教えておいてやる……吸血鬼の強さは、命が安いってことだ



アンヌに標的を定め現れたアリヤに、襲い掛かる影が一つ。それは以前、地下で自らに屈辱を負わせたアンヌに報復を誓っていたアルフライラだった。
アリヤの脆さを見抜き、生身の人間を血奴隷(サーバント)として襲い掛からせるライラ。
その効果は大きく、ただの人間の命を殺めてしまった事が少女の優れた技量を鈍らせていく……

「やっぱりなァ……てめえは紛い物だよ。それじゃ、吸血鬼(おれたち)には勝てはしねえ。少なくとも、本物(・・)にはな」

繰り返される面罵が、アリヤから自制心を剥ぎ取っていく。
それが自分を陥れるためのあからさまな挑発だとしても、耳を塞げない。
吸血鬼に家族を奪われた絶望から立ち上がり、駆け抜けてきた自らの生を無価値と否定する事は許せはしなかったから……

――怒りを籠め、鋼鉄の杭を真っ直ぐに吸血鬼に叩き込もうとする少女。
だが、ライラは嗤いながら左腕を犠牲に切札を封じ込め……至近距離から怪物の力で人間を殴り倒す。

「いい格好だな、え?」

狩人としての戦い方を捨てた結果、損壊も何も恐れず力で捻り潰す……そんな縛血者(ブラインド)の脅威に膝を屈してしまったアリヤ。
衣服を刻まれ四つん這いにされ、ブーツで頭を踏みつけられるという醜態を晒す狩人に地下の長は語る――


「教えておいてやる……吸血鬼(おれたち)の強さは、命が安い(・・・・)ってことだ」

「死にそうになってもくたばらねえ。どんな傷でも治っちまう」
「そんな御都合主義を繰り返している間に、どうでもよくなっちまうのさ。自分の命も、誰かの命も……その意味って奴も、何もかもな。そういう物を信じてる間は、本物(おれたち)には決して勝てやしねえのさ、お嬢ちゃん」


――そのままアリヤは、嗜虐的な笑みを浮かべるアルフライラの鞭で奥の“穴”を凌辱されることに……



  • ???「命は投げ捨てるもの」 -- 名無しさん (2020-11-09 16:48:16)
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最終更新:2021年12月21日 00:41