ある日の人里まで続く道。
お爺さんとお婆さんが人里で売るための野菜を荷車に乗せて押していました。
決して良くはない道にお爺さんとお婆さんは休み休み進みます。
人里までまだまだ距離があるころ、お爺さんとお婆さんは森の近くで休憩していました。
「ばあさんや、大丈夫かね?」
「大丈夫だよ、じいさんや。」
「急がないと今日中に帰れないからがんばろうか。」
お爺さんとお婆さんは昼までに人里に着かないと野菜を売れません。
荷車にいっぱい乗った野菜はお爺さんとお婆さんには辛い重さでしたが、これを売らないと生活が苦しくなるので仕方ありません。
お爺さんとお婆さんがまた荷車を押そうと腰を上げたとき、森から顔を出したものがいました。
「ゆっくりしていってね!」
「おやおや、ゆっくりじゃないか。」
最近森や人里に現れるようになったゆっくりです。
老夫婦に近づいたゆっくりはみんな黒い帽子を被っていました。
「たしか、ゆっくりまりおといったか。」
「ゆっくりまりさですよ、おじいさん。」
「まりさだよ!ゆっくりおぼえてね!」
名前を間違われたまりさはプンプンと頬を膨らませます。
その様子に老夫婦は孫を見るような目で見つめます。
「ゆっくりしたいんだけどねぇ。これを運ばないと行けないんだよ。」
ゆっくりまりさに諭すように語り掛けるお爺さん。
お婆さんはまだ小さい子まりさを手で持って撫でてあげています。
嬉しそうな子まりさを見て微笑んだ後、リーダー格のまりさがおじいさんに向かいます。
「おじいさんはゆっくりあるくといいよ!」
「おもいものはまりさたちがもつね!」
「しかし、これは本当に重いよ。」
「だいじょうぶだよ!まりさたちにまかせてね!」
「そのかわり、ちょっとだけそのうえのおやさいほしいの!」
「うれのこりでいいからね!」
「ははは、しっかりしてるのぉ。まぁ売れ残っても持ち帰るのは大変だからの。運んでくれたらあげるよ。」
「ありがとう!」
まりさたちは老夫婦が運んできた荷車の後ろと前に分かれます。
後ろのまりさは頬で必死に荷車を押します。
前の魔理沙はお爺さんが持っていた舵棒を咥えて引っ張ります。
荷車に乗った赤ちゃんまりさの掛け声のもと荷車は動き出しました。
「ゆっくち!ゆっくち!」
「おかーしゃんがんばっちぇ~!」
「ゆーしょ!ゆーしょ!」
「みんながんばろうね!」
まりさ達のがんばりをお爺さんとお婆さんはほほえましく見守ります。
決して早い足取りではありませんでしたが、人里には昼前に着くことができました。
お爺さんとお婆さんは野菜を荷車から降ろして売り始めます。
まりさ達は老夫婦の変わりに声を張り上げて客を呼び込みます。
珍しいゆっくりの客引きに主婦が集まり、野菜がどんどん売れていきました。
そして・・・
お爺さんとお婆さんが変えるころには持ってきた野菜は全部売れてしまっていました。
「ごめんねぇ、あなた達の分取って置いたらよかったわね。」
「いつもはこんなに売れないから油断してたよ。」
「ゆゆゆ、しょうがないよ!いっぱいうれてよかったね!」
「そーだよ!たのちかっちゃよ!」
貰える野菜がなくなったので親まりさは残念がりますが、赤ちゃんゆっくりは客引きが楽しかったのか、
「いっぴゃいうれちゃね!」
「まりしゃたちのおかげだね!」
「たのちかっちゃね!」
と、売れていく野菜のことを思い出しながら喜んでいました。
そんな子まりさ達の様子を見て親ゆっくりも笑顔になります。
「たのしかったね!」
「うん!しゅっごくたのちかったよ!」
そんな様子を見ていたお爺さんは何かを思い出したかのようにお婆さんに耳打ちします。
お婆さんはお爺さんの提案に頷き、親ゆっくりのもとに向かいました。
「ねぇねぇ、まりさ。」
「ゆゆ、おばあさん!まりさたちはもういくよ!」
「いっぱいうれてよかったね!」
「まちゃてちゅだうよ!」
「ありがとうね。でね、お願いがあるんだけど。」
「どうしたの?」
「私達の家にね見た目が悪くて売れない野菜があるのよ。」
「おばあさんと二人で食べてるんだけど何時も余ってね。」
「よければもらってくれないかね。」
老夫婦の提案にゆっくり達は顔を見回せ、その後嬉しそうに飛び跳ねます。
「おじいさんいいの!?」
「ああ、いいとも。」
「おばあさんいいの!?」
「もちろんだよ。」
「ゆ~、どっちもありがと!」
老夫婦とゆっくりは仲良くお爺さんの家に向かいます。
そうしておじいさんとおばあさんはゆっくりには持ちきれないほどの野菜を与えました。
「こんなにいっぱい!これならしばらくゆっくりできるよ!」
「また、おいで。まだまだあるからね。」
「またくるよ!ゆっくりまっててね!」
「その代わり働いてもらうよ。」
「お爺さんは厳しいわよ。」
「もちろんだよ!がんばっててつだうよ!」
老夫婦とまりさたちは別れました。
老夫婦は老後の楽しみが増えたのが嬉しいのか今日は少し夜更かししてしまいました。
野菜をいっぱい抱えて巣に戻るまりさ達の前にゆっくりれいむが現れます。
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
「すっごいね!おやさいがいっぱいだよ!」
「おじいさんにもらったんだよ!」
「ゆゆ、にんげんにもらったの?!」
「そうだよ!おてつだいしてもらったの!」
「まりさたちがんばったもん!」
「あかちゃんもがんばったよね!」
「しゅっごくがんばっちゃよ!」
まりさ達はれいむにどうやって野菜を貰ったか詳しく説明します。
れいむは驚きました。
人間は今まであったことがありませんでしたが怖い生き物だと思っていました。
まりさはそんな人間からおやさいを貰ったというのです。
「ほんとう!?」
「ほんとうだよ!おじいさんががんばったおれいにってくれたんだよ!」
「おばあさんもすっごくよろこんでたよ!」
「ゆゆ、おてつだいしたらもらえたんだね!」
れいむはそう言うやいなやぴょんぴょんとどこかへ飛び跳ねていきました。
まりさ達は不思議に思いましたが、もう周りは暗くなり始めていたのでゆっくりいそいで巣に戻りました。
れいむはぴょんぴょんと森を飛び跳ねます。
やがて大きな木の下までやってきました。
周りに他のゆっくりがいないか確認してから木の根元に向かって話しかけました。
「ゆっくりしていってね!」
「・・・ゆっくりしていってね!」
れいむが話しかけてしばらくして返事がありました。
すると、木の根元にあった枯葉や枝が取り除かれていきます。
やがて外のれいむよりも大きいゆっくりれいむが顔を出します。
「おかえり!はやくいえにはいってゆっくりしようね!」
どうやら大きい方が親れいむで外にいるのは子れいむのようです。
親れいむは子れいむが中に入るまで外で警戒します。
やがて、自分も巣に入ると穴を塞ぎました。
親れいむが戻ると、中では先ほどの子れいむが他の子れいむに何かを話しかけ、それを聞いた他のれいむは大はしゃぎしていました。
「ゆゆ、どーしたの?」
「おかーさん!れいむね!とってもいいはなしをもってきたよ!」
「ゆ!なになに!」
「あのね!・・・」
そう言って先ほどのまりさの家族から聞いた話をゆっくり聞かせます。
親れいむはそれを聞いても素直には信じれませんでした。
「ゆゆ、ほんとうにまりさたちはそういったの?」
「そうだよ!まりさたちいっぱいおやさいもってたよ!」
「おかーさんれいむたちもやろうよ!」
「そうだよ!おやさいいっぱいもらおうよ!」
怪しむ親れいむに対して、他の子れいむはもう貰ったときの事を考えています。
親れいむはそれでも怪しみますが、子れいむの、
「ゆっ!おかーさんはれいむをしんじないの?」
という言葉で我が子を疑ったことを恥じ、
「あしたみんなでゆっくりしようね!」
「ゆっくりしようね!
と、子供達に明日子れいむの聞いた通りにやってみようと言いました。
子れいむと親れいむは明日おやさいがいっぱいもらえるとうれしそうに話しあいます。
やがて、赤ちゃんれいむが船を漕ぎ出したのを見て、みんなで集まって眠りました。
次の日、れいむたちは人里近くの道にやってきます。
「まりさたちはおおきなにもつをはこんだっていってたよ!」
「ここでだれかくるまでまっていようね!」
れいむたちは茂みに隠れて人が来るのを待ちます。
けれども、道を通る人はほとんど軽装でれいむたちの助けを必要としてそうな人はなかなか現れません。
「ゆぅ・・・なかなかこないね。」
「まりさたちもこんなにまったのかな・・・」
「もうすこししたらくるよ!ゆっくりまとうね!」
そうやってれいむ達は目当ての人が来るのを待ちました。
昼を過ぎ、茂み近くの草原で虫や花を食べて人が来るのを待ちます。
虫や花もおいしく、日々を過ごすには問題ありません。
しかし、人間の作る野菜はとてもおいしく、運よく食べれたゆっくりはそれを周りのゆっくりに話して聞かせます。
何匹かはそれを聞いて人里に取りに行くのですが、そのゆっくり達が帰ってきたことはありません。
ですから、どんなにおいしくても、ゆっくりは我慢するしかありませんでした。
それをまりさたちは人から貰えたと言うのです。
れいむ達はまだ味わえぬ野菜の味を想像しながら茂みでじっとしていました。
「ゆゆっ!あのひとたちならてつだえそうだよ!」
一匹の子れいむが人里に向かう一行を発見します。
その人たちはまりさ達の言うように荷車を数人で押してゆっくりと進んでいました。
れいむたちはまりさの言っていた人たちだと思い茂みから出てその人たちの前に止まります。
「ゆっくりしていってね!」
「なんだぁ、またゆっくりか。」
「ゆゆっ?」
なんだか人間達の反応がおかしいと親ゆっくりは気づきます。
しかし、子れいむ達は気づかなかったようで、
「れいむたちがそのにもつはこぶよ!」
「ゆっくりてつだわせてね!」
子れいむは我先にと人間を押しのけて荷車を押します。
人間達は何か言いたそうでしたが、重かったので手伝ってくれるのはうれしく、いっしょに荷車を押して生きました。
「ゆ~っくり!ゆ~っくり!」
「ほらほら、がんばれ、がんばれ。」
子れいむ達だけ頑張らせるわけにも行かず、親ゆっくりも荷車を押します。
れいむ達がいたのは人里からすぐの所だったので、大した苦労もなく、目的地に着きました。
「おら、ここまででいいぞ、ありがとな。」
「ゆっくりがんばったよ!」
やりとげた達成感から人間の周りを嬉しそうに飛び跳ねるれいむ達。
人間はそれを迷惑そうにしながら荷車の中身を確認します。
それを見たれいむ達は野菜をくれるものだと思い、荷車を見ている男の周りで止まりました。
しかし・・・
「ん、もういいぞ、ありがとな。」
「ゆっくり!?」
話しかけた男はれいむにお礼だけをして他の男と話し始めました。
聞いていた話と違う!!
れいむは頬を膨らませて怒ります。
「おじさん!じょうだんはやめてよね!」
「ああ?」
「れいむたちにおやさいちょうだいね!」
「そうだよ!れいむたちがんばったよ!」
「そんなこと言ってないぞ。」
「にんげんはたすけるとおやさいくれるんだよ!」
「しょーだよ!ゆっくちちょうだいね!」
話しかけられた男はれいむ達が何を言っているのかと戸惑います。
そのとき、一匹の子れいむが男の後ろの家に野菜が置いてあるのに気づきました。
「ゆゆっ!おやさいだ!」
「れいむをだまそうだなんてばかなおじさんだね!」
「みんなでゆっくりわけようね!」
「あ、こら!」
れいむ達は男の足元を抜けて、野菜に飛びつきます。
「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~!」
「ちあわちぇー!」
初めて人間の野菜を食べた子れいむ達はそのおいしさに頬が解けそうです。
親れいむは野菜のおいしさと子れいむ達の喜びを見て、頑張ったかいがあったと思いました。
そこに、先ほどの男がやってきます。
「おい。」
「ゆっ!おじさんありがとね!」
「れいみゅたちはしゅっごいちあわせだよ!」
「このおやさいはかぞくでわけるよ!」
「・・・」
男は親ゆっくりを捕まえると荷車に向かいました。
「ゆゆっ!おじさんなにするの!」
「うるせぇ!おまえたちも悪いゆっくりだったんだな!」
「おかーしゃんをはなちぇー!」
「ゆっくりかえしてね!」
足元で体当たりをする子ゆっくり達を無視し、男は荷車に乗った箱を開けます。
そこには死なない程度に潰されたゆっくりれいむやまりさが詰まっていました。
「ゆぎゃああああああああ!」
「ゆっ!おかーさんどうしたの!」
「まだ空きがあってよかったぜ。」
親れいむが子れいむ達に逃げてという前に、男は素早く親れいむを箱に入れて重石を載せました。
「ゆぎゅぅ!」
絶妙な重さで親ゆっくりを拘束する重石。
男は動けないことを確認すると、足元の子ゆっくりを捕まえだしました。
親れいむは子ゆっくりが一匹でも逃げれるように願います。
そして、同じように重石を乗せられているゆっくり達の目線に気づきました。
れいむ達は先ほどまでゆっくりの詰まった箱を人里まで運んでいたのです。
嬉しそうに話すれいむ達の声を中のゆっくりはしっかりと聞いていました。
苦しそうな顔をしながらも睨み付けてくるほかのゆっくりを見ながら、親れいむは自分達の過ちにやっと気づきました。
れいむ達を全部捕まえた男は建物に荷車を運びます。
そこは円柱のような建物で真ん中には穴が開いています。
その下には尖がった山があり、上の穴から落ちてきたものを大体均等に麓まで運びます。
麓には山を囲むように檻がありました。
もし、穴から何か落ちてきたら麓の檻の中に入るでしょう。
その檻には既に何匹かのゆっくりが檻に入れられていました。
しかし、男が入ってきてもゆっくり達は反応しません。
そのゆっくり達は何かを我慢するように必死に流れてくるものを口に運んでいました。
開いている檻の前に来ると男は箱を開けてゆっくりを取り出して檻に入れて行きます。
一つの檻に数匹ずつ、男は手際よくゆっくりを詰めていきました。
先ほどのれいむ達は赤ちゃんを除いて運よく同じ檻に入りました。男がそうしたのかもしれませんが。
全部のゆっくりを入れると男はゆっくりに聞こえるようになります。
「お前達にはここでこれから暮らしてもらう。餌は上から降ってくるから好きなだけ食え。ずっとそこに置いてるからいつでも食えるぞ。」
男の声に酷いことをされると思っていたゆっくり達は安心します。
しかし、先に入っていたゆっくりの声が聞こえないのが気になります。
それも、檻の中で泣き始めた子ゆっくりの泣き声で霧散しました。
必死にあやす親ゆっくり達。
子を持たないゆっくりは先ほどのれいむ達を睨み付けました。
睨み付けられた親れいむは泣き叫ぶ子れいむ達をあやしながら、
「ごめんなさい。ごめんなさい・・・」
と、つぶやき続けました。
ゆっくりに説明した男は部屋から出て行きました。
そしてゴゴゴゴゴと何かが動き出す音が聞こえます。
「ゆゆっ?」
泣いていた子ゆっくりも泣き止み何が起こるのかと身を寄せ合います。
やがて、中央の穴から何かが落ちてきました。
「ゆゆゅ!ごはんだよ!」
ゆっくり達は男の言っていたごはんだと喜びます。
男の言っていたご飯は山に落ちて、大体均等に麓の檻の中に行き渡りました。
ゆっくりはやってきたご飯と強烈な臭いを味わうことになりました。
「ぐざいいいいいいいい!」
「ゆっぐりでぎないいいいいいい!」
「だずげでえええええええええ!」
先ほどまでの喜びもどこへやら、ゆっくりはその臭いから逃げ出そうと跳ねます。
しかし、頑丈な檻はビクともしません。
ここは人間の出した生ごみを処理する施設だったのでした。
人里から集められた生ごみは天井から落とされて悪さをして捕まったゆっくりに食べられます。
ここに来たゆっくりは死ぬまで生ごみ処理をすることになるのでした。
先ほどゆっくりに説明を聞かせていた男が仲間の下に戻ります。
その手には赤ちゃんゆっくりの入った箱を持っています。
「だちちぇええええええええ!」
「おがああああああぢゃああああああん!」
「ゆ゙うううううううううう!」
親から話された赤ちゃんゆっくりは箱の中で泣き叫びます。
しかし、男は慣れているのかまったく気にすることなく、先に準備して待っていてくれた仲間に声をかけます。
「すまんな、遅くなった。」
「きにするない。で、今日はどうだ?」
「大量、大量。」
そういって箱を揺すります。
「「「や゙め゙ぢぇ゙え゙え゙ええええええええ!」」」
「今日は一人一匹で大丈夫そうだな。」
男達は今日の収穫を喜びます。
男達の前には油を引いた鍋がありました。
男が説明しているときに火をつけたのか、油が飛び跳ねており、その熱さを物語っていました。
「んじゃいれるぞ。」
「おう、油を飛び散らせないようにな。」
箱を持っていた男は赤ちゃんゆっくりを箱から鍋に移します。
赤ちゃん達は助かったと顔を綻ばせて油の敷かれた鍋に落ちました。
「あ゙ぢゅいいいいいいい!」
「ぎゃあああああああああ!」
「ゆ゙っぐり゙いいいいいいいい!」
急に足元を襲う熱さに赤ちゃんゆっくりは逃げ惑います。
しかし、それを二本の棒が邪魔をします。
「おっと、じっくり焼かないとな。」
菜ばしを持った男達が逃げ惑う赤ちゃんゆっくりを捕まえようとします。
捕まった赤ちゃんは鍋に押さえつけられました。
「ゆ゙ぎゃああああああああああ!」
「ゔぎぇええええええええ!」
「ゆ゙っ!、ゆ゙ゅ!ゆ゙!」
そんなやり取りを数分繰り返すと、赤ちゃんゆっくり達は綺麗に焼きあがりました。
「どうやらできたな。それじゃ、いただきますっと。」
男達は赤ちゃんゆっくりを熱さに気をつけながら口に入れます。
赤ちゃんゆっくりを味わった男達の顔はみなしあわせそうでした。
「やっぱりうまいなぁ。赤ちゃんゆっくりは。」
「この仕事をやってる人しか知らない秘密だけはありますよね。」
「普通は気味悪がってたべねぇからな。こんなにおいしいんだが。」
「みんなが食べると俺達の仕事が無くなっちゃいますよ。」
談笑しながら赤ちゃんゆっくりを味わう男達。
鍋からはだんだんと赤ちゃんゆっくりが居なくなっていきました。
「ゆぐっ!おかーしゃんくさいよ!」
「がまんしてね!たべないとこのままだからね!」
「ゆ゙うううううう!」
建物の中では生ごみの臭いを何とかしようとゆっくりたちが生ごみを必死に食べていました。
しかし、食べても食べても生ごみは減りません。やっと減ったと思ってもまた新たにゴミが落ちてくるのでした。
「ゆぎゅうううう!もっどゆっぐぢじでね!」
「ま゙り゙ざだぢはまだゆっぐりじでないよ!」
「うう、おぇ゙ええええ!」
「れいむ、がんばってね!」
「ゆううううう、まだぐざぐなっだあああああ!」
そんなゆっくり達の悲鳴も聞く人は誰も居ません。
臭いで死ぬことはなく、傷つくこともないこの場所ではなかなか死ねないゆっくり達は少しでもゆっくりしようと必死で生ゴミを口に含みます。
それが無駄な行為であることにゆっくり達は死ぬまで気づきませんでした。
今まで書いた作品
ゆっくり水攻め
ゆっくりの川流れ
天井のゆっくり
ゆっくりまりさの水上生活
ゆっくり訓練
ぶるぶる
とりもち
子ゆっくり
きめぇまる
湖のまりさ
最終更新:2022年05月03日 15:26