「やだ! もう巫女やだー!!」
今回の対戦カードが決定した段階で、にとりはさっさと光学迷彩を起動して逃げようとした。
しかし、捕まりこそしないものの、東方ファイト観客の大部分を占めるファイトスレ住人の連携によって居場所が逐一報告され、「飲みとあらばどこまでも」な神主自らがにとりの潜伏場所に出向いたために逃げ場を失ってしまった。
しかし、捕まりこそしないものの、東方ファイト観客の大部分を占めるファイトスレ住人の連携によって居場所が逐一報告され、「飲みとあらばどこまでも」な神主自らがにとりの潜伏場所に出向いたために逃げ場を失ってしまった。
「助けてください神主様! 二次の怪物に追われてるんです!!」
「ンフフ……二次であることが明らかな限り、咎めることはありませんよ。幻想郷は全てを受け入れますから」
「そんな殺生な……」
「おや? 巫女さんも到着したみたいです。いやいや、二次の勢いは凄いですね」
「出たーーーー!!」
「大丈夫。幻想郷は平和な世界です。それより、せっかく集まったんだから飲みましょう」
「ンフフ……二次であることが明らかな限り、咎めることはありませんよ。幻想郷は全てを受け入れますから」
「そんな殺生な……」
「おや? 巫女さんも到着したみたいです。いやいや、二次の勢いは凄いですね」
「出たーーーー!!」
「大丈夫。幻想郷は平和な世界です。それより、せっかく集まったんだから飲みましょう」
思いっきり腰の引けてるにとりだったが、意外にも鬼巫女はおとなしく席に着いた。
「これって、いわゆる『戦っちゃいけない相手は本能で解る』ってやつ……?」
「皆さんもそんなところで見てるより、こっち来て一緒に飲みませんか?」
「皆さんもそんなところで見てるより、こっち来て一緒に飲みませんか?」
神主が観衆に向けて手招きする。
――いや、無理っす……。
ほんの一瞬だが、観衆の心がひとつになった。
「うぇ? なんか頭がぼーっとしてきた……」
神主の酒気を受けたのか、まだ一滴も飲んでないのににとりはほろ酔い状態になっている。
「ソロソロハジメナイ?」
そんなこんなで飲み比べ開始。
「えっと……速度とか量とかいろいろとおかしい気がするんだけど……」
「ガイケンニマドワサレテハイケナイ……」
「え? 今日は抑え気味なんですが」
「鬼とかそういうレベルじゃない……」
「ガイケンニマドワサレテハイケナイ……」
「え? 今日は抑え気味なんですが」
「鬼とかそういうレベルじゃない……」
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「ぴぎゅぅ……もーだめ。死にそう……」
「おや、お開きですか?」
「うぇー? 鬼巫女はー?」
「ンフフ……少し前から寝ちゃってますよ。おそらくは満腹になると眠くなるというアレですね。
さすがにこれは途中退場ですかね(^^;」
「おや、お開きですか?」
「うぇー? 鬼巫女はー?」
「ンフフ……少し前から寝ちゃってますよ。おそらくは満腹になると眠くなるというアレですね。
さすがにこれは途中退場ですかね(^^;」
「うそ……。勝てた? 鬼巫女に? マジで?」
「じゃあ、丸く収まったところで残ったお酒は新居の方に送っておきますね」
「じゃあ、丸く収まったところで残ったお酒は新居の方に送っておきますね」
神主がどこからともなく取り出した端末に何かを打ち込むと、視界を埋め尽くさんばかりに集められていた大量の酒が文字通りに消失した。
――あぁ、誰も及ばぬ存在ってホントにいるんだなぁ……。
そう思いながら、にとりは意識を手放した。
後日、幻想郷全土から突如として酒が消失したことによって酒の価格が高騰し、『アルコールパニック』と呼ばれる異変が起きるのだが、それはまた別の話。
後日、幻想郷全土から突如として酒が消失したことによって酒の価格が高騰し、『アルコールパニック』と呼ばれる異変が起きるのだが、それはまた別の話。
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「何これ?」
鬼巫女モードを脱した霊夢が神社に帰ると、そこには一枚のメモが置かれていた。
『賽銭箱の中身を増やしておきました。これはいわゆるチートなので、みんなには秘密ですよ(^^;』
神主の心遣いに感謝の涙を流しながら賽銭箱を開けると、そこにはなぜか何も入っていなかった。
「どーして!? もしかして悪質なドッキリ!?」
霊夢が落胆していると、石段の方からのんきな声が聞こえてくる。
「れいむー! 珍しく賽銭箱の中身がいっぱいあったから酒を買い溜めしてきたよー!!」
見れば、萃香が大量の荷物を背負って石段を登っている。
「オマエガハンニンカ……」