新都メトロ2000系電車 | |
基本情報 | |
運用者 | 新都メトロ |
製造所 | 篠宮車両製作所 船橋重工業(30番台のみ) |
製造年 | 1988~95年 |
製造両数 | 312両 |
運用開始 | 1989年12月2日 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1500V(架空電車線方式) |
最高運転速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 110km/h |
起動加速度 | 3.3km/h/s |
減速度 | 4.2km/h/s(常用) 5.0km/h/s(非常) |
車両定員 | 本文参照 |
全長 | 20,000mm |
自重 | Tc1車,Tc2車:27.4t M1車:34.2t M2車:33.8t T2’車:33.4t |
全幅 | 2,800mm |
全高 | 4,050mm |
床面高さ | 1,130mm |
台車 | ボルスタレス方式空気ばね台車 |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 |
主電動機出力 | 150kw |
駆動方式 | TD継手式中実軸平行カルダン方式 |
歯車比 | 85:14(6.07) |
制御装置 | GTO素子VVVFインバータ制御 |
制動装置 | 回生併用電気指令式電磁直通ブレーキ |
保安装置 | 本文参照 |
概要
1989年に開業する新都メトロ奈川線用に製造された。新都メトロで最初の形式である。
構造
以下特記なき限り量産0番台の仕様について記す。
車体
軽量ステンレス車体を採用。前面は中央に非常用貫通扉を配した切妻構造とした。また各車両間の転落防止幌を初めて本格的に採用した車両でもある。
走行機器類
GTO素子のVVVFインバータ制御を採用。1C8M方式とし,M1車に1基を搭載する。主電動機出力は150kwとし,将来の10連化時には付随車2両を組み込むことを想定していた。台車はボルスタレス式。
車内
奈川線のラインカラーである赤紫を中心とした暖色系のカラースキームとなっている。モケットに個別着席シートを試験的に取り入れ,足の投げ出しを防止するため床材は中央部のみ色を変更している。袖仕切りは0番台では化粧板で覆われていたが,30番台では大型のFRP製に変更されている。各扉上には3色LEDを使用した旅客案内表示機が搭載されている。
各形式
編成
6M2Tで製造された。なお検見山方を1号車とする。
2100(Tc1)
検見山方の先頭車両。
2000(Tc2)
商栄方の先頭車両。
2200,2500,2800(M1)
電動車。パンタグラフ2基,VVVFインバータ制御装置を搭載する。
2300,2900(M2)
電動車。こちらはブラシレス電動発電機(30番台は静止型インバータ)及び空気圧縮機を搭載する。M1車とユニットを組む。
2600(M2’)
編成内2基搭載の電動発電機は全てのM車に搭載すると過剰となるため,これを搭載しないM2車。
2400,2700(T)
10連化時に製造される予定だったT車。
次車別解説
試作車(2100F)
VVVFインバータ制御のテストのために1編成8両が製造された。量産車との相違点は
- 転落防止幌の形状が各車両で違う(複数形状の比較検討のため)
- 制御装置のうち2800に搭載されているものは1C1Mの個別制御
- 側面の行先表示機が3-5,4-6扉間でなく車端部にある
の2つ。このうち転落防止幌については2000年に量産化工事が施工され,全て同じ形状となった。
量産0番台(2101~30F)
本格量産車。1989年12月2日の南商栄~奈川新町間開業に備え22編成が,翌年9月1日の検見山開業に備えて8編成が追加で導入された。
30番台(2131~38F)
1995年に開業する船津線用に8編成が船橋重工業で製造された。変更点が多いことから30番台と呼ばれることがある。1999年以降は中間の2500-2600を編成から抜いて6連で運行されたほか、帯色が船津線の水色に変更された。当初より奈川線への転属を視野に入れており,2006年の商栄駅開業に備えて奈川線に転属した。
導入後の変化
最高速度110km/h対応工事
2006年に開始された塔野高速鉄道八真線との直通運転に備え,最高速度を従来の100km/hから110km/hに引き上げる改造が施された。
一部編成の機器更新
GTO素子のVVVFインバータ制御は保守部品の枯渇が問題となっていたため,一部編成に限ってIGBT素子,またはフルSiC-FET素子の新型制御装置への換装が行われた。
書類上の改番
2020年より実行開始された新都メトロの新車番規則では211000系となったが,すでに引退が近いこともあって改番は書類上のものに留まった。
保存
新都メトロ初のVVVFインバータ制御装置搭載車両であるため,2100Fおよび2101Fは営業運転終了後も動態保存を視野に車籍が残っている。