東方ファイトスレ @まとめウィキ

18スレ第35戦

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集


慧音と妹紅は、夜を待っていた。
数日前からこの里に毎夜飛来する、箒の魔法使い。
被害にあった数人の里人は命こそ取られないものの、強い精神的ショックを受けていた。
慧音「だが…今日は満月。借りはまとめて返させてもらおう」
月が出るのを待って、寺子屋から出る慧音と妹紅。
だが里の広場に居たのは、二人が待つ敵ではなかった。
輝夜「やー、もこたん。お客様が居たんで連れて来たよ~」
仇敵である輝夜が連れて来たのは、鴉天狗と妹紅の父である不比等。
臨戦態勢だった妹紅の頭に一気に血が上る。
妹紅「っ…キサ…」
慧音「ああ、こんな夜中にありがとう。だが取り込み中だ、そこの寺子屋の中に居てくれ」
今にも掴みかかろうとする妹紅を制して、慧音が礼を述べる。
不比等「どうした妹紅、折角姫が案内してくれたと言うのに」
妹紅「親父殿には関係ない事…!」
文「あややや、なんだか険悪な雰囲気ですね」
慧音「いくらなんでもタイミングが悪過ぎよう…来たぞ!」
緩みかけた緊張の糸が、慧音の一言でまた張り詰める。
慧音の動きに合わせて皆が月夜を見上げると、そこには箒に跨った少女の姿が――

妹紅「凱風快晴、フジヤマヴォルケイノ!」
その姿を見た瞬間、やり場の無い怒りに煮えていた妹紅の血は沸点に達した。
炎をまとって飛び上がり、必殺の弾幕を放つ。が…
??「…ブレイジングスター、だZE☆」
弾幕と共に突進する妹紅に、逆に光と共に突っ込んでくる少女。
妹紅「なっ…うわぁぁぁぁぁぁ!」
慧音・不比等「妹紅!」
冷静さを欠いた妹紅は、光の帯に轢かれて落ちる。
リザレクションで立ち上がる妹紅の元に駆け寄る不比等。
慧音「あれは…アルティメット・サディスティック・七色ZE☆!?」
文「な、なんですか、それは?」
慧音「伝説に語られる怪異…夏になると、魔法の森の向日葵畑から現れる妖怪だ。
名前の通り、七色の魔法を、あの黒魔の威力で使いこなし、そして…」
ZE☆「あーっはっはっはっはっ、脆い、あまりに脆いんだZE☆?」
輝夜「極度のサディスト…って事ね」
白澤の知識で正体を見破る慧音。しかしその凶悪な正体を知って尚、笑みを漏らす。
慧音「なるほど、満月を待った甲斐があった。歴史ではなく、その存在ごと食らってやろう!
妹紅、不比等殿を頼む。文、行くぞ!」
文「あやややや、確かに最上級のネタですが、明日の朝刊に間に合うかなぁ」
白澤と鴉天狗が、月夜に舞い上がる。

妹紅「くそっ…あの程度で落ちるとは…くそっ!」
不比等「妹紅…」
一方こちらは復活した妹紅。蘇ったとはいえ、初撃で撃ち負けたショックは残っている。
そんな娘の姿を目の当たりにして、言葉に詰まる父親、不比等。
輝夜「まったくもこたんは、折角満月の力でお父さんが冥界から出てきたのに、
全っ然娘らしいことができないんだから」
妹紅「それはキサマが…」
不比等「いいんです、姫。私は、妹紅の元気な姿をこの目で見られれば、それで」
妹紅「親父殿…」
輝夜「親子愛、ね。それで、もこたんはどうするの?」
妹紅「私をもこたんと呼ぶな!どうもこうもない、慧音と共に戦う!」
怒り心頭のまま、二人を残して再び飛び立つ妹紅。
しかし、三対一でもなお、向日葵の魔が有利に見えた。
不比等「妹紅…勝てとは言わぬ、せめて無事で…」
輝夜「…藤原不比等殿。現世で為せなかった私の難題、今ここで再び試されませんか?」
不比等「姫…今更この私に何を為せと…?」

妹紅「ぐあっ!?」
輝夜「おかえり、もこたん」
妹紅「ぐぅ…ま、まだまだ…!」
不比等「もういい、妹紅。後は私に任せろ」
輝夜と不比等の元に再び落ちてきた妹紅。
長い戦いと度重なるリザレクションに、流石の妹紅にも疲れが見える。
そして、その妹紅の前に立ち、弓に輝く矢を番える不比等。
妹紅「親父殿、その矢は…?」
輝夜「伝説には伝説…蓬莱の玉の枝、よ。不比等殿にはよくお似合いで」
妹紅「なッ!?」
不比等「…見える…あの魔の本体、それは帽子の向日葵の飾り…」
輝夜「さあ、不比等殿。これぞ新難題、向日葵の魔――」
不比等「破ッ!!」
裂帛の気合と共に空を裂く光の矢は、見事頭の飾りに命中する。
断末魔の声を上げる妖怪が苦し紛れに放つ、光の魔法。
妹紅「親父殿ッ!」
己の不死の身を挺して、不比等を庇おうとする妹紅。
しかしそれを止めたのは、不比等の手だった。
不比等「妹紅、私のこの命は、姫の力を借りた得た一夜限りの幻…
お前は生きろ。生きて―」
妹紅「親父殿ーッ!!」
光の束は不比等を貫き、文字通りの光に変え、闇に散った。

慧音「妹紅…」
文「こういうニュースは、得意じゃないんですよね…」
妹紅「…ううっ…私は…私は…」
結局、向日葵の妖怪、謎の怪異は不比等の一矢で倒れた。
しかし、今夜の出来事は、1000年を生きた妹紅にもしてもなお、辛すぎた。
妹紅「結局…また一人で生き残ってしまったのか…これが蓬莱の薬の呪いか…!」
慧音「妹紅…何も言うな。お前は一人ではない、私が居る…」
妹紅「うう…」
泣き崩れる妹紅を抱き支える慧音。
流石の文も、それを写真に撮る事も忘れて沈んだ面持ちだ。

輝夜「…リザレクション(ぼそ)」
不比等「あっ、もこパパインしたお♪」
慧音・妹紅・文「ぶっ!?」
不比等「妹紅~、獣っ娘とラブラブなんて、パパも混ぜておくれ~」
妹紅「…フジヤマヴォルケイノ!」慧音「無何有浄化!」文「無双風神!」
輝夜「あらあら、折角復活させたのに、すぐ冥界送りだなんて親不孝ねぇ」
妹紅「うるさい、今日という今日は、蘇らなくなるまで殺し尽くす!」
輝夜「そんな満身創痍じゃ勝負にならないわよ、もこたん?」
妹紅「うるさぁぁぁい!私をもこたんと呼ぶなぁぁぁ!」
文「…いいんです、アレ…っていうか、色々と?」
慧音「いいんだよ。今夜を食べずに済んだだけで十分だ」






















タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー