概要
かつて存在していた「逆鉤十字」の武装親衛隊の残党。
元々は所属する師団が降伏した後も、
ハンス・バイエルの船頭により敗北を認めず戦い、生き残った僅かな十数人。
七十年の歳月を掛けてその規模は膨れ上がり、今や数千人規模の人数を有する大部隊となっている。
それまで『ハンス・バイエル』中隊を名乗っていたがそれを改名。現在の
第零SS装甲師団『ビギニング』となる。
また彼等の中には「逆鉤十字」のオカルト研究機関「古代遺産協会」の人員も含まれている。
彼等は戦中、世界中から掻き集めた金銀財宝や金銭を入手しており、これと「古代遺産協会」の研究を元に異能開発を行っていたという。
その功績か、七十年を生きたはずの彼等は皆余りにも時間の流れから逸脱した姿をしている。
保有兵器
保有兵器は大戦期の「逆鉤十字」の武装を使用している。
とは言っても大戦中の兵器をそのまま使用しているという訳では無く、少なからず近代化改修を行っており、その力は現用兵器にも劣らぬほど。。
また、彼等の所有する兵器には、魔導兵器も多数含まれている。
古来より魔力は認知され続けてきたものだったが、その性質は個人によってガラリと変わり、量産化は非常に難しい物だった。
彼等部隊内でも魔力を利用する魔導兵器の実用化などは持っての外であり、試作はあれども量産化には辿りつけなかった。
しかし彼等は長い時間をかけて、夢物語を現実の物へと覆す事を見事に達成した。それが"魔導統制ジェネレーター"である。
これは性質の違う魔力を全て均一化したエネルギーへと変換する特殊なジェネレーターであり、魔導兵器の規格化を実現する物であった。
それにより開発されたのが航空歩兵ユニット(Aviation Infanterie-Einheit)――AIEと、AIE-HA(Heavy Armor)を代表とする、数々の魔導兵器である。
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Aviation Infanterie-EinheitとHeavy Armorを略した物。航空歩兵ユニットと呼ばれる彼等の魔導兵器の一つ。
AIEとは、均一化された魔力によって稼働し、高い機動力を以って空を駆ける事が出来る、歩兵に飛行能力を与える兵器。
また、基本的な身体能力を底上げする力も有しており、これと魔導防護により高速戦闘機との交戦も可能と言う代物。
そしてそれを更に先鋭化させた物が、AIE-HAである。
一騎当千のコンセプトの下に開発され、その圧倒的な戦闘能力は単騎ですら通常兵器を寄せ付けない程の力を持つ。
機動力は物にもよるが、AIEのそれを更に上回り、人間には扱えないような規格外武装を軽々と扱うほどの力を授ける。
しかし搭乗者にかかる負担から、運用できる人間は限られてくるという欠点も持ち合わせる。
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彼等の魔導技術の集大成、AIEシリーズの最もスタンダードな機体。既に相当数が量産されている。
最低限の魔術教育を受けた人間ならば、装着すればどんな人間にも魔術防護、身体強化等の恩恵を与える。
その素直な性能から様々な発展機も作られており、汎用性は非常に高い。
"誰にでも扱える魔導兵器"をコンセプトに作られた装備であり、作りも簡素な物で腕、脚、肩を覆う外骨格を装着するだけでいい。
また背部に実験的に"魔力電池"を搭載する事で、魔術訓練を受けていない人間にも扱う事を可能とした兵器。
魔力を利用した"ブースターによる航空能力"、"膂力強化"、"防護"の恩恵を受ける事が出来る。
ただし"魔力電池"の技術は未だ完成形とは言えない物であり、全力稼働をすれば余り長くは持たない。
魔力を使い尽くした場合は装着者の意思で簡単にパージできるようになっている為、すぐに通常戦闘に移行する事が出来る。
大工原 正劃専用にチューンされたAIE。
機動近接戦闘に特化しており、非常に軽量化され、またブースター推力も大きく強化されている。
左腕に強固なシールド、右腕には炸薬を利用して"杭"を叩き込む一撃必殺の武器を使用。
大工原 正劃本人のセンスによって高い戦闘能力を発揮したが、"太平洋海戦"にて破壊される。
イルマ・ツー・シュヴァルツェンベルクの搭乗する、全てのスペックで高水準を持つバランスの取れたAIE-HA。
拡張性が非常に高く、様々な武装を難なく扱うことが可能であり、作戦に応じた武装の変更を行う事が可能。
臨機応変な対応と、彼女自身の技量により、カタログスペック以上の戦闘力を発揮する。
その汎用性から、余り数は多く無い物の量産化も行われている。
ベルンハルトが搭乗する、装甲と高火力が特徴の重量級ユニット。全長は三メートルほど。
機動力は今までの物とは大幅に劣るが、その分尋常では無い程の火力を備えた、過剰兵器とも言える様なHAである。
その最たる例としては、後述する三連装ガトリングガンにある。
それ以外にも腰部には強力なスラッグガンを備え、腕部に単発式の格納型ライフルを搭載している。
鳳仙花の名を持つ狙撃砲。
送り込まれる膨大な魔力を圧縮し、超遠距離から莫大なまでのエネルギーを対象へと叩き込む。
着弾点のありとあらゆる物質を融解させるほどの、正に一撃必殺と呼んで差し支えない程の化物じみた威力を発揮する。
ただし、その大きさは銃身だけで三メートルに達し、実質AIE-HA専用。また、当然のことながら取り回しは最悪な為、接近されると非常に危険。
巨大な円筒状の状態から、外殻をパージすると、内部より更に六の円筒がせり出し、解放され向日葵の様に広がる殲滅兵器。
ジェネレーター出力をこれ一つに集中させ、円筒の一つ一つから軍艦をも焼き切るほどの高出力レーザーを放出する。
また、更にジェネレータ出力を引き上げる事で、レーザーを固定し、剣のように薙ぎ払う事も可能。
三門のガトリングガンが連なった過剰火力とも呼べるような奇環砲。
化物じみた弾幕と圧倒的な制圧能力を誇るが、弾切れの速度は非常に早い。
然しAIE-HA"ザラマンダー"は、この弱点を背中に弾倉を背負う事で解消、更にこれを両手に装備する事で圧倒的な火力を実現した。
構成員
基本的に「逆鉤十字」の残党兵達で構成される。
彼等の中に老いた姿を見せる者は居らず、未だに亡霊の様に大戦中の姿と変わらず生き続けている。
また、或いは情け、或いは気紛れ、或いは実験目的で保護された子供も少数ながら存在する。
大抵の子供は長い年月と共に心身ともに彼等「逆鉤十字」の人間へと教育され、兵士として一生を終える。
そして彼等の真価は度重なる研究により簡易化された『逆鍵十字』式黒魔術にある。
一兵卒に至るまで例外なく出力の高い身体強化魔術を使用し、これにより少数ながら強力な部隊となる。
また小隊長程にもなれば、黒魔術を独自に発展させ、固有魔術を行使する程にもなるという。
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元『ハンス・バイエル中隊』中隊長であり現『ビギニング』師団長。階級は大尉。
Aurigaの前線戦闘最高責任者『ヤークト』の役職も併せ持つ。
- Johannes-Anker Reinhard(ヨハネス=アンカー・ラインハルト)下級中隊指導者
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オーバーコートを羽織った、黒い髪に黒い瞳の日系人と思われる男で、ハンス・バイエルの副官。階級は少尉。
ハンス・バイエルと同じく1945年の戦中行方不明者であり、彼を救助した部下を先導していた本人。
武装親衛隊所属以前の経歴が一切不明であり、身体強化魔術を考慮した上で尚人外じみた身体能力を持つ。
その正体は東洋の人食いの怪物、"鬼"の血族。身体を活性化させると、黒い甲殻を持った、片角の鬼へとその姿を変化させる。
古ぼけたボーチャードピストルとベルグマンピストルを武器として使用している。
また、銃弾口径30mmの巨大な拳銃を切り札として持つ。
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航空歩兵小隊に所属する構成員。階級は上等兵。年は16才。
戦前武装親衛隊に所属していた祖父を持つ名のある家の子供で、祖父が中隊に下った際に共にハンス・バイエル中隊へと入った。
若輩ながら新型航空歩兵ユニット『ハインケル』の試験を任され、初見でそれを自在に操るなど技量は非常に高い。
また、幼く前向きな性格でありながら、敵対する者ならば例え知人であろうとも手を加える事が出来るという覚悟を持っている・
だがやはり若輩の為、機体の性能と自身の才能に驕り、それを逆手に取られる事も多々ある。
蒼乃 空と遭遇した際、譲り受けた羽を痛く気に入っており、三枚の羽を髪飾りとして身に着けている。
また、AIE-HA"スツーカ"の適合者。その力は対峙した者に『白い悪魔』とすら言わしめた。
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1945年の戦中行方不明者。階級は中尉。
高身長で凛々しい外見を持っており、そしてその外見には似合わない軽薄な女性。ハンス・バイエルの幼馴染であり、彼が言うに「小さい頃から女好きだった」との事。
大戦中はソードオフショットガンとそのままのロングソードを使い続けていたが、現在はセミオートショットガンと特殊ブレードを使用。
さらにAIEを身に纏う事で身体能力と機動力を格段に向上させる事による高速の機動戦闘を得意とする。
- Hanna Haapalainen (ハンナ・ハーパライネン) 上級分隊指導者
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癖毛のショートヘアの二十代前半の女性。正規の国籍は無し。階級は曹長。
物心もついていない時にエッリ・テア・ハーパライネンに拾われ、育てられた。
姓名も彼女から貰った物であり、また悪態をつきつつも彼女との仲は親密。
普段は冷静沈着で何処か冷めたような態度を取るが、想定外、ことハーパライネンの事については大きく取り乱す事もしばしば。
狙撃に関して人並外れた才能を持ち、直感と計算による精密な銃撃は針をも通すと言われるほど。
常にガンケースを携行しており、中には仏軍から鹵獲したGIAT FR-F2狙撃銃が納められている。
- Erika Rink(エリカ・リンク)下級分隊指導者
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『逆鉤十字』軍の古参兵であり、衛生兵。普段は保護された少年・少女の世話を任されている。
長い金髪の美しい、子供好きな、おかしなところの無い女性だが、古参兵達からは女性少女性愛者の疑いをかけられている。
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長い髭を蓄えた大男。階級は隊内最高階級である大佐。元々は『二重帝国』の貴族だった人物。
大戦には国防軍として参加しており、終戦まで生き延びて平穏無事な生活を送っていたがハンス・バイエルの進言で参戦。
大戦時より『鋼鉄騎士団』と呼ばれる部隊を率いて暴れ回っており、現在も部隊を再編しその部隊長となっている。
鎧と三メートルにも及ぶメイス、騎馬を以って駆ける正にイメージ通りの『騎士』と言っていい。
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本名をBernhard Detzen(ベルンハルト・デツェン)という。元は武装親衛隊装甲擲弾兵。階級は少尉。
経験とそれに裏打ちされた技量と勘は凄まじい物があり、AIE-HAでの殺人的機動は、最早人間離れした物がある。
古くからハンス・バイエル中隊に在籍していたが戦争による様々な後遺症で前線復帰は困難とされていた。
が、現在AIE-HA"ザラマンダー"のパイロットで、航空歩兵小隊隊長を勤めている。
どういう事かは一切不明だが、機体に大穴を開けられても難なくイルマ上等兵と会話を交わす等、一部人間離れした姿がある。
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元武装親衛隊の少年兵。1945年の武装親衛隊の戦中行方不明者。階級は軍曹。
三十代程の男であり、伸ばしきった金髪は一切手入れされていないのか酷く痛み、両目は常に血走っている。
身体の至る所に継ぎ接ぎの後が見られ、時折その痕の向こう側から、何かが覗き込んでいるかのような錯覚を相対した者に起こさせる。
また、苛烈な暴力と極度の憎悪によって言語機能に軽い障害が発生しており、話し方に癖がある。
大戦中、肉親全てを敵軍兵士に虐殺された彼は復讐を誓い、軍へと入隊する。然し結果は部隊は壊滅的な打撃を受け、祖国は滅亡。
戦友は苛烈な陵辱の末に惨たらしく殺害され、彼自身もそうされたが奇跡的に一命を取り留め、助けを求めた。
が、その姿は生ける屍その物であり、当然人々は慄き、彼は何度も殺されかけるが、その中で形成中の中隊に奇跡的に拾われる。
『逆鍵十字』式黒魔術を極限の憎悪により昇華させた『逆鍵十字』式呪術は、凄まじい出力を持ち、殆ど亡霊の実体化に近い。
その戦いの跡は凄惨其の物であり、敵対した者は皆筆舌に難い姿となっている。
また、彼等の特殊な手法を受けずとも、身体は若さを保っている。正確な理由は分かってはいないが、これもまた執念と怨恨によるものだと思われる。
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16歳の少年。階級は親衛隊兵長。正真正銘、混じりっ気のない生粋の日本人である。
両親の過剰な虐待に晒され、軟禁状態で碌に食事も与えられなかった所を、ハンス・バイエル中隊の作戦中に発見され、保護される。
その際にハンス・バイエルに対して膨大な恩情を感じ取り、一生をかけてこの恩を報わんと誓っている。
AIE-HAへの適性は無かったが高い戦闘センスを持っており、専用改造が施されたAIE『メッサーシュミット・フルチューン 乱桜』をハンス・バイエルから渡されている。
近接戦闘に強力に特化したカスタマイズと武装が搭載されており、これを利用した"一撃必殺"を信条とする豪快な肉弾戦を得意とする。
"大西洋海戦"では
フィア・ブラドルと交戦するも敗北。全身が焼け爛れ、AIEに搭載されたジェネレーターの暴走に身体が灰になりかける。
だがフィア・ブラドルの情けで四肢ごとAIEを切り離されたことにより生存。その後、ハンス・バイエル中隊に救助される。
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階級は親衛隊特務曹長。戦災孤児で身寄りの無かったところを引き取られた。
自信過剰な面があり、実力だけは高い為、何時も他者を見下したような態度を取るが、その自身に驕りミスを多発させる。
その他設定
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ハンス・バイエル。彼は所謂『過激派』の男だった。
『逆鉤十字』の敗北から数十年。その間にチラホラと反乱を考えた者達はいたものの、大規模な物になる事は無かった。
皆、時間の流れに手足を取られ、瞼を閉じて敗北を受け入れて、その晩年を静かに過ごした者が大半だった。
然し、ハンス・バイエルは、そしてそれに付き従う者達は、それに徹底的に抗った。
それは一重に、彼が敗北を認めなかったからだ。
戦争とは数限りない絶望を押し付ける。敗北者となれば、尚更だ。
そしてそれを受け入れて、先人たちは何時も立ち上がった。だが、ハンス・バイエルは違った。
絶望を押し付けられたまま。自分達が敗北する事。それを受け入れる事が出来る程、強くなかった。
彼等『ビギニング』は大戦後期、"総統"よりアドルフ・ツー・シュヴァルツェンベルク元陸軍大佐が賜わった反旗の命令の一つ。
それを断念したアドルフ氏がハンス・バイエルにその任を引き継がせたことによって誕生した物だった。
所詮元『大尉』程度の男である彼の下にこれだけの人数が集まったのは、最早奇跡に等しい。
それどころか一度はそれを断念したアドルフ・ツー・シュヴァルツェンベルク元陸軍大佐を部隊に引き込むことすら成功させた。
彼自身に強烈なカリスマがある訳では無い、特別な能力がある訳では無い。ならばなぜかと言えば、それは分からないのだ。
だが。大戦中から今に至るまで、彼に関わった大多数の人間は、皆一様に狂奔に駆り立てられている。
副官であるヨハネス=アンカー・ラインハルト少尉は、元々好戦的な人物では無かった。
無論、進んで戦争に向かうような人間でも無かった。
同組織内の実質的なナンバー2を勤めるエッリ・テア・ハーパライネン中尉も同様である。
その他、退役した老兵から、現代の若者に至るまで。彼の意見に賛同する形から、彼に敵対して戦争に参加する様な形まで。
深く関わった人間の殆どが、何らかの形で戦火へと身を投じている。
然し、それもただの仮説に過ぎない。
或いは、ハンス・バイエルは本当に何らかの悍ましい影響を与える存在なのか。
それともただ諦めが悪いだけの何処にでもいる特務の大尉の一人が運命のいたずらによってこうなってしまったのか。
何れ、分かる時が来るだろう。
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彼等の扱う特殊なエネルギー、「魔力」は、1960年代には既にその理論の大半が完成していた。
その大部分の研究は大戦中に「古代遺産協会」によって行われた物で、彼等が引き継ぎ、その理論を完成させた物だった。
彼等が魔力として扱う物には「魂の力」と「霊の力」の二つがある。
「魂の力」とは、即ち生命エネルギー、生命が生きうる限り必ずと言っていいほど持ち合わせる強力な力。
「霊の力」はその名の通り強い意志によって死後に亡霊となった物の持つ異形の力である。
彼等はこの二つを全く新しいエネルギーとして操る方法を完成、それが「 『逆鍵十字』式黒魔術 」及び、数々の魔導兵器群、である。
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彼等の中には先の大戦によって戦闘不能な身体状況に陥っている者も何人かいた。
それらを戦力とするべく開発されたのが、魔力を利用して自在に操ることが出来る義肢である。
其の開発過程において、魔術的素養の持ち主が義肢に対して多量の魔力を流し込むことで、義肢の筋力が際限なく上がる不具合が発見される。
それに目を付けて作られた魔導外骨格は、基本的な身体能力を跳ね上げる事に成功する。
然しこの時点では一部の魔力の高い人間が使用できるだけの、実用性はあるが量産化には向かない物だった。
更に魔力は個々人によって全く性質が異なっており、それがまた兵器の生産に拍車をかけていた。
故に彼等は次に僅かな魔力を増幅させ、同時のその魔力を"規格化"するジェネレーターを開発する。
そしてそれを搭載して作られた初の実験機は、五メートルにも及ぶパワードスーツとなった。
ジェネレーターは膨大な魔力を作り出した。そして装着者から際限なく魔力を吸い尽くし、テストパイロットは死亡した。
この実験結果を元に小型化、及びリミッターと出力調整を設けることで完成したのが「彼等にのみ扱える」「一騎当千の」「量産兵器」である魔導兵器"AIE"である。
対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。
七十年の歳月の中、彼等は常に逼迫した中に在った。限界まで追い詰められた人間は、数多の奇跡を創り出す。
その奇跡の内の一つが、魂の電子化、及び量産化である。
それは目に見えた神への反逆行為であったが、当時の彼等にそんな事を考えられる余裕など無かった。
いや、もしかしたら分かっていながら止めることなどできなかったのかもしれない。
数多の研究結果の上に行われた初めての実験は成功した。
そしてただ一つの成功例を残して計画は終わった。
零と一に変換された戦友、その無限のコピー&ペーストによるバックアップの最果てを、彼等は恐れたのだ。
彼等は殊勝にもそれを封印したが、その方法は確かに未だデータとして残されている。
しかしそれがいつまた解き放たれるかは、誰にもわからない。
最終更新:2014年07月18日 18:06