「妬ましい妬ましい全てが妬ましい、
楽しそうな観客が妬ましい、強そうな対戦相手が妬ましい、威風堂々たるあの柱さえ妬ましい……
もっとよ、もっと妬みを、もっと嫉みを。
鬱々たる嫉妬の炎こそ私の強さ、この極低温の嫉妬に、身も心も焦がれてしまえ……」
「(くっ……この妖怪、自分の能力で精神を昂らせ、肉体を凌駕しようとしている……
どうやら、一筋縄ではいかなさそうね! いいわ、全力で相手してあげる!)」
楽しそうな観客が妬ましい、強そうな対戦相手が妬ましい、威風堂々たるあの柱さえ妬ましい……
もっとよ、もっと妬みを、もっと嫉みを。
鬱々たる嫉妬の炎こそ私の強さ、この極低温の嫉妬に、身も心も焦がれてしまえ……」
「(くっ……この妖怪、自分の能力で精神を昂らせ、肉体を凌駕しようとしている……
どうやら、一筋縄ではいかなさそうね! いいわ、全力で相手してあげる!)」
対戦前から睨みあう二人。どちらも質は違えど、闘志は充分と見える。
その前哨戦に観客にも期待が高まり、そんな中でいざ、試合開始。
試合内容は単純。この太くて硬くて長くて大きいオンバシラをどれだけ遠くに飛ばせるか。
二人同時に、よっこらせ、とそのオンバシラにしがみついて、持ち上げようとして。
その前哨戦に観客にも期待が高まり、そんな中でいざ、試合開始。
試合内容は単純。この太くて硬くて長くて大きいオンバシラをどれだけ遠くに飛ばせるか。
二人同時に、よっこらせ、とそのオンバシラにしがみついて、持ち上げようとして。
「ひぎゃあ(ぴちゅーん)」
「は?」
「は?」
なんと、そのオンバシラで橋姫が被弾してしまった。
幽香は無事だ、つまり本来なら、この静止しているオンバシラで撃墜されたりはしないはず。
幽香は無事だ、つまり本来なら、この静止しているオンバシラで撃墜されたりはしないはず。
「あー。まあ、やるだろうなとは思ったけどね」
と、口を挟んだのは我らがカリスマ、神奈子様。ちなみに今回のオンバシラは彼女の提供だ。
「ちょ、え、どういうことよ?」
「うん、あんな妖力化するほどの負の感情に身も心も染まっちゃうと、神徳と真っ向から相反しちゃうのよ。
だから、彼女にとってこのオンバシラは猛毒にしかならなかったってわけ」
「うん、あんな妖力化するほどの負の感情に身も心も染まっちゃうと、神徳と真っ向から相反しちゃうのよ。
だから、彼女にとってこのオンバシラは猛毒にしかならなかったってわけ」
あー、でもこのオンバシラも相当イっちまってるねぇ、こりゃ帰って磨きなおして天日干ししないとー、
などとのんきそうにのたまう神奈子様、
そしてその横でばったり倒れ伏したパルスィと、目を点にしたままの幽香。
などとのんきそうにのたまう神奈子様、
そしてその横でばったり倒れ伏したパルスィと、目を点にしたままの幽香。
「じゃ、そういうことでこの勝負は……幽香っていったっけ? あんたの勝ちだね」
ぽん、と肩を叩いて労う神奈子に、はっ、と幽香は我に返り。
「な」
「?」
「なっとくできるわけないでしょ!? この行き場の無い感情をどこにぶつければいいのよー!?」
「な、そんなこと私が知るもんかい!」
「こうなったら鬱憤晴らしよ! ちょうどいい、あんたで我慢してあげるわ!」
「(カチン)ふ、この私相手によくぞ吼えた! いいだろう、相手になってやるわ!」
「?」
「なっとくできるわけないでしょ!? この行き場の無い感情をどこにぶつければいいのよー!?」
「な、そんなこと私が知るもんかい!」
「こうなったら鬱憤晴らしよ! ちょうどいい、あんたで我慢してあげるわ!」
「(カチン)ふ、この私相手によくぞ吼えた! いいだろう、相手になってやるわ!」
その後、泥沼の弾幕勝負に発展。
ちなみに逃げ遅れた観客たちは、気絶した橋姫もろとも吹っ飛ばされたそうな。
ちなみに逃げ遅れた観客たちは、気絶した橋姫もろとも吹っ飛ばされたそうな。
勝者:風見幽香