今度のファイトは雪像作り対決
しかしその前に、一つの問題点が。
しかしその前に、一つの問題点が。
「で、あいつは誰なのよ、霊夢?」
「知らないわよ。紫がまたなんか余計なことしたんじゃない?」
「うわ、なんかスゴイ目でこっち見てる。顔は笑ってるのに目からは怒気しか感じられないとか」
「知らないわよ。紫がまたなんか余計なことしたんじゃない?」
「うわ、なんかスゴイ目でこっち見てる。顔は笑ってるのに目からは怒気しか感じられないとか」
まあそんなこんなんで競技開始。
レミリアと霊夢はまず何を作るかで揉めはじめる。
「そりゃ、私のカリスマ像に決まってるでしょう?雪が降ると咲夜が良く作ってくれるわ」
「そんなの作っても審査員があのメイド長でもない限り失笑されるだけよ。
それよりもっとこう、手軽かつ美しい物がいいわね」
レミリアと霊夢はまず何を作るかで揉めはじめる。
「そりゃ、私のカリスマ像に決まってるでしょう?雪が降ると咲夜が良く作ってくれるわ」
「そんなの作っても審査員があのメイド長でもない限り失笑されるだけよ。
それよりもっとこう、手軽かつ美しい物がいいわね」
一方で、もう一人の霊夢は淡々と雪を固めていっている。
四角や丸が次々と作られ、その一つ一つが、まるで芸術のように美しい。
四角や丸が次々と作られ、その一つ一つが、まるで芸術のように美しい。
そして期限が来た。
結局作る物がまとまらなかった霊夢とレミリアの作品は、
丸い球体の上に、子供の落書きのようなレミリアの顔が置かれているという、
まるで前衛芸術のような代物である。
「ちょっと巫女、レミリア様をこんな風に扱うとかどういうつもりよ。
これじゃあまるで泥人形か、福笑いじゃない。返答次第では……」
「……咲夜、その顔を作ったのは私よ」
「まあ、なんとお美しい!まさにお嬢様そのものを体現した芸術ですわ」
「……それはいいとして、この球体はなんなんだ?」
「魔理沙にしては目の付け所がいいわね。ほら、真珠とか月とか、丸い物は美しいじゃない」
「……ああ、そうだな……」
魔理沙はひっそりと採点表に0と書いて投票箱に入れた。
結局作る物がまとまらなかった霊夢とレミリアの作品は、
丸い球体の上に、子供の落書きのようなレミリアの顔が置かれているという、
まるで前衛芸術のような代物である。
「ちょっと巫女、レミリア様をこんな風に扱うとかどういうつもりよ。
これじゃあまるで泥人形か、福笑いじゃない。返答次第では……」
「……咲夜、その顔を作ったのは私よ」
「まあ、なんとお美しい!まさにお嬢様そのものを体現した芸術ですわ」
「……それはいいとして、この球体はなんなんだ?」
「魔理沙にしては目の付け所がいいわね。ほら、真珠とか月とか、丸い物は美しいじゃない」
「……ああ、そうだな……」
魔理沙はひっそりと採点表に0と書いて投票箱に入れた。
一方、もう一人の霊夢の作品はまさに芸術そのものだった。
小さなミニチュアの人々の穏やかな笑顔まで分かるほど作り込まれ、
その目の前にある神社も、博麗神社そのものを完全再現した、まさに精密芸術である。
だが問題は、それによって作られた光景だ。
アルカイックスマイルを浮かべながら博麗神社へと参拝に向かう人々の行列というのは、
あまりにも生々しく、あまりにもおぞましい。
なまじ細部まで再現されているだけになおさらだ。
これを見た審査員は皆一様にその芸術性に驚きながらも、
心の奥底である感情が浮かんでくるのを抑えることが出来なかった。
『この作品に勝利させてはいけない』
小さなミニチュアの人々の穏やかな笑顔まで分かるほど作り込まれ、
その目の前にある神社も、博麗神社そのものを完全再現した、まさに精密芸術である。
だが問題は、それによって作られた光景だ。
アルカイックスマイルを浮かべながら博麗神社へと参拝に向かう人々の行列というのは、
あまりにも生々しく、あまりにもおぞましい。
なまじ細部まで再現されているだけになおさらだ。
これを見た審査員は皆一様にその芸術性に驚きながらも、
心の奥底である感情が浮かんでくるのを抑えることが出来なかった。
『この作品に勝利させてはいけない』
こうして勝者は、わけのわからないレミリア像になった。
その後、怒れる霊夢を抑えるべく幻想郷中がパニックになったのは、また別のお話。