今日読んだSF/FT/HRの感想@SF板まとめページ

フィリップ・K・ディック

最終更新:

zgok0079

- view
管理者のみ編集可

あなたをつくります

17 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/04/12 06:16

F・K・ディック
「あなたをつくります」
絶版だったのが再版で出たっつーんで買ってみたところ...

前半の話の流れからして、後半の展開が不自然。
終盤のアイデアは面白いと思うけど、中途半端な印象が残った。

よって4点。

242 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:05/03/11 19:52:18

「あなたをつくります」
ほう、リンカーンなどの歴史上の人物をアンドロイドで再現するのか、これは面白そうだ。
きっと現代に蘇った歴史上の人物達が自分たちのいた時代と同じように振る舞い、
果ては過去と現代が混乱するんだろうなぁ……
(読了)
はぁ? なんでリンカーン相手にカウンセリングとか
ビジネス上のアドバイスとかを受けなきゃいけないの?
そして最後は精神病院入り? なんだいそのオチは。
1/5点

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

244 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/10/09 21:47
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

初めて読んだディックの長編を数年ぶりに再読。
ある程度他の作品を読んでからの再読なので、前の時より理解度が増した。
本物と偽物、人間とそうでない物、を区別するのは何か?をテーマとした紛れもない傑作だと改めて認識。
偽の警察署に連行される辺りはヴァン・ヴォークトに通じる゛めまい感゛があり、一番面白かった。
意外に、映画のキャスティングをそのまま当てはめて読んでみても違和感なくて驚き。

10点

43 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:05/03/11 20:04:03
ユービックとタイムスリップがハァ?だったんで
しばらく積読だったアンドロ羊にチャレンジ。

よかった。
なるほどオールタイムベストに入るだけのことはあるね。
冒頭の精神操作機械からひきつけられた。
全編殺伐としたアクションで、だれが人間でだれがアンドロイドかわからない・・・
みたいな話かと思ったら、そうでもなかった。

自分は感情移入度の高い人間なので、
中盤からはイジドアかリックが死ぬんじゃないかとビクビクしっぱなしだった。
クモ虐待のくだりは流し読んだチキンです。
ハッピーかはともかく、やさしいエンディングでよかった。
マーサーとリックが一体化するくだりはよくわからなかった・・・

10点満点で9点

怒りの神

864 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/02/26(日) 18:03:33
「怒りの神」フィリップ・K・ディック&ロジャー・ゼラズニイ

それぞれに癖の強い二者の共作だが、割合としてはディック8:ゼラズニイ2くらいの印象を受ける。
SFっぽいフレームで始まって、どんどん悪夢的に逸脱していくストーリーは、
まさにディックそのもの。神学についての薀蓄やリルケなど詩の引用にゼラズニイの衒学趣味を観て取れるが、
話の進行とあまり関係ない対話にて述べられるので、実にディック的に読みづらい。
大戦争後の荒野で出会う狂った機械たちが良い味を出している。
3つだけなんでも「質問」に答え、その後相手を殺してしまう逆スフィンクスなロボットとか。
自転車を「修理」してホッピングにしちゃう自動修理工場とか。

7点

去年を待ちながら

473 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/11/07(月) 03:59:14
「去年をまちながら」 P・K・ディック
なんつー主体性のねえ主人公だ。ディック世界の主人公が生産的なことをするのを見たことがない
けど、これも同様。ストーリーや人物については特になにもいわない。いつものドラッグが出てきて
適当にでっかい世界観で、女が叫んで男が泣いて、それでも生き続けるというだけの話。
ディック小説を読んで、それが感情移入できるものだと、時々自分がみじめになってくるような
気がするのはなぜだろう? 今までしたことやしなかったこと、その他人生のありとあらゆることを
思い、たまらなく悲観的、または感傷的になってしまう。
ディックが書いているのは優しさだ。
それがあるからディックは今でも読まれている。時代性を問わないコンテンポラリーな作家なのだ。
巻末のインタビューもいい。いつか「ラスト・テスタメント」も読んでみよう。

8点

暗闇のスキャナー

244 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:05/03/11 20:06:47
「暗闇のスキャナー」
ディックの傑作と言うことで期待して読んでみよう。
ほぅ、変装してジャンキーたちのところへ潜入捜査している麻薬取締官が
仕事上、自分自身の監視もするはめになるのか。
おそらく、自身の監視をすることで内省的になり、
自己とは何か? てなことを考え始めるんだろうなあ。
きっと文学的に傑作なんだろうなあ。
(読了)
……
なんというか、主人公の内面の描写と言うより、
薬物中毒になったときの思考とか内面の声がだらだらと綴られているだけだなぁ。
あと、ジャンキーたちの、それこそ本当に意味も無い、与太話でかなり埋まっているような……
まぁ、薬物を栽培している疑いのある薬物中毒リハビリセンター(!)へ潜入させるために
主人公を薬物中毒にさせていた、というオチはそれなりにシニカルかもしれないが、
それでもこのオチに持っていくためにこれほどの枚数をかける必要があるかなぁ。
で、文学的なところを探すとすれば、
薬物中毒に陥ると言う病的な状態すら警察機構の歯車のひとつとなってしまうという、
末端に至るまで管理された現在社会が表現されている、というところかなぁ。
でも、これってそんなに傑作?
3/5点

40 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 12:27:23
暗闇のスキャナー フィリップ・K・ディック 9点

面白かった、と言ったら不謹慎かもしれんけど、とにかく感慨深かった
SFというよりかは、ルポルタージュ、もしくはドキュメントといった分類が合いそうな本

物語は麻薬中毒者アークター、覆面潜入捜査官のフレッド、同一人物であるこの2人の視点で
アークター編では脳が破壊されていく過程、フレッド編ではその論理が主に語られる

麻薬中毒者が最終的に廃人と化す理由を、知覚と認識という要素で、しっかりと説明しているのが面白い。いや興味深い
また、あまりにも悲惨であるアメリカのジャンキー社会を紹介する社会小説として読んでも面白い。と形容していいのだろうか
タイトルの「暗闇のスキャナー」とはなんだったのか?が明かされていく展開も面白…くはないだろう
つまりは、すげー本だってことだ

舞台は、ほぼ現実そのものだが、アンチユートピア小説以上にどうしようもない閉塞感を感じた
嘘によって破滅へと誘導されていく主人公が可哀想でならない

虚空の眼

479 名前:   04/03/11 04:04
ディック「虚空の眼」
マニア的な訳者解説が余計だが、本文はすばらしい。
レッドパージの余韻覚めやらぬ?時期にこんな政治的
にきわどいのテーマを描いて、しかも同時代の政治イデオロギー
に対する見方もぜんぜん古臭くない。SF作家と政治という点で言えば、
カードが最近翻訳されたシャドー何とかで、すっとぼけた政治感覚を
披露したのと比べれば、ディックのすごさがわかる。

ジョーンズの世界

「ジョーンズの世界」
ほう、人類全体の未来を予知する超能力者か。
その予知は必ず当たるから人類にとっては「真実」となり、
作品の中で時代を席巻していた「相対主義」と相対することになるのか……
また、そこに太陽系外から未知の物体が飛来してくると言う事態も重なり、
これはかなり面白くなりそうだ……
(読了)
自分自身の末路も見通していて、
それを利用して歴史に(汚名ではなくして)名を残そうとも企てていた、
というオチ自体はまぁ普通だけど、これを長編のオチとするのはどうかなぁ。
あと最初と最後に出てきたミュータントの存在も、
主人公達の避難場所を作るためだけにとってつけたような感じがするし……
2/5点

時間飛行士へのささやかな贈り物

319 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/09/24 13:05
ディック「時間飛行士へのささやかな贈り物」

原書の短編集を「パーキー・パットの日々」と2分冊にした物の
後半部だけあって、どれもハズレがなくて面白い。
相変わらず同じテーマの作品ばっかり書いてるのに、
どんなオチが待っているのか気になってどんどんページを
繰らせてしまうディックのストーリーテリングに感服。
「父さんに似たもの」「人間らしさ」「おお!ブローベルとなりて」が特に好き。

9点

聖なる侵入

442 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/06/11(日) 11:25:55
フィリップ・K・ディック「聖なる侵入」

あの「ヴァリス」の続編と言うことでかなり分り辛い内容ではないのかと思って
期待しないで読んだが、以外に以外、かなり面白かった上に何より分り易かった。
前作と同じく登場人物のセリフには電波が飛び回っているが、ストーリーは
謎の少女と話しながら自分の存在を知っていく少年と、アイドルのケツを追いかけまわる
その父親だけに焦点を合わせているので混乱せずに読めて、綺麗なハッピーエンドに終わったのも
好印象だった。神の良心であるジニたん萌え。
正直、巻末の大瀧啓裕氏の解説の方がはるかに意味不明だった。
ヴァリスの時といい、本当に誰が読むんだあれ。

8点

タイタンのゲーム・プレーヤー

592 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/02/20(火) 23:00:22
タイタンのゲーム・プレーヤー/P・K・ディック 1963年
創元推理文庫
エイリアンとモノポリーで遊ぶお話ですw
ディックのものの中では比較的読み進んでいきやすいと思いました
SF的にはツッコミ所満載ですが、まーディックだからしゃーないとゆうことで。
6点

ドクターブラッドマネー

168 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:05/02/05 03:20:20
ドクター・ブラッドマネー7点
破滅物。
登場人物が無駄に多くて小説としてはド下手だが
ディックならショウがねえか。
つうかディックの割にはマシな方だ。
腹の中の弟最高。

462 :名無しは無慈悲な夜の女王 :sage :2007/01/28(日) 22:22:30
ドクター・ブラッドマネー
フィリップ・K・ディック(佐藤龍雄 訳)
創元SF2005年

書いてることが全く難しくなく、というか難しい説明を一切端折っちゃってる
潔い一品ですね。超能力なんかの小ネタも、結局「そういうのが備わってます
  • できます」ってだけ。さらには(たぶん)戦争に突入した理由すら端折って
しまっていて、もう何も考えず読むしかない状態です。
時代もあって何もかも古くさい感じがしますが、戦後の復興がメインですから
あまり違和感を感じなくて済むかなと思います。
身障者への差別語とか、共産圏へのそれとかがあまりに豊富なのは
ディックの意向なのか、そういう時代を描写しているからなのか?あんまり
作家のことを考えて読んだことがないのでわかりません。でもやっぱり
出過ぎだよな。
最初に書いたように、つっこみたいところはいくらでもありますが、
この作品はそれをやること自体無意味みたいなんで諦めます。
まぁ悪党が(だいたい)死んで良かった良かった・・・?終盤の突っ走り
っぷりが凄かったな。突然普通の平和な復興の話になったようだった。
奇形が豊富だったけど、人が死ぬところをあまりドロドロやらなかったのは
有り難かった。パニック物ってわけでもなかったし。
ちょっと変な心理描写が多い・長い感じはしたけど。
以上。7点

流れよわが涙、と警官は言った

426 名前: 408 02/11/18 13:55
ディック「流れよわが涙、と警官は言った」

前半は410の言うようにちょっと辛かった。
普通小説っぽいのが苦手、という訳ではないのだが(「高い城の男」は最初から最後まで面白く読めた)、
第2次大戦の帰趨が逆転した世界、というわかりやすい世界観に比べて、
スイックスであるということはどういうことを意味するのか、という点などが
ちょっとわかりにくくていまいちのめり込めなかった。
70年代に入ってからの長編作品を読んだのはこれが初めてだったので、そのせいかとも思った。
しかし、後半からグッと面白くなった。
冒頭の謎の解明は「ンな、アホな!」と思うくらい無茶だけども、そこも含めていかにもディック。
他の作品にも増して、ディックの複雑な女性観がたっぷり描かれているのも面白い。
70年代に入って円熟してきたせいか、エピローグが今までの作品ではあまり
感じられなかった温かみを醸し出しているのも良い。
しかし、正直なところ20代ではまだこの作品を十分味わえないような気がする。
十年後に読み直してみたい小説だ。

6.5点
次は「暗闇のスキャナー」に挑戦しようかと思ったけども、
あんまり続けざまに読むのも勿体無いので、もう少し間を置こう。

パーキー・パットの日々

121 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/06/11 15:07
「パーキー・パットの日々」ディック

ディックの短編集は「悪夢機械」「模造記憶」「マイノリティ・リポート」
「まだ人間じゃない」「地図にない町」を読んでいたけど、
取っ付きやすさと完成度のバランスの点で、いまのところこれが一番だと思う。
ほとんどハズレがないけど、「ルーグ」はよくわからなかった。
ただのアイデア・ストーリーなのか風刺なのか、風刺だとして何の風刺なのだろうか?
とにかく、これなら同じ原書の後半部にあたる「宇宙飛行士へのささやかな贈り物」も
期待してよさそうだ。

9点

パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

408 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/11/11 12:09
P.K.ディック「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」

久々に読んだディックの長編。
うじうじと喪った物を悔やんでばかりいる主人公、
どこからが現実でどこからが幻覚なのか訳がわからなくなってくる悪夢世界、
果たして自分はこの小説の内容を正確に理解しているのだろうか?という不安感、
どこをとっても紛れもないディック印で、堪能した。
短編「パーキー・パットの日々」と読み比べるのも面白かった。
もうちょっとB級活劇的要素が欲しかった気もするけど。

7点

ヴァリス

473 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 本日のレス 投稿日:2005/11/07(月) 03:59:14
「ヴァリス」 P・K・ディック
危うい緊張感が漂う小説。ギリギリだなディック、と何度も思った。神学関連についてはその知識がないのでパス。
そうすると感想が書けなくなってしまいますね。ディック作品には色々と神学が含まれてるのもあるけど
↑といってしまうぐらいに、今回のディックはマジだ。はっちゃけすぎ。売れなかっただろうなこれ。
「わたし」がいることでかろうじて小説の体裁を保ってる感じだ。
内容については、わけが分からないながらも、それなりに面白くは読める。
そんなに救いが欲しかったのかとちょっと同情してしまったな。VALISの扱い方がうさん臭くてとてもいい。
そして解説が長いのが気になった。誰が読むんだあれ。

5点

マイノリティ・リポート

549 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/12/08 00:22
フィリップ・K・ディック「水蜘蛛計画」(マイノリティ・リポート所収)

内輪ネタの(SFファンにとっては)楽しいSF。恥ずかしながらディックってあまり読んだこと
ないんだけど、ちゃんとSF界に愛着持ってる作家だったんだ、とちょっと驚きました。
ヴォネガットみたいに、あまりSF界を好まない作家だと思ってたんで……。
内容は、まあ、他愛ない感じ。8点。

模造記憶

172 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/07/12 23:54
ディック『模造記憶』

ブックオフの100円コーナーで買ってきました。
『トータルリコール』は観てたけど、原作はこんな感じなのね。って全然違う
じゃん!
『アンドロイドは…』『ヴァリス』あたりから入った新参者にとっては、
「ディックってこんなのも書いてたんだ」と感慨しました。
7点。

ユービック

559 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/12/20 08:54
ディック「ユービック」

高校生の頃「まだ人間じゃない」を読んでガッツリ頭にきて以来、
10年近くディックを避けてきた。
これでつまんなかったら、もう二度と読むまいって思って読んだけど、
どっこい面白かった~。
やっぱり人気者には理由があるんだね。
だから、過去の事は水に流して、またディック読むことにしたよ。

9点!

934 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/05/31 01:22
「ユービック スクリーンプレイ」PDK ハヤカワ文庫
大昔に「ユービック」読んで内容忘れてたけど、この本でところどころ思い出した。結構面白い。短編以外のディック入門としては、案外おすすめかも?
だけどなんでディックの本て解説が多いんだろ。正直、大瀧あたりから解説だか評論だかうざい。その分要らないから安くしろ。自分が読んだ本ぐらい自分で判断するわぁ。それから、活字も小さく、行間も狭くして、本をもっと薄くしろ。
だけどディックには責任ないから8点。

488 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/03/17 07:57
「ユービック」F.K.ディック
11人もいた反予知能力者各々のキャラが
活かされずじまいだったような。
予知能力(反-)という能力自体も
最初のほうしか使われなくて拍子抜け。

予知能力者集団 VS 反予知能力者集団
の複雑に入り組んだ思考ゲーム
みたいのを期待してただけに残念。
ディックらしい筋ではある・・

5点
記事メニュー
目安箱バナー