寮塔
原則全寮制の
魔道学院にはその敷地内に四棟の寮塔を有する。土水風炎の字を冠された寮塔内部は必要に応じてその階層、部屋数が増減するといわれる。
基本的な構造に各寮塔の差異は存在しないが、塔内に設けられた浴場はそれぞれ異なったものが用意されている。
ひかれる湯の源泉は水風、土炎で異なり、湯質も異なる。前者は透明度はあるがぬめり気を帯び、後者はぬめり気は弱いが白濁している。
土の塔の浴場は地下1階に存在し、湯船の他に蒸気洞穴を併設する。この蒸気の吹き出し口の奥は遥か地下に続いているなどとまことしやかな噂が絶えないが、未だ踏破したものはいない。
炎の塔の浴場も土の塔同様地下に存在するが、誰の意匠であるのか火口をイメージした岩風呂であり、見ているだけで熱い。実際、塔を祝福する火精の影響が出ているのか、他の塔よりも湯温は高めであり、冬場は人気。
風の塔と水の塔は浴場を最上階に設けており、風の塔は露天台に湯船を有する。水の塔は中央の湯船と放射状の通路で繋がる二つの同心円状の湯船を有し、それそれが逆の流れによって流れている。湯船の面積が広い為、洗い場が外周円状に並んでいるのが特徴的。
それぞれの塔は各精霊の祝福を授かっており、大きな差異こそないものの、土の塔は一年を通じて気温・湿度が最も安定している、炎の塔1階に備えられた簡易厨房や暖炉の火力は他よりも強い、風の塔の空気は他よりもより澄んでおり、埃なども溜まりにくい反面、冬場は若干冷える、水の塔の水栓の水や、保冷庫は他に比べてより冷える、夏場壁から若干の冷気を放出するので過ごしやすい等の違いが存在する。
学生の寮塔の行き来や他寮施設の利用は基本的に自由である為、季節ごとに学生たちが集まり易い塔というものが存在する。
3階と5階には向かい合って立つ各寮を結ぶ回廊が存在し、閉門時間までは空中回廊と中庭を通って自由に出入りすることができる。
性差を互いに尊重しあう精神育成をモットーとしており、男子・女子寮の別は設けておらず、男女の学生が隣り合った寮室で生活する。
基本は二人部屋だが、年少時は四人部屋となることもあれば、体質に事情を抱えた生徒の場合は一人部屋として用いることを許されるケースも存在する。また同室の生徒は基本的に同性であるが、血縁者の場合などに限り異性での同室は許される。
各階は吹き抜けの螺旋階段(高層階へは限定転移門あり)で繋がり、階段踊り場からは談話室を経て寮室の並ぶ通路へと通じている。
各階1号室の生徒はフロア長として、階の寮生の風紀・生活態度の監督・補助を行い、寮長を補佐する役目を負う。
最終更新:2012年07月03日 22:28