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3スレ第21戦(4)

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匿名ユーザー

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「くそっ、こんなの出来る訳が無いぜ」
 魔理沙はひとり毒づいた。いかなる弾幕をも潜り抜けてきた彼女ではあったが、
確認の為に見せられたトイコンEXの弾幕は常軌を逸している。最早魔女のそれと
近い動体視力を以ってすれば、40や41までなら何とかなろう。
 しかし、43、これは。これは無理だと、魔理沙は直感的に理解していた。
普段であればボムに手が伸びるところだが、これは弾幕戦ではない。ゲームだ。
 魔理沙は考える。勝利条件は、両者完走した場合はBAD数の少ない方。そう
でない場合は、より長く生存し続けた方である。
 自分の能力を上げるのは、この短い準備期間では不可能だ。
 では、相手の能力を下げるのは――?
「あら、魔理沙。そろそろじゃないの?」
 控え室にやってきた霊夢を見て、魔理沙は言った。
「霊夢、脱いでくれ」
「え?」
「いいから、ほら脱いだ脱いだ」
「え、ちょ、なに? 待って、ちょっと、下は穿いてな…………いやー!」

 紅白の巫女服を身に纏った魔理沙が現れると、里にある唯一のゲーセンは
俄かに沸き立った。すかさず天狗の新聞記者がフラッシュを焚き、僅かに頬を
染めた魔理沙は手でその射線を遮る。
「何でも思いつきで言うもんじゃないな……」
 いつもは後悔の二文字を音速で置き去りにする魔法使いも、若干反省である。
しかし周囲の様子を見ても判る通り、この衣装はインパクトがあるらしい。
であれば、霊夢の事がまんざらでは無い様子の霖之助にはそれ相応の影響を
与えるであろう事は想像に難くない。

 だが次の瞬間、突然、店内は阿鼻叫喚の地獄絵図へと変貌した。

「ぶーーーーっ!!」
 全力で噴出したのは魔理沙だけではなかった。文のカメラはレンズにヒビが
入り、優雅に缶の紅茶を飲んでいたレミリアは咲夜の顔面に赤い液体をぶちまけ、
リザレクションしかけた妹紅を鼻血まみれの慧音が必死に抱きとめ、閻魔はそっと
こーりんの地獄行きを決定した。
 しかし最も影響を受けたのは当事者である魔理沙である。なぜなら、
「な、なんで私の服を着てるんだ!」
 こーりんは鼻で笑った。
「復讐に燃える一匹の紅白鬼がね、これを着ていけと言ったのさ」
 なんという事だ。巫女は悪魔に、いや変態に心を売り渡したのか。
 その容姿は見るに耐えないを通り越して見るとスタンする。麻痺は危ない、
死亡扱いの場合もある恐ろしい状態異常なのだ。
「さあ、やろうじゃないか」
「くっ……!」
 どう考えても劣勢だ。平常心を喪っているのは魔理沙の方。
 しかし時間は待ってくれない。レミリアの噴射を受けて恍惚の表情を浮かべる
咲夜はどう見ても終わっているし、慧音はダウン中の妹紅に人工呼吸をしようと
して辺りが見えていない。

「仕方ない、やってやるぜ!」
 気合だ。劣勢など気合で跳ね返す。少女はそうやってこれまで生きてきたのだ。
 右手を振り上げ、魔理沙はファーストアタックを決めにいく――!

「ここは勝たせてもらう!」
 時代が違えば、どれほどの策士となっていたか。
 霖之助は、焦る魔理沙を悠然と眺め――――

 魔理沙の、普段は分厚いドレスに包まれている、白い陶磁のような、
 脇、
 が目に入った。

勝者:魔理沙
敗者:こーりん(石化)




























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