ロードス島案内
北西部
自由都市ライデンのあるロードス島北西部は、“茶色の山地”ルラウザで占められ、人の住めるところは、きわめて限られている。
この山地には、ロードス島で唯一の活火山である火竜山がある。
その名のとおり、この火山には“火竜”シューティングスターが棲んでいる。
この火竜は狂暴で、しかも人に対して敵対的な事で知られている。
特にルラウザ山地の東に広がる平原は“火竜の狩猟場”という別名で呼ばれるようになっている。
また、ルラウザ山地の北西部は、北東から南東にかけてまるで刃物によって切り取られたような崖が数百キロにわたって直線に伸びる「大直崖」がある。
この不思議な地形がいかに作られたかは、結局のところ謎だが、ロードス島がマーファ神の魔法によって大陸から切り離された跡だとの言い伝えもある。
また、ルラウザ山地と南のアルボラ山地の間にあるわずかな平野には、「鏡の森」がある。
この森は、太鼓の時代から存在すると言われ、森の勇往には樹齢数千年を越える古木があることで知られている。
またフェアリーやエルフなど妖精族のすみかとしても有名だ。
ライデンの北の海上には、“水竜”エイブラの棲む「青竜の島」がある。
また、この島の周りには暗礁が多く、船の墓場として恐れられている。
この山地には、ロードス島で唯一の活火山である火竜山がある。
その名のとおり、この火山には“火竜”シューティングスターが棲んでいる。
この火竜は狂暴で、しかも人に対して敵対的な事で知られている。
特にルラウザ山地の東に広がる平原は“火竜の狩猟場”という別名で呼ばれるようになっている。
また、ルラウザ山地の北西部は、北東から南東にかけてまるで刃物によって切り取られたような崖が数百キロにわたって直線に伸びる「大直崖」がある。
この不思議な地形がいかに作られたかは、結局のところ謎だが、ロードス島がマーファ神の魔法によって大陸から切り離された跡だとの言い伝えもある。
また、ルラウザ山地と南のアルボラ山地の間にあるわずかな平野には、「鏡の森」がある。
この森は、太鼓の時代から存在すると言われ、森の勇往には樹齢数千年を越える古木があることで知られている。
またフェアリーやエルフなど妖精族のすみかとしても有名だ。
ライデンの北の海上には、“水竜”エイブラの棲む「青竜の島」がある。
また、この島の周りには暗礁が多く、船の墓場として恐れられている。
中北部
“火竜の狩猟場”を東に越えると、そこはロードス島中北部、砂漠の地である。
フレイム王国の栄えるこの地域はほとんどが灼熱の「風と炎の砂漠」で占められ、「砂の川」に沿った地域や、オアシスなどに街や村が栄えるだけで人が住める場所はきわめて限られている。
砂の川の名前の由来は、乾期になると下流の方では完全に水が干上がってしまい、無残に川底をさらしてしまうからである。
フレイム王国の栄えるこの地域はほとんどが灼熱の「風と炎の砂漠」で占められ、「砂の川」に沿った地域や、オアシスなどに街や村が栄えるだけで人が住める場所はきわめて限られている。
砂の川の名前の由来は、乾期になると下流の方では完全に水が干上がってしまい、無残に川底をさらしてしまうからである。
北東部
千年王国アラニアのあるロードス島北東部には、氷河山脈として名高い「白竜山脈」がある。
この山脈の名前の由来は、古代王国が滅んだとき以来、この地に棲みついている氷竜ブラムドにある。
また、この山脈には氷の精霊が集う場所がいくつもあり、うかつな旅人が足を踏み入れると、凍りづけにされてしまうという噂があり、「帰らずの森」に匹敵する魔境として、人々に恐れられている。
また、北のドワーフ族と呼ばれるドワーフたちの集落があり、白竜山脈の豊富な鉱物資源を採掘し、その細工師や鍛冶師としての腕をいかんなく発揮している。
また「帰らずの森」は北東部と南東部との境界となっている。
ロードス島最大の森ながら、その名のとおり、この森に入り、ふたたび出てきた者はいない。
それは、古代王国がこの地に来る以前に、ハイ・エルフたちの魔法が封印されたからだとも、風が吹くたびに木々の梢のささやきが死の呪文を唱えるからだとも噂されているが、その真偽はさだかではない。
この山脈の名前の由来は、古代王国が滅んだとき以来、この地に棲みついている氷竜ブラムドにある。
また、この山脈には氷の精霊が集う場所がいくつもあり、うかつな旅人が足を踏み入れると、凍りづけにされてしまうという噂があり、「帰らずの森」に匹敵する魔境として、人々に恐れられている。
また、北のドワーフ族と呼ばれるドワーフたちの集落があり、白竜山脈の豊富な鉱物資源を採掘し、その細工師や鍛冶師としての腕をいかんなく発揮している。
また「帰らずの森」は北東部と南東部との境界となっている。
ロードス島最大の森ながら、その名のとおり、この森に入り、ふたたび出てきた者はいない。
それは、古代王国がこの地に来る以前に、ハイ・エルフたちの魔法が封印されたからだとも、風が吹くたびに木々の梢のささやきが死の呪文を唱えるからだとも噂されているが、その真偽はさだかではない。
南西部
南西部は“緑と青の山脈”アルボラで閉ざされた高原地帯だ。
ところどころにある盆地に街や村が散在し、人々の生活が営まれている。
この山地には、有名な“空の上なる湖”ホルスがある。
この湖は古代王国時代に同名の火山が大爆発し、火口付近が完全に吹き飛んだところに水が溜まってできたものである。
湖底の地熱が高いためか、冬でも水が暖かいことで知られており、近くには温泉が多い。
ところどころにある盆地に街や村が散在し、人々の生活が営まれている。
この山地には、有名な“空の上なる湖”ホルスがある。
この湖は古代王国時代に同名の火山が大爆発し、火口付近が完全に吹き飛んだところに水が溜まってできたものである。
湖底の地熱が高いためか、冬でも水が暖かいことで知られており、近くには温泉が多い。
中南部
南東部から“ロードス島の屋根”の別名があるナザール山脈を越えると、ロードス島の中南部であり、ここには神聖王国ヴァリスが栄えている。
この地域の大部分は“聖なる河”ファーゴの流れによって作られた沖積平野で、その河口には有名な大三角州がある。
また、ヴァリスの西の海岸には巨大な砂丘が広がっていて、南西部への街道は内陸部深くを迂回せざるをえなくなっている。
王都ロイドの西には、“静寂の湖”ルノアナがあり、その湖に接して“沈黙の大湿原”ナースが広がっている。
ルノアナ湖は、古代王国の湖上都市クードの都がかつてあった場所で、その遺跡が莫大な財宝と共に、今も湖底に眠っていると伝えられている。
この地域の大部分は“聖なる河”ファーゴの流れによって作られた沖積平野で、その河口には有名な大三角州がある。
また、ヴァリスの西の海岸には巨大な砂丘が広がっていて、南西部への街道は内陸部深くを迂回せざるをえなくなっている。
王都ロイドの西には、“静寂の湖”ルノアナがあり、その湖に接して“沈黙の大湿原”ナースが広がっている。
ルノアナ湖は、古代王国の湖上都市クードの都がかつてあった場所で、その遺跡が莫大な財宝と共に、今も湖底に眠っていると伝えられている。
南東部
帰らずの森の南からがカノン王国のあるロードス島南東部だ。
この地はなだらかな丘陵が続いていて、土地も豊かで牧畜や農業で栄えている。
また、良質の酒が造られることでも名高い。このカノンの地の南に「暗黒の島」と呼ばれるマーモの島があり、邪悪な妖魔たちの棲みつく混沌の地と恐れられている。
この地には、邪神カーディスの呪いがかかり、邪悪な“気”がたえず、放散されているというが、そのことを証明するかのように「黒の森」に生える木々は、幹が異様な形に歪んでおり、どの種類の木かの区別さえつかないという。
この地はなだらかな丘陵が続いていて、土地も豊かで牧畜や農業で栄えている。
また、良質の酒が造られることでも名高い。このカノンの地の南に「暗黒の島」と呼ばれるマーモの島があり、邪悪な妖魔たちの棲みつく混沌の地と恐れられている。
この地には、邪神カーディスの呪いがかかり、邪悪な“気”がたえず、放散されているというが、そのことを証明するかのように「黒の森」に生える木々は、幹が異様な形に歪んでおり、どの種類の木かの区別さえつかないという。
ロードス島の歴史
新王国歴前5000年:古代王国の誕生
神々がすべて滅んだという最終戦争の後、暗黒の時代が数千年にわたって続くが、その荒廃の中からしだいに力をつけてきた種族があった。
それが、神が自らを模して造ったとされる人間である。この古代の人間は、現代の人間よりも知力、精神力においてはるかに勝る上位種族であった。
この古代の人間たちが中心となって興した王国こそ、現代では古代王国の名で知られる“魔法王国”カストゥールだった。
このカストゥール王国は、ロードス島からはるかな北にあるアレクラスト大陸の東部地方から興り、そしてロードス島を含む世界全体を支配していったのである。
とはいうものの初期の賢明なカストゥール王国の魔術師たちは他の種族と争うことを避け、巨人族や妖精族とはできるだけ干渉をもたないようにしながら、王国の拡張を行っていた。
魔術師たちは各地に都市を築き、その間を魔法の門によって、一瞬のうちに行き来出来るようにした。
それだけに王国の支配は、都市を中心にするわずかな地域に限られ、その他の土地は荒野のままおかれたのである。
それが、神が自らを模して造ったとされる人間である。この古代の人間は、現代の人間よりも知力、精神力においてはるかに勝る上位種族であった。
この古代の人間たちが中心となって興した王国こそ、現代では古代王国の名で知られる“魔法王国”カストゥールだった。
このカストゥール王国は、ロードス島からはるかな北にあるアレクラスト大陸の東部地方から興り、そしてロードス島を含む世界全体を支配していったのである。
とはいうものの初期の賢明なカストゥール王国の魔術師たちは他の種族と争うことを避け、巨人族や妖精族とはできるだけ干渉をもたないようにしながら、王国の拡張を行っていた。
魔術師たちは各地に都市を築き、その間を魔法の門によって、一瞬のうちに行き来出来るようにした。
それだけに王国の支配は、都市を中心にするわずかな地域に限られ、その他の土地は荒野のままおかれたのである。
新王国歴前2000年:繁栄と衰退
このようにカストゥール王国は、他の種族や自然の理と調和する形で栄えていったのである。
しかし、繁栄はやがて腐敗を生む。いつしか、カストゥール王国は、荒野に住む他の種族を魔法の力で蹂躙し、支配下におこうと欲するようになった。
そして、その荒野には、妖精や巨人たちだけではなく、我々の祖先に当たる人間……蛮族たちも住んでいた。
彼らは知力や精神力こそ、カストゥール王国の人間たちには劣るものの、それを補ってあまりある強靱な肉体を有していた。
カストゥールの人間たちは、この自分たちとは異なった特徴を持つ蛮族たちを軽蔑し、同時にある意味では恐れを抱いた。だから、彼ら魔術師たちはこの同族たちを容赦なく狩りだし、奴隷にしていったのだ。
そして、彼らの恐れはまさに正しかった。
この奴隷たちの姿こそ、彼らカストゥールの魔術師たちの未来の姿でもあったのだ。
というのも、王国も末期になってくると、魔法の能力に劣った者が次第に増えはじめたのだ。
その能力差はしだいに大きくなり、魔術師たちは従来までの力を持った貴族と、それよりはるかに力の劣る市民たちに階級がわかれていった。
そして貴族の数は年を追うごとに少なくなっていったのである。
しかし、繁栄はやがて腐敗を生む。いつしか、カストゥール王国は、荒野に住む他の種族を魔法の力で蹂躙し、支配下におこうと欲するようになった。
そして、その荒野には、妖精や巨人たちだけではなく、我々の祖先に当たる人間……蛮族たちも住んでいた。
彼らは知力や精神力こそ、カストゥール王国の人間たちには劣るものの、それを補ってあまりある強靱な肉体を有していた。
カストゥールの人間たちは、この自分たちとは異なった特徴を持つ蛮族たちを軽蔑し、同時にある意味では恐れを抱いた。だから、彼ら魔術師たちはこの同族たちを容赦なく狩りだし、奴隷にしていったのだ。
そして、彼らの恐れはまさに正しかった。
この奴隷たちの姿こそ、彼らカストゥールの魔術師たちの未来の姿でもあったのだ。
というのも、王国も末期になってくると、魔法の能力に劣った者が次第に増えはじめたのだ。
その能力差はしだいに大きくなり、魔術師たちは従来までの力を持った貴族と、それよりはるかに力の劣る市民たちに階級がわかれていった。
そして貴族の数は年を追うごとに少なくなっていったのである。
新王国歴前1000年:ロードス島の征服
さて、ロードス島は北の大陸から遠く海を隔てた辺境の地にあったため、魔法王国カストゥールの支配からは長いあいだ、無縁でいられた。
しかし、ついにその支配の手がのいてくる日がやってきた。
それはカストゥール王国も後期に入ってからのことである。
現存する文献によれば、ロードス島にやってきた初代のカストゥール王国の太守は“魔力付与”の力に長けたル・フロイという名の魔術師である。
ル・フロイはカストゥール王国の貴族の名かでは穏やかな性格の持ち主であったらしく、“静寂の湖”ルノアナの湖上に「クード」という名の美しい都市を築きあげると、ロードスの地に住んでいた我々の祖先たちと平和的な関係を築こうとした。
しかし、ロードス島の先住民族はそれを拒み、戦いを挑んできた。
ル・フロイはそれでも平和に事を収めようと蛮族の族長たちと会合を持ったのだが、その場において彼は蛮族の手にかかり殺されてしまう。
ル・フロイの死後、その跡を継いで太守となったのは、“霊術”の魔法に通じたアガナーであり、これ以後この一族の者が太守の地位を継いでいく。
アガナーは、ル・フロイとはうってかわって力による支配を行っていく。彼はカストゥールのあらゆる系統の魔力を駆使して、抵抗する蛮族たちを力で服従させていったのである。
この征服戦争において、最後まで抵抗を続けたのは、現在のフレイムの地に住んでいた部族であった。
しかし、この部族もアガナーの次の太守の代には打ち破られ、服従を嫌った部族の民は長く放浪の生活に入っていった。
かくして、ロードス島全土がカストゥールの支配下に入る。もっとも暗黒の島マーモだけは例外であったが……。
その後、数百年のあいだ、ロードス島は湖上都市クードを都とするカストゥール王国に統治されることになる。
そして、魔力の暴走によりカストゥール王国が力を失うまで、この体制が続いていくのである。
しかし、ついにその支配の手がのいてくる日がやってきた。
それはカストゥール王国も後期に入ってからのことである。
現存する文献によれば、ロードス島にやってきた初代のカストゥール王国の太守は“魔力付与”の力に長けたル・フロイという名の魔術師である。
ル・フロイはカストゥール王国の貴族の名かでは穏やかな性格の持ち主であったらしく、“静寂の湖”ルノアナの湖上に「クード」という名の美しい都市を築きあげると、ロードスの地に住んでいた我々の祖先たちと平和的な関係を築こうとした。
しかし、ロードス島の先住民族はそれを拒み、戦いを挑んできた。
ル・フロイはそれでも平和に事を収めようと蛮族の族長たちと会合を持ったのだが、その場において彼は蛮族の手にかかり殺されてしまう。
ル・フロイの死後、その跡を継いで太守となったのは、“霊術”の魔法に通じたアガナーであり、これ以後この一族の者が太守の地位を継いでいく。
アガナーは、ル・フロイとはうってかわって力による支配を行っていく。彼はカストゥールのあらゆる系統の魔力を駆使して、抵抗する蛮族たちを力で服従させていったのである。
この征服戦争において、最後まで抵抗を続けたのは、現在のフレイムの地に住んでいた部族であった。
しかし、この部族もアガナーの次の太守の代には打ち破られ、服従を嫌った部族の民は長く放浪の生活に入っていった。
かくして、ロードス島全土がカストゥールの支配下に入る。もっとも暗黒の島マーモだけは例外であったが……。
その後、数百年のあいだ、ロードス島は湖上都市クードを都とするカストゥール王国に統治されることになる。
そして、魔力の暴走によりカストゥール王国が力を失うまで、この体制が続いていくのである。
新王国歴元年~1000年:新王国の勃興
この新しい人間たちは、カストゥール王国の勢力を駆逐し、ロードス島の各地に新しい王国を建設していく。
そして、それら新しい王国同士の間で争いが行われ、強者は弱者を打ち破り、しだいに大きな王国が形成されていったのである。
これが初期の戦乱の時代である。この戦乱の時代は約100年ほどつづく。
この時代の王国は、王国とはいっても古代王国の奴隷となる前の時代への回帰的性格の強いものだった。
部族の長を頭として、職業などの役割の分担はほとんど行われず、階級も明確ではなかった。
平時は国王でも畑を耕し、戦いとなれば成人の男子がすべて武器を取り、戦った。
戦いに敗れた王国の民に対しては容赦なく、奴隷になるか、死を選ぶかが要求された。
しかし、国が大きくなるにつれ、部族同士の血が混ざるようになってきて、しだいにこの部族国家の体制は崩れてくる。
また奴隷の蜂起が何度か起こり、奴隷階級も解放された。
こうして、現在とほぼ同じ形の王国になっていくのである。
この初期の王国は、その後も変遷を続けていくが、ただひとつ現在でも存続している国が、ロードス島北東部の大国アラニアである。
そして、それら新しい王国同士の間で争いが行われ、強者は弱者を打ち破り、しだいに大きな王国が形成されていったのである。
これが初期の戦乱の時代である。この戦乱の時代は約100年ほどつづく。
この時代の王国は、王国とはいっても古代王国の奴隷となる前の時代への回帰的性格の強いものだった。
部族の長を頭として、職業などの役割の分担はほとんど行われず、階級も明確ではなかった。
平時は国王でも畑を耕し、戦いとなれば成人の男子がすべて武器を取り、戦った。
戦いに敗れた王国の民に対しては容赦なく、奴隷になるか、死を選ぶかが要求された。
しかし、国が大きくなるにつれ、部族同士の血が混ざるようになってきて、しだいにこの部族国家の体制は崩れてくる。
また奴隷の蜂起が何度か起こり、奴隷階級も解放された。
こうして、現在とほぼ同じ形の王国になっていくのである。
この初期の王国は、その後も変遷を続けていくが、ただひとつ現在でも存続している国が、ロードス島北東部の大国アラニアである。
現在:新王国の変遷
- アラニア
アラニアは建国以来400年を数え、“千年王国”の名で呼ばれ、繁栄を続けている。
もっとも、先の英雄戦争の末期において、王弟ラスター公爵の反乱があり、現在は王位を巡って内戦状態にあり、分裂または悪くすると崩壊という危機的状況にある。
もっとも、先の英雄戦争の末期において、王弟ラスター公爵の反乱があり、現在は王位を巡って内戦状態にあり、分裂または悪くすると崩壊という危機的状況にある。
- カノン
ロードス島南東部の王国カノンは、英雄戦争の初期において、ベルド皇帝に滅ぼされて現在ではマーモの支配下にあるが、この王国の成立はカノンについで古く、およそ200年前のことである。
この地方は肥沃で、カノン建国前から農業を中心とする平和な生活が営まれていた。
いくつもの小国が興っていたが、それぞれはめったなことでは争ったりしなかったし、しても互いに滅ぼすようなことはしなかった。
しかし、200年前に南に浮かぶ暗黒の島マーモからダーク・エルフの族長ヴァーチェスを頭とする侵略があり、国土が戦乱にのみこまれた時代があった。
この戦乱は10年近く続き、カノンの地は焦土と化した。
この侵略を阻止したのが、カノン建国王エゾールⅠ世であり、彼は乱れたカノンの小国を統一して、マーモの勢力に立ち向かい、勝利し、戦後この由緒ある王国を築き上げたのである。
この地方は肥沃で、カノン建国前から農業を中心とする平和な生活が営まれていた。
いくつもの小国が興っていたが、それぞれはめったなことでは争ったりしなかったし、しても互いに滅ぼすようなことはしなかった。
しかし、200年前に南に浮かぶ暗黒の島マーモからダーク・エルフの族長ヴァーチェスを頭とする侵略があり、国土が戦乱にのみこまれた時代があった。
この戦乱は10年近く続き、カノンの地は焦土と化した。
この侵略を阻止したのが、カノン建国王エゾールⅠ世であり、彼は乱れたカノンの小国を統一して、マーモの勢力に立ち向かい、勝利し、戦後この由緒ある王国を築き上げたのである。
- ライデン
ライデン地方は、農業に適した土地に恵まれていなかったので、細々と漁業が営まれるだけで、国らしい国はひとつも生まれなかった。
しかし、航海術に長けるようになったこの地方の人々は、船を使った貿易を行うようになり、特に大陸との貿易が大きく成功し、しだいに豊かになっていった。
そして、150年前に、この地方に最初の王国が生まれる。
しかし、この王国は、莫大な富を持っていた貿易商人たちが、税を払うことを嫌ったために、彼らが大陸から雇った傭兵たちによって20年後にあっけなく滅ぼされてしまう。
以後、この地方では王国はついにひとつも興らず、大商人たちが評議会を作り、自治を行っている。
しかし、航海術に長けるようになったこの地方の人々は、船を使った貿易を行うようになり、特に大陸との貿易が大きく成功し、しだいに豊かになっていった。
そして、150年前に、この地方に最初の王国が生まれる。
しかし、この王国は、莫大な富を持っていた貿易商人たちが、税を払うことを嫌ったために、彼らが大陸から雇った傭兵たちによって20年後にあっけなく滅ぼされてしまう。
以後、この地方では王国はついにひとつも興らず、大商人たちが評議会を作り、自治を行っている。
- ヴァリス
一方、神聖王国ヴァリスの建国は、もっと新しく100年ほど前のことである。
この地方には、それまでエルベクという名の大国が栄えていた。この王国は民に対して厳しい支配を行うことで知られていた。
その支配に対して、ファリス神殿が中心となって反乱を起こした。
この反乱は簡単に鎮圧されそうに思われたが、当時もっとも有力な貴族であったアスナームという名の騎士が、ファリスの教えに心をうたれ、この反乱に強力したことで形成が変わる。
彼の配下と彼を支持する騎士たちもこぞって国王に反旗をひるがえし、そしてエルベク王国は滅亡する。
アスナームは、自らが世襲の王にならなことを条件に新しい国ヴァリスの新王になることを承知し、ファリス神殿の法による統治を開始する。
この地方には、それまでエルベクという名の大国が栄えていた。この王国は民に対して厳しい支配を行うことで知られていた。
その支配に対して、ファリス神殿が中心となって反乱を起こした。
この反乱は簡単に鎮圧されそうに思われたが、当時もっとも有力な貴族であったアスナームという名の騎士が、ファリスの教えに心をうたれ、この反乱に強力したことで形成が変わる。
彼の配下と彼を支持する騎士たちもこぞって国王に反旗をひるがえし、そしてエルベク王国は滅亡する。
アスナームは、自らが世襲の王にならなことを条件に新しい国ヴァリスの新王になることを承知し、ファリス神殿の法による統治を開始する。
- モス
モス地方は、古代王国が滅亡した頃から、小国が郡立し、小さな争いがひんぱんに行われていた。
攻めるに難く守るに易しい山国の性格上、この争いにはなかなか決着が着かず、50年ほど前まで戦国時代が続いていた。
この争いに終止符が打たれたのは、この地方の一小国の王が「もっとも深き迷宮」に封印されていた魔神を解放してしまったためである。
この魔神との戦いはロードス全土を巻き込み、英雄王ファーンやモスの大賢者ウォートら六英雄たちの手によって魔神の王が倒されるまでの6年間のあいだ、激しく争われる。
この大戦の混乱を突いて、“最初の竜騎士”マイセンⅠ世が“金鱗の竜王”(この竜はマイセン建国王の死後マイセンの名前を受け継ぐことになる)を駆り、この地方を統一する。
英雄戦争の末期にモス地方はふたたび戦国の時代に突入するが、現在の勢いではマイセンⅠ世の子孫であるレドリックⅠ世が率いるハイランド公国がこの地方を再統一しそうな様子である。
攻めるに難く守るに易しい山国の性格上、この争いにはなかなか決着が着かず、50年ほど前まで戦国時代が続いていた。
この争いに終止符が打たれたのは、この地方の一小国の王が「もっとも深き迷宮」に封印されていた魔神を解放してしまったためである。
この魔神との戦いはロードス全土を巻き込み、英雄王ファーンやモスの大賢者ウォートら六英雄たちの手によって魔神の王が倒されるまでの6年間のあいだ、激しく争われる。
この大戦の混乱を突いて、“最初の竜騎士”マイセンⅠ世が“金鱗の竜王”(この竜はマイセン建国王の死後マイセンの名前を受け継ぐことになる)を駆り、この地方を統一する。
英雄戦争の末期にモス地方はふたたび戦国の時代に突入するが、現在の勢いではマイセンⅠ世の子孫であるレドリックⅠ世が率いるハイランド公国がこの地方を再統一しそうな様子である。
- フレイム
最後に、ロードス島中北部に位置するフレイム地方だが、古代王国が滅んで以後、風の部族と炎の部族という二つの砂漠の民が争いを続けており、統一した王国はまったく興らなかった。
この二つの部族の争いに終止符を打ち、新しい王国フレイムを打ち立てたのが、元は風の部族に傭兵として雇われていた“傭兵王”カシューであり、これが20年ほど前の話になる。
なお、建国王であるカシューは、今も健在である。
このフレイムが今のところもっとも新しい王国といえるが、現在ロードス島の各地では戦乱が続いており、この戦乱の中からまた新しい王国が興ってくるかもしれない。
この二つの部族の争いに終止符を打ち、新しい王国フレイムを打ち立てたのが、元は風の部族に傭兵として雇われていた“傭兵王”カシューであり、これが20年ほど前の話になる。
なお、建国王であるカシューは、今も健在である。
このフレイムが今のところもっとも新しい王国といえるが、現在ロードス島の各地では戦乱が続いており、この戦乱の中からまた新しい王国が興ってくるかもしれない。