ある所に、魔理沙という普通の魔法使いが居ました。
ある日普通の魔理沙は、分身の呪文を試しましたが、大失敗してしまいます。
現れたのは不敵な笑みの似合う、凛々しくも格好良い、男らしい魔理沙でした。
分身魔理沙は呆然とする普通魔理沙の元を逃げ出すと、
七色魔女と愛を語らい、一週間魔女と読書に勤しみ、河童と魔法機械の研究をしました。
三人とも、普通の魔理沙とはちょっと違うな、と思いながらも、
毎日自分に会いに来てくれる魔理沙に、次第に心奪われてしまいます。
ある日普通の魔理沙は、分身の呪文を試しましたが、大失敗してしまいます。
現れたのは不敵な笑みの似合う、凛々しくも格好良い、男らしい魔理沙でした。
分身魔理沙は呆然とする普通魔理沙の元を逃げ出すと、
七色魔女と愛を語らい、一週間魔女と読書に勤しみ、河童と魔法機械の研究をしました。
三人とも、普通の魔理沙とはちょっと違うな、と思いながらも、
毎日自分に会いに来てくれる魔理沙に、次第に心奪われてしまいます。
そんなある日、閻魔様が言いました。
「普通の魔理沙と男らしい魔理沙、どちらかは偽者です。東方ファイトで本物を決めなさい」
普通魔理沙は、頑張って分身を消す魔法を研究していました。
まだ完成とは言えませんでしたが、自信はそこそこあります。
分身を消せば、晴れて本物として元の生活に戻れる。
本気でファイトに挑もうと気合を入れたところで、三人の会話を聞いてしまいます。
「片方が本物で、もう片方が偽者という事は……」
「むきゅ……片方は消える事になるわね」
「そりゃ勿体無いねぇ。まあ本物は頂くとして、偽者を確保しておくのも悪くないかな」
「「「(きらーん)」」」
「普通の魔理沙と男らしい魔理沙、どちらかは偽者です。東方ファイトで本物を決めなさい」
普通魔理沙は、頑張って分身を消す魔法を研究していました。
まだ完成とは言えませんでしたが、自信はそこそこあります。
分身を消せば、晴れて本物として元の生活に戻れる。
本気でファイトに挑もうと気合を入れたところで、三人の会話を聞いてしまいます。
「片方が本物で、もう片方が偽者という事は……」
「むきゅ……片方は消える事になるわね」
「そりゃ勿体無いねぇ。まあ本物は頂くとして、偽者を確保しておくのも悪くないかな」
「「「(きらーん)」」」
普通の魔理沙は怯えました。
困り果てた普通の魔理沙は、師匠である魅魔の家に、泣きながらやって来ました。
「魅魔様、私はもう魔理沙のままでいる自信がないんだ。人間なんていやだ、牛や馬がいい。
いや、牛や馬になっても、人の近くに居たらきっとあいつらに見つかる。
私はもう、ゆっくり暮らしていたい……。
そうだ、ゆっくりがいい。
ゆっくりだったら、魔法の森の奥で静かにしていればいいから何の心配もない。
深い森の奥だったら痴話喧嘩もない、東方ファイトに呼ばれる事もない。
そうだ魅魔様、私はゆっくりになりたい……」
困り果てた普通の魔理沙は、師匠である魅魔の家に、泣きながらやって来ました。
「魅魔様、私はもう魔理沙のままでいる自信がないんだ。人間なんていやだ、牛や馬がいい。
いや、牛や馬になっても、人の近くに居たらきっとあいつらに見つかる。
私はもう、ゆっくり暮らしていたい……。
そうだ、ゆっくりがいい。
ゆっくりだったら、魔法の森の奥で静かにしていればいいから何の心配もない。
深い森の奥だったら痴話喧嘩もない、東方ファイトに呼ばれる事もない。
そうだ魅魔様、私はゆっくりになりたい……」
泣きじゃくりながら訥々と語る普通の魔理沙に、魅魔もかける言葉がありませんでした。
だから魅魔は、普通の魔理沙をゆっくり魔理沙に変えて、
誰にも見つからないように、魔法の森の奥にそっと放しました。
だから魅魔は、普通の魔理沙をゆっくり魔理沙に変えて、
誰にも見つからないように、魔法の森の奥にそっと放しました。
そんなわけで、魔法の森のゆっくり魔理沙の中には、普通の魔理沙が隠れているのです。
普通の魔理沙はゆっくり達と一緒に、いつまでもゆっくり暮らしているのです。
普通の魔理沙はゆっくり達と一緒に、いつまでもゆっくり暮らしているのです。
―幻想紙芝居 『私はゆっくりになりたい』 おしまい―
魅魔「……という話だったのさ」
アリス「これは……そうだったのね!今すぐ魔法の森に行って、魔理沙をお姫様のキスで戻してあげなくちゃ!」
パチェ「こうなったら紅魔館の妖精メイドを総動員して、魔法の森でゆっくり狩りね」
にとり「まずは全自動ゆっくり捕獲機を作って、キスの機能を持たせて……(ぶつぶつ)」
魅魔「……よし、三人とも行っちまったよ。出ておいで、魔理沙」
魔理沙「た、助かったぜ……ありがとう、流石は魅魔様だ」
魅魔「この程度、何でもないさね。
それより魔理沙、これに懲りたら分身なんて危ない魔法は無闇に試すんじゃないよ」
魔理沙「ああ、わかったぜ……」
霊夢「ふーん、本物は『普通の魔理沙』だったって事ね」
魅魔「へぇ、やっぱり霊夢にゃ解るのかい?」
霊夢「そりゃね、長い付き合いだもの」
魔理沙「ま、まさか……霊夢の所にもあいつは行ったのか!?」
霊夢「ええ、来たわよ。一緒に食事でも、って言うから、とりあえず魔理沙の家の食料は食べ尽くしておいたわ」
魅魔「あっはっは、こりゃずっと付き合うとなると、さっきの三人より大変かもねぇ」
魔理沙「まったくだ……はぁ、ゆっくりにでもなった方が楽かも知れないぜ……」
アリス「これは……そうだったのね!今すぐ魔法の森に行って、魔理沙をお姫様のキスで戻してあげなくちゃ!」
パチェ「こうなったら紅魔館の妖精メイドを総動員して、魔法の森でゆっくり狩りね」
にとり「まずは全自動ゆっくり捕獲機を作って、キスの機能を持たせて……(ぶつぶつ)」
魅魔「……よし、三人とも行っちまったよ。出ておいで、魔理沙」
魔理沙「た、助かったぜ……ありがとう、流石は魅魔様だ」
魅魔「この程度、何でもないさね。
それより魔理沙、これに懲りたら分身なんて危ない魔法は無闇に試すんじゃないよ」
魔理沙「ああ、わかったぜ……」
霊夢「ふーん、本物は『普通の魔理沙』だったって事ね」
魅魔「へぇ、やっぱり霊夢にゃ解るのかい?」
霊夢「そりゃね、長い付き合いだもの」
魔理沙「ま、まさか……霊夢の所にもあいつは行ったのか!?」
霊夢「ええ、来たわよ。一緒に食事でも、って言うから、とりあえず魔理沙の家の食料は食べ尽くしておいたわ」
魅魔「あっはっは、こりゃずっと付き合うとなると、さっきの三人より大変かもねぇ」
魔理沙「まったくだ……はぁ、ゆっくりにでもなった方が楽かも知れないぜ……」
結果:分身魔法の失敗で現れた>>900魔理沙を消して、普通の魔理沙が本物の座を取り戻した。