概要
戦闘に至るまでの背景
9538年、世界を荒廃させる戦争「第四次世界大戦」が勃発し、各地で戦闘が開始された。
当時大陸で最大勢力を誇っていた
パラスティア国は、
ジークライ国、
プレスロード国、
ティヤマ国、
ナルミア国の連合国と戦うが、四か国はほとんど連携を取らず、それぞれの国が独自に動いたこともあり、
パラスティア国が有利な戦局が続いていた。
しかし、あらゆる陣営に武器を売っていた
マクセス社、
オルトリンデ社が、戦争の長期化を狙って連合軍側に優先的に優れた兵器を販売、その結果9544年に
パラスティア国が各戦線で歴史的大敗を喫し、連合国軍が一気に勢いづく。
9546年、
パラスティア国が水面下で開発していた
スレイヴギアが完成。
軍人でもない一般の女性を、
ルーナが適合したというだけで強制的に徴兵して武装させたこの兵器は、当初は国内でおいてすらその存在意義が疑問視されていたが、初戦から圧倒的な火力をみせ、一気に評価を一変させた。
9549年、戦局を再び押し戻すべく、
プレスロード国はレインダースの地に主力部隊を派遣。
プレスロード国は、ここに至っても他国との連携はとらず、更に噂に聞く
スレイヴギアも、所詮は誇張して宣伝されたプロパガンダだと思っていた。
両軍の戦力
戦闘経緯
当時の
プレスロード国軍の主力部隊である地上部隊、航空機、艦隊が集結した。
レインダースの地を奪えば、
パラスティア国の領土を南北に分断することも可能であり、全軍の士気は高かった。
そこに立ちふさがる
スレイヴギア部隊を見た時、
プレスロード国軍の中で笑いが起きた。
「薄着の少女たちが屈強にて精強なる我が軍の前にあらわれたが、あれは降伏の踊りの準備をしているのか?」そんな通信が前線から送られてきたという記録が残っている。
しかし、そのわずか数時間後、前線からの通信は途絶し、全面攻撃を開始した
スレイヴギア部隊によって、
プレスロード国軍は業火の中に焼き尽くされることとなる。
スレイヴギアの装備そのものは特別珍しいものではない、しかし本来なら巨大兵器や要塞にしか搭載できないレベルの高出力兵器を人間サイズにまで落とし込むことに成功したのが
スレイヴギア最大の特徴である。
プレスロード国軍の攻撃は、本来なら要塞に搭載されるレベルの高エネルギーを必要とする自動発動シールドを「標準装備」として持つ
スレイヴギアによってことごとく弾かれ、反撃として放たれた戦艦の主砲に搭載されるレベルの高出力砲撃が、彼らの通常シールドをいとも簡単に貫通した。
人間が装備しているため、他の兵器よりも柔軟な動きに対応し、更に短時間なら航空機に匹敵する飛行能力も見せ、地上から空から次々と攻撃を繰り出す。
どんな歴戦の勇士も、どんな優秀な指揮官も、こちらの攻撃が通用しない相手が敵では手の打ちようはなかった。
決戦はわずか1日で終わり、
プレスロード国軍は「故郷の妻子が流した涙で大河がうまれた」と言われるほどの損害を受けた。
一方で、それまで普通の生活を送っていたのに、先天的に持つ
ルーナが適合したという理由だけで強制的に
スレイヴギアの
コアユニットとなった少女たちも、「故郷のために」と説得されて戦争に参加した結果、自分たちの行った行為に恐怖し、精神的にダメージを受ける者が少なくはなかった。
だが、
ルーナさえ適合すれば素人でも戦果があげられることがこの戦いで判明したため、
パラスティア国軍は「
コアユニットはいくらでも代わりがいる」と、意に介すことはなかった。
なお、後に
ホワイトフォックス隊としてかかわることとなる
パトラが新兵として、そしてAI搭載型
スレイヴギアの試験運用として、密かに
アザミと
零式・改も実戦投入されていたが、それぞれ全く異なる部隊に所属していたため、この戦いで顔を合わせることは一切なかった。
また、
ディーマイナの姉
イーマイナも当時は航空隊として参戦し、初陣でいきなり戦果をあげエースへの階段をかけあがっていた。
戦いの結末
戦いは
パラスティア国の圧勝に終わった。
だが、そこにこそ新たな問題があった。
あまりにも圧勝し過ぎた結果、「このままならすぐにでも他国を蹂躙できる」と判断した
パラスティア国内において、「占領下においた領土を誰がどの様に統治するか」という水面下の激しい駆け引きとつばぜり合いがはじまった。
その「血の流れない内戦」が決着つくまでは新たな進軍ができないにらみ合いの状態となり、
パラスティア国の進軍速度は想像以上に遅いものとなる。
最終更新:2024年07月12日 18:43