概要

ロイカーンの戦いとは、ラドリザン1525年1月、ラコルニア帝国とクレアクライシスの間で起きた戦いである。
この時代の闘争に決着をつけた両国における最大の決戦とされている。


戦闘に至るまでの背景


食糧問題から端を発したラコルニア帝国とクレアクライシスの戦いだったが、戦局はクレアクライシス優勢に傾いていた。
しかし、クレアクライシスに広大なラコルニア帝国を完全制圧する力はなく、両国は決め手を欠いたにらみ合いが続いていた。
レアルーシは、ティアと和解し、その軍勢を得て、クレアクライシスとの決戦に挑んだ。
常に平和路線を口にしていたティアがこの戦いに協力したのは、「この一回だけ矛を貸してもらい、クレア軍との戦いで勝利して、その戦果をもって和睦を結ぶ」とラスケートに説得された為である。
ラコルニア帝国軍は、帝都の守備を蜂起してまで、全軍をあげて北上。
これに対してクレアクライシスも、聖都ヒモロギと、カッチェ駐屯の主力部隊が出陣し、両軍はロイカーンで対峙した。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ラコルニア帝国軍
軍勢
クレアクライシス
総兵力49000 兵力 総兵力52000
レアルーシ 総指揮 守矢桔梗
ラスケート 軍師
主要参戦者

レアルーシ

ティア

ラスケート

ミューゼル

ノイエ

守矢桔梗

白峰翠

クリスティナ

鈴音美玖

朽木

ウァール

テレーゼ


戦闘経緯


この戦いの前、神威巫女としての本能から、「この戦いが両国の行く末を占う戦いになる」と察した守矢桔梗が、自ら出陣を嘆願。
北からくるヒモロギからの部隊と、西からくるカッチェからの部隊が合流できるロイカーンの地が戦場に選ばれた。



北部戦線は、ティアの部隊が、西部戦線はレアルーシの部隊が担当。
これは、帝都周辺ほど天災の被害を受けていなかったカルカシア領が、当時帝都よりも強大な戦力を有していたためである。


西部戦線では白峰翠ノイエが激突、ラスケートは、クレアクライシス軍の一部隊を誘き寄せて殲滅するが、すぐにその穴を別部隊に埋められる。
北部戦線では、ミューゼルが浅瀬を渡り奇襲を仕掛けようとしたものの、クレアクライシス軍も同じ考えの部隊がいた為、互いに遭遇戦となる。


レアルーシは、本陣を一気に押し上げ、短期決戦のため守矢桔梗の本陣への突撃を命じる。
これに呼応して、ラコルニア帝国軍は全軍一気に突撃、クレアクライシス軍の防壁を突き崩していく。
しかし、西部戦線において、敵軍を食い止めていたラスケートが戦死。
このまま西部戦線が崩壊して、一気にクレアクライシス軍が北上すれば、レアルーシは南北から包囲され、突撃はここで終わる筈であった。
しかし、西部戦線はこのときラスケートノイエの奮戦により各部隊の指揮系統が崩壊し、目の前の敵しか見えない状態となっていた。
特に、白峰翠の指揮下に入ることで、実力以上の戦果を出していた朽木は、白峰翠に恩を売る好機と、北へ向かわずノイエを完全包囲する。
これに対してノイエ陣形を氷結の陣として、包囲されながらも敵軍を食い止める気迫を見せ、逆にクレアクライシス軍は、朽木が狭い戦場に無理やり合流した事によって、混乱状態をおこしていた。


そして、レアルーシの突撃に呼応して、ウァールミューゼルが次々と防衛網を突破。
ついにクレアクライシス軍本陣に迫ったところで、ロイカーンの戦いは急速に終わりを遂げた。
守矢桔梗は、自身も戦うと主張したが、流れ矢にあたり負傷、部下が彼女を強引に抱えて撤退し、クレアクライシス軍の全軍撤退に繋がった。
ラコルニア帝国軍にそれを追撃する力はなく、特に西部戦線においては、白峰翠を中心にほとんどの部隊が追撃を受けることなく北へ抜けたが、混乱状態を生み出した朽木だけは撤退に失敗して戦死する。

その帰国する部隊の途上にいたティアは、テレーゼのすばやい機転により戦線より東へ離脱、このとき、もしこのまま戦場に残っていれば、北上するクレアクライシスの部隊によって討ち取られていたと言われている。


戦いの結末

ラコルニア帝国軍は勝利を手にしたが、それが中身の伴わない「見せ掛けの勝利」だったことは一目瞭然であった。
だが、クレアクライシスに対して「この先もまだ戦うのなら、これだけの戦いがまだ帝国にはできる」という印象を強烈に残す事には成功し、当初の予定である「戦果をもって和平を結ぶ」道が急速に開くこととなった。

最終更新:2024年07月24日 01:52