唯アフター01
~唯side~
私、平沢唯は秋山澪(通称澪ちゃん)の恋人です。
今日も澪の膝に座り軽音楽部の琴吹紬(通称ムギちゃん)の持ってきたお菓子を食べてます。
そして部長の田井中律(通称りっちゃん)に冷やかせれてりっちゃんは澪に鉄拳を貰う。
後輩の中野梓(通称あずにゃん)は「練習しましょう」とムギちゃんのお菓子を頬張りながら矛盾した発言を言う。
そんな軽音部は楽しくて毎日があっという間に過ぎていきます。
今日も澪の膝に座り軽音楽部の琴吹紬(通称ムギちゃん)の持ってきたお菓子を食べてます。
そして部長の田井中律(通称りっちゃん)に冷やかせれてりっちゃんは澪に鉄拳を貰う。
後輩の中野梓(通称あずにゃん)は「練習しましょう」とムギちゃんのお菓子を頬張りながら矛盾した発言を言う。
そんな軽音部は楽しくて毎日があっという間に過ぎていきます。
春休み明けて一週間後…ことの始まりは部活終了後でした。
律「よし!帰ろう!」
澪「今日も練習なしか…」
律「ずっと唯を抱いたままあーんやってる澪に言われても説得力がわかない」
いつもの用に部活はなく、みんなで帰路に付きます。
順番的にりっちゃんとムギちゃんとあずにゃんが前を歩き、私と澪が後ろから後を追うように恋人繋ぎで歩きます。
始めのうちは澪は手を繋ぐことすら恥ずかしがっていたけれど、1週間で澪の方から離さないように繋いできました。
とにかく私と澪はべたべた甘ったるい雰囲気を出すらしくあずにゃんに注意までされてしまうほどなんだよ。
国道に出た時、突然あずにゃんがあること言いました。
始めのうちは澪は手を繋ぐことすら恥ずかしがっていたけれど、1週間で澪の方から離さないように繋いできました。
とにかく私と澪はべたべた甘ったるい雰囲気を出すらしくあずにゃんに注意までされてしまうほどなんだよ。
国道に出た時、突然あずにゃんがあること言いました。
梓「そう言えばここ等辺って最近誘拐が多いらしいですよ」
律「そうなのか?」
紬「でも、未遂が多いのよね」
梓「何でも犯人が1人だから赤信号中に逃げれるとか……」
澪「でも恐い話だな」
律「澪は唯に守ってもらえよ」
唯「ほぇ?」
梓「心配ですね」
その時、突然何かが落ちてきたらしいのです。
澪「!」
澪「唯危ない!」ドンッ
唯「へ?わわちょっと!」
ガンッ!
突然、私の頭の上に看板が落ちてきたのです。
澪はそれに気付いて私を助けてくれました。
澪はそれに気付いて私を助けてくれました。
澪「………………」
けれど澪は避けきれず、当たったらしくその場に倒れてしまいました。
私はすぐに澪の安否を確認しました。
私はすぐに澪の安否を確認しました。
唯「澪ちゃん!澪ちゃん!」ポロポロ
律「落ち着け唯!澪は頭を強く打って気を失ってるだけだ」
私は突然の事なのでひたすら澪の傍で彼女の名前を呼ぶことしか出来ませんでした。
救急車も来て私と澪だけ乗り、りっちゃん達はムギちゃんの車で、後で病院で落ち合う事にしました。
唯「澪ちゃん…澪ちゃん…澪ちゃん」
私は澪の手を握り彼女の名をずっと呟いてました。
次に私の記憶があった時は病院の廊下のベンチに座っていました。
唯「…………」
律「おいっ唯!呆けてるな!」ユサユサ
唯「………………りっちゃん」
梓「……………………」
タッタッタ
紬「澪ちゃんが目を覚ましたらしいわ」
唯「澪ちゃん!」ダッ
紬「唯ちゃん落ち着いて!澪ちゃんの病室わかるの?」
唯「……そうだった」
無我夢中だったので気付きませんでした。よくよく思い出せば私は澪の病室まで解りません。
それよりも救急車が病院に着いたら澪だけ連れてかれ私はさっきまであのまま座っていたから。
それよりも救急車が病院に着いたら澪だけ連れてかれ私はさっきまであのまま座っていたから。
律「受付に行くぞ!」
りっちゃんを先頭に受付に行きました。正直先頭が誰だろうがどうでも良かった。
私は頭の中が澪の事だけで他の事など全く考えてなかったし。
私は頭の中が澪の事だけで他の事など全く考えてなかったし。
紬「唯ちゃん。意識はある?」
梓「しっかりしてください」
唯「……あっ…ごめんね」
律「聞いてきたぞ、507号室だってさ」
唯「ありがとう………りっちゃん」
律「じゃあ、行きますか」
りっちゃんの合図で澪の病室に行くことになった。
こういう時、部長のりっちゃんの頼もしい姿は羨ましかったです。
みんなでエレベーターに乗る。エレベーターの中は看護婦さんが乗っていたが、途中の階で降りていきました。
この重い沈黙は私は嫌いだった。誰か…誰でもいいから誰か喋って欲しかった。
こういう時、部長のりっちゃんの頼もしい姿は羨ましかったです。
みんなでエレベーターに乗る。エレベーターの中は看護婦さんが乗っていたが、途中の階で降りていきました。
この重い沈黙は私は嫌いだった。誰か…誰でもいいから誰か喋って欲しかった。
律「唯…………唯!」
唯「えっ?どうしたの?」
律「着いたぞ」
いつの間にか着いていたらしい。病院で初めて3人の顔を拝めた気がする。
りっちゃんの顔もムギちゃんの顔もあずにゃんの顔も……みんな元気がない。
507号室……澪がいる。私の恋人。彼女はどうなっているのか?
りっちゃんの顔もムギちゃんの顔もあずにゃんの顔も……みんな元気がない。
507号室……澪がいる。私の恋人。彼女はどうなっているのか?
コンコン…スッ
律「失礼しまーす。おっいたいた!」
澪「律……」
唯「澪ちゃーん!」ガバッ
とにかく澪が生きていた。神様ありがとう。私はそう思いながら澪に抱きついた。
~澪side~
気付いたら目の前が真っ白だった。
よく見ると天井でそれは私が知っているかも知れない天井。
でも残念ながら私の知らない天井だった。
よく見ると天井でそれは私が知っているかも知れない天井。
でも残念ながら私の知らない天井だった。
?「気分は如何かね?」
?「?」
?「唖然としているな。ここは病院。君の名前は秋山澪。私は君の担当医。ここまではいいかな?」
そうだ。私は澪。秋山澪だ。だけどなんでここに……
医師「ふむ……何故ここにって顔だね?君は突然落ちてきた看板に当たって意識を失ったんだよ」
そうか。そういう事なんだ。でも何で……
コンコンガラッ
律「失礼しまーす」
医師「それじゃ私は失礼するよ。何かあったら連絡ください」
私の担当医は病室に入ってきた人達に言って私に一瞥して出て行った。
澪「律……」
律だ。そうか。律を庇ったのか。
?「澪ちゃーん」ガバッ
律「良かったな唯」
?「澪ちゃん大丈夫だった?」
?「見た限り元気そうですね」
2人は………そうムギと梓だ!私の軽音部の同期と後輩。
?「澪ちゃん…良かった……本当に良かったよぉ」ポロポロ
澪「…………………」
律「どうした澪?」
澪「あの……失礼だけど……」
紬「どうしたの?」
梓「何でも言ってみてください!」
澪「その……あなたは…誰?」
?「………………え?」
律「………澪、冗談は寄せよ」
澪「……………………」
紬「本当にわからないの?」
澪「ごめん。私人見知りだから見たことはあると思うけどわからない」
梓「私はわかるんですか?」
澪「中野梓……だろ?」
梓「…………正解です」
律「澪!本当にわからないのか?」
律がくどいように尋ねてくる。本当に知らない。この子は誰で私の何なんだ?
律「唯だよ!本当に知らないのかよ!?」
唯?………そんな子いたっけ?
紬「平沢憂って子は?」
澪「憂…………憂ちゃん。梓の友達で……1人暮らしだよね?」
梓「……………憂は1人暮らしじゃありません」
何かおかしい。梓の口調は慣れた感じだ。そう言えば私に抱きついてる子以外冷静だ。
これじゃあ私じゃない違う私に会った感じじゃないか。
これじゃあ私じゃない違う私に会った感じじゃないか。
澪「えっ?そうなの?」
紬「………………」
律「……………その子は平沢唯。お前の恋人だよ」
澪「は?」
恋人?その子が私の?冗談にも程があるってこの事だろう。私に恋人がしかも男性ではなく女性。
澪「馬鹿馬鹿しい。証拠はあるのか?」
紬「これよ」スッ
ムギが写真を私に差し出した。私と唯って……子?…うわ!私と唯って子が抱き合ってるよ。
律「鬼ごっこやったの覚えてないか?」
澪「ああ…ムギ企画のやつか。確か私は逃げ切ったよな?憂ちゃんと一緒に…」
律「澪!お前いい加減にしろよ!」ガッ
澪「何だよ!?病人相手に喧嘩売るのか?」
?「2人とも辞めて!」
唯って子が仲裁に入った。律は私の胸ぐらを掴んだままその子を見た。
澪「…律、苦しいから離せ」
律「……………チッ」バッ
?「悪いんだけど、澪ちゃんと2人でお話したいから通路に出ててもらっていいかな?」
唯って子の指示でみんなが外に出てく。スライド式の扉が完全にしまり、彼女は私に向き直る。
本当に憂ちゃんと瓜二つでポニーテールにすれば憂ちゃんだった。
本当に憂ちゃんと瓜二つでポニーテールにすれば憂ちゃんだった。
?「さっきはりっちゃんがゴメンね。本当に私の事知らない?」
澪「ごめん。憂ちゃんのそっくりさんしか浮かばないんだ」
本当にそうしか思えないから素直に本音を言った。
彼女はちょっとゴメンねと言って携帯で何処かへ電話をかけた。しばらくして彼女は電話を切った。
彼女はちょっとゴメンねと言って携帯で何処かへ電話をかけた。しばらくして彼女は電話を切った。
?「山中さわ子さんって知ってる?」
澪「山中…さわ子?」
初めて聞いたかも知れないけど少なくとも平沢唯よりは知っていると私は確信があった。
~唯side~
さわちゃんが来てくれるまでそう時間はかからなかった。
さわ子「気分はどう?」
唯「さわちゃん!」
さわ子「澪ちゃんが入院と聞いて駆け付けたわ」
澪「……山中……さわ子…さん」
さわ子「ええ。そうよ」
澪「私の担任の?」
さわ子「正解」
良かった。さわちゃんは覚えてて暮れた。でもまた私は抜けている。
本当に私を忘れちゃったの?それとも、嫌いだから無視してる?
本当に私を忘れちゃったの?それとも、嫌いだから無視してる?
さわ子「唯ちゃんを覚えていないの?」
澪「………ごめんなさい」
さわ子「………ゆっくり思い出しましょう」
澪「ところで、今は何月何日何ですか?」
さわ子「…………………」
唯「…………………」
やっぱりか。澪は真面目に聞いてるつもりでも私はうんざりしてしまう。いや、悲しくなるの間違えかな。
さわ子「5月7日よ」
澪「私が事故にあったのは?」
唯「4月9日だよ」
澪「約1ヶ月も私はここに………」
唯「……………」
さわ子「………澪ちゃん、今はいきなりだから混乱してるのよ」
さわちゃんがこの話に終止符を打った。彼女に感謝しなきゃ。
さわ子「それじゃ唯ちゃん、私は帰るわ………」
唯「ゴメンね。さわちゃん」グスッ
思わず涙が出てしまう。悔しい。
さわ子「…………」
ススッ
唯「………………」
澪「……あの」
唯「何かな?」
澪「私は1ヶ月もここに……」
二度目の呟きを私に問う。
唯「ううん。澪ちゃんは今日が初めてだよ」
澪「でも、さわ子先生は……」
唯「明日退院だっていうから迎えに来るね」
澪「ちょっちょっと……」
澪のかけ声に無視し病室から出た。通路にはムギちゃん、あずにゃんがベンチに座っていた。
りっちゃんは通路を何度もイライラしながら行ったり来たりしていた。
りっちゃんは通路を何度もイライラしながら行ったり来たりしていた。
律「…………どうだった?」
機嫌悪そうに聞いてくる。喜怒哀楽が激しい。
唯「私だけが抜け落ちてる。さわちゃんも覚えてた。明日退院だから迎えに行く」
律「…………そっか」
紬「………帰りましょう」
梓「そうですね。明日も早いですし………」
みんなで病院を出る。澪の病室は明かりが就いたままだ。
ふと、りっちゃんが私に呼び掛けた。
ふと、りっちゃんが私に呼び掛けた。
律「………なあ……唯」
唯「何?りっちゃん?」
律「………………その……いや………でも…」
珍しくりっちゃんの歯切れが悪い。普段からズバズバ言うのに……
唯「もう!何なのさ!?」
律「……………ごめん。何でも…グスッない」ポロポロ
紬「りっちゃん泣いてるの?」
律「……グスッ目にゴミが入っただけ」ゴシゴシ
りっちゃんも幼馴染みの澪を心配している。本当に良い友達だ。
梓「早く帰ってゆっくり寝ましょうよ。今日も空気が重いです」
唯「そうしよ」
結局そのままみんな帰った。澪の記憶が私だけ抜かれてるのは悲しいけど、いつまでも悲しんで要られない。
家には大体憂がいるから、家に明かりが灯っていれば憂がいる証拠だ。
でもやっぱり悲しいな。
家には大体憂がいるから、家に明かりが灯っていれば憂がいる証拠だ。
でもやっぱり悲しいな。
唯「ただいま……」
憂「お姉ちゃんお帰り。また……ダメだったの?」
唯「…うん……でも澪ちゃんのせいじゃないよ」
憂「……夕飯は?」
唯「うーん………ごめん、今日はいらないや」
憂「わかった。じゃあお風呂沸かしてくるからね」
自分の部屋に入りベッドに倒れ込む。……澪。
やっぱり一生私の事を思い出さないのかな?ずっと憂のお姉さん扱いでの平沢さんって呼ばれるのかな?
やっぱり一生私の事を思い出さないのかな?ずっと憂のお姉さん扱いでの平沢さんって呼ばれるのかな?
唯「そんなの嫌だよぉ……うう…みおぢゃん」グスン
~澪side~
私は私の記憶を漁る。手がかりは事故にあった日と今の私の記憶。
それは恐らく私がまた事故を起こしただけだろう。
でも、一番わからないのが平沢唯という女の子。
憂ちゃんにそっくりで、憂ちゃんのお姉さんであり私の恋人。全く検討もつかない。
それは恐らく私がまた事故を起こしただけだろう。
でも、一番わからないのが平沢唯という女の子。
憂ちゃんにそっくりで、憂ちゃんのお姉さんであり私の恋人。全く検討もつかない。
澪「………なんなんだろうな…ホントに」
?「夜分に失礼するわ」スッ
澪「さわ子先生」
さわ子「その様子じゃさっぱり混乱してるようね」
澪「本当ですよ。答えを教えて欲しいよ」
さわ子「私が教えても澪ちゃんの為にはならないけど?」
澪「このままじゃ埒明かないし」
さわ子「………」
さわ子先生は黙ってしまった。別に答えたくなきゃ答えなくても良いのに……。
さわ子「わかった。簡単に言うと、澪ちゃんは記憶が抜けてるのよ」
澪「唯って子の記憶が?」
さわ子「そう。更にやっかいでね。澪ちゃん。
あなたは一定の日数を過ぎるとまた唯さんとある一部の記憶をなくしてしまうの」
あなたは一定の日数を過ぎるとまた唯さんとある一部の記憶をなくしてしまうの」
澪「えっ?」
記憶をなくす?私がか?
さわ子「大体3日で記憶をなくすわね」
澪「そんな……3日って……」
さわ子「そう。後2日ね」
澪「何でそんな事教えてくれなかったんですか!?」
さわ子「教えましたわ?……何回も…何回も…」
教えた…。まさか一部の記憶って……?
さわ子「顔に答えを導き出せた表情が出てるわね。その通りよ」
澪「そんな……私はこの無限ループを一生味わうのか………」
さわ子「医者はそのうち治ると言ってるわ」
澪「なんか、前触れとかありますか?」
さわ子「唯ちゃんいわく澪ちゃんが突然頭を抑えてしゃがみこんだら……」
澪「そんなわけないです!」
さわ子「では、この約1ヶ月澪ちゃんは何か一つでも覚えている?」
澪「練習」
さわ子「5月5日は何をしてたの?」
澪「……家で…………」
さわ子「外れ。その日は唯ちゃんの家に泊まったはずよ」
澪「そんなはずないです!」
さわ子「じゃあ昨日は?」
澪「昨日………」
そもそも昨日っていつだっけ?大体朝の記憶が全くない。
さわ子「…………今日は1日ゆっくり病院で休みなさい……」
澪「…………」
さわ子「……そうそう…帰る前にこれを」
澪「これは……カセットテープ?」
さわ子「唯ちゃんからよ。若干音が酷いけど………でも聴かないか」
澪「平沢唯って子からの?」
さわ子「これだけは言わせて……貴女の隣は生涯平沢唯だけよ」
澪「…………」
わからない。平沢唯って子がどんどんわからなくなっていく。
以前の私が彼女とどれだけ好きだったのか?
彼女は今でも私の事………好き……だよね。1ヶ月も私の面倒看てくれたんだよな。
以前の私が彼女とどれだけ好きだったのか?
彼女は今でも私の事………好き……だよね。1ヶ月も私の面倒看てくれたんだよな。
コンコン
こんな時間に誰だ。まさか平沢唯さん?
スススッ
?「……やあ」
澪「…律?」
律「やっぱりシルエットだけでもわかっちゃうか」
澪「律くらいしかこんな時間に来る人いないよ」
律「ははは………そうだよな」
澪「でも……どうしたんだ?こんな時間に……」
律「さっきは胸ぐらを掴んだりしてごめん」
澪「ああ…………その事か。いいよ。私も混乱してたし……」
律「実は……もう1つ…用が……」
澪「なんだよ焦れったい。律らしくないな」
律「……私と………付き合わないか?」
澪「えっ」
律「澪が唯の記憶を思い出す間だけでもいいから………」
澪「でも…」
律「もう、何度も唯の辛い顔見てるのが嫌なんだ!」
~律side~
唯には悪いが私だって澪の事は唯よりもずっと前から好きだった。
でも私が焦れったいから先に澪が盗られてしまった。
毎日毎日澪が唯といちゃついてるのを見てるのが嫌いだった。そして私を悲しくさせた。
でも私が焦れったいから先に澪が盗られてしまった。
毎日毎日澪が唯といちゃついてるのを見てるのが嫌いだった。そして私を悲しくさせた。
澪「でも………平沢さんに悪い気が…」
律「3日で忘れるなら余り意味ないだろ」
澪「………ちょっと考えさせてくれ……」
まだ、頭が葛藤してるのか。ならこれで……
律「澪」
澪「ん?……………!」
律「……………」
澪「……………」
律「………ぷぁっ」
澪「……ぷあっ……いきなり何するんだよ///」
律「私は答えたから………///」
澪「…………///」
律「………それじゃ明日。唯達と来るから……」スッ
私はこのラストチャンスに全てをかけた。澪は私の幼なじみだからわかってくれる……。
なのに何であんなに悲しい顔をしてるんだよ。
唯の記憶が抜けてるのに………なんで……なんで…そんなに私と唯で悩むんだよ!?
なのに何であんなに悲しい顔をしてるんだよ。
唯の記憶が抜けてるのに………なんで……なんで…そんなに私と唯で悩むんだよ!?
?「りっちゃん」
律「!」
?「もう……いいの?」
律「………ああ」スタスタ
?「………結果は?」タッタッタ
声の主が私に付いてくる来るように小走りで来る。
律「明日決まる」
?「そう。……初めてよね。りっちゃん」
律「そう…だな……私ってずるいかな?」
?「別に……お互いつり橋効果みたいなものだしお互い様だからわからないわよ」
律「そうか?」
?「お互い、澪ちゃんの事が好きなのが同じように…………」
律「それはそうだな」
そう。明日決まる。私の勝ちなら唯には諦めて貰う。
律「唯……勝負だ!」グッ
そう言い私は夜空の星に向かって叫んだ。
澪の記憶が戻らないこと祈りながら……
澪の記憶が戻らないこと祈りながら……
~唯side~
今は……10時か。
なんか、お腹減ってきちゃった。
アイスアイス~♪
あれ?ないや。
コンビニ行ってこよ。
唯「憂ーアイス買ってくるね~」
憂「アイスくらい私買ってくるよ」
唯「いいよ。気分転換もかねてだし♪」
憂「でもこの頃澪さんの事で寝てないんだから……」
唯「大丈夫大丈……」ゴチン
唯「あいた!」
憂「お姉ちゃん大丈夫?」
唯「へっ平気平気」
憂「でっでも……」オロオロ
唯「それじゃ行ってくるね~」バタン
憂「………………」
ふぅ。なんとか憂を撒いたよ。確かに私疲れてるかもね。注意しなきゃ……
店員「アリガトウゴザイマシター」
唯「へへへ♪ハーゲンダッツを2つも買っちゃったよ♪」
それにしても私、眠いのかな?さっきから視界が可笑しいな?あれ……歩道橋?
あっ……しまった……
ドサッゴロゴロガンッ!!
唯「……………………」
最後に思ったことは…今宵の星は綺麗だったってことだった。
~澪side~
律が部屋を出た後、私はしばらく放心していたらしい。
澪「まさか律が私のことを……」
澪「…………屋上行ってこよ」
ガチャ……
屋上はやっぱり星が輝いていて綺麗だ。
澪「律を選ぶか平沢さんを選ぶか…………」
澪「私って結構モテたんだな。女にだけど……」
澪「ファンクラブもあったっけ?」
澪「…………寒い。戻ろう」
結局、何しに屋上に来たんだろう?気分転換かな?ならなかったし…
澪「……あっ」スルッ
ゴチン!
澪「……………………」
~憂side~
次の日、私はお姉ちゃんの病室を訪れた。
何でも歩道橋から転落して体の色んなところを骨折してしまったらしい。
やっぱり昨日壁に頭ぶつけた時点で寝かせとくべきだったと………
何でも歩道橋から転落して体の色んなところを骨折してしまったらしい。
やっぱり昨日壁に頭ぶつけた時点で寝かせとくべきだったと………
コンコンスススッ
最近の病院のスライド式は音は全く聴こえない。
場所によっては開いて閉じるタイプもありそうだけど………いた。
窓の外を眺めてる。どうやら入って来た事も気づかない。
お姉ちゃんの外を眺めてる姿はほんと、切なくなるからやめてよ……お姉ちゃん………
場所によっては開いて閉じるタイプもありそうだけど………いた。
窓の外を眺めてる。どうやら入って来た事も気づかない。
お姉ちゃんの外を眺めてる姿はほんと、切なくなるからやめてよ……お姉ちゃん………
憂「…………お姉ちゃん」
唯「……………憂」
憂「身体は…………どうなの?」
唯「なんとかかな。卒業は出来るけど暫くは車椅子でここが私の家になっちゃった……」
憂「…………そうなんだ」
唯「憂………お願いがあるんだけどさ……」
憂「何?」
唯「この事、みんなに黙っていてくれないかな?特に澪ちゃんには」
お姉ちゃんらしくない弱々しい発言。
憂「でも時間の問題だよ。梓ちゃんにすぐバレちゃうよ」
唯「そこは上手くはぐらかしてよ」
憂「律さんや紬さんは?」
唯「はしかって言っといてよ。最悪私になりきってよ」
憂「…………後悔はしてないの?」
唯「こんな無様な姿、見せたくないから………そう思うでしょ?……憂」
憂「…………確かに…そうだよね」
唯「ささっ……憂は学校に行った行った!」
憂「……無理だけはしないでね」スススッ
唯「……………………」
憂「……………ふぅ」
憂「…………………」
お姉ちゃんはああ言ってたけど、澪さんに尽くした結果だから私はお姉ちゃんの姿が無様よりも勲章に思えた。
皆さんに言おうと思ったが私には言う勇気がなかった。いや、言うつもりは初めから無かった。
だって…お姉ちゃんとの大事な約束。でも破っちゃいそうだよ。
お姉ちゃんが治るのが先か澪さんの記憶が先か………
私の頭の天秤は等しいまま、お姉ちゃんの休みの言い訳を考えていた。
皆さんに言おうと思ったが私には言う勇気がなかった。いや、言うつもりは初めから無かった。
だって…お姉ちゃんとの大事な約束。でも破っちゃいそうだよ。
お姉ちゃんが治るのが先か澪さんの記憶が先か………
私の頭の天秤は等しいまま、お姉ちゃんの休みの言い訳を考えていた。
~紬Side~
紬「……で澪ちゃんと付き合えたんだ」
律「ああ♪朝メールで答えてくれた。嬉しくてこの上ないぜ♪」
紬「唯ちゃんになんて説明するの?」
律「私が澪の面倒みるから唯は暫く休めよって言っとけば良いんじゃない」
紬「ホントに澪ちゃんを奪ってたのね♪」
律「唯の宝の管理が悪いから怪盗律に奪われたのだよ」
紬「でも、その唯ちゃんがまだ来てないわね…………」
律「また、どうせ寝坊だろ。でも憂ちゃんが起こしてくれるはずだよな……?」
紬「澪ちゃんは?」
律「澪は今日退院で後で迎え行くんだ」
紬「そう。ともかくおめでとう!」
律「へへっ……ありがと♪」
紬「じゃありっちゃん、後でね♪」
律「おう!」
まさか、澪ちゃんがりっちゃんと付き合うなんて思ってなかった。違う。どの澪ちゃんでもりっちゃんは付き合えたと思う。
普段の私なら2人の行いに興奮して、ビデオ持って隠し撮りに行くはずの私が何故か行きたがらなかった。
というよりそんな気分に慣れなかった。2人が付き合うのは嬉しい事なのに………。
普段の私なら2人の行いに興奮して、ビデオ持って隠し撮りに行くはずの私が何故か行きたがらなかった。
というよりそんな気分に慣れなかった。2人が付き合うのは嬉しい事なのに………。
さわ子「…………唯ちゃんは今日はお休みね」
唯ちゃんがお休み?昨日退院してすぐ澪ちゃんとこ会いに行くって行ってたのに………。
どうしたのかしら?憂ちゃんなら知ってるのかしら?
どうしたのかしら?憂ちゃんなら知ってるのかしら?
律「唯のやつ休みかよー」ブー
紬「風邪かしら?」
律「休みなら仕方ない。澪の退院祝いは4人でやるか」
紬「そのようね………」
律「なんだよムギ…歯切れが悪いな~。そんなに私と澪が羨ましいのか?」ニヤニヤ
紬「ええ♪とっても!」キラーン
私の心情はめちゃくちゃだったけど……りっちゃんの前でボロを出してはいけない。
自分の造り出してる笑顔を殴りたかった。こんなのいつもの私じゃないのに………。
りっちゃんと別れた後も私は上の空だった。その日の授業中、私のノートには初めて板書以外のものが書かれた。
自分の造り出してる笑顔を殴りたかった。こんなのいつもの私じゃないのに………。
りっちゃんと別れた後も私は上の空だった。その日の授業中、私のノートには初めて板書以外のものが書かれた。