それってのはつまり、自分勝手の極みが為せることさ

発言者:ジョン
対象者:久里子明良

明良は高校時代にバレーボール部の女子全員と関係を持ち、誰を選ぶか迫られ、部室の窓ガラスを蹴破って逃走。
地元を離れ、気がついたら、ロサンゼルスでスシを握っていた。

20歳の冬、ギャングとのトラブルで反射的にカラテで銃を奪う。
殺さなければ殺される。迷いのなさはバレーボール部から逃走した時と同じで、我ながら恐怖を感じながら撃ち殺す。

逃亡を図る明良の前に現れる客人。俳優のクリントイーストウッドちょっと似ていなくもない、ジョンという労働者風の冴えない男。

ジョンは殺しの明良の才能を賞賛する。

「たいていの人間はやる前に迷ったり考えたりするが、その無駄な時間を一瞬でショートカットできるタイプの人間がまれにいる。」
「それってのはつまり、自分勝手の極みが為せることさ。どんなに普遍的な常識や大切に思うつながりでさえ、自分の都合であっさりと切り捨てられる。
そんなエゴイストでなければ、あそこまで冷静に人は殺せない。」

「お前のような人間がいつまでも一般人づらして暮らすのはアキラ自身にも社会にも良くないことだ」
「嫌だって言っても無理やり引っ張っていくぞ」

そしてジョンはアキラの師匠として、父親のような存在になる。





――その"才能"がジョンの命運を奪うその時まで――


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最終更新:2025年07月15日 04:03