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テラカオスバトルロワイアル外伝
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本日のスープ

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本日のスープ ID:Cbp1mvEQ


住宅街の中の一軒の民家にて、南夏奈は膝を抱え
震えながら息を殺していた。
(なんなんだよぉ……なんで私がこんな目に……)

家の外では、二人の殺人鬼が夏奈を探し回っている。
「お嬢さーん!どこですかー!」
「出てきてください!僕たちは殺し合いには乗っていません!」
「貴女に危害を加えるつもりはありません!出てきてください!」
「力を合わせて、一緒に殺し合いを止めましょう!」

そんなの嘘だ、と夏奈は確信していた。
あの二人の男はどう見てもまともな人間ではなかった。
顔から判断するに、年配の男はヤクザの組長、若い男は猟奇殺人犯だろう。
のこのこ出て行ったら、自分は何のためらいもなく殺される。
夏奈が今できることは、身を潜めて二人が往きすぎるのを待つことだけだった。

(ハルカぁ……助けてくれよお……チアキぃ……)
自分の膝を抱きしめて、夏奈は泣き出したい気持ちを必死にこらえる。


ぐううぅ~


緊張にそぐわない間抜けな音が、部屋に響いた。
夏奈は慌てて自分の腹を押さえると、窓の外を見る。
幸い彼女の腹の虫の音は家の外までは届いていなかったらしく
殺人鬼たちはまだ夏奈の居場所を探し続けている。

(こんな状況でも、お腹って空くんだな……)
最後にものを食べたのは何時間前だろう。
たしかバトルロワイアルが始まってすぐに食べたサンドイッチ、あれが最後だ。
自分に支給されていたサンドイッチ、ルカが温めてくれて……

(!!)

首筋に当てられた包丁の冷たさ。女性を喰らう黒い龍。

おぞましい記憶を思い出し、夏奈は慌てて回想を打ち切る。
あれから逃げるのに必死で、空腹のことなど考えもしなかった。
そうやって逃げて逃げて逃げ続けて、その先で出会ったのがあの男たちなのだから
つくづく自分は運がない。


(……またお腹が鳴ったら大変だからな)
夏奈は自分のデイパックをそっと開けると、音を立てないように気をつけながら
支給食料をちぎり、口に運ぶ。

(まずい……)

パサパサした味のしない支給食料を口に含むと、思わず涙が出てきた。

ハルカの作った温かな料理が食べたい。
ハルカとチアキと囲む、いつもの食卓に戻りたい。

「うっ……うう……」

こらえきれずに嗚咽が漏れる。
夏奈は膝に顔をうずめて、涙と鼻水を拭った。


(飲み込まなきゃ……)

食料を無理やり胃に押し込もうと
デイパックの中から魔法瓶を静かに取り出して、中身をコップに注ぐ。

(あれ……これ水じゃないな)

よく見るとその魔法瓶には「DCS」と書いてあった。
注がれた黄金色の温かい液体からは、美味しそうな匂いが漂ってくる。
夏奈は思わずその香りを吸い込んだ。どうやらコンソメスープのようだ。

(スープ……)

温かいスープ、それだけで夏奈の口中に唾液が湧き上がってくる。

(毒入り……なんてことないよな。
 あのサンドイッチだって食べても平気だったし、うん、きっと大丈夫だ)

少しだけフーフー吹くと、夏奈はコップ一杯のスープを一気に飲み干した。


クワッ!


 ○ ○ ○


「ドォォォォーーーーーーピングコンソメスーーーーーーーーープ!!!」
民家の壁が吹き飛んだ。
そしてその煙の中から、首から下が筋肉ムキムキの超肉体と化した夏奈が躍り出る。

彼女は凄まじい速度で、自分を探していた男たちに接近する。

「な、何事ですか!?」
突然の出来事に驚いているヤクザの組長の首を
「ドォーーーーピングコンソメスーーーーープ!!!」
ゴシカァン!
夏奈は手刀で切り飛ばした。

「園長先生!!?」
続いて猟奇殺人鬼の頭に
「ドォーーーーピングコンソメスーーーーープ!!!」
クシカツ!
拳を振り下ろすと、男の頭蓋は一撃でひしゃけて血と脳髄が飛び散った。


あっという間の殺戮を終えても、夏奈の最高にハイな気分は続いていた。
「ハハハ、すごい!すごい美味しいよこのスープ!」
一体自分は何をおびえていたのか。
超筋肉体に変貌した体を弾ませて
彼女は例えようも無いほど素晴らしい気分を味わっていた。

彼女が飲んだスープ、DCS(ドーピングコンソメスープ)は、まだ魔法瓶に2/3ほど残っている。
それを見て夏奈は考えた。

(この美味しいものを、ハルカとチアキにも飲ませてやろう!)

ドーピングコンソメスープ人となった彼女からは
恐怖といった感情は完全に取り払われていた。
今、彼女が考えることは一つだけ。

――大好きな姉と妹にも、DCSを飲ませたい――

そのシンプルな思いに突き動かされて、ムキムキの筋肉で服を弾き飛ばした少女は
家族を探すために街を爆走していった。

【一日目・夕方/世田谷区 住宅街】

【南夏奈@みなみけ
[状態]:ドォーーーーピングコンソメスーーーーープ!!!、最高にハイ
[装備]:超筋肉モリモリの肉体(上半身裸)
[道具]:支給品一式、ドーピングコンソメスープ(残り2/3)入りの魔法瓶、ランダム支給品0~1
[思考]基本:ハルカとチアキにドーピングコンソメスープを飲ませる。
1:南春香南千秋を探し出し、ドーピングコンソメスープを飲ませる。
2:自分の前に立ち塞がるものは粉砕する。攻撃してくる奴は殺す。

【園長先生@クレヨンしんちゃん 死亡】
【キル夫@2ch 死亡】


支給品紹介

ドーピングコンソメスープ@魔人探偵脳噛ネウロ
天才シェフ・至郎田正影が食の千年帝国建国のために作り上げた究極のスープ。略称はDCS。
このスープを口にした者は、尋常ではない筋肉と超人的な身体能力を手に入れることができる。
しかしカオスロワでは、力を手に入れる代わりに正常な思考を失った「DCS人間」となってしまうようだ。
カオスロワ1期にて猛威を振るい、ルートによってはDCS人間によって世界の半分以上を支配する
「食の千年王国」が築かれるという暴挙……いや快挙が成し遂げられた。7期では巡音ルカを筋肉隆々に変身させた。


061:全てを『狩る』影 投下順に読む 062:我がバトルロワイアル
060:『喰』 時系列順に読む 065:そんな装備で大丈夫か?
007:もうひとりの歌姫の戯曲 南夏奈 068:叶えられた祈り

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