東方ファイトスレ @まとめウィキ

44戦第38戦(2)

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東方ファイト44 Fainalファイト
里で正体を隠して人間として暮らす

SIDE A
Aya Syameimaru&Wriggle Nightbug

慧音から与えられたのは貧しい長屋の一室だった。
変化術や変装によって上手く人間に化けた二人は、彩と蛍の姉妹として人里に住み着いた。
本来妖怪である二人には食事は時たまで良かったが、人間ではそうはいかない。
そして三食の飯を食うためには働く必要がある。
このペアでは射命丸がその責を負った。彼女は里の瓦版屋へ弟子入りすると、早速里中を駆けずり回り瓦版の一面トップを掻っ攫い続けた。お陰で給金はうなぎ登りに上がり、一週間後には早くも古びた長屋から中古とはいえしっかりとした一軒家へと移り住むことが出来た。
文のえらいところは、怪しまれないために文々。新聞の刊行も通常通り続けたところにある。
文々。新聞が平常どおりに出され続けているならば、誰も彩を文だとは思わない。
もちろん、変化術を使っているところを目撃されると言うリスクは負うが、成功し続けている限りは正体が露見する可能性は極めて低いと言わざるを得ない。
だが、悲劇は二週間後に起こった。
別に誰が悪いわけでもない。文もリグルも、別段悪いことはしていない。強いて言うならば、運が悪かったことか。
その日、リグルは街に買出しに出かけていた。前途の通り妖怪である彼女らは数日食べずとも全く何も問題はないのだが、人間を装うためには毎日食事を取らなければならない。となれば、せめて美味しい物を食べたい。
毎日毎日朝早くから夜遅くまで帰ってこない射命丸のために、リグルが食事を作るのはこの二週間で既に習慣と化していた。この日もリグルは夕飯の買出しに出かけただけなのだった。
「あら、リグルじゃないの」
魚屋で品物を物色しているとき、不意にリグルは真後ろから声を掛けられた。体中の毛という毛が総毛立つ様な思いに囚われながら振り向くと、そこには日傘を優美にさした風見幽香が立っていた。
「ワ、ワタシハ、リグルナンテヒトジャアリマセンヨ」
慌てに慌ててリグルはその場を立ち去ろうとするが、彼女の耳にその様子を見ていた通行人の呟きが届いた。
「リグルって、あのゴk」
「ゴキじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」
大通りに、リグルの魂の叫びが響いた。
「私はゴキブリなんかじゃなぁい!!!!」

あっ、と思った瞬間にはもう遅すぎた。
文&リグルペア、正体露見により二週間にて脱落。



SIDE B
Lunasa Prismriver&Minamitsu Murasa

実はこの二人、今回のファイトでは一番有利だろうと予想されていた。
語弊を生む表現だが、今回の参加者たちの中では地味な二人が集まっているからである。
文たちと同じく長屋に住み始めた彼女たちはまずは生活費を稼ぐためにそれぞれ職を探し始めた。
音楽に長けたルナサは慧音のコネで寺子屋で音楽を教え、船の構造に詳しい村紗は古今の船の模型を作り売り始めた。
二人とも地を出すことがないように加減したことから大過なく一ヶ月が過ぎた頃、事件は起こった。
長屋の近所で人が亡くなり、葬式があったのである。人間の里では近所のつながりと言うものが非常に強い。二人も近所であるという理由で手伝いに駆りだされた。人間の葬式を手伝うのは二人とも初めての経験だったがどうにかこなし、いよいよ最後の出棺となったときのことである。
突然ルナサが騒ぎ出してしまった。
葬式の厳粛な雰囲気に、騒霊の静かにしていられない本能が我慢しきれなくなったのである。
慌てて村紗が抑えるが、時は既に遅かった。葬儀場にバイオリンの音色が響き渡る。

ルナサ&村紗ペア、正体露見により一ヶ月で脱落。


SIDE C
Yorihime Watatsuki&Parsee Mizuhashi

さて、最後に残った二人であるが、やはり同じく長屋からのスタート。
因みに二人とも、人里では全くといっていいほど顔が売れてないので、服こそ周りに合わせて変えたものの他に変装の類は一切していない。
彼女たちも、前者二組と同じくまずは生活費を稼ぐために働き口を探し始めたのだが、依姫たっての願いで商家の手伝いに行くこととなった。依姫は今まで数多くの経験を積んできたが、商売と言うものだけは経験がなかったのである。
因みにこの依姫、頭が非常に良い。あの八意永琳に1を説明しただけで10を理解したと言わしめる程だ。
手伝いに上がった商家で商売のノウハウを理解すると、僅か三日で独立を果たしてしまった。
もちろんお姫様育ちが自由を手にしてそんなところでとどまるはずがない。果断で堅実な経営で規模をどんどん拡大し、同業異業を問わず次々に商家や工場を勢力下に組み入れ、三ヶ月ほど経った時には里の産業の9割を支配する綿月コンツェルンを作り上げるまでに至ってしまった。
里の中心部に立てられた天を貫かんばかりの綿月コンツェルン総本社ビル、その最上階の総裁執務室で依姫は遥か下界を見下ろしていた。
「あれ?これってひょっとして、月にいるのとあまり変わらないのでは……」

ところで勝負であるが、パルスィが一日目で妬ましいを連発し、流石に顔が売れていないとはいえ勘付かれとっくの昔に脱落していた。

結果:ルナサ・村紗ペアの勝利。




















































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