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7スレ第18戦

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匿名ユーザー

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「誰か助けてぇぇぇぇ!!」
 ミスティアは追われていた。
 追跡者は頭をすっぽりと覆い隠すようにビニール袋を被って日傘を手にしている。
 己の商売道具である屋台を両腕で抱え、脇目も振らず死に物狂いで未知なる脅威から逃げる。
 追跡者の被った袋は本来透明なはずだが、呼気に含まれる水分が内側に付着しているため、中にある顔が見えない。
 ミスティアの耳に届くのは、空気の壁が己の体を叩く音と追跡者が袋越しに発するくぐもった声のみ。
 分からない……自分がなぜ追われなければならないのか。追跡者の目的が何なのか……。
 ひとつだけはっきりしているのは、逃げる以外に打つ手がないということだけだ。

 屋台という重量物を抱えながら(というかぶら下げながら)どれだけの時間を逃げ続けたのか、ミスティアはもう分からなくなっていた。
 意識が朦朧としてきた。もう目はよく見えない。音もよく聞こえない……。
 ――もうだめ……高度が保てない……。
 意識が薄れゆく中、ミスティアは紅魔湖に墜落した。

 二日後にミスティアが意識を取り戻した時、周囲に追跡者の姿はなかった。
「助かった……私、助かったんだ!!」
 まだ疲労が残っているが、そんなことは気にならなかった。
 未知なる脅威から逃げ切った。今のミスティアにはそれだけで十分だった。

 ……

 さて、怪しさ大爆発な追跡者がどうしてミスティアを逃がしたのか?
 それは簡単な話である。
『屋台でうざい客を演じつつギリギリグレイズトーク』という条件を満たすため、どうしても一度は客として認識される必要がある。
 しかし、屋台の店主は即座に逃げた。あろうことか屋台を抱えて。
 かくして三流恐怖映画じみた決死の鬼ごっこが始まったのだ。
 まぁ、普通に追っていれば屋台という圧倒的な重量的ハンデを追った夜雀に追いつくぐらいは造作もないことだ。
 ただ、今回はビニール袋を頭に被った状態で有酸素運動を行ったのがまずかった。
 つまり、幽香と紫が揃いも揃って酸欠でダウンしたのにも気付かず、ミスティアは必死で逃げ続けたのである。
 多少の時間とはいえ、その状態で追っかけっこを演じたあたりは流石に大妖怪といったところか……。

 結果:両者脱落により引き分け


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