに放流すると案外、その先を知っている方の目に入って新たな情報にアクセスできるかも…?
古い刀剣資料については情報が曖昧だったり現在の定説を異なることがあるので、決めつけて書かないことをお勧めします。


重要な資料の存在を教えてくれた方などはいますか?まとめる上で特別な扱いや事前のお話などしましたか?

(質問の意図を掴みかねるのですが、)参考文献や「詳しい方に教えていただいた」などの文言を追記すればまとめ公開しても大丈夫なのではないかと思います。


マイナスの印象を与えるようなテーマを扱うか検討したことはありますか?どのように対応しましたか?

なるべく省きます。刀剣にはだいたい大切にしていらっしゃる持ち主の方がいるので。
自分の心のうちに留めるのみにしている話はそこそこあります。


信頼性の低いネタは扱いますか? 扱う場合には何か気をつけていることなどはありますか?

刀剣界で有名な話でも一般の史実と照らし合わせると矛盾することもあるので(明治14年米沢行幸の1日滞在延長の話とか)、信憑の高い低い問わず気になったら一般の歴史書等、刀剣資料から離れたもの目に通すようにしています


調べてみたら予想と違ってびっくり!となったことがあればおしえてください

前述しましたが、姫鶴一文字の逸話を調べてまとめようと軽い気持ちで調べ始めた「明治14年の明治天皇の米沢行幸の際に姫鶴一文字を筆頭に上杉家の名刀を気に入り、1日滞在を伸ばした」逸話に関して、宮内省の行幸関連資料や上杉家の御年譜、関連人物(宮島誠一郎氏)の日記などを照らし合わせたら全く延長などしていなくて、明治天皇は翌日早起きして次の場所に移動していると結論が出た時。納得いくまで調べるのに1年半かかりました。


まとめたことで、何か得たもの、あるいは起こった出来事、思わぬ反応などありましたら教えてください

  • 博物館で委託が決まったこと。
  • 本を読んでくれた人から情報提供があったこと。
  • いただける感想全て!ありがとうございます!
  • 薬研藤四郎について、いつか見つかると良いねと言っていただけたこと。


何か補足だったり、語りたいことがあればどうぞ

軽い気持ちで踏み込むと時間とお金が溶けます。溶けました。


これから調査してみる/まとめを作ってみる方に向けて一言!

まずは図書館に行くこと!図書館の本の場所を覚えると次調べにいくのが楽&楽しくなるかも。
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