6.アルメニア人の男
美術学校で知り合った友達と一緒に映画を見に行きました、内容はよく覚えていませんが、父と子の葛藤を描いた地味な映画のような気がします。一緒に行ったアルメニア人の男が、親切に耳元で英語で通訳してくれたのですが、それが他のお客さんの迷惑にならないかと、気が気でなかったことのほうが記憶にあります。
名前を忘れてしまったのですが、彼はとても親切でその後もペルシアの伝統的な楽器サントゥールの演奏も聞かせてくれました。初めて目にし耳にしたその楽器は、幅の極めて狭い鉄琴のような楽器で、親指とひとさし指で支えた細いバチで、金属製の鍵盤を叩いて音を出す楽器です。ピアノのような流れるメロディを叩く強弱でリズムを刻む技はとても美しく、指の細かな動かし方で音量やテンポが微妙に変化します。韻を含んだペルシア音楽にはなくてはならない楽器だと思いました。それにあわせて歌も歌ってくれましたが、そのこぶしの回り具合には驚きました。
演歌というよりは東北などの馬子追い歌のような民謡に近いものを感じました。とても親切なアルメニア人は「カンダハール」で有名になった、映画監督マルマフバフに似ていました。
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