やちるルート、財団の影、謎の二人組の超能力者……自分達を取り巻く大人達の陰謀を感じながらも、やちると結ばれた直は、
華々しく活動する彼女の明るさに引っ張られるように、積極的に今の生活を受け入れようという思いを抱き始めたのだが……
ジグラット内のレジャー施設で恋人同士の時間を満喫し、直と別れたやちるは突然襲われ、気づけば密室に身柄を拘束されてしまっていた。
彼女を攫った犯人である
虎一は、身動きのとれないやちるの姿を嘲笑し、「雇い主」の指示通りに姿を消す。
入れ替わりに部屋に現れたのは、欲望に目をギラつかせた数人の男達。
彼らも、虎一と同じ
「雇い主」の実験を進行させるために新都の外から招かれた者達であり……
神代直と七海やちるの「愛」の影響をより劇的に深めるための実験、そのエキストラなのだった。
――バロックで何とかしなければ。
身の危険を感じたやちるだったが、男達から伸ばされる腕を振りほどこうとするので精一杯。
身を捩りながら不快な感触に抵抗しようとしたが、逆に殴りつけられ……「抵抗すればまた殴られる」その恐怖で身体は縮こまってしまう。
――仲間達との戦闘訓練の時のように、如何に能力があろうとも使い手の精神が怖れや怯えに囚われていれば、無力な一般の人間と変わりはしない……。
初めて男性からの醜悪な欲望の視線を一身に浴び、剥き出しの暴力と悪意に曝されたやちるという一人の少女には、
身を包む服を剥ぎ取られ、不興を買う度に殴られ、全身を凌辱されるという理不尽にも抗うことなどできようはずもなかった―――
「……助けて、神代………!」
「神代……神代………」
───
ナーラからの連絡とバロックの共感覚で、やちるの危機を知り……
途中で合流した
優理に助けられ、やちるのいるであろう部屋に辿り着いた直は―――
その視覚を、聴覚を、嗅覚を……全ての感覚を疑った。
目の前の出来事を信じたくないと願う彼に、しかし無慈悲な現実が突きつけられる。
見知らぬ獣じみた男たちの手で、七海やちるは人形のように力なく、凌辱され続けていた。
自分を好きだと言ってくれた女が、白濁した体液で穢され、白い乳房が、唇が、陰唇が……無数の男根で蹂躙されるという光景。
彼の全身の細胞の意思は今一致していた。“目の前の、己以上に人の形をした蓄獣共を全て引き裂き殺すのだ”……と。
―――そこから先、決着は一方的だった。
人外の膂力と速度で飛び掛かる直により、瞬く間に凌辱していた男達は歪な肉塊へと姿を変え、
命乞いをする男の姿に、直の知らないはずの風景が呼び起こされるものの───最後は激怒の拳が振り下ろされた。
――己は、ここまで人を殺すことに躊躇いを抱かない存在だったのか?
蹂躙劇を演じた直はしかし、激烈な怒りがここまで呼び起こされた事に腑に落ちない点はあったが……
苦し気に呻くやちるの姿に、その悩みはどこかへと霧散してしまった。
「ごめんね……こんなことに、なって……
こんなところ、見せてしまって……私っ……ごめん……」
直の腕の中で、涙に掠れた声で詫びるやちるには、昨日別れた時のような明るさはなく。
無抵抗に嬲られるしかなく、身体を弄ばれたことへの深い罪の意識に縛り付けられたままだった……
- どの作品の台詞か分からんけどなんかNTR感ある台詞やな、とか思いながら開いたらおい、おい -- 名無しさん (2020-07-10 22:29:46)
- まだマシな方なんだよなぁ…… -- 名無しさん (2020-07-10 23:19:36)
- 僅かに揺さぶられた罪の記憶って何ですか? -- 名無しさん (2020-07-11 20:18:57)
最終更新:2020年10月22日 12:44