『あったかあったか』


梓「寒い…」

気温が日に日に寒くなりマフラーに手袋が必要な時期になってきた。
今日は同時に風もあり寒さが増す、雪がふっていてもおかしくない。

憂「梓ちゃーん」

梓「あっ憂おはよ、寒いね」

憂「うん、今日は体育がないからいいね」

梓「そうだね」

平沢憂、元けいおん部で先輩平沢唯の妹で今はけいおん部所属、そして…私の恋人
最初は正直私は先輩達が居なくなった寂しさ、憂は唯先輩が居なくなった寂しさから付き合っていた、憂もそうだと言ってたけど打ち明け合い、私も打ち明け、互いに理解をしていき、その気持ちは本物になっていくのに時間は掛からなかった。
少しのすれ違いから衝突したりもした
そのたびに純やさわ子先生に迷惑を掛けたりや助言貰って乗り越えていったっけ、二人とも本当にありがとう。

憂「今日純ちゃん風邪でお休みだって」

梓「うん、私にもメール来たから」

憂「ううっ…今日寒いね」

吹く風は体温を容赦なく奪い寒くしていく

梓「…唯先輩の受け売りだけどね…あったかあったかだよ憂」

頬を赤くしながら憂に密着して手を握る

憂「梓ちゃん、それ…不完全なんだ」

梓「えっ…?」
何か気に障ったか不安になってしまった、唯先輩という名前に寂しさを思い出させてしまったのではないか?
以前“唯先輩に似てるからその代わりではないか?”という内容の衝突があった…それがフラッシュバックする

だけど

ギュッ
憂「こうすればもっとあったかあったかでしょ?梓ちゃん」

密着する私を憂は抱き締める。
強すぎず弱くもなくあなたは大事な人ですと語らずとも分かるくらい温かく優しい抱き締め

梓「ま、まだだよ、こう…こうすれば………いいんじゃないかな?」

憂の抱き締める腕が解けないようゆっくりと憂へ向き直り、憂の唇へ唇をそっと重ねた

憂「…」

梓「…」

余韻に浸りながら二人とも負けず劣らず顔を赤くし、無言になって見つめ合う、言葉は要らない。

しかし私達はとても大変で重要な事を忘れていた事に気付く…。



ここは正門前だった。
最終更新:2010年11月06日 16:18