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  • 孤城の主(中編)

アニメキャラ・バトルロワイアル @ Wiki

孤城の主(中編)

最終更新:2021年12月11日 22:41

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だれでも歓迎! 編集

孤城の主(中編) ◆S8pgx99zVs


共に怪物の餌食となったセラスと鳳凰寺風。
今二人は横に並んで摩訶不思議な空間を歩いていた。

「ホント……すいませんこんなコトになっちゃって」
気づいてからというものセラスは鳳凰寺風に謝りっぱなしであった。なにしろ彼女を殺したのは
他でもないセラス自身のマスターなのだから。
「ですからもうおやめになってください。私はセラスさんを恨んではいませんわ。
 あの人とセラスさんの関係。それがどういったものかは存じませんが、
セラスさんが私達を騙すような方でないことは短い出会いでしたがわかっているつもりです」

鳳凰寺風は足を止め言葉を続ける。
「セラスさん。私からお願いしたいのは、セラスさんが自分自身から逃げないということ。
 あなたは本当は強い人のはずです。だから前を向いて足を踏み出してください。
 ……そのために勇気が必要というのでしたら、どうぞ私の分を持っていってくださって結構ですわ」

ス……と足を踏み出し、彼女はセラスから離れていく。
「私は私が選び歩んできた道を決して後悔しません。
 ですから、セラスさんも自分が進むべき道を選んでください」

「もしお会いできたら、今度は紅茶をご馳走します」
そう最後に言葉を残すと、最後まで気丈を貫いた彼女は淡い光の中に歩み去った。


「は~い。お一人様ごあんな~い」
と、突然セラスの前に中年天使――カラシニコフの精が現れた。
「い、いたんですか……?」
「いたんじゃないデスよ~……。それより勝手に動いて仕事を増やさないでほしいのよね」
相も変わらず意味不明な物言いに混乱するセラスを無視して中年天使は言葉を続ける。
「ここんとここっちも忙しいんだから。で、あなたもさっさと行くデスよ。あんたはアッチ」
中年天使が指差す先は先程鳳凰寺風が去った方とは違い、禍々しいオーラに満ちていた。
「え? なんかちがうくないですか?」
「ちがうくなくない。あんたはまだ死んでないんだから帰って頂戴」
「え!? それって?」
セラスが振り向くとすでに中年天使は短い羽を振って去って行った後であった。

(……自分の道)
セラスは瘴気渦巻く道の前に立つとその一歩目を踏み出した。
「風ちゃん。私、風ちゃんの分も頑張るから天国から応援しててね」
セラスは現世へと帰還する。その彼女の背には碧色の清涼な風が吹いていた。

(……そういえば魅音ちゃん大丈夫かなぁ、マスターと二人っきりで)


形ある物を壊し、壊れた物をさらに壊す。台風の様に周囲を破壊の嵐に巻き込む化物同士の戦い、
それを見て無力な魅音はただ己に降りかかる不条理を呪うばかりであった。
振り回しに振り回されて、やっと自身の足で歩こうとした所にこの仕打ち。
一体自分のどこが悪かったのか……

「魅音姉ちゃんっ!」
突然かけられた声に心臓が跳ね上がる。その声は、その声の主は忘れもしない。
ついに自分も此処で終わりか。そう覚悟して振り返ったが……、
「武……?」
振り返れば彼が凶器を振り上げている。その魅音の予想は外れた。
「よかった……。魅音姉ちゃんが無事で」
そこにあったのは目尻に涙を浮かべ、彼女の無事を安堵する仲間の姿だった。
そしてその後を、深緑のブレザーを着た青年。よれよれの黒スーツの中年。
そして罰ゲームなのか鳥の羽を頭に付けたコスプレの女性という三人が駆けつけてくる。

「俺達ずっと姉ちゃんを探してたんだ」
「私を……?」
そうか。そうだったのかと魅音は理解した。
あの時、あの惨劇の瞬間。少年も自分と同じで怖かったのだ。ただそれだけだったのだと。
つまり、彼……そして彼らはまだ自分の仲間なのだと。
大きく安堵した魅音であったが、次の武の質問に再び心が凍りついた。
「ところで姉ちゃん。翠星石は一緒じゃないのか?」

「ど、どういうこと? 何を言ってるのかわからないよ武。あいつは敵だよ?
 私達を騙して梨花を殺した悪いヤツなんだよ。それなのになんで……」
再び魅音の中の暗い部分で疑心が渦を巻き始める。
「誤解だよ姉ちゃん。あいつは悪いヤツじゃないんだ! きっとアレも事故だったんだ」
武が熱弁する。だが、それには理屈も何もない。ただ彼女を信じたいという気持ちだけだ。
「じゃあ……」
「ホテルん中に翠星石がいたはずなんだ。俺たちはそれを探して……」
その言葉に魅音の心の中でピシリと音がして何かが割れた。そこから黒いモノがこぼれだしてくる。

「ハ、ハ、ハ、ハ……、いい様だ」
魅音は灰色の瓦礫の山を指す。それを見て剛田武の顔が青褪めた。
「そ、そんな……嘘だろ。姉ちゃん」
魅音は顔を歪めけハ、と息を吐く。
「梨花を殺したから。みんなを裏切ったから罰が下ったんだ。だから潰されて死んだ。
 悪い奴なんだから当然だ。早くあんたも目を覚ましな!」
翠星石の死。そしてそれよりも目の前の魅音の変化に剛田武は戦慄していた。
「姉ちゃん…………」

感動の再会のはずがなにやら不穏な空気を帯びてきた。
目の前の少女は大暴れしている連中とはまた別の意味で危険な人間のようだ。
どっちにしろここからは早々に退散したい。キョンがそう思った時、彼の目の前に大きな音と共に何かが落ちてきた。

瓦礫を押しのけコートについた埃を払いながら立ち上がると、それはこう口を利いた。

「今夜の夜宴にドレスコードはない。貴様達を歓迎するぞ人間」

歓待の言葉と共に化物の腕が跳ね上がり、キョンの頭部にその手に握られた銃口を向ける。
彼がその死を覚悟した刹那――!

白刃が閃き怪物の腕を銃ごと斬り飛ばした。
「某。キョン殿を護る一本の刀ならば、彼に傷一つつけることあたわず」
鞘から走った五尺余りの刀が月の光を反射し煌いた。
二度あることは三度あるではなく、これが三度目の正直であったことをキョンは神に感謝した。

同時に0.3秒の早撃ちが怪物の顔面を射抜く。
「わりーが、早撃ちはこっちの十八番なんだ」
.454カスールから発射された13mm爆裂鉄鋼弾は轟声を伴い化物の頭部を破壊した。
次元大介の初めて見せた早撃ちに、キョンは驚愕すると共に彼が敵でないことを神に感謝した。

キョンが何所の物とも知れぬ神に惜しみない祝辞を送っている中、
かつては狂信者であった化物は血飛沫を撒き散らし倒れ――なかった。
斬り飛ばされたはずの腕が舞い戻り、弾けた頭から吹き出す血がざわめき頭の形を取り戻す。
その異常に驚愕する五人を再生した魔眼で一瞥すると地を踏み叩き背後へと跳躍した。
その次の瞬間、化物がいた位置に絶影の丸太のように太い尻尾が叩き下ろされる。
続けて五人の前に、自身への憤りを断罪の炎へ転化して闘う劉鳳が降り立ち宣言した。

「お前達は黙って見ていろ。アイツは俺が断罪する」

逡巡する五人の目の前から劉鳳と絶影の姿が消え、次の瞬間には怪物の直上へと現れた。
ジャッカルから放たれる弾丸を縫うように動いて回避するとその尻尾を振るい一撃を加える。
強烈な一撃を喰らい横様に吹き飛ぶ化物を追って絶影はさらに加速。
疾風で降り積もった灰を散らしながら怪物に追いつくと両拳の連激を容赦なく叩き込む。

さらに吹き飛んだ怪物は途中で一転し体勢を整えると、通りを超えビルの壁面に着地。
そのままの姿勢でジャッカルを連射し、それを避けて肉薄した絶影にカウンターの一撃をぶつけた。

怪物の鉄拳をまともに受けた絶影が夜空を滑る。数十メートルの距離を吹き飛んだところで姿勢を回復すると、
お返しとばかりに怪物へ向け絶影の持つ副腕――剛なる右拳・伏龍を発射した。
ドリル状のそれは吹き飛ばされた距離を逆に辿ると怪物ごとビルを爆砕した。

広がる粉塵の中から怪物が飛び出し、蒼い月を背中に空を突っ切り絶影へと肉薄する。
自らを弾丸と化した怪物を絶影は太い尻尾で弾くと、地上へと落下するそれに向けて触鞭を伸ばし追撃するが、
怪物は逆にそれを捕まえひと引きで絶影を地上に叩き落す。

半身を地上に埋めた絶影へ向かって怪物がジャッカルを撃つ! 撃つ! 撃つ!
襲い来る弾丸を絶影は両腕で防御するが、その常識外れの威力にアルターが弾け粒子と散った。

体勢を立て直すべく上空へと逃げようとする絶影にさらに怪物は撃つ! 撃つ! 撃つ!
よろける隙に怪物は壁面を三度蹴って同じ高さまで跳躍し絶影に取り付くと、
振り払わんともがく絶影の胸に、鉄をも紙のように切り裂く手刀を叩き込んだ。
そして、そのまま一緒に墜落するとその怪力で絶影を解体していく。

ほどなくしてそのダメージに絶影がアルター化を解かれ姿を失う。
同時に宿主である劉鳳は口から血を吐き膝をついた。

「どうした? 昼の時と比べるとずいぶん――『弱い』ようだが?」

傷ついた身体をまるで陽炎のように揺らめかせながら、ゆっくりと一歩ずつ怪物が劉鳳に近づく。
逆に劉鳳は口から荒い息を吐き、そこから一歩も動くことができなかった。

真昼の闘いとは逆の展開が進行していた。
夜を迎え怪物は力を増し、逆に劉鳳は長時間の真絶影の顕現で力を消耗している。
そして何より、今の劉鳳には昼にはなかった迷いがある。
己が正義を見失い、道を迷っている。迷いがあれば拳は力を失い判断は遅れる。

「残念だが、期待外れだったな貴様は……」
ジャッカルの銃口が劉鳳の頭を捉え発射された――が、それは彼の命を奪うことはできなかった。
「なんだ貴様は?」
間一髪で劉鳳を押し倒し凶弾から命を救ったのは一匹のブタだった。

「ぶ、ぶりぶりざえもん……?」
力なく言葉を発する劉鳳の前に立つのは姿を消していたぶりぶりざえもんだった。
「任せたといったのになんという様だ劉鳳。
 おかげでお助けするために出てきてしまったではないか」
怪物の前にぶりぶりざえもんが立ち塞がり名乗りを上げた。
「わたしはぶりぶりざえもん。人呼んで、救いのヒーローだ」

「ククッ……、ハハハハハ……」
怪物が身体を震わせ笑う。
何万何十万の敵と対してきた彼ではあったが、畜生に前を阻まれたのは初めてのことだった。
「いいだろう。貴様も私の敵だ」
銃口がぶりぶりざえもんを指す。だが、ブタは決して動揺してはいなかった。
「やいバケモノめ。追い詰められているのはおまえだと気づかんのか?」

――? 怪物の中に生まれた一瞬の意識の空白。その時再び白刃が閃いた。
怪物の身体に真新しい太刀筋が刻まれる。
「某はエヴェンクルガ族の武士――トウカ。義により助太刀いたす」
いつの間にかに間合いを詰め鞘に収めた物干し竿を構える彼女が其処にいた。

轟音が空気を引き裂き怪物の手から武器を奪う。
銃声の下には帽子のつばから鋭い眼光を覗かせニヒルな笑みを浮かべる男がいた。
「乗りかかった船だ。やっこさんを倒すまではつきあってやるよ」

ダキュン!
聞き覚えのあるあの銃声と共に化物の身体が引っ繰り返った。
地に伏した怪物の傍らには、冷酷無比のころばし屋がそのサングラスに月光を受けて立っている。
「よし! 聞いてた通りあいつがアーカードだ」
次元の隣で小さくガッツポーズを取るのはSOS団雑用係のキョンだ。

さらにダキュン! ダキュン! と転倒を繰り返す怪物が突風によって劉鳳の前から遠ざけられる。
キョンの隣には協力して風神うちわを一生懸命振る魅音とジャイアンの姿があった。
「あいつだけは絶対に倒さないといけないから」
「おう。もうぜってーゆるしてやんねー!」

ありったけの小銭を突っ込まれたころばし屋に、銃を失い悪戦苦闘している怪物を全員が懸命に攻撃する。
その様を劉鳳は狐につままれたような目で見ていた。

「ぶりぶりざえもん、これは……?」
一転して救われる状態となり、戸惑う劉鳳にぶりぶりざえもんは胸をはって答えた。
「劉鳳、これはわたしの日頃の行いがよいせいだ」
ぶりぶりざえもんのあまりの自信に劉鳳はさらに戸惑いを深める。
「人をおたすけするものは、また人におたすけされる。わたしはそれをここで学んだのだ」
ぶりぶりざえもんは改めて劉鳳の目の前で胸をはる。
「それが、お前の見つけた正義の真髄……?」
「わたしの場合は”救い”の真髄だ」
疲弊した身体に力を込めると劉鳳は再び地面に立った。その傍らに絶影が現れる。
「俺も見つけてみせる。俺の正義の真髄を!」


ついに全ての依頼料を使い果たした忌々しい玩具を一撃で踏み潰すと、
地を影と走り己が愛銃をその手に取り戻し怪物は跳躍した。
自由を取り戻した怪物を見て、人間達は彼から遠ざかる。

再び瓦礫の頂点に降り立った孤城の主は自身を見つめる七人の人間を見下ろす。
強者、弱者、生まれた場所も立場も異なる別々の人間達が、
その儚い命しか持たぬ人間達が自分を――この怪物を追い詰める。そして――、

怪物が見やるその一点から緑の奔流が吹き出し被っていた灰を振り払った。

「……婦警。いや、セラス! セラス・ヴィクトリア!」

そこには独りの吸血姫――セラス・ヴィクトリアがいた。
彼女の腕に抱えられた鳳凰寺風の首には吸血の証である二本の血筋が流れている。
血を通じて得られた鳳凰寺風の力、記憶、そして意志――それらは本来よりも極僅かなものであったが、
セラスを再び戦場へと後押しするには十分なものであった。

セラスは鳳凰寺風の身体を降ろすと、再び怪物へと視線を向ける。また、怪物もその視線を受け止めた。
「マスター……、いや、アーカード! 私は私の道を行きます」
「セラス・ヴィクトリア……。ならば、私が最初の試練だ。見事乗り越えてみせろ」

ジャッカルの銃声が満月の下に鳴り響く、それが闘争の開始の合図となった。

怪物――吸血鬼アーカードはこの場においてかつてない闘争に心を歓喜に震わせていた。

今宵の夜宴は盛況だ。魔女が敷いた陣に召喚されたは我か彼らか。我が供物か彼らが供物か。
さぁ、人間共。城壁を登れ。城門を叩け。侵略しろ。殺して奪え。そして――私に滅びを運んで来い!


「疾風~ッ、怒涛ぉぉぉ~~~ッ!!」
雄叫びと共に碧の風を纏ったセラスが疾走し怪物の身体に拳を叩き込む。
先刻まで従者であった者の拳に吹き飛ぶ怪物は、さらにそこから奔った真空の刃に弄ばれ血を撒き散らしながら瓦礫の山へと落ちた。

「HAHAHAHAHAHA!!」
僕の反逆に歓喜の声を上げながら飛び出すと、怪物はその手に持つ巨大な拳銃で人間達を襲う。
四方八方に撒き散らされる弾丸は一度に全員の命を奪うことが可能であったが、
劉鳳の操る絶影の触鞭が縦横に走りこれを弾き落とした。

怪物はそのまま壁面に着地すると、重力を無視したかのように縦横無尽に走り回る。
さらにそこから跳躍し街燈の上を跳んで渡る怪物を、
次元大介の放った一撃が叩き落とすとセラスから預かったAKを振るう魅音が追撃を加えた。

降り注ぐ銃弾に身を弾けさせながらも怪物は疾走し、人間達を強襲する。
怪物の顎がまさにキョンを捉えようとした時、三度白刃が閃きそれを阻止した。
五尺を超える常識外れの刀を振るい、トウカの剣術がさらに二太刀、三太刀と怪物に傷を刻み込むと、
剛田武の振るう団扇が暴風を巻き起こし怪物を押し返す。

追いついたセラスが怪物の襟首を掴み、引っこ抜く様に遠投。
放物線を描いて人間達から引き離された怪物は、
着地点に追撃をかける絶影の一撃をジャッカルの弾丸で凌ぐと今度は地を縫う様に疾走する。

常識外れの反動に痺れる腕を叱責しながら次元大介が掃射を加えるが、
怪物はそれを瓦礫の中を縫うように走って回避し、更に避け際にジャッカルを発射して牽制する。
影に隠れた人間を襲わんと動きを一直線に変えた怪物の前に風を纏ったセラスが立ち塞がる。

正面から衝突し互いに吹き飛ぶ吸血鬼同士。セラスは風の力で空中を踏むと反転し怪物を追う。
風神の団扇が起こす風に自身を乗じて更に加速すると、
碧の弾丸と化した身体を捻り螺旋の動きを加えて怪物に衝突した。

巻き起こすカマイタチに身を削られながらも怪物はそれを受け止め、向きを逸らして瓦礫の山に
叩き込んだ。瓦礫に埋もれたセラスを捨て置き血の線を引きながら再び強襲する。
魅音の構えるAKの弾雨を微風のようにやり過ごすが、次の.454カスールの一撃に失速し、
続け様の一撃に頭を失った。さらにその直上に現れた絶影の尻尾の一撃が怪物を叩き潰す。

動きを止めた怪物に更に追撃が加わる。だが、それでも怪物は死なない。


黒くざわめく身体を地に這わすと影のように疾り落ちた手足を回収。再び人の形を取り戻すと
さらに人間共を追い立て、それをさらに人間共が追い立てる。
そんな闘いが長く続いていた。俯瞰して見れば人間側が圧倒的に有利であったが、
誰も怪物に対して決定打を加えることができず、徐々にその形勢は怪物側へと傾きつつあった。

瓦礫の中に怪物が自ら逃げるように飛び込み、人間達がそれを包囲する。
闘争の合間の一瞬の静寂。だが、それは次の瞬間戦慄に変わった。
再び姿を現した怪物が何かを咥えぶら下げている。それは瓦礫押し潰され死んだばかりの野原みさえの亡骸だった。

「この――――毒虫がぁぁっ!!」
迫り来る絶影の前で、みさえの亡骸を首の動きだけで放ると怪物はカウンターの一撃で絶影を押し戻し、
さらに喉から下品な音を立てながら後ろ様にジャッカルを連射。背後に迫るセラスを射ち落とした。

血を飲んだ怪物は次元と魅音が張る弾幕を掻い潜り急接近。
正面に立ち塞がったトウカの一閃をわざと胴体に受け身体の中に封じると、拳の一撃でそれを叩き折る。
さらにもう一撃でトウカの首を飛ばそうとしたがこれは空を切った。

「かたじけないキョン殿」
寸でのところでキョンに身体を引かれ窮地を脱したトウカが、今度は逆にキョンの手を引いて逃げる。
その背中を撃とうとする怪物に、再び絶影が強襲を仕掛け彼らの危機を救った。

怪物は振り下ろされた尻尾を掴み取ると、そのままスイングし宿主である劉鳳へと向けて放り投げる。
劉鳳は衝突する瞬間にアルター化を解くが、その衝撃で吹き飛ぶ。
それをセラスが空中で捕まえ救い、追撃の銃弾を風の障壁で逸らした。

怪物は人間達の陣地の中央に位置取り、ジャッカルの弾丸を振りまく。
その対フリークス用として作られた弾丸は壁にする瓦礫諸共人間達を襲い、彼らを逃げ惑わせた。

「ちくしょうっ……!」
倒れてきた瓦礫に足を挟まれた剛田武は不幸に毒突き、その痛みに身悶えた。
「武!」「小僧っ!」
仲間の窮地に気づいた魅音と次元がその下へと駆け寄り、彼をそこから救い出した。
「ありがとう姉ちゃん。おじさん」
「礼は後だっ」
次元がジャイアンに肩を貸し、魅音が援護しながら別の瓦礫の陰へと後退する。
そして、セラスが怪物に飛び掛った隙に三人はそこへと飛び込んだ。

「まったく、とんだインチキ野郎だぜ」
次元は瓦礫の影で空になった弾倉を落とすと、スライドを引きその中に残った弾丸を確認した。
(……これが最後の一発か)
果たしてこの一発の弾丸でどうにかなるものかと次元が思った時、彼の目の前に大きな箱が滑り込んできた。
「それを使って!」
魅音が寄越したその箱の中には拳銃からライフル、その他重火器の分も含めて様々な弾丸が詰められており、
次元はそこから.454カスールの弾丸を見つけるとその弾倉を銃にはめ込んだ。
「助かる!」
「礼ならセラスに言って。彼女の物だから」
言いながら魅音もAKに新しい弾倉をはめ込むと、真新しい弾丸を発射して前衛の二人を援護する。
次元もそれに加わるが、魅音も彼も先の見えない不安に心半ばまで蝕まれていた。
(……いい加減くたばり時じゃあねえのかよ)

三人が隠れる瓦礫の陰に、更にキョンとトウカが滑り込んでくる。
「大丈夫ですかっ!」
「大丈夫も何も、どうもこうもだよ」
全く見えない先行きに焦燥が募る次元の言葉は膠も無いものだ。
怪物との戦闘が始まってすでに一時間を回っており、極度の消耗に全員が神経を磨り減らしていた。

「それよりも、キョンは小僧の手当てを頼む……って、トウカ。刀はどうした?」
「……面目ない」
半ばで叩き折られた刀を持ってトウカは頭を垂れる。
「しゃあねえなぁ……」
次元はそんな彼女を見て嘆息する。そして眼に決意を浮かべると四人に語りかけた。

「キョン! 俺が援護するから小僧を担いで逃げろ! トウカは二人を頼む」
そして首を回して反対側にいる魅音にも声をかける。
「嬢ちゃんもアイツらと一緒に逃げな。こんなとこで命を捨てるこたないぞ」
だが彼女の返事は、
「イヤだ。もう逃げないってクーガーと約束したんだ。それにアイツだけは絶対に許せない」
言葉と共にAKから怪物へと弾丸が放出される。
10歳児でも訓練なしに扱えるのが売りのAK-47だが、彼女の扱い方は堂に入ったものだ。
そうは見えないのにどういった人生を歩んでいるのか。
そして、その反対側からの答えも同様のものだった。
「仲間を残して逃げたりなんかできませんよ。そんなことしたら後でハルヒに殺されます」
次元大介は大きく息を吐いた。そういえばそろそろ煙草が恋しい。
(揃いも揃って頑固者の大馬鹿野郎ばっかりだな……)
瓦礫から身体を出すと怪物に狙いをつける。
「……まぁ、俺もなんだけどよっ」
銃口から吐き出された弾丸が更に一つ怪物に傷を増やした。

前衛で怪物と直接対峙している二人ももう限界が近づいてきた。

「くうっ……!」
太腿に突き刺さった鉄骨を抜きセラスが苦痛を洩らした。
小さな傷口は吸血鬼の再生能力ですぐに塞がるが、貫かれた痛みはその中に残る。
セラスは頭を振って意識から痛みを追い出すと、未だ健在の怪物を追う。

怪物に迫ろうと跳躍したところでセラスの身体が失速し、そのまま地面に叩きつけられた。
鳳凰寺風の血から得た緑の風の力もセラスに定着せず、遂に消費され失われてしまったのだ。
叩きつけられた衝撃で全身に受けた傷が開いて血が滲み、彼女の口から呻き声が漏れる。
そこへ容赦なく怪物の弾丸が飛び込んでくるが、それは絶影の触鞭によって辛うじて弾かれた。

「……ハァ、ハァ、ハァ」
その絶影も今や真の力を解放した状態ではなく、消費の少ない力を抑えた状態へと戻っていた。
アルターを操作する劉鳳の体力もすでに限界を突破しており、今はその悪に立ち向かう気力のみで維持しているという状態だった。

翻って、対する怪物はどうか?
一見すると全く消耗している様には見えないが、やはり彼も限界近くまで来ていた。
力も速さも最初とは見劣りし、傷の再生力も落ちている。
再生途中の傷が靄の様に広がりまるで漆黒の外套を靡かせているように見える。


永い闘いの時は終息に――滅びの時へと確実に近づいている。
――人間共が怪物を討ち倒し凱歌を挙げるのか?
――それとも、怪物が人間共を撃退し全てを土の下へと葬り去るのか?

そんな闘争の場に、ある決定打を持った最後の人物が近づいていた。


フィルムに隠された謎を解くべく映画館を自転車で出発したトグサと長門有希は、一路市外中心を目指していた。
フィルムに映った風景はこの会場全体に広く分布しているように見受けられたので、
闇雲に動くよりもまずは二人が知っている場所から周って行こうという方針を立てたのだ。
映画館から来た道を戻って南に向かい、病院を通り過ぎた向こうの橋。
そこを脇に下りた川原で最初の情報――映像と同じアングルでの画像を長門が収集すると、
その先のオフィス街、ビル、道路と経て二人は途中レジャービルへと立ち寄った。
だがそこで期待していたキョン達との再会はなされず、現在はホテルへと自転車を向けている。

ほとんど重さを感じさせない長門有希を後ろにトグサは自転車を漕いで、無人のレジャービルよりホテルを目指している。
映画館を出てまだ数十分だが、幸いにもすでに四箇所――川原、オフィス街、ビル、道路の情報を得ることに成功している。
もっともこれはすでに知っている場所であったからで、他の場所については一から探さないといけないためはるかに時間がかかるだろう。
「遊園地」や「寺」そして「駅前」などは位置は離れているものの、
地図にその場所が記載されており場所の特定は容易だが、逆に「公園」や「商店街」などはてこずりそうだった。
特に”信号機”。これは中途半端にズームで映っており、どこの信号機なのか、今の二人には見当もつかなかった。

そしてレジャービルより数分、もう到着まで間もなくというところで二人は倒壊して失われたホテルを現実に確認した。
倒壊した際に流れ出た粉塵のせいか、周囲は灰色に塗れている。
トグサの心中は穏やかではない。セラスをあそこに残してきてしまっている上、あそこにはバトーの死体があるのだ。
セラスを探したい、バトーを弔いたいという気持ちもある反面、
セラスにどう謝罪すればいいのか、頼りになる仲間の死を現実にしたくないという気持ちもあった。

と、そんな気持ちを抱いているトグサの耳になにやら物騒な音が入ってきた。
顔を上げホテルがあった場所を見上げると、どうやらその周辺で何かが飛び回っている。
聞こえるのは銃声と破壊音だ。
「お、おい。なんだありゃ。あんなのもいるのかよ」
空中で交差しながら戦っている様は、まるでタチコマ同士の空中戦のデモンストレーションの様だ。
「あそこに向かって」
自転車を止めたトグサを長門有希が進むよう促す。
「長門。装備もなしにあんなドンパチに突っ込むのは無謀だ。ここは一旦引いて……」
反論するトグサであったが、長門有希はそれを無視して言葉を続けた。
「あそこで戦闘をしている存在は三つ。
 一つは、未確認の存在。
 一つは、外見的特徴から友好的存在である、セラス・ヴィクトリア。

 そしてもう一つは、――私の敵」

そして数分後、全てを巻き込む奈落の穴に最後の二人が足を踏み入れた。


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