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003:さいごの皇帝 (5)
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匿名ユーザー
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「どうしてそう思うのよ?」
マイティナは少し落ち着かない目でシーズを見た。
「あなたが自分で、彼は自殺したと語ったのよ。覚えていないの?」
そう話す声も、先ほどよりも固くなっていた。ポーガルも脂汗を額に流している。
「あんな推理の内容で、実際に行えるわけがないでしょう。推理はあの騎士団長に適当に納得してもらうためのでっち上げです。人というのは単純で、面倒なものに対して、適当に筋を通した話をされれば、簡単にそれを受け入れるのですよ。
まず、昨日話した推理の穴をお教えしましょう。
自殺するには、そのための剣が必要です。しかし、それをどうやって持ってくるのですか?」
何を馬鹿なことを、とでもいうような顔でマイティナは答える。
「そんなもの、人目を盗んでいくらでも――」
「できるはずがないでしょう? 夜であろうと巡回する騎士がいるはずです。たとえ皇帝であろうとも、巡回ルート、その時間、そのようなものを知れるはずがありません」
「それは、私も同じじゃない!」
「ええ、確かにそうです。ですが、それを知る人がいます。騎士ポーガル、あなたですよ」
いきなり呼ばれて、ポーガルはびくりと身をすくませた。
「皇帝の寝室の警備は、長く勤め、かつ腕が立たねばなりません。それだけで、あなたが騎士の中で高い地位にいることが知れます。おそらく、あの騎士団長の次でしょうね。そしてもちろん、巡回についてのあらゆる事は熟知しています。
あなたは夜の巡回時、いつも装備していた剣は自分の部屋に置き、巡回に出ます。そして倉庫に少し急いで倉庫に行き、剣を一本取ります。それを帯剣し、巡回を終えます。
そして昨日。今度は二本帯剣し、いつものように寝室の警備に回ります。剣が二本あっても、まず誰も気にしません。
でも、殺すのはあなたじゃありません。侍女長であるマイティナ、あなたです。
皇帝の食事や部屋の掃除などを行うのは侍女長の役目です。そして、皇后の他に入ることができる、唯一の人物。
あなたは、いつものように掃除をするために寝室に向かいました。そして、待機しているポーガルから剣を受け、中に入り、皇帝を殺害。そして掃除をして、部屋を出ます。そして、偶然やってきた私達がそれを発見しました。もし誰も来なければ、食事を運んだときに発見するつもりでいたのでしょう?
確かにポーガル一人でも犯行は可能です。しかし、万が一にでも、そこに常時いるはずの護衛がいないことが誰かにばれてしまえば、その時点でアウトです。だから、マイティナが殺したのですよ。ポーガルが誰も来なかったと証言すれば、その時点で犯人の実像が消失します。それに、あなたが侍女達に『怪しい者を見なかったか』と聞いても、当然見ていないと答えますよ。あなたが皇帝の部屋に行くことは、怪しいことではないですしね。
言っておきますが、私達はあなた達をしかるべきところにつき出すつもりはありませんよ。ですから、あまり意固地にならなくてもいいですので」
「……そう」
マイティナは小さく首を振った。
「そうよ。私が皇帝を殺したわ」
マイティナは少し落ち着かない目でシーズを見た。
「あなたが自分で、彼は自殺したと語ったのよ。覚えていないの?」
そう話す声も、先ほどよりも固くなっていた。ポーガルも脂汗を額に流している。
「あんな推理の内容で、実際に行えるわけがないでしょう。推理はあの騎士団長に適当に納得してもらうためのでっち上げです。人というのは単純で、面倒なものに対して、適当に筋を通した話をされれば、簡単にそれを受け入れるのですよ。
まず、昨日話した推理の穴をお教えしましょう。
自殺するには、そのための剣が必要です。しかし、それをどうやって持ってくるのですか?」
何を馬鹿なことを、とでもいうような顔でマイティナは答える。
「そんなもの、人目を盗んでいくらでも――」
「できるはずがないでしょう? 夜であろうと巡回する騎士がいるはずです。たとえ皇帝であろうとも、巡回ルート、その時間、そのようなものを知れるはずがありません」
「それは、私も同じじゃない!」
「ええ、確かにそうです。ですが、それを知る人がいます。騎士ポーガル、あなたですよ」
いきなり呼ばれて、ポーガルはびくりと身をすくませた。
「皇帝の寝室の警備は、長く勤め、かつ腕が立たねばなりません。それだけで、あなたが騎士の中で高い地位にいることが知れます。おそらく、あの騎士団長の次でしょうね。そしてもちろん、巡回についてのあらゆる事は熟知しています。
あなたは夜の巡回時、いつも装備していた剣は自分の部屋に置き、巡回に出ます。そして倉庫に少し急いで倉庫に行き、剣を一本取ります。それを帯剣し、巡回を終えます。
そして昨日。今度は二本帯剣し、いつものように寝室の警備に回ります。剣が二本あっても、まず誰も気にしません。
でも、殺すのはあなたじゃありません。侍女長であるマイティナ、あなたです。
皇帝の食事や部屋の掃除などを行うのは侍女長の役目です。そして、皇后の他に入ることができる、唯一の人物。
あなたは、いつものように掃除をするために寝室に向かいました。そして、待機しているポーガルから剣を受け、中に入り、皇帝を殺害。そして掃除をして、部屋を出ます。そして、偶然やってきた私達がそれを発見しました。もし誰も来なければ、食事を運んだときに発見するつもりでいたのでしょう?
確かにポーガル一人でも犯行は可能です。しかし、万が一にでも、そこに常時いるはずの護衛がいないことが誰かにばれてしまえば、その時点でアウトです。だから、マイティナが殺したのですよ。ポーガルが誰も来なかったと証言すれば、その時点で犯人の実像が消失します。それに、あなたが侍女達に『怪しい者を見なかったか』と聞いても、当然見ていないと答えますよ。あなたが皇帝の部屋に行くことは、怪しいことではないですしね。
言っておきますが、私達はあなた達をしかるべきところにつき出すつもりはありませんよ。ですから、あまり意固地にならなくてもいいですので」
「……そう」
マイティナは小さく首を振った。
「そうよ。私が皇帝を殺したわ」