東方ファイトスレ @まとめウィキ

39スレ第25戦

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匿名ユーザー

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幻想郷夏フェスは、いつもの東方ファイト会場の外型に、V字型に二つのステージを設置して開催された。
両バンドが姿を現す何時間も前からある意味熱烈なファンが押し寄せ、開演を今や遅しと待ち受ける。
炎天下の下、レティ&チルノの涼風と、秋姉妹による日光の軽減が、彼らの熱狂を支えていた。

先に現れたのは、意外にもサディスティック・クイーンだった。
さらに意外な事に、ボーカルの早苗はハイテンションながら落ち着いた声で軽やかに唄い、
さとりの独心と幽香のパワフルなドラム、そして時間停止に最速を組み合わせたアクロバチックな演奏がそれを彩る。
最前列に押しかけた面々の中には残念そうな者も居たが、それもすぐに熱狂のうねりに飲み込まれた。

パルスィ「妬ましい妬ましい……」
ルナサ「落ち着いて……いや、落ち着かなくて良いわ。私達は私達の最高の演奏をするだけ」
ヤマメ「そうそう。地底のアイドルヤマメちゃんとプリズムリバーの長女にお任せよ」
メディ「でも私、演奏ってあんまりした事ないよ……?」
雛「大丈夫です、ちょっと付喪神さんに頼んで憑いてもらってますから」

炎天下に相応しい、陽光を思わせる演奏に盛り上がる聴衆達。
その背後のステージへと静かに現れたダークバンドの五人が持ち場に着く。
ルナサ「ワン・ツー・スリー・フォー」
低く小さなルナサの声に気付いた者はほとんど居なかった。
それだけに、次の瞬間会場を包んだ、肺腑を抉るほどの重低音の効果は抜群だった。
熱気と陽気に浮き足立った聴衆の意識が瞬時に地面に引き戻され、地底まで引き摺り込まれる。
心の闇を擽るパルスィの唄声、妙なる鬱の音色を響かせるルナサのギター。
ヤマメは八本の脚を使って二台のベースを自在に弾き鳴らし、雛の大回転がドラムを連打しながら厄を振り撒く。
そしてメディスンの付喪神キーボードは通常弾きえない和音により、幻想の音色で場を満たした。

インパクトと音量でダークバンドの盛り上がりが最高潮に達した時、サディスティック・クイーンが動いた。

文と咲夜の弦楽器が金切り音を撒き散らし、さとりのキーボードが不協和音を響かせる。
幽香の叩くドラムはいつの間にか逆さにしたキスメ桶に代わり、鈍い音をさせる。
重苦しい楽曲に馴染んでいた聴衆には、その異音怪音すらある種の悦びだった。
そう、サディスティック・クイーンは聴衆の意識が抑鬱に支配されるのを待っていたのだ。
生贄の羊のように、従順にサディスティック・クイーンへと顔を向ける聴衆めがけて、早苗が口を開く。
早苗「幻想郷夏フェス2010に集まってくれた妖怪の皆さ~ん!」
マゾヒスティック・スレイブ直前まで意識が追い詰められていた聴衆は、
早苗の明るい声に各々何かを期待して、顔を輝かせる。
早苗「しね」
底抜けに明るい笑顔から放たれた単純明瞭なその一言を皆が理解するより早く、
空から星が降って来る。
その後は逃げ惑う聴衆を的に、幻想郷サディスティック・クイーン決定戦が行われた……。

結果:鬱の音色を伴う重低音が各種の霊に好評で、ダークバンドの勝ち

小町「えっ」
映姫「えっ、ではありません。霊が多いのは小町もよく知っているでしょう」
小町「いやその、盛り上がりって意味では……」
映姫「あれが盛り上がったのは別の大会です。夏フェス自体はダークバンドの勝ちとします」
小町「あぁ……そうですよね、うん」
































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