ショムニ

『ショムニ』はフジテレビ系列で放送されていた、江角マキコ主演のテレビドラマシリーズ。原作は安田弘之作の同名コミック『ショムニ』。ドラマが始まった1998年には高島礼子主演で映画化もされた。原作と映画については「ショムニ」を参照のこと。ここでは、テレビドラマの「ショムニ」のみを扱う。

都内にある中堅商社「満帆商事株式会社」(FINAL第2話から「George&Smith 満帆カンパニー」に社名変更)にある、「女子社員の墓場」「会社の掃き溜め」と呼ばれる部署・総務部庶務二課所属の6人のOLの活躍を一話完結形式で描く。彼女らは自らの欲望に忠実に行動しているだけだが、それが結果的に会社にとって良い結果を生むあるいは救ってしまうというのが基本プロット。

概要

ドラマのスタートは1998年4月15日。放送が始まるや否や高視聴率を獲得し、世間の話題をさらった。同年の10月7日には2時間のスペシャル第1弾、2000年の1月2日(正月)には「新春ドラマスペシャル」としてスペシャル第2弾が放送された。また、同年4月12日には連続ドラマの第2シリーズが放送、2002年7月3日には最後の連続ドラマとなる第3シリーズ(番組タイトルは「ショムニFINAL」)が放送され、2003年の1月1日(正月)には「ショムニFOREVER」としてスペシャル第3弾が放送され、事実上完結した。ちなみに初回と最終回は15分拡大である。

名実ともに、江角マキコの代表作となった。

総務部庶務二課

通称「ショムニ」(原作やドラマのタイトルはここから来ている)。社内の落ちこぼれ社員たちが集められた、社の掃き溜め部署。普通、ここに左遷された社員はほとんどの場合、4日で自主退社している(場合によってはリストラされることもある)が、彼女たちの場合、人一倍正義感が強く、満帆商事(満帆カンパニー)を辞めることはほとんどない。割り当てられている仕事は、蛍光灯やトイレットペーパーの交換、郵便や名刺の配達、社内行事の取り仕切りなどの「雑用」的なもの。また、前述のように彼女たちは割り当てられている仕事に加え、自らの欲望に忠実に行動しているだけであり、満帆商事(満帆カンパニー)が不況に陥ると、その欲望で満帆商事(満帆カンパニー)を救っている。場所は地下の元・備品倉庫。人事部は人件費節約と自らの出世のためにこの「ショムニ潰し」を目論んでいる。また、「ショムニで○番目の席に座る」と記載されているが、これはショムニに左遷された順番ではなく、男とどれだけ付き合っていたのかが多いほうから順番という事になっている。

キャスト

  • 坪井千夏(つぼい ちなつ) - 江角マキコ
本シリーズの主人公。ショムニで1番席に座る、ショムニのリーダー的存在(ただし、蛍光灯交換のために脚立を担いで歩くのは彼女の役割である)。入社当初は宣伝部に配属されていたが、協調性はゼロ。なおかつ、経費を湯水の様に使う問題社員だったが、実力はピカイチでやがて一目置かれるようになった。「頑張っているね、坪井君。」と褒め、尻を触った当時の部長に、マイク・タイソン張りの鉄拳パンチを喰らわせたため、庶務二課に飛ばされたが、持ち前の口の悪さと自己中心的な発想で庶務二課を自分勝手な課に育て上げる。彼女についての学歴や、プライベートなどについては一切不明だが、同じ庶務二課に在籍する丸橋梅とは小学校からの幼馴染みで、梅に弱みを握られている(「泣き虫チーちゃん」「ピーピーチーちゃん」というあだ名を付けられた事など)。また、新潟県柏崎市の出身である事は明らかにされている。ショムニのメンバーに対しては、年上の徳永あずさでさえ必ず呼び捨てだが、宮下佳奈にだけは「佳奈さん」と「さん」づけし、一目置いている。酒の飲み比べは大の得意だが、歌とボウリングは大の苦手。退社後は毎晩のように飲み歩き、勤務中は二日酔いで体調が悪いが、退社時間が近づくと元気になる。同期入社である秘書課の杉田美園とは犬猿の仲であり、社内で遭遇する度にイヤミを飛ばし合う(しかし何度か、杉田のピンチを救ったことがある)。FINAL第1話で大金持ちの御曹司と結婚し、寿退社したかと思われたが、婚約指輪を質屋に入れたことがばれてしまい、すぐに離婚してしまう。FOREVERで佐和子以外のメンバーが退社した後、自分が退社すると同時に佐和子にショムニを預け、行方を眩ませて行ったが、屋台で男たちと遊ぶ場面が描写されている(が、やや不明確である)。シリーズを通して髪型は一貫してロングヘアであり、髪色は第1シリーズ~スペシャル2までは黒髪、第2シリーズ以降は茶髪になっている。決まり文句は「女の価値は男の数で決まる」。
  • 丸橋梅(まるはし うめ) - 宝生舞
ショムニで5番目の席に座る、千夏とは幼い頃からの幼馴染み。かなりの頭脳派。当初、海外事業部配属を希望し、受けた入社試験は筆記が歴代トップの100点満点だったが、面接は最悪の15点だったため、経理課に配属される。そこで彼女は海外事業部配属を狙い、緻密な計算を基に「10%経費削減計画」を立てるが、庶務二課によってトイレットペーパーを回収され、社長は激怒。結局、失敗に終わり、その責任を取らされる形でショムニ送りとなる。ショムニ送りになった当初はまだ海外事業部異動に執心していたため、ショムニを嫌っていた。大学時代には英検1級ほか23種類の資格を取得しており、アラビア語など10ヶ国語をマスターしている(FINALでは15ヶ国語に増えており、16ヶ国語目にインドネシア語を勉強している。さらにFOREVERでは33ヶ国語目をマスターしようとしていた)。1度、そのアラビア語のおかげで(第1シリーズ第11話で)念願の海外事業部に異動命令が出ていたが、自分がしたかった仕事ではないことと千夏の言葉で改心し、異動後2、3日でショムニに自ら戻り、晴れて正式なメンバーとなる。上昇志向がかなり強く、将来は満帆初の女性重役になって(FINAL以降では社長になることに変わっている)、満帆商事を超一流の商事会社に育て上げ、雑誌「LIFE」の表紙を飾るのが目標。しかし、退社しその後外務官、通訳などを経験した後、チャンジェールに移住し、石油会社に就職している。また、6人の中で毎シリーズを通して髪型を変えており、順にショートカット(第1シリーズ・スペシャル1)→ロングヘア(スペシャル2)→シニヨンヘア(いわゆる「団子結び」 第2シリーズ)→三つ編み(片方だけ、FINAL)→三つ編み(両方、FOREVER)となっている。また、眼鏡をかけており、第1シリーズ・第2シリーズでは会社にいるときのみ、FINAL以降は当初は前2シリーズ同様、会社にいるときのみ眼鏡をかけていたが、後に会社にいるときでも眼鏡をかけなくなった。
  • 塚原佐和子(つかはら さわこ) - 京野ことみ
ショムニで最下位の席に座る、メンバーのパシリOL。メンバーの中では最年少である。入社当初は営業三課に配属されていたが、上司との不倫疑惑(実は何もなし)で、不倫相手の奥さんが会社に乗り込んできて関係が発覚したため、ショムニに左遷される。性格は真面目だが、仕事の要領がかなり悪い。ショムニに左遷された当初は、千夏たちの欲望や行動になかなか受け入れられず、辞めようと思うが、千夏たちと行動を共にしたり、ショムニでの仕事経験を重ねることで自覚を持ち始め、ショムニで仕事を続けていくことを決意する。庶務二課の中では、最もマトモな価値観の持ち主で、井上課長と並ぶ無抵抗平和主義者(いわゆる事なかれ主義)。海外事業部のエリート社員・右京友弘に想いを寄せており、右京と結婚するのが夢である。FOREVERにて美園が右京への想いから離れたことでようやく交際関係となる(?)。井上課長が定年退職し、自分以外のメンバーが退社して行った後も右京と結婚して寿退社することを夢見るためにショムニに残る。ショムニのメンバーの中で唯一(?)の処女である。シリーズを通して髪型はセミショート(第1シリーズ~第2シリーズ)→ひとつ結わき(FINAL~FOREVER)と変わっていた。
  • 宮下佳奈(みやした かな) - 櫻井淳子
ショムニで2番目の席に座る、社内一の魔性OL。必殺技は、謎の微笑み。入社以前の彼女の経歴・学歴は一切不明。入社当初は営業部に配属されていたが、配属されるや否や営業部の男性社員全員が彼女の虜になり、彼女をオトすため営業成績で争うようになった。だが、強引で無理矢理な営業にクレームが続出し、その元凶としてショムニに飛ばされた。庶務二課の中では千夏までも「佳奈さん」と呼ぶなど、一目置かれている。そして入社以来、早坂社長や川崎専務、鹿島常務らの愛人であり、満帆商事会長の10人目の愛人でもあることから、満帆商事重役陣は別名「宮下ブラザーズ」と呼ばれている。なお、会社の合併後に就任した前川社長とも愛人関係になった(早坂社長らと比べると描写はやや曖昧であるが)。その関係で、会社の裏事情に精通しており、千夏たちがそれをネタに重役陣を強請ることもしばしば。「~わ」が口癖。退社後は化粧品メーカーに転職し、独立を目指し、各社重役の間を資金調達に奔走している。シリーズを通して髪型はセミロングであり、6人の中では髪型があまり変わっていない。ちなみに第2シリーズ以降はリエとセミロングが多少似ている。
  • 徳永あずさ(とくなが あずさ) - 戸田恵子
ショムニで3番目の席に座る、情報通・仕切り屋のOL。メンバーの中では最年長である。入社当初は経理課に配属されていたが、趣味と実益を兼ねた株式売買で会社の持ち株を勝手に売買したため、ショムニに飛ばされた。本来なら懲戒解雇なのだが、取引の結果、会社は大儲けしたのでショムニ送りだけで済んだ。趣味は貯蓄で、仕事中にも財テクに精を出す。昼休みの会議室では、女性社員に対し「会員制ブランド品オークション」(年会費1000円、出品されるブランド品は相場の30%OFF)を開催している。第1シリーズでは独身だったが、スペシャル1以降はショムニで唯一の既婚者となった。夫の赤瀬川友彦は年下で、早坂社長の妻のサユリ夫人の甥であり、貸金庫同好会で出会い、スペシャル1で結婚した。FINAL第8話では赤瀬川がロンドンへの派遣行きが決まったことが原因で離婚危機に至るも、赤瀬川が彼女を人一倍愛しているという理由でショムニに残ることを決意し、赤瀬川はロンドンへの派遣が決まったことで離婚は免れた。なお第2シリーズ後半では戸田のスケジュールが他の仕事とバッティングしてしまい、他の仲間との競演シーンが大幅に減った為、「競歩競争に出る」「貸金庫に閉じ込められる」等の強引な展開でかわしている。その後FOREVERで妊娠9ヶ月であることがわかり、後に無事出産。退社後は専業主婦となり、株式運用や娘の英才教育に多忙な日々を送っている。シリーズを通して髪型はショートパーマ(髪型は同じだがシリーズが進むごとに変化していた。スペシャル2のみツインシニヨン)だった。
  • 日向リエ(ひむかい りえ) - 高橋由美子
ショムニで4番目の席に座る、占い師のOL。メンバーの中で唯一、副業を持っている。入社当初は人事部に配属されていたが、社員名簿を作成している時に名簿に名前が出ている社員の運命が見え、それを口にした。すると、それが全て的中し社内中がパニックになり、見かねた人事部長によりショムニに左遷される。無口で暗い雰囲気だが、優れた占いの能力を持つ(占い方法は水晶とタロット、ちなみに子供の頃のあだ名は「占いさん」である)。副業として(夜は)丸の内にて、「クリスティーヌ日向」という名で占い師をしていて、よく当たると評判である。予言でショムニを救った事も度々。但し、その予言には相当の体力を消耗するため、連続してやり過ぎると倒れてしまう。口癖は「それもまた運命です」・「運命には従うべきです」である。高橋もFINAL後半ではスケジュールがバッティングしてしまったため、他の仲間との競演シーンが少なく、「高熱を出した神谷をつきっきりで看病(祈祷)する」「予言で見えた黄金がまばゆ過ぎて早退する」等の強引な展開でかわしている。退社後は占い業の傍ら、占い未来日記の執筆を続けている。シリーズを通して髪型はセミショート(第 1シリーズ~スペシャル2)→セミロング(第2シリーズ~FOREVER、FINAL以降はカチューシャをつけている)と変わっていた。ちなみに第2シリーズ以降のセミロングは佳奈と似ている。
  • 井上洸一(いのうえ こういち) - 森本レオ
庶務二課の課長。温和で物腰が柔らかいが存在感は無く、いつも庶務二課の部屋で飼っている猫の世話をしている(会社で内緒にしていたが、ほとんどバレていた)。朝8時に出勤して夜8時に帰宅するのが普段の日課である。1度(スペシャル2)でリストラされたが、ショムニーズの面々に助けられ晴れて復職し、FOREVERで定年退職した。

なおドラマのストーリー中では、同期入社である塚原と丸橋以外のメンバーの過去の配属先やショムニ送りになった理由などは一切語られていない。ちなみに丸橋梅(宝生舞)のみ第1シリーズの第3話から登場している。

また、ショムニーズはスペシャル2終了~第2シリーズ第1話序盤までメンバーそれぞれ別々のところに出向しており、千夏は漁師、梅はファーストフードの店員、佐和子は工事現場の交通整理、佳奈は庭師(といってもただ庭園でお茶を飲んで微笑んでいるだけ)、あずさはゴルフのキャディー、リエはブライダルサロンの相談員になっていた。さらにFINAL最終話では、前川社長の親友で社長代行として登場した富田明と人事部の策略によって一時期他の部署へとばされた事もあり、千夏は秘書課、梅は人事部、佐和子は警備課、佳奈は海外事業部、あずさは食堂、リエは受付嬢、井上課長は営業課になっていた。
最終更新:2010年08月19日 21:43
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