でもね……それでも、夢を見れた意味は、あったと思う。

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発言者:[[アンヌ・ポートマン]] 対象者:[[ケイトリン・ワインハウス]]、[[アリヤ・タカジョウ]] [[――朱銀の幻想に幕が下り、全ての決着はついた。>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/177.html]] &size(11){&bold(){その中で三人の少女たちは、いつしか生まれていた、大地の全てからカルパチア上層へと集う無数の光の輝きに目を奪われていた}。} &size(11){&bold(){天空に遡る流星群か}――はたまた、&bold(){収束する炎であろうか}。} &size(11){ただ一点だけを目指し、空を翔ける様は例えようもなく美しかったが……} &size(13){&color(#FC6A62){「……でも、なんでだろう&size(12){───}&ruby(・・・・){せつない}」}} &size(11){どうしてか、心が痛い。美しい光景だと思う。} &size(11){けれど、何故かとても寂しく感じられてしまうのは、何故なのか。} &size(11){アンヌのその小さな呟きに、答えるのはケイトリン。} &size(13){&color(CORAL){「……十二時の魔法が解けてるんだよ、きっと」}} &size(13){&color(CORAL){「シンデレラが願った夢の時間は、もうおしまい。魔法は全部解けるから……当然、ガラスの靴も残らないんだ」}} &size(13){&color(CORAL){「2人が得たのは一夜の恋。王子様は好きなあの子を見つけられず、流れる時間がいつか……その記憶ごと淡い思い出に変えてしまう」}} &size(13){&color(CORAL){「残るのは、いつもと変わらない“&ruby(シンデレラ){灰かぶり}”。いじわるな母親と姉にいびられる……灰色の現実が待ってるのさ」}} &size(11){そう…きっと本当は、十二時の鐘の音と共に、ガラスの靴も消えてしまう。} &size(11){都合のよい手掛かりは残らず、輝ける場所には誘ってなどくれない。} &size(11){灰かぶりは変わらぬ日常を生きて、そして若い年月を消費していくのだろう。} &size(13){&color(#2626FF){「……それに、お姫様になったとしてもそれはそれで苦労するでしょうし」}} &size(11){ケイトリンの言葉の後を継いだのは、アリヤ。} &size(11){彼女の告げるのもまた、物語のように区切りのない現実の一面。} &size(11){美貌だけで手に入れた地位。嫉妬、家の格式……権力争いの火種になるのは明らか。} &size(11){夢も希望もない話だが、それが普通の考え方。} &size(11){たとえ幸福な結果に結びついたとしても、変わった日常は続いて、輝きは、長続きはしないから。} &size(11){[[吸血鬼>縛血者]]という魔法、[[白い杭]]という魔法。} &size(11){始まりや形は違えど、黙して天空の流星を見つめる3人の少女達は、幻想の中に身を置いていたから。} &size(11){灰色の時間に戻ってきた、[[その>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/1063.html]][[心情>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/1094.html]][[は>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/918.html]]確かな共感の中にあったのだ。} &bold(){……その上で。アンヌ・ポートマンは、美しい幻想の軌跡を見つめて告げる}。 &size(14){&color(#FC6A62){&bold(){「でもね……それでも、夢を見れた意味は、あったと思う」}}} 郷愁と、決意を織り交ぜて。 &big(){&color(#FC6A62){&bold(){「たったの一時間でも……ううん、一秒でも王子様の主役になれたことは、絶対に無駄なんかじゃない」}}} 一夜の夢でも、これからの人生を生きる力に、繋がるかもしれないと。 &big(){&color(#FC6A62){&bold(){「幻は幻かもしれないけど、ほんのちょっとでも夢を見れた時間は───辛い時間を生きていく大切な思い出になるんだよ」}}} &color(#FC6A62){&bold(){自分はそうありたい。そうしたいと。}} &color(#FC6A62){&bold(){柔らかな言葉の中に、しっかりと芯を籠めるように。}} そんな“親友”の真っすぐな言葉に、ケイトリンは笑みを浮かべて―― &size(14){&color(CORAL){&bold(){「確かに、根性は付いたかもね。王子様もオトせるほどいい女だって自覚した灰かぶりは、そりゃ一味違うってわけか」}}} &big(){&color(CORAL){&bold(){「実は次の日からいっちょ家出して、玉の輿でも狙ってみたりしてね。第二幕『魔性の女、成り上がり伝説』をご覧あれ、なーんてさ」}}} その痛快な口ぶりは、なんとも彼女らしいもので。 美麗な光景に、魅入られていた空気は僅かに緩んだようにも思えた。 一方ケイトリンの&bold(){『昼ドラの悪女』}めいた話の展開に呆れるアリヤは。 &big(){&color(#2626FF){&bold(){「……人目を忍んで身体を鍛え、母親と姉をふんじばるとか。今までの鬱憤を晴らした後は、役所に突き出して家督を奪い返すのが現実的ではないかと───」}}} 至極真面目そうに、&bold(){何とも頼りがいのある}、シンデレラのその後を予想してみせた。 &size(11){&color(CORAL){&bold(){『あんた、実は暴力至上主義的な部分あるでしょ?』}&color(#2626FF){『……失敬な』}&color(#FC6A62){『あ、ははは……』}}} それは、年相応の少女達の“普通”のお喋り。 まだ少し、あの光の美しさを羨ましいと思う気持ちが胸にあっても…… &color(#9FB5CC){そこへ手を伸ばすことは、もうしないだろう。} &color(#FC6A62){&bold(){だって、このどこにでもある、[[友達同士の語らい>だから……帰ったら───2人で、一緒に食べよ。]]が心地よいから。}} &color(#FC6A62){&bold(){自分達は、&ruby(・・・・・){[[此処でいい>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/260.html]]}のだと、少しの自由を握り締めていた。}} ――ひとしきりからかったり、笑いあった後。アリヤとケイトリンの視線がアンヌの方を向いた。 アンヌはどう思うのかと、話の続きを聞きたがっていた。 &size(19){&color(#FC6A62){『うん、そうだね。私は&size(18){&italic(){────}}』}} &size(15){&color(#9FB5CC){見上げた光景に、言葉は小さく流れて消えてゆく。}} &size(15){&color(#9FB5CC){&bold(){その答えは、少女達が共有する3人だけの秘密。}}} &size(15){&color(#9FB5CC){&bold(){これからも、現実で生きていくことへのささやかな思い出となり、紡がれた───}}} ---- - 考えるとグランドルート後は吸血鬼という幻想を殺し続けた白い杭が一番幻想という皮肉な世界だよね -- 名無しさん (2020-03-11 22:51:33) - 人間賛歌を抱いて、現実を守るために幻想の化物を狩り尽くす御伽噺と化すのが白い杭みたいだからなぁ。 -- 名無しさん (2020-03-12 01:11:29) - 此処好きなんだよな、夢はあくまで一時見た夢でしかないけどそうやって夢を見れた時間は現実を生きていく力になるし、それまでの自分を変えるきっかけにはなり得るんだって -- 名無しさん (2020-03-12 16:20:37) - 持ち前の行動力でのし上がるケイトリン、培った技で世界を渡り歩くアリヤ、ふつーに暮らすアンヌ 頻繁にメールかなんかでやりとりして、アリヤが近くに来ると集まってお茶してる感じかな -- 名無しさん (2020-03-13 06:59:28) - ↑2それは吸血鬼としての生に価値を認める訳でよく考えると白い杭としてはまずいんじゃ -- 名無しさん (2020-03-13 14:44:08) - やはり幻想を夢見ながら現実に戻っていける人間こそ本当に強いんだよな…夢を見続けて走り抜けた先なんてろくでもないってまともな大人なイヴァンや総統閣下は何度も言ってたな -- 名無しさん (2020-03-24 22:16:23) - 総統閣下はまともじゃないぞ。イヴァンは戦争無くなったら消え去るつもりだけど、閣下は帝国繁栄のためならアッシュですらぶっ殺せるって言ってた -- 名無しさん (2020-03-25 22:19:40) - それにしてもアンヌは一体何と答えたんだろうか?製作陣は意図的に明かさず私もそれが美しいとは思うが、やっぱり気になる。 -- 名無しさん (2020-06-01 02:15:50) #comment
発言者:[[アンヌ・ポートマン]] 対象者:[[ケイトリン・ワインハウス]]、[[アリヤ・タカジョウ]] [[――朱銀の幻想に幕が下り、全ての決着はついた。>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/177.html]] &size(11){&bold(){その中で三人の少女たちは、いつしか生まれていた、大地の全てからカルパチア上層へと集う無数の光の輝きに目を奪われていた}。} &size(11){&bold(){天空に遡る流星群か}――はたまた、&bold(){収束する炎であろうか}。} &size(11){ただ一点だけを目指し、空を翔ける様は例えようもなく美しかったが……} &size(13){&color(#FC6A62){「……でも、なんでだろう&size(12){───}&ruby(・・・・){せつない}」}} &size(11){どうしてか、心が痛い。美しい光景だと思う。} &size(11){けれど、何故かとても寂しく感じられてしまうのは、何故なのか。} &size(11){アンヌのその小さな呟きに、答えるのはケイトリン。} &size(13){&color(CORAL){「……十二時の魔法が解けてるんだよ、きっと」}} &size(13){&color(CORAL){「シンデレラが願った夢の時間は、もうおしまい。魔法は全部解けるから……当然、ガラスの靴も残らないんだ」}} &size(13){&color(CORAL){「2人が得たのは一夜の恋。王子様は好きなあの子を見つけられず、流れる時間がいつか……その記憶ごと淡い思い出に変えてしまう」}} &size(13){&color(CORAL){「残るのは、いつもと変わらない“&ruby(シンデレラ){灰かぶり}”。いじわるな母親と姉にいびられる……灰色の現実が待ってるのさ」}} &size(11){そう…きっと本当は、十二時の鐘の音と共に、ガラスの靴も消えてしまう。} &size(11){都合のよい手掛かりは残らず、輝ける場所には誘ってなどくれない。} &size(11){灰かぶりは変わらぬ日常を生きて、そして若い年月を消費していくのだろう。} &size(13){&color(#2626FF){「……それに、お姫様になったとしてもそれはそれで苦労するでしょうし」}} &size(11){ケイトリンの言葉の後を継いだのは、アリヤ。} &size(11){彼女の告げるのもまた、物語のように区切りのない現実の一面。} &size(11){美貌だけで手に入れた地位。嫉妬、家の格式……権力争いの火種になるのは明らか。} &size(11){夢も希望もない話だが、それが普通の考え方。} &size(11){たとえ幸福な結果に結びついたとしても、変わった日常は続いて、輝きは、長続きはしないから。} &size(11){[[吸血鬼>縛血者]]という魔法、[[白い杭]]という魔法。} &size(11){始まりや形は違えど、黙して天空の流星を見つめる3人の少女達は、幻想の中に身を置いていたから。} &size(11){灰色の時間に戻ってきた、[[その>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/1063.html]][[心情>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/1094.html]][[は>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/918.html]]確かな共感の中にあったのだ。} &bold(){……その上で。アンヌ・ポートマンは、美しい幻想の軌跡を見つめて告げる}。 &size(14){&color(#FC6A62){&bold(){「でもね……それでも、夢を見れた意味は、あったと思う」}}} 郷愁と、決意を織り交ぜて。 &big(){&color(#FC6A62){&bold(){「たったの一時間でも……ううん、一秒でも王子様の主役になれたことは、絶対に無駄なんかじゃない」}}} 一夜の夢でも、これからの人生を生きる力に、繋がるかもしれないと。 &big(){&color(#FC6A62){&bold(){「幻は幻かもしれないけど、ほんのちょっとでも夢を見れた時間は───辛い時間を生きていく大切な思い出になるんだよ」}}} &color(#FC6A62){&bold(){自分はそうありたい。そうしたいと。}} &color(#FC6A62){&bold(){柔らかな言葉の中に、しっかりと芯を籠めるように。}} そんな“親友”の真っすぐな言葉に、ケイトリンは笑みを浮かべて―― &size(14){&color(CORAL){&bold(){「確かに、根性は付いたかもね。王子様もオトせるほどいい女だって自覚した灰かぶりは、そりゃ一味違うってわけか」}}} &big(){&color(CORAL){&bold(){「実は次の日からいっちょ家出して、玉の輿でも狙ってみたりしてね。第二幕『魔性の女、成り上がり伝説』をご覧あれ、なーんてさ」}}} その痛快な口ぶりは、なんとも彼女らしいもので。 美麗な光景に、魅入られていた空気は僅かに緩んだようにも思えた。 一方ケイトリンの&bold(){『昼ドラの悪女』}めいた話の展開に呆れるアリヤは。 &big(){&color(#2626FF){&bold(){「……人目を忍んで身体を鍛え、母親と姉をふんじばるとか。今までの鬱憤を晴らした後は、役所に突き出して家督を奪い返すのが現実的ではないかと───」}}} 至極真面目そうに、&bold(){何とも頼りがいのある}、シンデレラのその後を予想してみせた。 &size(11){&color(CORAL){&bold(){『あんた、実は暴力至上主義的な部分あるでしょ?』}&color(#2626FF){『……失敬な』}&color(#FC6A62){『あ、ははは……』}}} それは、年相応の少女達の“普通”のお喋り。 まだ少し、あの光の美しさを羨ましいと思う気持ちが胸にあっても…… &color(#9FB5CC){そこへ手を伸ばすことは、もうしないだろう。} &color(#FC6A62){&bold(){だって、このどこにでもある、[[友達同士の語らい>だから……帰ったら───2人で、一緒に食べよ。]]が心地よいから。}} &color(#FC6A62){&bold(){自分達は、&ruby(・・・・・){[[此処でいい>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/260.html]]}のだと、少しの自由を握り締めていた。}} ――ひとしきりからかったり、笑いあった後。アリヤとケイトリンの視線がアンヌの方を向いた。 アンヌはどう思うのかと、話の続きを聞きたがっていた。 &size(19){&color(#FC6A62){『うん、そうだね。私は&size(18){&italic(){────}}』}} &size(15){&color(#9FB5CC){見上げた光景に、言葉は小さく流れて消えてゆく。}} &size(15){&color(#9FB5CC){&bold(){その答えは、少女達が共有する3人だけの秘密。}}} &size(15){&color(#9FB5CC){&bold(){これからも、現実で生きていくことへのささやかな思い出となり、紡がれた───}}} ---- - 考えるとグランドルート後は吸血鬼という幻想を殺し続けた白い杭が一番幻想という皮肉な世界だよね -- 名無しさん (2020-03-11 22:51:33) - 人間賛歌を抱いて、現実を守るために幻想の化物を狩り尽くす御伽噺と化すのが白い杭みたいだからなぁ。 -- 名無しさん (2020-03-12 01:11:29) - 此処好きなんだよな、夢はあくまで一時見た夢でしかないけどそうやって夢を見れた時間は現実を生きていく力になるし、それまでの自分を変えるきっかけにはなり得るんだって -- 名無しさん (2020-03-12 16:20:37) - 持ち前の行動力でのし上がるケイトリン、培った技で世界を渡り歩くアリヤ、ふつーに暮らすアンヌ 頻繁にメールかなんかでやりとりして、アリヤが近くに来ると集まってお茶してる感じかな -- 名無しさん (2020-03-13 06:59:28) - ↑2それは吸血鬼としての生に価値を認める訳でよく考えると白い杭としてはまずいんじゃ -- 名無しさん (2020-03-13 14:44:08) - やはり幻想を夢見ながら現実に戻っていける人間こそ本当に強いんだよな…夢を見続けて走り抜けた先なんてろくでもないってまともな大人なイヴァンや総統閣下は何度も言ってたな -- 名無しさん (2020-03-24 22:16:23) - 総統閣下はまともじゃないぞ。イヴァンは戦争無くなったら消え去るつもりだけど、閣下は帝国繁栄のためならアッシュですらぶっ殺せるって言ってた -- 名無しさん (2020-03-25 22:19:40) - それにしてもアンヌは一体何と答えたんだろうか?製作陣は意図的に明かさず私もそれが美しいとは思うが、やっぱり気になる。 -- 名無しさん (2020-06-01 02:15:50) - ↑2 それケラウノス閣下じゃなかった?ヴァルゼライド閣下は聖戦で勝ったら死ぬつもりだったはず -- 名無しさん (2020-06-24 11:58:34) #comment

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