「はさみ将棋?」
「そう。簡単に言うと、縦か横に好きな距離だけ交互に駒を動かして、相手の駒を自分の駒ではさめば取れるんだよ」
「そう。簡単に言うと、縦か横に好きな距離だけ交互に駒を動かして、相手の駒を自分の駒ではさめば取れるんだよ」
はさみ将棋を知らないリグルに将棋ファイターのにとりが簡潔にルールを説明する。
「言っちゃ悪いけど、普段から大量の人形を制御してる私には有利すぎる競技内容ね」
「いや、ボクも虫の大群を操ってるんだけど……」
「そうだっけ?」
「いや、ボクも虫の大群を操ってるんだけど……」
「そうだっけ?」
哀れ、リグル君はムシキング能力のことがあまり認知されていないようです。
きっとゆうかりんの相方(オモチャ)としての側面が強烈な印象を与えてるのであろう。原因は天狗の新聞かファンの妄想か……。
それはさておき、早速ファイト開始のようです。
きっとゆうかりんの相方(オモチャ)としての側面が強烈な印象を与えてるのであろう。原因は天狗の新聞かファンの妄想か……。
それはさておき、早速ファイト開始のようです。
「ま、初手はこんなもんね」
「ふーん……じゃあボクはこうかな」
「荒削りだけどいい手ね。だったらこれでどう?」
「それならこうすれば……」
「正直、ムシキングを侮ってたみたいね。少し引いた方がよさそうね」
「ふーん……じゃあボクはこうかな」
「荒削りだけどいい手ね。だったらこれでどう?」
「それならこうすれば……」
「正直、ムシキングを侮ってたみたいね。少し引いた方がよさそうね」
両者ともに牽制し合ってなかなか駒が減らぬまま時間だけが流れる。
「よし、チャンスだ。一気に行けぇ!」
「取られるのを覚悟? 捨て身の制圧作戦?」
「これが虫の戦い方だよ」
「だったら、私も人形遣いの戦い方を見せてあげる」
「取られるのを覚悟? 捨て身の制圧作戦?」
「これが虫の戦い方だよ」
「だったら、私も人形遣いの戦い方を見せてあげる」
状況は一変した。アリスが縦横無尽に駒を走らせ、リグルはそれを各個撃破せんと駒を障害物のように置きながら追う。
「くぅ……逃げ足の速い……。でも、これでもう一体!」
「まぁ、許容範囲ね。そろそろ攻めてもいい頃かしら」
「これだけ取られても余裕があるんだ。命を持たない人形を操ってると、生きた駒を操るのと違って痛みがないから?」
「まさか。私の人形はそんじょそこらのボンクラの命より価値があるのよ。ところで、まだ気付いてないの?」
「何のこと? ……え? これは!」
「あなたは私の駒を必死で追い掛け回してたでしょ? だから罠にかかるのよ。
それに、さっき取らせたのは最初から予定してた通りの展開。
このゲームは駒を飛び越すことが出来ないから、少し取らせた方がかえって動きやすいのよ。
まぁ、そんなのは単なる小手先の技術で、あなたが詰んだ本当の理由を教えてあげる。
『命を懸ける者ほど利用されやすい』ただそれだけよ」
「まぁ、許容範囲ね。そろそろ攻めてもいい頃かしら」
「これだけ取られても余裕があるんだ。命を持たない人形を操ってると、生きた駒を操るのと違って痛みがないから?」
「まさか。私の人形はそんじょそこらのボンクラの命より価値があるのよ。ところで、まだ気付いてないの?」
「何のこと? ……え? これは!」
「あなたは私の駒を必死で追い掛け回してたでしょ? だから罠にかかるのよ。
それに、さっき取らせたのは最初から予定してた通りの展開。
このゲームは駒を飛び越すことが出来ないから、少し取らせた方がかえって動きやすいのよ。
まぁ、そんなのは単なる小手先の技術で、あなたが詰んだ本当の理由を教えてあげる。
『命を懸ける者ほど利用されやすい』ただそれだけよ」
結果:緻密な計算と心理戦を制してリグル詰みに追い込んだアリスが勝利。