レミリア「こ~れは大変おうちが飛んだ~ド~ラドラホラ~飛んでら~」
幻想郷の空を飛行する紅魔館の屋根の上で、虚ろな瞳で体育座りのお嬢様は歌っていた。
レミリア「風が気持ちいいわね……ぐす……なんであいつらは爆破に慣れるの?
館爆破されるとかおかしいでしょ?お前が逃げ出したくなる気持ちも分かるよ……」
館爆破されるとかおかしいでしょ?お前が逃げ出したくなる気持ちも分かるよ……」
悪魔の館であることが嫌になって逃げ出した紅魔館についてきたのは主だけであり、
主を置いて湖畔で双方が飽きるのを待ってる他のメンツもどうかとも思うが、
そもそも主が残ってるならこっちがメインじゃないの?なんで家出扱いなの?というレミリアの疑問の前には
もうこの歌キリスト教布教番組のじゃんとかいうのはどうでも良くなっていた。
主を置いて湖畔で双方が飽きるのを待ってる他のメンツもどうかとも思うが、
そもそも主が残ってるならこっちがメインじゃないの?なんで家出扱いなの?というレミリアの疑問の前には
もうこの歌キリスト教布教番組のじゃんとかいうのはどうでも良くなっていた。
早苗「奇遇ですね!唯一神より守矢を信仰するほうが、混沌として吸血鬼らしいと思いませんか?」
レミリア「貴女のぶれなさ具合がありがたく思えてきたわ……」
レミリア「貴女のぶれなさ具合がありがたく思えてきたわ……」
そんな精神状態なので、なんか巨大な人型で浮上してきた守矢神社だったものに
顔の横で腕時計見ながらドヤ顔で立っている早苗すら、ほぼスルーであった。
顔の横で腕時計見ながらドヤ顔で立っている早苗すら、ほぼスルーであった。
早苗「ほら、守矢神社も何か言ってあげてくださいよ」
守矢神社「―――――――」
レミリア「……紅魔館、貴女はどう思うの?」
紅魔館「――――――」
守矢神社「―――――――」
レミリア「……紅魔館、貴女はどう思うの?」
紅魔館「――――――」
もちろん答える筈もないのだが、早苗が奇跡的に建築物の意見を理解して
レミリアがそれで起こる運命を予見出来るため、概ね彼らの会話が2人には読み取れていた。
酷い話である。
レミリアがそれで起こる運命を予見出来るため、概ね彼らの会話が2人には読み取れていた。
酷い話である。
早苗「そうですね、威厳溢れる建造物としてリスペクトされれば焼かれなくなるかもしれないですね!」
守矢神社「―――――――♪」
レミリア「ふむ、そのためには紅魔館の素晴らしさを宣伝する必要があるな」
紅魔館「―――――!」
守矢神社「―――――――♪」
レミリア「ふむ、そのためには紅魔館の素晴らしさを宣伝する必要があるな」
紅魔館「―――――!」
文「文々。新聞に載せるのでセクシーショットをお願いします」
レミリア「よく来たわね、こんなどうしようもない事態なのに」
文「それはもう、レミリアさんは貴重な購読者ですから……それに」
早苗「それに?」
文「望む、望まないに関わらず……運命が私を引き寄せる手筈だったのですよね?」
レミリア「当然(ドヤァ」
早苗「そんなわけで、紅魔館の荘厳さと完全変形守矢神社の神々しさを宣伝してくださいね!」
レミリア「よく来たわね、こんなどうしようもない事態なのに」
文「それはもう、レミリアさんは貴重な購読者ですから……それに」
早苗「それに?」
文「望む、望まないに関わらず……運命が私を引き寄せる手筈だったのですよね?」
レミリア「当然(ドヤァ」
早苗「そんなわけで、紅魔館の荘厳さと完全変形守矢神社の神々しさを宣伝してくださいね!」
先手 紅魔館
幼きドレス姿の華奢な背筋を僅かに反らせ、透き通るような白磁の二の腕を見せ
上空の冷気に強張る羽根を掲げ、鉄塔に縋りつく主レミリアをその頂に乗せて
いつ焼かれるかもしれない不安に小さな窓を物憂げに曇らせる紅魔館
幼きドレス姿の華奢な背筋を僅かに反らせ、透き通るような白磁の二の腕を見せ
上空の冷気に強張る羽根を掲げ、鉄塔に縋りつく主レミリアをその頂に乗せて
いつ焼かれるかもしれない不安に小さな窓を物憂げに曇らせる紅魔館
後手 守矢神社
挑発的な眼差しで肩に立ち、嵐の到来を予見させる激しい風に
靡くスカートから健脚を大きく見せ付け仁王立ちする早苗に合わせるように
御柱を模した豊満な千木をすらりと伸ばして、醸し出す神格を見せ付ける守矢神社
挑発的な眼差しで肩に立ち、嵐の到来を予見させる激しい風に
靡くスカートから健脚を大きく見せ付け仁王立ちする早苗に合わせるように
御柱を模した豊満な千木をすらりと伸ばして、醸し出す神格を見せ付ける守矢神社
慧音「――という歴史が上空で繰り広げられてたので速攻食べておいたわけだが」
阿求「嫌ですよ……念のためでも、そんな歴史をうちで記しておくのは」
慧音「だろうな。それではなかった事にして次の議題にさっくりと移ろう」
阿求「嫌ですよ……念のためでも、そんな歴史をうちで記しておくのは」
慧音「だろうな。それではなかった事にして次の議題にさっくりと移ろう」
かくしてバトル結果は稗田家で毎月行われる『幻想郷の歴史確定・定例会』の席において、
3行に渡る激しい議論の末に全会一致で完全に葬り去られたのであった。強いて言えばドロー。
3行に渡る激しい議論の末に全会一致で完全に葬り去られたのであった。強いて言えばドロー。