向川線とは、以下のものを指す。
- 1:「路線名称としての」向川線(むこうがわせん)とは、遠山市の遠山台駅から桜宮市の桜宮駅までを結ぶ塔野高速鉄道の鉄道路線。新都大海ラインを形成する路線のひとつ。1991年までは都西線の一部だったが、遠山台駅付近の配線変更により都西線より分離された。
- 2:「運行系統の名称としての」向川線(むこうがわせん)とは、遠山市の遠山台駅から途中各駅に停車し向川市の向川中央駅までを結ぶ運行系統の通称である。路線案内で用いられるラインカラーは■黄色、駅ナンバリングで用いられる路線記号はMK。
本項では1・2両方について述べる。
1の概要
新都都市圏と大海地方を結ぶ路線のひとつ(在来線としては唯一)であり、桜宮駅からは今鉄桜宮線と直通運転を行い、新都大海ラインとして一体の運行を行っている。それ故に都市間の旅客流動が盛んであり、新都への通勤需要のために快速列車が多数、特急列車「さくら」「あざみ」も運転されている塔野高速の基幹路線のひとつ。1989年の向川中央駅~桜宮駅開業、1991年の線形変更による都心直結化以降は新都都市圏-大海地方の移動需要が急増、追って路線の一部複々線化・路盤改良による高速化を行い、2016年の新都大海ライン開業に至った。
路線データ
- 路線距離:44.2km
- 軌間:1,067mm
- 駅数:14駅(起終点含む、終点の桜宮駅は今海電鉄管理駅のため、自社管理駅は13)
- 線路数:遠山台駅~向川中央駅間:複々線, 向川中央駅~桜宮駅間:複線
- 電化区間:全線(電化方式:架空電車線方式 直流1500V)
- 閉塞方式:移動閉塞式
沿線概況
遠山台駅-向川中央駅間
高架の遠山台駅を出発すると大きく左にカーブし、直進する青葉浜線が右に分かれて進路を南に変える。高架から地上に降り、方向別複々線からこの区間では線路別複々線となり、東側に新都大海ライン・貨物列車の通る急行線、西側に各駅停車の通る緩行線となる。次の南遠山駅は緩行線のみに島式ホームがある駅で、ほどなくして旧線(現在は遠山貨物線として使用)と合流し、進路を南西から真南に変えてすぐに島式2面4線の部屋川駅がある。ここから進路は若干西寄りにずれ、ほぼ直線区間となる。次の島式1面2線の新那須浜駅、その次の2面4線の直敷駅を過ぎると遠山市から向川市に入り、路線は向川半島の海岸線を行き、ここから先では海峡とその向こうにある散野島が車窓に見えるようになる。これと同時に緩行線・急行線の位置関係が立体交差で逆転し、今度は急行線が西側に付く。法示寺前駅、大谷須駅を経由して次の北向川駅を過ぎると向川市の市街地に入り、また立体交差によって今度は急行線が外側、緩行線が内側の方向別複々線となる。かつての向川市の中心に近い本向川駅を通過すると左手に新香新幹線の高架橋が見え、向川市の現在の中心駅にして向川線の運行上の拠点駅である向川中央駅に着く。
向川中央駅-桜宮駅間
向川中央駅を出発すると向川検車区、およびかつて新都都市圏と大海地方の間の物流を担うため運航していた成桜航路の新都側港である成川港へ向かう線路と分岐し、1989年に開通した高架の複線に入る。向川市成川地区の中心駅にして新都都市圏内最後の駅である成川駅を出ると、ここから先線路は桜宮市との間に架設されたさくら大橋を使い、海峡を渡る。橋を渡り終え桜宮市に入り最初の駅は東桜宮駅で、新都方面より来た電車の一部がここで折り返しとなる。ここから線路は桜宮市の中心市街地に乗り入れ、市の主要駅である桜宮中央駅を経由し、今海電鉄との境界駅である桜宮駅に到着する。
2の概要
遠山市と向川市を結ぶ地域輸送の運行系統であり、同区間を走行する新都大海ラインに対する緩行線の役割を持つ。何回かの路線名称・運行区間の変更を経ており、現在の運行系統は2016年以降のもの。
運行形態
各駅停車のみが遠山台駅~向川中央駅で運転されており、日中は毎時4本程度(15分間隔)、朝ラッシュ時には最短5~6分間隔で運転される。途中駅で折り返す列車はなく(線内に折り返し設備はない)全列車が全区間を走行するほか、時刻表上には現れないが青葉浜線の遠山台駅止まりの各駅停車がそのまま遠山台駅より向川中央行として運転されること、またその逆に向川線の遠山台駅止まりの電車がそのまま青葉浜線の新都中央駅行として運転されることがある。