THE ウルトラ伝説シリーズ


ジャンル 再編集作品シリーズ
メーカー TBS(発売)
パック・イン・ビデオ(9巻までの販売)
ビクターエンタテインメント(10巻以降の販売)
メディア VHS
発売年月 1992~94年
収録時間 40~45分(巻によって異なる)
巻数 全12巻
ポイント テーマごとにウルトラシリーズを再編集
非ウルトラ系の円谷作品も充実
円谷プロ作品
ウルトラシリーズ

概要

1992年秋、創立30周年を翌93年に控えた円谷プロは、これまで同社が制作してきたウルトラシリーズに加え、それ以外の特撮(一部、アニメ作品含む)作品も含めた集大成的なマニア向けビデオシリーズを打ち出した。
シリーズは各3巻ずつ、合計4期にわたって全12巻がラインナップされた。
基本的にはウルトラシリーズをメインとしているが、それ以外の作品もいくつか収録されており、各巻、テーマごとに沿ったバラエティな内容となっている。
発売は旧ウルトラシリーズのキー局だったTBSの関連会社であるTBSビデオが一貫して担当しており、3期シリーズ(9巻分)までの販売元はパック・イン・ビデオだったが、1994年に同社が事業停止したため、同年発売の4期シリーズの3巻分は販売元がビクターエンタテインメントに移行された。
のちに3期シリーズまでの9巻も、廉価版としてビクターから再発されている。

ラインナップ一覧

本シリーズについては、巻数表示がないため、タイトルのみとする。
シリーズ タイトル 発売年月 ナレーション 備考
1期 感動!ラストエピソード・コレクション 1992/11 円谷浩
不滅!ヒーローミュージック・コレクション!!
興奮!ベストメモリアル・コレクション!!
2期*1 ウルトラセブン 映像大図鑑 1993/6 ひし美ゆり子
ウルトラメカニック大集合 久川綾
怪獣交響曲
3期 ウルトラマンタロウ 映像大百科 1993/11
怪獣博物館
戦え!ウルトラマン 必殺技大作戦
4期 結集せよ!ウルトラ兄弟物語 1994/12
ウルトラ怪獣 超悪大百科
侵略宇宙人 スーパーウェポン大百科
紹介作品は以下の通り。
作品(シリーズ)名 備考
ウルトラシリーズ 『Q』~『80』までの全作品
快獣ブースカ 一部巻数でのみ紹介
マイティジャック
戦え!マイティジャック
チビラくん
ミラーマン
レッドマン
トリプルファイター
ファイヤーマン
ジャンボーグA
円谷恐竜三部作*2
非ウルトラ系作品では、『怪奇大作戦』、『緊急指令10-4・10-10』、『SFドラマ 猿の軍団』、『プロレスの星 アステカイザー』、『スターウルフ』、『ぼくら野球探偵団』の6作品の映像は、諸事情から一切収録されていないが、スターウルフはBGMがいくつか使用されており、本シリーズ以外のウルトラシリーズ関連の映像ソフトでもたびたびBGMが使用されている。

1期発売分

1期シリーズは、すべて故・円谷浩氏がナレーションを担当している。

『感動!ラストエピソード・コレクション』

当時未ソフト化だった作品群も含め、実写・アニメを問わず、円谷作品8タイトルの最終回の名シーンを取り上げたもの。
紹介作品は以下の通り。
作品名 話数 タイトル
ウルトラマン #39 さらばウルトラマン
快獣ブースカ #47 さようならブースカ
ミラーマン #51 さよならミラーマン
トリプルファイター #26 さようならトリプルファイター
チビラくん #78 サヨナラチビラくん
ザ★ウルトラマン #50 ウルトラの星へ!! 完結編 平和への勝利
アンドロメロス #45 サブタイなし
ジャンボーグA #50 トウキョウ最後の日
書いてわかる通り、作品のセレクトがなんともマニアックである。

『不滅!ヒーローミュージック・コレクション!!』

代表的な主題歌・挿入歌・BGMをバックに、『Q』から『タロウ』までのウルトラシリーズ各作品に加え、ブースカ、MJ(『戦え!』含めて)、チビラくん、ミラーマン、レッドマン、トリプル、ファイヤーマン、ジャンAの各作品の名場面を取り上げたMV集的な内容のもの。
OP映像が行方不明*3だったレッドマンは、冒頭に新規でタイトルロゴを入れ、#1のダークロン*4戦を編集している。

『興奮!ベストメモリアル・コレクション!!』

代表的な侵略者・怪獣、メカ・マシン、ヒロイン、歴代ヒーローの紹介に加え、貴重なメイキングシーンを多数紹介したもの。
+ 全体の概要
コーナー名 紹介キャラ・メカ・マシン名 作品名
侵略者紹介 バルタン星人 初代マン
ヤプール エース
アンチゴーネ
マッドゴーネ
サンタゴーネ
デモンゴーネ
ジャンA
ゴドメス星人
総監ザジ
コセイドン
恐竜帝王ウルル
恐竜魔王ゴッテス
アイゼンボーグ
怪獣大進撃!! ガルウ
チラコ
ザウルス 戦え!MJ
マグマドン
ゴールダ
キラザウルス
アイゼンボーグ
アギラ
リッガー
セブン
バニラ
アボラス
初代マン
地球を守るスーパーメカニズム!! マットアロー1号
同2号
マットジャイロ
帰りマン
コセイドン号
ファイタス号
ハクアス号*5
コセイドン
ウルトラホーク1号 セブン
ボーンフリー号
フリーシーガル
フリービーグル
ボーンフリー
アイゼンⅠ号&Ⅱ号
アイゼンボーグ号
アイゼンボーグ
パット・バモスⅠ世&Ⅱ世
ハンターQ
ジャンA
ジェットビートル 初代マン
人気ヒロイン・ベスト10!! フジ・アキコ
友里アンヌ セブン
江村奈美 戦え!MJ
南夕子*6 エース
森山いずみ タロウ*7
美川のり子 エース
立花愛 アイゼンボーグ
アルタシア姫 コセイドン
星川ムツミ ザ★
城野エミ 80
円谷ヒーロー大集合!! ウルトラマン
ウルトラセブン
帰ってきたウルトラマン
すべて『帰りマン』#38の映像を使用
コセイダー コセイドン
ファイヤーマン ファイヤーマン
アイゼンボー アイゼンボーグ
ジャンボーグA
ジャンボーグ9
ジャンA
ミラーマン ミラーマン
ブースカ ブースカ
当時、映像ソフトが発売されなかったこともあってか、恐竜三部作の映像の割合が多い。
ヒロイン紹介パートとヒーロー大集合パートの合間には、メイキングパート「特撮メイキング特集!!」が挟まれており、以下の構成になっている。
  • 『80』#3のメイキングパート
  • 『ミラーマン』の合成前のフィルム
  • 『帰りマン』#2のNG変身シーン
  • 『セブン』の未使用カット
  • 映画『ウルトラマン 怪獣大決戦』の新撮パートで、初代マンとバルタン星人の格闘シーンおよび、初代マンの安否をウルトラファミリー11人が気づかうシーン
ビデオ終盤には、『ウルトラマン・ウルトラセブン モーレツ大怪獣戦』の映像を用いた、ブースカが台詞付きで喋るコーナーも収録*8
なお、なぜかレオ関連の本編映像は一切収録されていない。

2期発売分

初版ではいずれも『THE ウルトラ伝説Ⅱ』のシリーズタイトルとして発売された。

『ウルトラセブン 映像大図鑑』

ひし美ゆり子さん*9がアンヌ隊員として、欠番となる#12以外の48話分の『セブン』各エピソードについて回想する内容。

『ウルトラメカニック大集合』

昭和実写ウルトラシリーズ8作品(Q~レオ、80)の代表的なメカについて、防衛チーム関連のみならず、侵略者の円盤や敵ロボ怪獣に至るまで、幅広く取り上げた内容。
全体的な概要は以下の通り。
  • 『80』#13のサラマンドラ襲撃からのシルバーガル攻撃シーン
  • 『Q』の人間側のメカの紹介
  • 『初代マン』の科学特捜隊(科特隊)のビートルの紹介
  • 航空戦力編*10
  • 水中戦力編*11
  • 陸上・地底戦力編*12
  • 怪獣・宇宙人編*13
  • 対怪獣作戦編*14
  • UGMメカ紹介*15
本作から久川綾さんがナレーションを務めているが、彼女は本作では「UGMの久川隊員」という設定で参加している。

『怪獣交響曲』

昭和実写ウルトラシリーズ8作品の怪獣の出現→戦闘シーンを、代表的なBGMをバックに編集したMV集的な内容のもの。
コンサートビデオ仕立てになっており、久川さんのナレーションもコンサートの司会風になっている。

3期発売分

シリーズ名はいずれも、『THE ウルトラ伝説』のタイトルに戻っている。
この3期分の巻末には、円谷作品に欠かせない名女優・桜井浩子さんのインタビュー映像および、幼稚園ロケがユニークな新撮のミニドラマ『帰ってきたウルトラファイト』が収録されており、内容も各巻ごとに異なる*16

『ウルトラマンタロウ 映像大百科』

タロウ本編の映像を編集し、タロウ・ZAT・ウルトラ兄弟の活躍を振り返ったもの。

『怪獣博物館』

Q~80までの実写ウルトラシリーズ各作品に登場の代表的な怪獣に加え、ミラーマン、ファイヤーマン、ボーンフリー、アイゼンボーグ登場の怪獣(恐竜)も含めて、あらゆる角度から怪獣の魅力を取り上げた構成。
当時放送中だった『電光超人グリッドマン』の一部のBGMが使用されている。

『戦え!ウルトラマン 必殺技大作戦』

初代ウルトラマンおよびウルトラマンジャック(本作では一貫して「新マン」と呼称)の必殺戦力を比較した構成。

4期発売分

最終シリーズとなる本シリーズは、先述の通り、これまでの販売元だったパック・イン・ビデオが事業停止したため、ビクターエンタテインメントへと引き継がれた。

『結集せよ!ウルトラ兄弟物語』

帰りマン以降の作品における、ウルトラ兄弟の共闘エピソードについて取り上げたもの。
やはりというべきか、全体的にAおよびタロウ関連のセレクトが多い。
映画『ウルトラマン 怪獣大決戦』に登場した実写のジョーニアスの映像も収録。

『ウルトラ怪獣 超悪大百科』

マン~80までの実写シリーズに登場した歴代ウルトラ怪獣・宇宙人・超獣の戦力をメインに取り上げたもの。

『侵略宇宙人 スーパーウェポン大百科』

ウルトラシリーズ以外の作品も含めて、歴代の宇宙人の武器、侵略兵器、ロボを取り上げたもの。
チビラくんの映像まで収録されているのがまたマニアックな構成。
なお、本作では『ウルトラメカニック大集合』以来、UGMの久川隊員によるナレーションとなっている。

1~3期の再販

パック・イン・ビデオの事業停止により、1~3期の9巻分は、1995年3月にビクター販売で『THE ウルトラ伝説 SUPER PRICE SERIES』として廉価再発された。
再発分では、ジャケットデザインが統一された。

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最終更新:2025年03月22日 19:53

*1 『THE ウルトラ伝説Ⅱ』として発売。

*2 『恐竜探険隊ボーンフリー』、『恐竜大戦争アイゼンボーグ』、『恐竜戦隊コセイドン』の3番組の公式の総称。

*3 これは現在も同様。

*4 ミラーマン出自の怪獣。

*5 ファイタス・ハクアス両機とも、Ⅰ号・Ⅱ号に分離時の映像で収録されている。

*6 #28の月星人姿で登場。#3の映像を使用した美川隊員のパートで、TAC隊員時代の彼女の映像が見られる。

*7 タロウ本編の映像が使用されているのは、彼女の紹介パートのみである。

*8 同作のウルトラセブンとバルタン星人(新撮)と、『初代マン』の初代ウルトラマンとアボラス(#19)の格闘シーンを挟んだ後、『モーレツ大怪獣戦』のブースカとチャメゴンが挨拶した直後、ED(『80』#1~4までのOP映像に、『レオ』のBGM「真紅の若獅子」を加えたもの)に導入する構成になっている。

*9 本作が唯一の同シリーズへの参加。

*10 飛行メカを中心に取り上げたパート。なぜか『タロウ』のZATより先に、『レオ』のMACのメカを紹介。

*11 本編で登場しなかったZATのアイアンフィッシュも、OPのノンクレジット映像で紹介。

*12 主に戦車と自動車系マシンを紹介したパート。『80』のUGMの専用自動車、スカウターS7はここで紹介。

*13 主に円盤とロボ怪獣を取り上げたパートだが、なぜか『セブン』のクレージーゴンや『帰りマン』のビルガモは未紹介である。

*14 UGM、科特隊、ZATから、代表的な作戦をピックアップしたパート。

*15 航空兵器のスペースマミー、スカイハイヤー、シルバーガルを紹介。

*16 帰ってきたウルトラファイトシリーズのナレーションも久川さんが担当。