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ベディエ

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トリスタン・イズー物語

464 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/11/06(日) 10:31:22
「トリスタンとイズー」岩波文庫 ガストン・ルルー編
8点
英コーンウォ-ル半島を舞台にした中世ロマンスの代表作らしい。
主君の嫁イズーを連れて帰る最中、「フィルトル」という媚薬を飲んでくっついてしまう二人の話。
少女漫画にしか出てこないようなすれ違い展開を繰りかえして最後には二人とも死ぬ。
しかも勝手に騒いだあげく「ロミオとジュリエット」みたいな勘違い死。ダサすぎ。

「バカップルという言葉はこいつらのためにあるのではないか?」
とまで思わせる愛情描写はさすが。愛は盲目。愛は偉大。フランス万歳。
しっかしなあ、おまえら。嫁と養子に裏切られたマルク王の気持とか考えたことあんのか?
けなげにトリスタンを愛した「白い手のイズー(バカップルのイズーとは別人)」とか可哀想だと思わんのか?
つうかイズーどこがいいんだ? 始終ヒステリーおこしまくるナイーヴなお脳をしたアホ女じゃん。
お相手のトリスタンにしても至るところでドキュソ丸出し。そのくせキリスト教的道徳だけは遵守しやがって。
こんな奴らがヒーロー&ヒロインな中世ヨーロッパに生まれなくて俺は本当によかったと思った。

だがケルト神話のゲイシュ(呪い)をフィルトルという簡素かつ強力なガジェットに置き換えた点、
息もつかせぬ展開の妙、それから「白い手のイズー」に萌え苦しませてもらった点を評価して8点やる。
俺はこの手の薄幸ちゃんに弱い。プチ悪女めいた役柄ならなおさらだ。
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