【今日のディアボロ@水族館の水槽で溺れて死亡】
ディアボロの脳裏に不吉なメッセージが浮かんだ。
広い水槽を脱出するために手当たり次第に泳ごうとしたが、
限界はすぐに訪れた。 元々ディアボロは潜水士でも水泳の金メダリストでも無い。
ギャングのボス、それが元々のディアボロの称号。
しかしそんな称号を振りかざした所で助けに来てくれる部下はいないし、
今となってはただの図体のデカい男でしかない。
それ程泳ぐことも出来ずに、水槽の中で立ち尽くしていた。
広い水槽を脱出するために手当たり次第に泳ごうとしたが、
限界はすぐに訪れた。 元々ディアボロは潜水士でも水泳の金メダリストでも無い。
ギャングのボス、それが元々のディアボロの称号。
しかしそんな称号を振りかざした所で助けに来てくれる部下はいないし、
今となってはただの図体のデカい男でしかない。
それ程泳ぐことも出来ずに、水槽の中で立ち尽くしていた。
(また死ぬのか!? 誰にも見られること無くただ一人、水の底に沈んでいくというのか!?)
子供が夜寝る時に数えた羊の数よりも遥かに多くの死を経験している彼からすれば、
バトルロワイアルにおける死もその一つでしかない。 また目覚めてまた死んでいく、それだけだ。
子供が夜寝る時に数えた羊の数よりも遥かに多くの死を経験している彼からすれば、
バトルロワイアルにおける死もその一つでしかない。 また目覚めてまた死んでいく、それだけだ。
(嫌だ! こんな死に方はしたくない!)
幾多の死の中で溺死は既に経験済みだ。
急速な体温変化に誘発されて心臓発作などで意識を失う・・・・・・
のであればまだいい。 ギャングとして鍛えられた肉体と誇りは気絶することを許さない。
酸素の供給を絶たれた肉体は、空気を求めて、息を吸う。
そして口に放り込まれるのは当然水。 無駄な行動によって血液中の酸素はさらに薄くなり、
脳が正常な判断をできなくなる。
幾多の死の中で溺死は既に経験済みだ。
急速な体温変化に誘発されて心臓発作などで意識を失う・・・・・・
のであればまだいい。 ギャングとして鍛えられた肉体と誇りは気絶することを許さない。
酸素の供給を絶たれた肉体は、空気を求めて、息を吸う。
そして口に放り込まれるのは当然水。 無駄な行動によって血液中の酸素はさらに薄くなり、
脳が正常な判断をできなくなる。
(出せ! 俺をここから! 早く!)
やがてパニック状態に陥り、残り少ない酸素を無意味に浪費していく。
ディアボロはガラスを叩き、みっともない形相で誰もいない水族館に向かって助けを請う。
もちろん返事はこない。
だがそれでもディアボロは右手に力を込めて、
「助けて、助けて」と物乞いのようにガラスにしがみ付いていた。
やがてパニック状態に陥り、残り少ない酸素を無意味に浪費していく。
ディアボロはガラスを叩き、みっともない形相で誰もいない水族館に向かって助けを請う。
もちろん返事はこない。
だがそれでもディアボロは右手に力を込めて、
「助けて、助けて」と物乞いのようにガラスにしがみ付いていた。
(息が・・・・・・)
が、現実は無常、結局彼の祈りが届く事はなかった。
せめて肺に水を入れないようにと呼吸を止めていたため、
幸い自意識は保っていたが、これ以上は限界だ。
水槽に投げ出されてから彼に生まれていた苦悶の感情は、
時間が経つにつれ膨らみ続けて重く圧し掛かっていた。
が、現実は無常、結局彼の祈りが届く事はなかった。
せめて肺に水を入れないようにと呼吸を止めていたため、
幸い自意識は保っていたが、これ以上は限界だ。
水槽に投げ出されてから彼に生まれていた苦悶の感情は、
時間が経つにつれ膨らみ続けて重く圧し掛かっていた。
沈んでいく。
砂利の混じった地面に膝をつく。
ガラスを掴んだ腕が力を失って垂れ下がっていく。
支えを失った肉体は、そのまま前のめりになって倒れていく。
意識が朦朧とし、バトルロワイアルに巻き込まれていることさえ忘れそうになっていく。
砂利の混じった地面に膝をつく。
ガラスを掴んだ腕が力を失って垂れ下がっていく。
支えを失った肉体は、そのまま前のめりになって倒れていく。
意識が朦朧とし、バトルロワイアルに巻き込まれていることさえ忘れそうになっていく。
(苦・・・・・・しい・・・・・・)
だが、だがそれでも肉体は酸素を求め、ディアボロに苦痛を与える。
このまま、まどろみに呑まれて死んでいけばいいのに、断続的に受け続ける痛みが
ディアボロを安らかに逝かせることを拒絶する。
だが、だがそれでも肉体は酸素を求め、ディアボロに苦痛を与える。
このまま、まどろみに呑まれて死んでいけばいいのに、断続的に受け続ける痛みが
ディアボロを安らかに逝かせることを拒絶する。
ガリ
(な・・・・・んだ・・・・・・こ・・・・・・の音は・・・・・・)
何か硬い物が擦れる音がした。
音の発生源は自分の首元。 脱力した腕を動かしてそこを撫でると硬い感触がした。
これはなんだろうと記憶を辿ってみると、ディアボロは鉄の塊の正体にすぐに気づく。
何か硬い物が擦れる音がした。
音の発生源は自分の首元。 脱力した腕を動かしてそこを撫でると硬い感触がした。
これはなんだろうと記憶を辿ってみると、ディアボロは鉄の塊の正体にすぐに気づく。
(これだ・・・・・・)
ディアボロの眼に僅かに光が宿る。
水底の先にキラリと光る物を見つけて、両手でゆっくりと掴む。
ディアボロの眼に僅かに光が宿る。
水底の先にキラリと光る物を見つけて、両手でゆっくりと掴む。
(これで・・・・・・)
自分の首輪を両腕で掴む。
たったそれだけでこの苦しみから解放されるのだ。
後はゆっくりと首輪を引っ張るだけだ。
自分の首輪を両腕で掴む。
たったそれだけでこの苦しみから解放されるのだ。
後はゆっくりと首輪を引っ張るだけだ。
(これで、終われる・・・・・・)
苦痛に悶えていたディアボロの表情が穏やかな物へと変わる。
静寂を保っていた水族館に爆発音が響いた。
苦痛に悶えていたディアボロの表情が穏やかな物へと変わる。
静寂を保っていた水族館に爆発音が響いた。
「私はどうすればいいの・・・・・・」
巨大なケージをぼんやりと見つめ、薄茶髪の少女は足元に視線を落とす。
どうして自分が殺し合いに巻き込まれなければならないのだろうか。
参加者が集められた国会議事堂の中には、有名なアイドルや怖そうな人達に紛れて大切な妹がいた。
彼女に、自分に何をさせようというのだ。 何をしたというのだ。
生き残りたければ殺せ? 私に妹を殺せというのか。
自称総理大臣から言い放たれた宣告に、南春香は怒りよりも絶望を抱いた。
妹は確かに大切だ。 だけど死ぬのは怖い。
巨大なケージをぼんやりと見つめ、薄茶髪の少女は足元に視線を落とす。
どうして自分が殺し合いに巻き込まれなければならないのだろうか。
参加者が集められた国会議事堂の中には、有名なアイドルや怖そうな人達に紛れて大切な妹がいた。
彼女に、自分に何をさせようというのだ。 何をしたというのだ。
生き残りたければ殺せ? 私に妹を殺せというのか。
自称総理大臣から言い放たれた宣告に、南春香は怒りよりも絶望を抱いた。
妹は確かに大切だ。 だけど死ぬのは怖い。
「あの娘を殺すわけにはいかない、でも・・・・・・」
全員殺せば生き残れる。 でもそれは妹も殺す。
自分よりも幼い彼女には生きていて欲しいのだ。 ならば自分はどうするべきかと南春香は考える。
全員殺せば生き残れる。 でもそれは妹も殺す。
自分よりも幼い彼女には生きていて欲しいのだ。 ならば自分はどうするべきかと南春香は考える。
妹を生き残らせるために全員殺して自分も死ぬ。
不可能にも近いが、支給品を駆使すればなんとかなるかも知れない。
以前この状況と似ている小説を読んだことがあるが、その中ではバズーカやマシンガンのような兵器もあった。
銃で撃たれて死なない人はいないだろうから、武器を集めれば生き残ることはできるであろう。
ここまでは仮説上は可能だ。 ただ、最後にどうしても避けては通れぬ道がある。
不可能にも近いが、支給品を駆使すればなんとかなるかも知れない。
以前この状況と似ている小説を読んだことがあるが、その中ではバズーカやマシンガンのような兵器もあった。
銃で撃たれて死なない人はいないだろうから、武器を集めれば生き残ることはできるであろう。
ここまでは仮説上は可能だ。 ただ、最後にどうしても避けては通れぬ道がある。
「最後に・・・・・・死・・・・・・ぬ?」
そこまで考えて、春香は大きく肩を震わせた。
妹は確かに大切だ。 だけど死ぬのは怖い、怖いのだ。
南春香は近所や友人からは妹想いだと評判が良い。
だがそれは、あくまで一般家庭での話である。
魔法少女や仮面の戦士達のように、命を捧げる覚悟ができているわけがない。
だから恐怖する。 意識が途絶え、夢を見ることさえも無く自分が消滅していく光景に。
妹達のために料理を作ることも、友人達とバレーをすることも、
それができなくなって悔やむ事さえできなくなってしまうのも、全てが恐ろしかった。
そこまで考えて、春香は大きく肩を震わせた。
妹は確かに大切だ。 だけど死ぬのは怖い、怖いのだ。
南春香は近所や友人からは妹想いだと評判が良い。
だがそれは、あくまで一般家庭での話である。
魔法少女や仮面の戦士達のように、命を捧げる覚悟ができているわけがない。
だから恐怖する。 意識が途絶え、夢を見ることさえも無く自分が消滅していく光景に。
妹達のために料理を作ることも、友人達とバレーをすることも、
それができなくなって悔やむ事さえできなくなってしまうのも、全てが恐ろしかった。
「・・・・・・ちょっと落ち着こう」
このままでは自分の妄想に押し潰されてしまいそうだ。
深呼吸をして気持ちを落ち着けようと試みる。 そして彼女は水族館の中に誘われるように歩き出した。
このままでは自分の妄想に押し潰されてしまいそうだ。
深呼吸をして気持ちを落ち着けようと試みる。 そして彼女は水族館の中に誘われるように歩き出した。
春香にとっては久しぶりになるだろう水族館を散歩する。
水槽は透き通った青い水で満たされている。 湾曲に繋がった壁と天井はほとんど透明の素材で作られており、
自身が巨大なガラスパイプの中に入れられているようだ。
海の中を再現するためか、水底からは何種類かの海洋植物が生えている。 舞台装置としては申し分ないものだ。
そしてこの水族館に訪れた客はみんな赤点と評価し、怒り狂って罵倒を吐き捨てるであろう。
水槽は透き通った青い水で満たされている。 湾曲に繋がった壁と天井はほとんど透明の素材で作られており、
自身が巨大なガラスパイプの中に入れられているようだ。
海の中を再現するためか、水底からは何種類かの海洋植物が生えている。 舞台装置としては申し分ないものだ。
そしてこの水族館に訪れた客はみんな赤点と評価し、怒り狂って罵倒を吐き捨てるであろう。
「やっぱり何もいないのね」
南春香はため息を上げた。 入り口で見た通りに魚が一匹もいないのだ。
どれほど設備が整っていて、どれほど施設が巨大であっても、本来の役割を果たしていなければ無用の長物である。
この水族館は水族館としての体を成していない。 しながわ水族館の表面上の形だけを再現しただけのようだ。
最も飼育員がいない水族館で魚が生き残れるとは思えないが。
南春香はため息を上げた。 入り口で見た通りに魚が一匹もいないのだ。
どれほど設備が整っていて、どれほど施設が巨大であっても、本来の役割を果たしていなければ無用の長物である。
この水族館は水族館としての体を成していない。 しながわ水族館の表面上の形だけを再現しただけのようだ。
最も飼育員がいない水族館で魚が生き残れるとは思えないが。
「まあ期待はしていなかったけどね」
そうは言いつつも、死ぬ前に魚ぐらいは見たかったとは思う。
スーパーや魚屋に詰められている死体なんかじゃなくて、食物連鎖も忘れてのんびりと泳いでいるやつを。
最後に水族館に最後に来たのはいつだっただろうか。
興味津々の目で魚を見つめる幼い妹達と一緒に、水槽の前に張り付いた記憶が残っている。
家計の事情であまりレジャー施設に訪れる機会は無かったため、せめてもう一つだけ、
家族三人の思い出ぐらいは作って置きたかった。
そうは言いつつも、死ぬ前に魚ぐらいは見たかったとは思う。
スーパーや魚屋に詰められている死体なんかじゃなくて、食物連鎖も忘れてのんびりと泳いでいるやつを。
最後に水族館に最後に来たのはいつだっただろうか。
興味津々の目で魚を見つめる幼い妹達と一緒に、水槽の前に張り付いた記憶が残っている。
家計の事情であまりレジャー施設に訪れる機会は無かったため、せめてもう一つだけ、
家族三人の思い出ぐらいは作って置きたかった。
そういえば遊園地にも行っていない。
この年になって照れ臭いとは思いつつもメリーゴーランドに乗ってみようかと思っていたし、
下の妹が大きくなったら一緒にジェットコースターにも乗れるかも知れないのだ。
この前だって苦手な緑黄色野菜を食べていたし、後数年したら自分と同じ身長になっただろう。
嫁入りとまでは行かないが、成人した姿ぐらいは見ておきたかった。
普段は生意気な上の妹だってこれからもまだまだ大きくなったであろう。
ちょっとした遊び心で彼女の制服を着ようとして
『やぶける前にあきらめてくれよ?』と言われた時は流石にカチンと来たが、
彼女だっていつかあの制服がきつくなる日が来るはずだ。
この年になって照れ臭いとは思いつつもメリーゴーランドに乗ってみようかと思っていたし、
下の妹が大きくなったら一緒にジェットコースターにも乗れるかも知れないのだ。
この前だって苦手な緑黄色野菜を食べていたし、後数年したら自分と同じ身長になっただろう。
嫁入りとまでは行かないが、成人した姿ぐらいは見ておきたかった。
普段は生意気な上の妹だってこれからもまだまだ大きくなったであろう。
ちょっとした遊び心で彼女の制服を着ようとして
『やぶける前にあきらめてくれよ?』と言われた時は流石にカチンと来たが、
彼女だっていつかあの制服がきつくなる日が来るはずだ。
遊びに行くといえば、友人達と今度の日曜日に遊びに行く約束もしていたはずだ。
とある先輩を『キモイとかじゃないの。ああいうのが気持ち悪いって言うんだわ』と言っていた元気な少女と、
この前テレビで見た芸能人のように、内気で引っ込み思案だけどスタイルは全然自重していない少女である。
昨日バレーの助っ人が終わった後に、一緒に新しく出来たショッピングモールに出かける予定だったのだ。
そのために外行き用の服を自室で探していたこともまだ記憶に新しい。
とある先輩を『キモイとかじゃないの。ああいうのが気持ち悪いって言うんだわ』と言っていた元気な少女と、
この前テレビで見た芸能人のように、内気で引っ込み思案だけどスタイルは全然自重していない少女である。
昨日バレーの助っ人が終わった後に、一緒に新しく出来たショッピングモールに出かける予定だったのだ。
そのために外行き用の服を自室で探していたこともまだ記憶に新しい。
思い返せば返す程楽しいと感じてくる数々の記憶。
こんな所にいなければ、今頃は楽しい予定に頬を緩めながら日々を満喫することができたはずだ。
しかし自分にはもうそんな暇が残されていないことも知っている。
だからこそそろそろ覚悟を決めなければならない。
こんな所にいなければ、今頃は楽しい予定に頬を緩めながら日々を満喫することができたはずだ。
しかし自分にはもうそんな暇が残されていないことも知っている。
だからこそそろそろ覚悟を決めなければならない。
「・・・・・・開けるわよ」
そして南春香は自分のデイバッグを開けた・・・・・・
そして南春香は自分のデイバッグを開けた・・・・・・
かに思えたが、ファスナーに手をかけた所で静止した。
彼女の視線はデイバッグから、興味を失ったはずの水槽の中へと向いている。
新しく魚が入ってきたか、いや違う。
じゃあどでかい魚かとそれも違う。
鮫でも流れてきたのかと聞かれてもNOと言わざるを得ない。
こんな魚一匹いない水槽で生き残れる生き物がいるのかとこっちが聞きたい。
となると大穴、世にも珍しい珍魚じゃねーかと聞かれると、ある意味YESと答えるだろうが、
やっぱりNOだ。 こんな魚がいるわけねー
彼女の視線はデイバッグから、興味を失ったはずの水槽の中へと向いている。
新しく魚が入ってきたか、いや違う。
じゃあどでかい魚かとそれも違う。
鮫でも流れてきたのかと聞かれてもNOと言わざるを得ない。
こんな魚一匹いない水槽で生き残れる生き物がいるのかとこっちが聞きたい。
となると大穴、世にも珍しい珍魚じゃねーかと聞かれると、ある意味YESと答えるだろうが、
やっぱりNOだ。 こんな魚がいるわけねー
『・・・・・・』
「人だ!」
南春香が発見したのは、水死体寸前のディアボロであった。
曲がり角で偶然視界に入って来なければ気づかずに通り過ぎていたかも知れない。
ピンク色の髪をだらだらと漂わせながら、体を地に伏せていたのだ。
「人だ!」
南春香が発見したのは、水死体寸前のディアボロであった。
曲がり角で偶然視界に入って来なければ気づかずに通り過ぎていたかも知れない。
ピンク色の髪をだらだらと漂わせながら、体を地に伏せていたのだ。
(あのままじゃあの人死んじゃうのかな?)
体格からして外国人だろうが、人は人だ。 こんな水槽の中に長時間いたら誰だって死ぬ。
いや既に死んでいる可能性も十分考慮できる。
どうしようかと慌てた春香であったが、未だに他の人間にあっていないので頼る人もいない。
体格からして外国人だろうが、人は人だ。 こんな水槽の中に長時間いたら誰だって死ぬ。
いや既に死んでいる可能性も十分考慮できる。
どうしようかと慌てた春香であったが、未だに他の人間にあっていないので頼る人もいない。
「そうだ!」
春香はデイバッグに再び目を移した。 殺し合いを円滑に進めるためだと配られた道具、
もしかしたらこの中にあの男を助ける物があるかも知れない。 すかさずファスナーを空け、
デイバッグの中の物を手当たり次第掴む。
春香はデイバッグに再び目を移した。 殺し合いを円滑に進めるためだと配られた道具、
もしかしたらこの中にあの男を助ける物があるかも知れない。 すかさずファスナーを空け、
デイバッグの中の物を手当たり次第掴む。
「『お徳用カレーセット』違う! これでもない!
えーと・・・・・・あ、これだ!」
目当ての物を取り出し、散らかした支給品をすぐさま詰め直す。
春香が取り出したのは肩に抱える程度の大きさの小型バズーカーだ。
極めて細身であるが、それでも女性の体からは大分重く感じる。
先端にご丁寧に、ひし形の弾がセットされており、ミリタリーを齧った人間ならば
これがRPG-7であることがすぐにわかるであろう。
えーと・・・・・・あ、これだ!」
目当ての物を取り出し、散らかした支給品をすぐさま詰め直す。
春香が取り出したのは肩に抱える程度の大きさの小型バズーカーだ。
極めて細身であるが、それでも女性の体からは大分重く感じる。
先端にご丁寧に、ひし形の弾がセットされており、ミリタリーを齧った人間ならば
これがRPG-7であることがすぐにわかるであろう。
「距離はこの辺でいいわね」
男の体を気遣って、手早く発射位置の確保を行う。
自分が爆風に巻き込まれないように水槽と距離を置き、
男を巻き込まないように男のいる位置よりも離れた所を狙う。
そして春香は引き金を引いた。
男の体を気遣って、手早く発射位置の確保を行う。
自分が爆風に巻き込まれないように水槽と距離を置き、
男を巻き込まないように男のいる位置よりも離れた所を狙う。
そして春香は引き金を引いた。
「で、俺を助けたというのか」
「はい」
春香の放ったRPG-7の弾は見事ディアボロの近くのガラスを破壊した。
その結果、水槽の水が館内に溢れ出してきて同時にディアボロも外に出された。
後はディアボロは春香に流されて一緒に水族館の外まで脱出したのだ。
しかし助けた春香とは裏腹に、ディアボロの表情には暗みがかかっていた。
「はい」
春香の放ったRPG-7の弾は見事ディアボロの近くのガラスを破壊した。
その結果、水槽の水が館内に溢れ出してきて同時にディアボロも外に出された。
後はディアボロは春香に流されて一緒に水族館の外まで脱出したのだ。
しかし助けた春香とは裏腹に、ディアボロの表情には暗みがかかっていた。
(なんで助けたんだ・・・・・・)
それが春香の話を聞いたディアボロの感想だった。
もう少しで自分は楽に死ねるところだったのだ。 溺死などでなく、首輪の爆発という形で。
国会議事堂で見せしめにされた少年の死体は凄惨としたものであったが、
どうせ死ぬのであれば一番幸せなのではないかとディアボロは思う。
首輪が爆発した瞬間に首は一瞬にして焼き尽くされて、もぎ取られる。
僅か1秒にも満たないこの時間、当事者は何が起こったかすら理解できないであろう。
痛みに耐えることも、恐怖に蝕まれる暇も無く死ぬことができるのだ。
一瞬で死に至れることがどれほど素晴らしいか、目の前の少女は恐らく知らない。
それが春香の話を聞いたディアボロの感想だった。
もう少しで自分は楽に死ねるところだったのだ。 溺死などでなく、首輪の爆発という形で。
国会議事堂で見せしめにされた少年の死体は凄惨としたものであったが、
どうせ死ぬのであれば一番幸せなのではないかとディアボロは思う。
首輪が爆発した瞬間に首は一瞬にして焼き尽くされて、もぎ取られる。
僅か1秒にも満たないこの時間、当事者は何が起こったかすら理解できないであろう。
痛みに耐えることも、恐怖に蝕まれる暇も無く死ぬことができるのだ。
一瞬で死に至れることがどれほど素晴らしいか、目の前の少女は恐らく知らない。
「春香とか言ったな」
「はいディアボロさん」
早く死に至りたい、そうするためにディアボロは春香に提案を持ちかける。
「はいディアボロさん」
早く死に至りたい、そうするためにディアボロは春香に提案を持ちかける。
「ここで別行動にさせてくれ」
そして一人で死ぬ。 ディアボロとしては是非そうしたい。
どうせここで死んでも次のループに行くだけなのだ。 ならば一度の死は楽な方が良い。
死にたいという部分だけ隠して提案してみたが、春香は首を縦には振らなかった。
そして一人で死ぬ。 ディアボロとしては是非そうしたい。
どうせここで死んでも次のループに行くだけなのだ。 ならば一度の死は楽な方が良い。
死にたいという部分だけ隠して提案してみたが、春香は首を縦には振らなかった。
「駄目です、ここは危険だから出来るだけ多くの人と行動しないと」
自分を助けた春香が認めるわけが彼を野放しにするわけがない。
春香はディアボロを助けたのだ。 ならば守るために同行するのは当然であろう・・・・・・
自分を助けた春香が認めるわけが彼を野放しにするわけがない。
春香はディアボロを助けたのだ。 ならば守るために同行するのは当然であろう・・・・・・
(なわけないな)
南春香がそのような女ではないことは承知だ。
ジャパンのハイスクールに通っていて、シスター達とただの日常を過ごして来たような小娘が、
人を助けるという結論に行き着くはずがない。 話でもやたら妹妹と強調して、殺し合いに怯えている節を見せてきた。
自分の考えに押し潰されそうになったから水族館を散策したみたいなことも言ってきた。
何よりディアボロを引き止めようとしている彼女の姿が、別れた男を引き止めようとするそれに近い。
自分が支えてやるというよりは、誰かがいないと不安と言わんばかりに手が震えている。
南春香がそのような女ではないことは承知だ。
ジャパンのハイスクールに通っていて、シスター達とただの日常を過ごして来たような小娘が、
人を助けるという結論に行き着くはずがない。 話でもやたら妹妹と強調して、殺し合いに怯えている節を見せてきた。
自分の考えに押し潰されそうになったから水族館を散策したみたいなことも言ってきた。
何よりディアボロを引き止めようとしている彼女の姿が、別れた男を引き止めようとするそれに近い。
自分が支えてやるというよりは、誰かがいないと不安と言わんばかりに手が震えている。
ようするに今の状況に怯えているのだ。
「危険ですからどうか一緒に・・・・・・」
「わかった、しばらくは付き合おう」
泣きつかれるのも嫌なので、一先ず首を縦に振ることにする。
もちろんあわよくば生き残れるなど考えていない。
だがしかし、ここでNOと答えれば彼女に恨まれるかも知れないだろう。 ディアボロとしてはそちらの方が恐ろしい。
もし彼女が次以降の死に出てきたらと思う。
『よくも見捨てたわね』と凶器を持ち血眼になって自分に迫りよってきたり、
毒入りカレーをご馳走されて食べることを強要されたり、核ミサイルで脅迫されたりと実に恐ろしい結末ばかりだ。
「わかった、しばらくは付き合おう」
泣きつかれるのも嫌なので、一先ず首を縦に振ることにする。
もちろんあわよくば生き残れるなど考えていない。
だがしかし、ここでNOと答えれば彼女に恨まれるかも知れないだろう。 ディアボロとしてはそちらの方が恐ろしい。
もし彼女が次以降の死に出てきたらと思う。
『よくも見捨てたわね』と凶器を持ち血眼になって自分に迫りよってきたり、
毒入りカレーをご馳走されて食べることを強要されたり、核ミサイルで脅迫されたりと実に恐ろしい結末ばかりだ。
(まあいざとなったら自殺すればいいしな)
笑顔になった春香を見つめながら、ディアボロは自分の首輪に手を付ける。
殺し合いの最中だから、自分が死ぬ瞬間などすぐに訪れるだるお。
その時に自決すれば、苦しみから逃れることはできるのだ。 それなら余計な恨みを買う心配もないかも知れない。
退廃的な思考を巡らせ、ディアボロは今後の春香に対しての接し方を考えていた。
笑顔になった春香を見つめながら、ディアボロは自分の首輪に手を付ける。
殺し合いの最中だから、自分が死ぬ瞬間などすぐに訪れるだるお。
その時に自決すれば、苦しみから逃れることはできるのだ。 それなら余計な恨みを買う心配もないかも知れない。
退廃的な思考を巡らせ、ディアボロは今後の春香に対しての接し方を考えていた。
【品川区・しながわ水族館前/一日目・日中】
【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】:健康、ずぶ濡れ
【装備】:無し
【道具】:基本支給品一式、(ランダムアイテム1~3、未確認)
【思考】基本:【死】に到達したい。無理なら楽に死にたい
1:しばらくは春香に付き合ってやる
2:死にそうになったら自分の首輪使って自殺する
※スタンドが使えるかどうかは後の書き手に任せます
【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】:健康、ずぶ濡れ
【装備】:無し
【道具】:基本支給品一式、(ランダムアイテム1~3、未確認)
【思考】基本:【死】に到達したい。無理なら楽に死にたい
1:しばらくは春香に付き合ってやる
2:死にそうになったら自分の首輪使って自殺する
※スタンドが使えるかどうかは後の書き手に任せます
【南春香@みなみけ】
【状態】:健康
【装備】:RPG-7(弾頭無し)
【道具】:基本支給品一式、お徳用カレーセット、RPG-7の予備弾頭※、(ランダムアイテム0~1)
【思考】基本:妹と一緒に帰りたい
1:ディアボロと一緒に行動する
【状態】:健康
【装備】:RPG-7(弾頭無し)
【道具】:基本支給品一式、お徳用カレーセット、RPG-7の予備弾頭※、(ランダムアイテム0~1)
【思考】基本:妹と一緒に帰りたい
1:ディアボロと一緒に行動する
※RPG-7の弾頭の弾数及び弾の種類に関しては、後の書き手に任せます
※夏奈、千秋と同じ世界の人物であるかどうかは、後の書き手に任せます
※夏奈、千秋と同じ世界の人物であるかどうかは、後の書き手に任せます
支給品紹介
【RPG-7@パロロワ】
比較的使いやすい部類に入る歩兵用の対戦車砲で、原作を始めとしたロワ全般で愛用されている。
命中精度はそれほど良くないため市街戦でビルに打ち込む時などに使われる。
大分古いものであるが、最新型の戦車でも側面から打ち込まれると行動不能まで持ち込まれることも。
発射時のバックブラストがすごいため、下手に室内で使うと自分が焼かれます。
【RPG-7@パロロワ】
比較的使いやすい部類に入る歩兵用の対戦車砲で、原作を始めとしたロワ全般で愛用されている。
命中精度はそれほど良くないため市街戦でビルに打ち込む時などに使われる。
大分古いものであるが、最新型の戦車でも側面から打ち込まれると行動不能まで持ち込まれることも。
発射時のバックブラストがすごいため、下手に室内で使うと自分が焼かれます。
【RPG-7の予備弾頭@パロロワ】
上記とセットで支給されたRPG-7の弾頭。
単なる火薬だけではなく、対人用の破片榴弾やサーモバリック弾等が存在するが、
当ロワで支給されているかどうかは不明
上記とセットで支給されたRPG-7の弾頭。
単なる火薬だけではなく、対人用の破片榴弾やサーモバリック弾等が存在するが、
当ロワで支給されているかどうかは不明
【お徳用カレーセット@パロロワ】
鍋、ルー、出汁用の骨、既に刻んである野菜と肉、コンロのセット。
後は水があればおいしいカレーが作れます。
鍋、ルー、出汁用の骨、既に刻んである野菜と肉、コンロのセット。
後は水があればおいしいカレーが作れます。
| 038:鬼神心母 ~Ogress Heart Mothers~ | 投下順 | 040:類は友を呼ぶ? |
| 037:これも全部主催者って奴の仕業なんだ | 時系列順 | 040:類は友を呼ぶ? |
| 015:ボスの奇妙な叫び声 | ディアボロ | 067:南家長女と死にたがりの悪魔 |
| 初登場! | 南春香 | 067:南家長女と死にたがりの悪魔 |