「被害は?」
「実質的な被害者は無し。しかし絡まれることを恐れて、住民は外出できない状態です」
「あんのぶっとびセンスども……」
レミリア、鈴仙、一輪のネーミングセンスに定評のある三人が攻めてきたことにより、人里から人が消えた。
そのご高説に付いていける人間など人里にいるはずがなく、みな家に閉じ籠っているのだ。
「ともかくこれでは生活が滞ってしまいます」
「……しかし、なんとか出来る人間がいないのも事実」
阿久と慧音はこの一大事の対策を考えるも妙案が浮かばず困り果てていた。
「実質的な被害者は無し。しかし絡まれることを恐れて、住民は外出できない状態です」
「あんのぶっとびセンスども……」
レミリア、鈴仙、一輪のネーミングセンスに定評のある三人が攻めてきたことにより、人里から人が消えた。
そのご高説に付いていける人間など人里にいるはずがなく、みな家に閉じ籠っているのだ。
「ともかくこれでは生活が滞ってしまいます」
「……しかし、なんとか出来る人間がいないのも事実」
阿久と慧音はこの一大事の対策を考えるも妙案が浮かばず困り果てていた。
……一方でネーミングセンス三人組はと言うと。
「……誰もいないわね」
「せっかく私の『真名調律<チューンオブゴットファザー>』の新理論を思い付いたのに」
「そうね。これじゃあ『天地開闢ネーミングラッシュ』を活かせないわ」
「ふん。私の『フェイタルネーム』こそが至高だけどね」
「言うじゃない。なんだったら此処で勝負してもいいのよ? 『真名(ry』、味わってみる?」
「聞き捨てならないわね『天地(ry』の力、見せてあげましょうか?」
一転して険悪な雰囲気。
お互いが火花を散らすそんな中に割って入る声があった。
「ねえねえあんたたち、藤原……ええと、いもう……まいくれない? って人知らない?」
「はあ?」
「ああもう、めんどくさいわ。これ書いたやつ知らないかしら?」
髪を左右で二つ縛りにした天狗が何やら書面を三人に差し出す。
そこに書かれていたのは情熱的でありながら品を失うことなく、そして丁寧な恋文だった。
差出人には藤原妹紅と書かれている。
「ああ、あいつか」
「あいつね」
「知ってるの?」
彼女と面識のあるレミリアと鈴仙が答える。
「こいつの名前はもこうって読むの。迷いの竹林にいるはずだから探してみれば」
「まあ、割りと面白い人間だよ。会えば分かると思うけど」
「迷いの竹林ね。ありがとう」
「ちょっと待って」
飛び去ろうとしたはたてを一輪が呼び止める。
「何? 急いでるんだけど」
「ちょうど審判が欲しかったのよ。私達のセンスは、誰が一番優れているか」
「ふむ」
「なるほど」
一輪の提案に頷く二人。
「はあ?」
訳の分からない一人。
「せっかく私の『真名調律<チューンオブゴットファザー>』の新理論を思い付いたのに」
「そうね。これじゃあ『天地開闢ネーミングラッシュ』を活かせないわ」
「ふん。私の『フェイタルネーム』こそが至高だけどね」
「言うじゃない。なんだったら此処で勝負してもいいのよ? 『真名(ry』、味わってみる?」
「聞き捨てならないわね『天地(ry』の力、見せてあげましょうか?」
一転して険悪な雰囲気。
お互いが火花を散らすそんな中に割って入る声があった。
「ねえねえあんたたち、藤原……ええと、いもう……まいくれない? って人知らない?」
「はあ?」
「ああもう、めんどくさいわ。これ書いたやつ知らないかしら?」
髪を左右で二つ縛りにした天狗が何やら書面を三人に差し出す。
そこに書かれていたのは情熱的でありながら品を失うことなく、そして丁寧な恋文だった。
差出人には藤原妹紅と書かれている。
「ああ、あいつか」
「あいつね」
「知ってるの?」
彼女と面識のあるレミリアと鈴仙が答える。
「こいつの名前はもこうって読むの。迷いの竹林にいるはずだから探してみれば」
「まあ、割りと面白い人間だよ。会えば分かると思うけど」
「迷いの竹林ね。ありがとう」
「ちょっと待って」
飛び去ろうとしたはたてを一輪が呼び止める。
「何? 急いでるんだけど」
「ちょうど審判が欲しかったのよ。私達のセンスは、誰が一番優れているか」
「ふむ」
「なるほど」
一輪の提案に頷く二人。
「はあ?」
訳の分からない一人。
少女説明中
「……と言うわけで、私達のネーミングセンスを判定してほしいの」
「興味ないわ」
「……逃がすと思うのかしら」
無視して飛び去ろうとするはたてを取り押さえようとする三人。
「……分かったわよ」
「興味ないわ」
「……逃がすと思うのかしら」
無視して飛び去ろうとするはたてを取り押さえようとする三人。
「……分かったわよ」
少女披露中
「さあどうかしら? もちろんわたしの『フェイタル(ry』が最強よね」
「いいえ、わたしの『真名(ry』こそ」
「ちがうわ。わたしの『天地(ry』に決まってるじゃない」
はたてはそんな三人を見据えると、一言言い放った。
「馬鹿じゃないの?」
「「「なっ!?」」」
「揃いも揃って何よその一発屋みたいなセンス。そんなもんじゃ一度見てびっくりで終わりじゃない」
「ぐぬぬ……」
「本当にいい文っていうのは、何度も読み返したくなるものよ。そんな勢いだけのものを私が認めるとでも思ったの?」
「むむむ……」
「それに引き換え、この恋文はどうかしら。恋のときめきの中にいても、凛とした心を忘れない文章。
高潔さと激しい思いが見事に調和した素晴らしいものだと思わない?」
「……」
「と、言うわけで、一番はこの恋文。異論は認めない。あんたらはもっと精進するべきね」
言いたいことを言うだけ言ってはたては迷いの竹林へと飛んで行った。
「……くそっ、天狗風情が」
「……言ってくれるわね。悔しいけど否定できなかった」
「……確かに勢いだけだったかもしれない」
敗北感に打ちひしがれる三人。
……だがこのまま終わることが無いのが彼女らなわけで。
「見返してやるわ」
「そうね。言われっぱなしでは私たちの名が廃る」
「私たちのセンスと激しい思いの丈とのハイレベルな融合。難しいけどやりがいがあるわ」
新しい世界の扉を開いた三人はそれぞれの場所へと帰って行ったのだった。
「いいえ、わたしの『真名(ry』こそ」
「ちがうわ。わたしの『天地(ry』に決まってるじゃない」
はたてはそんな三人を見据えると、一言言い放った。
「馬鹿じゃないの?」
「「「なっ!?」」」
「揃いも揃って何よその一発屋みたいなセンス。そんなもんじゃ一度見てびっくりで終わりじゃない」
「ぐぬぬ……」
「本当にいい文っていうのは、何度も読み返したくなるものよ。そんな勢いだけのものを私が認めるとでも思ったの?」
「むむむ……」
「それに引き換え、この恋文はどうかしら。恋のときめきの中にいても、凛とした心を忘れない文章。
高潔さと激しい思いが見事に調和した素晴らしいものだと思わない?」
「……」
「と、言うわけで、一番はこの恋文。異論は認めない。あんたらはもっと精進するべきね」
言いたいことを言うだけ言ってはたては迷いの竹林へと飛んで行った。
「……くそっ、天狗風情が」
「……言ってくれるわね。悔しいけど否定できなかった」
「……確かに勢いだけだったかもしれない」
敗北感に打ちひしがれる三人。
……だがこのまま終わることが無いのが彼女らなわけで。
「見返してやるわ」
「そうね。言われっぱなしでは私たちの名が廃る」
「私たちのセンスと激しい思いの丈とのハイレベルな融合。難しいけどやりがいがあるわ」
新しい世界の扉を開いた三人はそれぞれの場所へと帰って行ったのだった。
結果:恋文により新しい道を間接的に三人に示した妹紅の勝利
……そして
「見つけたわ、藤原妹紅!」
「うわっ!?」
「人間の分際で私に恋文を送りつけるとはいい度胸ね! その覚悟見せてもらうわよ!」
「……げっ!? なんでお前がそれをもってるんだ?」
「問答無用! くらえ!」
「だああああああああっ!? 来るなあああああああああああ!」
「待ちなさい!」
「あらら、もこたんてばもてもてね。そういえばイナバ、私宛の手紙があったって聞いたけど?」
「申し訳ありません姫さま、うっかり無くしてしまいましたウサ。この因幡てゐ一生の不覚ウサ」
「そう。まあうっかりならしかたないわね。うっかりなら」
「そう言っていただけると助かるウサ」
「ええ、面白いものも見れたし、許してあげる」
この後、はたてと妹紅の第二ラウンドが始まったわけだが、それはまた、別の東方ファイト
「うわっ!?」
「人間の分際で私に恋文を送りつけるとはいい度胸ね! その覚悟見せてもらうわよ!」
「……げっ!? なんでお前がそれをもってるんだ?」
「問答無用! くらえ!」
「だああああああああっ!? 来るなあああああああああああ!」
「待ちなさい!」
「あらら、もこたんてばもてもてね。そういえばイナバ、私宛の手紙があったって聞いたけど?」
「申し訳ありません姫さま、うっかり無くしてしまいましたウサ。この因幡てゐ一生の不覚ウサ」
「そう。まあうっかりならしかたないわね。うっかりなら」
「そう言っていただけると助かるウサ」
「ええ、面白いものも見れたし、許してあげる」
この後、はたてと妹紅の第二ラウンドが始まったわけだが、それはまた、別の東方ファイト