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  • 貫けよ、その弾丸で

貫けよ、その弾丸で

最終更新:2023年05月15日 01:44

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だれでも歓迎! 編集

貫けよ、その弾丸で ◆DNdG5hiFT6



「さて……どうしようか」

そう呟いた彼らの目の前にあるのは大きく二つに分かれた高速道路の分岐点。
片方は真直ぐ西に、もう一方は大きく曲がって南に続いている。
あの赤いマントの方のドモンの性格を考えるなら何も考えずに真直ぐ進む、というのがありえそうだ。
反対にドモンと名乗った少年のほうであれば人の多そうな下に行きそうな気がする。
なつきの方を見れば『どちらでもいいから早く決めろ』と言いたげに士郎の方を睨んでいる。
――何時の間に行き先を決めるのが自分の役割になったのだろう?
しかし事実何時までも悩んでいても仕方がないので、とりあえず西に進もうと提案しようとした――その時であった。
川向こうの――地図で言うショッピングモールあたりで建物が倒壊する音や銃声らしきものが聞こえてきたのは。
その音を聴いた瞬間、先程まで左右どちらにいくか悩んでいたはずの少年は踵を返して駆け出していた。

「!? 何処へ行く衛宮!」
「決まってる! あの場所へ行って、襲われている人を助ける!」
「な……!? 危険すぎる! 第一襲われている人間がいるとは限らん!
 この殺し合いに乗ったもの同士が戦っているだけかもしれないだろう!」
「だからって……放っておく訳にはいかないだろ!」

先程までの優柔不断さはなんだったのかと思える頑固ぶり。
しかもそれが見ず知らずの人間を助けるためだというのだからお人好しにも程がある。
なつきが止めるのも無視して、今まで来た道を逆走しようとする士郎。

「待て!」
「何だよ、止めるっていうんなら、ここで玖我とはお別れ――」
「一度下に降りた私が先導したほうが早いだろう……急ぐぞ」

――結局のところ、玖我なつきもお人好しと呼ばれる人種なのであった。



 ****



そして数分後――丁度二人が高速道路を降りたとき、断続的に続いていた破壊音が鳴り止んだ。
それは戦いが終わった合図。つまりは自分たちが間に合わなかったと言う残酷な結果。
それでも士郎は走るのをやめない。
――傷ついて倒れている人がいるかもしれない。
――まだ、助けられるかもしれない。
たったそれだけの可能性で士郎の足は動く。
そしてそんな奴に付き合うと決めた以上、玖我なつきの脚も止まらない。
だから二人は一刻も早くショッピングモールに駆けつけるべく、最短ルート……
つまり、警察署の横から道に出て、後は道沿いに走るという単純なものを選択した。
だが、結果から見れば彼らはもう少し考えるべきだった。
ここは殺し合いが日常と化した世界だということを。
黒衣の死神が道を歩いてやってくるという可能性を。

警察署の横を通り過ぎて道へ出ようとしたそのとき、士郎は久しく感じなかったその気配を感じた。
衛宮士郎はつい数ヶ月前まで濃密な殺し合いの中にいた。
だからまだ生々しいままに覚えている。背筋を凍らせるほどの純粋な殺気という物を。
それを感じ、本能的に首を向けた先にいたのは、黒く細長い影とその手に握られた“何か”。
それを見た衛宮士郎の取った行動は一つしかなかった。
――前に出ていた左手を伸ばし、なつきを突き飛ばす。
それと同時、先程までなつきの体があった場所――士郎の左肩を銃弾が貫いた。

「――ぐあッ!?」

なつきを突き飛ばしたままの不安定な体勢だったこともあり、士郎の体は銃弾の威力に吹き飛ばされる。
突き飛ばされて文句を言おうとしたなつきもその光景を目にして事態を把握する。

「このっ!」

なつきとてオーファン、そしてHiME同士の戦いを経験している身。
不安定な体勢を瞬時に立て直し、エレメントを召喚。黒い男に狙いをつける。
それは常人――否、普通の襲撃者であれば最善の方法であったはずだ。
その男、ニコラス・D・ウルフウッドが銃を求めていなければ。

なつきの銃を目にしたウルフウッドはディパックに手を突っ込むとあるものを放り投げる。
宙に放り投げられた物体――それは先程口にしていたただの水入りペットボトルである。
だがこの緊迫した状況下で無意味な行動は疑念を抱かせる。

――何故ペットボトルを投げた?
――もしやあれは特殊な支給品ではないのか?
――爆発物か? それとも毒か? それとも自分の想像もつかない魔法の物体?

生まれた疑念は幾つもの思考を生み、その分だけ体には躊躇が表れる。
だがその躊躇こそがウルフウッドの狙い。
ぺットボトルが地面に落ち、なつきが事態を把握したときには時すでに遅し。
触れられたと思った次の瞬間には左腕を完全に極められ、捻り上げられていた。
ピクリとすら動けない――いや、それどころか体の何処を動かしても左腕に痛みが走る。
腕一本で完全に相手を無効化する技術。背後の男が荒事に慣れた存在であることの証拠だった。

「――さっきまで持っとった銃はどこや」

耳元で囁くと同時、腕を強めに捻り上げる。
ただそれだけで関節、骨格、及びそれに繋がる筋肉すべてが痛みを叫ぶ。
なつきの額に脂汗が浮かびあがり、

「言う……ものか……貴様などに……!」

なつきにだってわかる。
ここで痛みに負けて話してしまえば自分は用済み、その時点で自分は殺される。
いいだろう。我慢比べだ。隙を見せたその瞬間、エレメントを再召喚して銃弾を叩き込んでやる。
だがなつきは理解していなかった。自分の背後にいる男が最早修羅に堕ちているということに。

「こんなとこに呼び出される以上、ある程度肝は据わっとるっちゅう訳か。
 じゃあ――これはどうや?」

ウルフウッドはそう言ってなつきの小指に手を伸ばす。
そして無造作に、まるで庭木の剪定を行うように逆方向に折り曲げた。

「え――」

なつきは一瞬自身の体に起きた異常を理解できなかった。
だが次の瞬間、指先から全身の神経に炎が燃え移るように激痛が全身を蹂躙し、陵辱する。
あまりの激痛に声が出ない。悲鳴は肺から押し出される意味の無い空気の塊に取って代わられた。

「……次は薬指がええか? それとも中指がええか?」

台詞だけ聞けばウルフウッドが加虐趣味の持ち主のようにも聞こえる。
だがそうではない。ウルフウッドはこれが最も効率的だからそうしているだけだ。
断続的に襲い掛かる激痛の中、なつきもそれを理解し、戦慄する。
自分の腕を捻り上げているこの男は、必要と判断すればこの男はどんな恐ろしい手段もとるに違いないと確信して。
言えば殺される。だが言わなければ更なる激痛にのた打ち回る羽目になる。
進むことも引くことも出来ないこの状況になつきが歯噛みしたその時、

「玖我を……放せぇっ!」

背後から接近した士郎が投影した白剣・干将を振るった。
だが左肩を怪我した状態で振るわれた一撃など歴戦の殺し屋には通じるはずもない。
ウルフウッドは器用に体を捌き、長い脚で士郎の脇腹を蹴り飛ばす。
その一撃だけで士郎の体はまるで紙の様に吹き飛ばされ、大地に打ち付けられる。

「衛宮!」

その光景を見たなつきの声に焦りが混じる。
それは先程までのなつきの声と何処か違う色を含んでいたからだ。
その様子を見てウルフウッドは確信する。
この二人は他人のために命を懸けれる種類の人間なのだと。
他人の痛みを自身のような痛みに感じる美徳を持った人間――それならば、痛めつけるよりも手っ取り早い方法がある。

「もう一度訊くわ……お前が持っとった銃はどこや。
 答えんのなら、こうするまでや」

そう言ってウルフウッドは倒れたままの士郎に向け、銃口を向ける。

「……!」

彼の予想通り、捻った左手を通じて少女の焦る様子が伝わってきた。
間違いない。こいつらは自分より人のことを心配する“お人好し”どもだ。
この方法は手の中の少女のような人間に対して、やたらと痛めつけるよりよっぽど効率的に話を進めることが出来る。
しかし状況は自分の有利に運んでいるはずなのに苛立ちは増している。
それは腐った行動を取った自分に対してか、それとも――目の前で立ち上がろうとする少年に対してか。

「……答え……るな……玖我」

肩を撃ち抜かれ、腹に一撃を受け吹き飛ばされ、その全身はすでにボロボロだ。
それでも士郎は玖我のことを心配していた。
自分は撃たれても構わないから、自分の命を優先しろと。
どうせ言えば二人とも死ぬ。ならばお前は生き延びろとその目が語っていた。
だが皮肉にも、なつきは士郎のその姿を見て決心する。

「……一つだけ、条件がある」
「……何や? 言うだけ言うてみい」
「衛宮には手を出すな。それが話す条件だ」
「玖我!」

咎める様に名前を呼ぶ士郎。そんな彼だからこそなつきは救おうと思う。
少年が我が身を省みず少女を助けたいと思うほど、少女は身を犠牲にして少年を救おうとする。
――それはあまりにも残酷で、同時に何よりもやさしく美しい矛盾だった。

「……考えとくわ」

ウルフウッドから返ってくるのはどちらとも取れる返答。
だがなつきはこれ以上粘っても、これ以上の条件を引き出すことは出来ないだろうと確信する。
情けない話だが今はこの男を信用するしかあるまい。
そう考え、なつきは口を開く。

「……私の銃は高次元物質化能力……特殊能力の類だ……
 だから私以外にはこの銃は使えない」

その言葉にウルフウッドはぼんやりと最初の会場での出来事を思い出す。
まるで安物の小説の様に変身して見せたあの男――
つまりこの会場にはああいうのが山ほどいて、今自分が腕を捻っている少女もその一人というわけか。
自分に扱えない銃など、意味も無ければ興味も無い。

「何やつまらん。もうええわ」

そう言ってなつきの拘束を解くウルフウッド。
その行動に二人は驚きを隠せない。
だが、見逃してくれるというのならそれを拒否する理由は無い。
なつきはありえない方向に曲がった指を押さえながらもボロボロの士郎の元へと歩き出そうとする。
だが――

「もうええから――逝きや」

パァンという乾いた音が響くと同時、なつきの胸から鮮血が飛び散った。
呆然とする士郎の目の前で、なつきの細い体はアスファルトの上に力なく倒れこむ。

「く……玖我ぁぁぁぁぁぁぁ!!」

士郎は傷ついた体を無理やり立ち上がらせ、倒れ込むなつきの体を受け止めようとする。
だがそれを留めたのはカチャリという撃鉄を起こす音だった。
見上げた視線の先にいるのは無表情のままで銃口をこちらに向けるウルフウッドの姿。

「恨み言ならあの世で聞くさかい堪忍してな、ボウズ」

咄嗟に反応しようとする士郎。
だが無情にも弾丸は発射され、立ち上がろうとしていた少年の体は1mほど吹き飛ばされるとそのまま動かなくなった。
少年は四肢を力なく投げ出し、大の字になって川縁に横たわっている。
それは死体のはずであった。だが、しかし――

――何か、おかしゅうないか?

何ともなしに少年を見ていたウルフウッドは違和感を感じ凝視する。
そしてその違和感の正体に気付く。
先程ウルフウッドが狙ったのは少年の“眉間”だった。
だというのに何故少年の頭蓋は原形を留めている?
そして注意深く観察すると仰向けになった胸は緩やかに上下していた。
そう、つまるところ、衛宮士郎はまだ生きていたのだ。

あの瞬間、士郎が反射的に行ったのは『投影』であった。
投影したのは無銘、しかも投影に至る八節のうち『構成材質の複製』と『製作技術の模倣』以外を無視した模造品としても三流以下の剣。
だがその構成速度は通常より遥かに速く、偶然も手伝いギリギリのところで銃弾を防ぐに至った。
しかし投影した剣が所詮出来損ないであったこと、ヴァッシュの銃の威力が重なり合い、
銃弾自体は防げたものの剣は一撃で粉々になり、その余波で額を強打してしまったのだ。

勿論そんなことはウルフウッドは知る由も無い。
だから単純に少女の銃のように何らかの特殊な手段によって防いだのだろうと考える。
そして死んでないのならば、今からもう一度殺せばいいのだ。
だが手持ちの銃の弾倉に残された銃弾はたったの1発。
瀕死の奴を殺すのに最後の一発を使うのも無駄が多い。
そこらへんの家のガラス割って、刃物代わりにでもするか――

と、そこまで考えたところで丁度自分と少年の中間あたりに黒光りする何かを発見する。
それは士郎が隠し持っていたデリンジャーであった。どうやら先程の衝撃で懐から転がり落ちたらしい。
銃を求めていたウルフウッドにとって、それを発見したことは渡りに船の事態であるはずだった。
だがウルフウッドの顔に浮かんだのは苦虫を噛み潰したような苦々しい表情だった。
しかしそれでも彼はデリンジャーを拾い、倒れたままの士郎に近づく。
士郎の瞳は明らかに焦点が合っておらず、意識があるのかどうかは判別できない。
だが、けじめとして一応言っておく。

「今度こそ、さよならや坊主」

そう言ってウルフウッドは動かない士郎の額にデリンジャーの銃口を押し当てた。



 ***



回る。廻る。視界が。世界が。ぐるぐると。狂々と。

(……まるで、螺旋だな)

玖我なつきは“死”を知っている。
否、“死に近いもの”を知っている。
かつて蝕の祭というHiME同士の争いで味わった消えていくという喪失感。
今なつきが味わっているのはそれに限りなく近しいものであった。
だが、何かが決定的に違う。
冷たく、暗く、寒い――“これ”はもう戻ってこれないものだ、と本能が訴えかける。
次第に掠れゆく意識の中にいくつもの顔が浮かぶ。

――舞衣
後は任せたぞ。
お前ならばこの狂った世界を何とかしてくれるに違いない。
あの時だってそうだったのだから。

――ドモンと名乗った少年
偽名を名乗ったのはきっとこの狂った戦場での精一杯の自衛手段だったのだろう。
だから、どうか生き延びて欲しい。

――静留
お前の想い……誰かに愛されるということは満更でもなかった。
できればもうちょっと控えめに表現してくれたなら、私も上手く応えられたかもしれないのにな。
残された彼女がどうなってしまうのか。それが心配でたまらない。

奈緒、命、迫水、碧……そして母。今までの大小関わらず人生で関わってきた人間の顔が浮かんでは消えていく。
だがその走馬灯の中に、たった一つだけ異質な映像が紛れ込んでくる。
それは今現在なつきの眼球が映し出している映像。額に銃を押し付けられている士郎の姿。
それを見てなつきが思ったのはただ一つのことだった。

――アイツを、衛宮を死なせたくない。
共にした時間こそ僅かだったが、あいつがいい奴だって事ぐらいは分かっているつもりだ。
銃を手にして追い掛け回した自分をあっさり許し、更に自身を囮にして少年を探す自分を逃がした。
そして先程も自分を身を挺して庇い、更に自身の命よりも赤の他人である自分の命を優先した。
ああ、馬鹿にも程がある。自分が知る中でもここまで馬鹿な奴はいなかった。
だが――なつきはそんな馬鹿を嫌いではなかった。
その在り方は、まるで“正義の味方”だ。
誰もが子供の頃に憧れる無垢な幻想。そして大人になっていくうちに誰もが諦める夢。
それでもこの狂った戦場でさえも闘いを止めようと、人を救おうと真直ぐで在り続けようとする姿、正義を貫こうとするその姿勢。
それはきっと――間違いなどではないはずだ。
だから思う。ここで死なせてたまるものかと。何としてでもあいつを生かしたいと。

しかしそれは無理だ。なつきの体はすでに死に掛かっている。
死に掛かったものを動かす道理など世界に有りはしない。

――ドクン

しかしその決意は消えない。そこに有り続ける。

――ドクン ドクン

“道理”を引っ込め“無理”を押し通す強い“決意”。

――ドクン ドクン ドクン

それはなつきの消え行く命と“螺旋”を結んだ。



 ***



デリンジャーの引き金を引こうとしたウルフウッドは異様な気配を感じて振り返り、そこで見たものに驚愕する。
即ち、立ち上がった玖我なつきの姿に。

――アホな、立ち上がれるはず無い。
その証拠に胸には穴が開いており、そこからは未だに鮮血が流れ出している。
だがなつきの目はけして死者のそれではなかった。
その目に宿るのは緑色の螺旋――真直ぐな意志と閃光のような命の輝き。
そしてその螺旋は天を突き、無理を押し通す。

「来……いっ……デュラァァァァン!!」

それは本来ならばありえない光景だった。
この戦場の制限下ではチャイルドは出現しない。
事実、それは4人のHiMEがそれぞれ証明している。
だが、メタリックシルバーの巨狼は確かになつきの傍に現れた。
その無機質な瞳に緑色の螺旋を宿らせて。

「チッ!」

デリンジャーから2発の銃弾が放たれ、なつきの体に新しい風穴を開けていく。
そのどちらもが急所を的確に貫いた。
しかし、なつきの体は倒れない。そしてその目に宿る意志も消えない。

「ロォ……ド、シル……バ……、カ……トリッジ……」

一瞬ごとに意識が飛びそうになる。
肺に穴が開いているのか声も碌に出せやしない。
だがまだだ。まだ倒れるわけにはいかない。
銃弾を込めろ。撃鉄を起こせ。照準を定めろ。意志を貫け。友を救え――引金を、引け。

「……ってェェェェェェェーッ!!」

なつきの咆哮と同時、銀色の閃光が放たれた。



 ***



結果から言えば、ウルフウッドはギリギリで“それ”の回避に成功した。
鍛え抜かれた戦士としての勘と優れた身体能力の賜物であった。
そして先程まで自分がいた場所を見て、驚愕する。
そこにあったのは自然現象などではありえない巨大な氷塊であった。
刹那ほどでも反応が遅れていれば自分はあそこで氷の棺桶の中にいただろう。

と、そこで先程まで自分が銃を突きつけていた少年の姿がないことに気付く。
恐らくは攻撃の衝撃波で水路に落ちたのだろう。
だがこの水路は案外流れが速い上に、3つに分岐している。
どこに流されたかは最早ウルフウッドには分からない。
しかし――

「……ホンマ、ついとらんな」

自分に出会ってしまったこの少女も、無駄に銃弾を浪費した自分も。

ウルフウッドは最初、二人を撃ち殺すつもりであった。
実際、視界に現れた二人組を見た瞬間はそう決断した。
初弾で少女を殺し、次弾で少年を殺す。迷うはずもない単純極まりない論理。
こちらに気付いた少年が少女を庇ったことは意外ではあったが、それもあくまでも想定内の出来事にしか過ぎない。
彼の行動を変えたのは、少女の両手にいきなり出現した二丁の拳銃であった。
まず考えたのは少女が早撃ちの名手である可能性。
かつての仲間の一人も早撃ちを得意としていた。
だがそれは明らかに違うとわかった。
ウルフウッドは見たのだ。少女の手の中に銃が出現する光景を。

そして考えたのは“そういう支給品”である可能性。
――念の入った参加者ならば説明書を破っている可能性もある。
そう考えたウルフウッドは少女と自分の間に十分な実力差があると確信した上で、情報を聞き出すことに決めたのだった。
だがその結果として、少女の銃は少女自身にしか使えないものという結果であり、
更には貴重な銃弾を3発も消費して殺せたのはその少女一人ときた。

だが、その少女についても不可解な点が多すぎる。
何故最初からあの銀色の獣を呼び出さなかったのか?
何故あの時、致命傷を負っていたにもかかわらず立ち上がれたのか?
そしてあの目に宿った緑色の光は一体何だったのか――?

その答えを探ろうとして倒れたままの少女に近づき顔を見下ろすも、
そこにあるのは生命活動を停止したただの死体があるだけだ。
ただし、一つだけ普通の死体と違う点を上げるとすれば、その顔には何かを成し遂げた者の笑みが浮かんでいたことだろうか。
生き残ったはずの自分が不機嫌極まりない顔をしていて、死んだはずの生者は対照的に満足げな笑みを浮かべている。
その皮肉にウルフウッドは更に顔を歪ませる。

更にせっかく手に入った武器も最悪だ。
デリンジャー。かつての知り合いであるメリル・ストライフが愛用していた銃。
現在手にしているのは平和ボケした男の銃に、共に旅した活発な少女の銃。
そんな奴らと一緒に馬鹿をやっていた“生きていた頃の記憶”が益々ウルフウッドを苛立たせる。

満足した死人と何処までも追いかけてくる過去(かつて)。
こうも念入りに自分をイラつかせるとは、神様はよほど自分のことが嫌いらしい。

「ハ……天国には来んなっちゅうことか……
 ……心配せえへんでもワイの行き先は一つしかないっちゅうねん」

少女の死体を盾にし、それを囮に年端も行かぬ少年を殺した。
これだけでお釣りが来るというのに今度は少女を殺し、その荷物を奪っている。
今から改心して聖者の様になろうとも地獄行きは決定したようなものだ。
――それなら、地獄で踊るだけや。楽しくもない、クソつまらんこの用意された地獄の中で。
ウルフウッドは残された二人のディパックの中身を移し終えると行動を再開する。
それは“銃”探しだ。
士郎のディパックの中から20発もの予備弾薬を発見したものの、デリンジャーでは流石に射程が短すぎる。
それに正直なところ、見るだけでイラつきが酷くなる銃など御免だ。
踵を返し、ウルフウッドはただただ最初の予定通り、銃を求めるために警察署へと向かう。


【A-6/水路/1日目/午前】
【衛宮士郎@Fate/stay night】
[状態]:疲労(中)、腹部、頭部を強打、左肩に銃創(流血中)、脳震盪
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
1:玖我……
2:イリヤの保護。
3:できる限り悪人でも救いたい(改心させたい)が、やむを得ない場合は――
4:18:00に図書館へ行く
※投影した剣は放っておいても30分ほどで消えます。
 真名解放などをした場合は、その瞬間に消えます。
※本編終了後から参戦。
※士郎はなつきが凄まじい銃の腕を持っていると思い込んでいます。
※ドモンと名乗った少年(チェス)に軽度の不信感を持っています
※ドモンが弱者にも戦いを挑むつもりだとは気づいていません。
※士郎の情報を元になつきは以下の仮説を立てました。(士郎が何処まで信用しているかは不明)
 ・今回の殺し合いは蝕の祭や聖杯戦争をモデルにした物
 ・テッカマンとHiMEとサーヴァントは似たような存在
 ・螺旋力=高次物質化能力=魔術に近い特殊な力
 ・螺旋遺伝子を持った者=特殊能力者
 ・この殺し合いの参加者は皆、何かしらの特殊能力を持っている
※士郎の意識があるかないか、及び何処に流されているかは後の書き手さんにお任せします



【A-6/警察署前/一日目/午前】
【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン】
[状態]:更に不機嫌、かなりイライラ
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(残弾1/6)@トライガン、デリンジャー(残弾0/2)@トライガン
[道具]:支給品一式 (食糧:食パン六枚切り三斤+四枚、ミネラルウォーター500ml 2本)
    士郎となつきの支給品一式、暗視スコープ、デリンジャーの予備銃弾20
    なつきの不明支給品2(ウルフウッド確認済み)
[思考]
基本思考:ゲームに乗る
1:自分の手でゲームを終わらせる。警察署を目指す。
2:銃を持った人間を確認次第、最優先で殺してそれを奪う。
3:女子供にも容赦はしない。迷いもない。
4:警察署で武器を調達する。無ければショッピングモールへ。
5:できればタバコも欲しい。
[備考]
※迷いは完全に断ち切りました。ゆえに、ヴァッシュ・ザ・スタンピードへの鬱屈した感情が強まっています。

※A-6の川沿いに謎の氷柱が出現しました。
 またこの閃光を誰かが目撃した可能性が有ります。



「さて――どうすべきか」

一連の騒動を窓から見ていたアルベルトはそう呟いた。

自分は戴宗との再戦を果たすまで、死ぬわけにはいかないし、無駄な労力を浪費するのも望ましくはない。
更には幽鬼の様な気配を発するあの男から情報を引き出せるとも思えない。
だが戦士としてあの男の戦い様に如何ともしがたいものを覚えるのもまた事実。

アルベルトは迷った末、決断する。
その選択は――


【A-6/警察署/1日目/午前】
【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:疲労大、全身にダメージ、右足に刺し傷(それぞれ消毒液や軟膏・包帯で応急措置済み)
    スーツがズダボロ、やや精神不安定
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、シガレットケースと葉巻(葉巻3本使用)、不明支給品0~2(本人確認済み)
    ボイスレコーダー@現実、シュバルツのブーメラン@機動武闘伝Gガンダム
    赤絵の具@王ドロボウJING、自殺用ロープ@さよなら絶望先生 
[思考]:
基本方針:戴宗を一刻も早く探して合流し、決着をつける
0:警察署に入ってこようとする男(ウルフウッド)に対処する
1:戴宗を再び失うことに対する恐れ。そうならないために戴宗の情報を集める
2:とりあえず南へ向かう
3:脱出の情報を集める
4:いずれマスターアジアと決着をつける
5:他の参加者と馴れ合うつもりはない
6:脱出不可能の場合はゲームに乗る
[備考]:
※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です
※素晴らしきヒィッツカラルドの存在を確認しました
※ボイスレコーダーにはなつきによるドモン(と名乗ったチェス)への伝言が記録されていますが、
 アルベルトはドモンについて名前しか聞いていません。





【玖我なつき@舞-HiME 死亡】


【――螺旋力、覚醒確認】





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