芭珀さんが入室しました
芭珀->(2人が去った後の森の中
芭珀->あはははは!(茂みを失踪するぶかぶかチャイナ服の少女
ウルウさんが入室しました
ウルウ->(森の中で夜空を一人見上げる
ウルウ->(喪服姿で闇に紛れ、
ウルウ->(ただ一人。車椅子を連れることもなく夜空を見上げる。
芭珀->あれ~~~?(がさがさっ
芭珀->ウルウだ~~~(茂みを抜け出てウルウに走り寄る
ウルウ->(声に気づき、視線を下げ
ウルウ->(芭珀を見る
芭珀->何してたの~~~?
ウルウ->星を、見ていました。 芭珀様。
芭珀->ふ~~ん、そうなんだ~~~。
芭珀->あはは~、わたしも星結構好きだよ~~~
ウルウ->えぇ。私めも、星を眺めるのは好きですよ。
芭珀->なんか死んだ人は星になるっていうよね~~~、それで好きだったんだけど~~~
芭珀->死んでもしあわせじゃないってわかってからも結構好きなまんまだな~~~。
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->そうですね。
ウルウ->そういう1説も御座います。
芭珀->あれ、
芭珀->(ふとウルウを見て
芭珀->また死んでる人いないね~?
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->今日は日差しが強かったですから。
ウルウ->…………………
ウルウ->こんな日は大事をとってお早めにお休みになります。
芭珀->あはははは、焼けちゃうもんね~!
芭珀->わたしも最後皮べろんべろん剥けて大変だった~~~!
ウルウ->おや。
ウルウ->それは大変ですね。お体に差し障りはありませんか?
芭珀->うん~~~!今は元気~~!
ウルウ->それなら、良かったですね。
芭珀->うん~~~。
芭珀->ウルウは元気~?
ウルウ->…………………
ウルウ->別段、問題はありませんよ。
芭珀->あるぇ~?
ウルウ->何でしょうか?
芭珀->ん~~~~、
芭珀->あははは!よくわかんない~~~!
ウルウ->…………………
ウルウ->そう、ですか。
芭珀->元気なのかな~~~?って思ったんだけど~~~、
芭珀->わたしにはあんまりわかんないみたい~~~。
ウルウ->ご心配頂かなくとも、元気ですよ。
芭珀->ん~~~そうなんだ~~~!
芭珀->ねえねえウルウ~~~
芭珀->人が人のこと好きとか嫌いとかって、
芭珀->どうやったらわかるのかな~~~?
ウルウ->…………………
ウルウ->難しいですね。
ウルウ->多くの人にはそれがわかるのでしょうね…………………
ウルウ->そうでなければ、我々も生まれてはいませんし…………………
ウルウ->…………………
ウルウ->私めにはわからないままかもしれませんね…………………
芭珀->ん~~~~、むずかしいね~~~。
芭珀->えっとね~、今日わたしさ~~~、
芭珀->璃雨に嫌われたのかと思って~~~、それで聞いたんだ~~~。
芭珀->わたしのこと嫌いなの~?って~
芭珀->あはははは、そしたらさ~~~~~
芭珀->「好きだと言った事は一度も無い」って~~~!(けたけた笑って
芭珀->あはははは!だからさ~~~、
芭珀->わたし最初から間違ってたみたいで~~~(笑って
芭珀->なんかね~~~、わかんないな~~~って思ったんだ~
ウルウ->…………………
芭珀->わたしは璃雨の事好きなんだけどな~~~
芭珀->ウルウは誰が好き~~~?
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->…………………
ウルウ->私めにはわかりかねます。
芭珀->あはははは!わかんないの~~?
ウルウ->はい。
芭珀->自分のことならわかると思ってた~~~!
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->…………………
ウルウ->普通は、
ウルウ->そうなのでしょうね。
芭珀->あはははは、ふつうってわたしよくわかんないよ~~~
ウルウ->えぇ、
ウルウ->難しい言葉ですよ。
ウルウ->普通というものも。
ウルウ->好きというものも。
芭珀->そうなんだね~~~。
芭珀->璃雨の好きも難しいのかな~~~。
ウルウ->…………………
ウルウ->…………………そうなんだと、思いますよ。
芭珀->そっか~~~。
芭珀->ウルウはこのまま星見てるの~~~?
ウルウ->えぇ、そうですね。
芭珀->あはははは!そっか~。
芭珀->わたしは~~、あはははは、
芭珀->むし探ししよっかな~。
ウルウ->…………………
ウルウ->夜の森のほうが見つかりますか?
芭珀->あはははは、昼はね~わたしあんまり外に出られないから~~~!
芭珀->でもね~夜もいっぱいいるよ~~~!
芭珀->(言ってがさがさ茂みに入っていく
芭珀->じゃあね~ウルウ~~~!(袖を振って
芭珀->(茂みの中に姿が消える
芭珀さんが退室しました
ウルウ->はい…
ウルウ->(その背を見送り
璃雨さんが入室しました
璃雨->(ヴェルデュール家敷地内
璃雨->(ヴェルデュール家の屋敷は古めかしい様式の、西洋風の建築となっている。
璃雨->(建物の中でいっとう高い場所。最上階から外に出て屋根へ登り、更にハシゴを伝って、
璃雨->(時計台の上、鐘の設置された場所に立つ
璃雨->……、(手すりのふちに足をかけ、眼下を見下ろす
璃雨->(長い金色の髪が、月と星の光を受けて輝いて見える
ウルウ->…………………
ウルウ->(星を見上げるその視界に、
ウルウ->(月星より輝く金の輝きが映り込む
璃雨->――、が、(遥か遠くの地上を見下ろし、薄く笑みながら
璃雨->ここから、
璃雨->――…たんです、 てー……(くすくすと、歌うように呟く
ウルウ->…………………
ウルウ->(黙って上を見上げ続ける。
ウルウ->(特に合図を送る事もない。だが、あちらからいでる音に耳を傾け。
璃雨->………(無言になり
璃雨->……馬鹿みたい。(低い声で呟く
璃雨->こんな高さで……
璃雨->どうにかなる訳ないじゃない。
ウルウ->…………………
璃雨->……(馬鹿みたいに理性が働く。追い詰められ、自棄を起こした所で狂いはしない。
ウルウ->…………………
ウルウ->(身投げ。
ウルウ->(いや、直前まではそうだったかもしれないが…今はその気配も薄れている
ウルウ->…………………
ウルウ->(黙って上を見上げる
璃雨->……(黙って下を見下ろす
璃雨->………………
璃雨->(無言で、地上にいるその人間を視認する
ウルウ->…………………
ウルウ->(空の月を、いや星を、いや、時計台に居る女性、璃雨の事を見上げている
璃雨->………
璃雨->(暫し言葉は無く、互いに互いを見つめ続ける
璃雨->……
ウルウ->…………………
璃雨->どうも、(ふと、
璃雨->死は、私を魅了してはくれないみたいね。(聞かせる意思のある、だが静かな声が、漆に降ってくる
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->死は、
ウルウ->…………………
ウルウ->回りを悲しませますよ。
ウルウ->(見上げたまま静かに呟く
璃雨->………ふふ、なんだか、
璃雨->「セブンスヘヴン」の時の事を思い出すわね。
ウルウ->場所も似ています。
璃雨->ここでの後にも、もう一度、襲撃があって、
璃雨->その時にも……同じような話をしたわ。
璃雨->あなたはまた……
璃雨->あの時と同じ強情さで、私を止めるのかしらね。
ウルウ->止めぬ理由もありません。
璃雨->そうかしら。
璃雨->……まあ、
璃雨->……どうせ、私は何もしないわよ。
璃雨->……こうして登ってみたところで、何も沸いて来なかったわ。
璃雨->衝動も、狂気も、歓喜も、絶望も。
ウルウ->それを、
ウルウ->求めているのですか?
璃雨->あれば越えられたわ。
璃雨->一線を。
ウルウ->…………………
ウルウ->その柵を超えた程度では…死にませんよ。
璃雨->……ええ。
璃雨->見たら解るわよね。……この世界の加護、強いから。
ウルウ->はい。
璃雨->……だから、
璃雨->結局私、自発的に死ぬ気なんてないのよ。(自嘲する笑みで
ウルウ->…はい。
ウルウ->誰にだってありません。
璃雨->そうかしら。
ウルウ->はい。
璃雨->……そう。
ウルウ->死とは・・・・・・・
ウルウ->全身を切断され、四肢を弄ばれ、手足を喰われ、その地獄絵図を、残された眼球に収めた後、訪れる物です。
ウルウ->そんな事を望む必要はありません。
ウルウ->(躊躇いなく。ハッキリと。
璃雨->……
ウルウ->(感情を乗せぬ淡々とした口ぶりで。
ウルウ->(上方へ向けて言葉にする。
璃雨->そこまでされて、やっと、
璃雨->あの車椅子の死体は出来上がった。
ウルウ->・・・・・・・
璃雨->………。
璃雨->……うふふ、
璃雨->つまり、何処にも逃げ場は無いと、
璃雨->……そういう事ね。(ずるりと身体を下げ、手すりに腰掛ける形
ウルウ->…………………
ウルウ->逃げ場を探しているのですか…?
璃雨->……面倒臭い。(心底うんざりしたように、ぽつりと呟く
璃雨->……逃げ場は、無いわよ。
璃雨->何処に行ったって。
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->そう、ですね…………………
璃雨->………………
璃雨->少し、(壁に寄り掛かるようにして
璃雨->昔話をしてもいい?
ウルウ->えぇ。
ウルウ->どうぞ。
璃雨->……
璃雨->「金鳳花の花は、砂糖漬けにすると美味しい」
璃雨->って、言われてね。
璃雨->花弁をこっそり集めて、瓶に砂糖漬けを作って、
璃雨->紅茶に入れて飲んでみたの。
璃雨->それを飲んだ私は一日寝込んだわ。
璃雨->キンポウゲ科の花には大抵毒があるの。幼い私はその事を知らなかった。
璃雨->幸いだったのかもね。毒を飲んだのに一日で回復。この世界の加護のお陰かしら。
璃雨->相手も悪気は無かったみたい。謝っていたわ。
璃雨->幸い軽傷で済んで、
璃雨->この話は家では笑い話になった。
璃雨->………………
璃雨->それだけよ。
ウルウ->…………………
璃雨->私が金鳳花家を大嫌いなのも、
璃雨->他人を信じる事ができないのも、
璃雨->くだらない、
璃雨->ただそれだけの、笑い話がきっかけなの。
ウルウ->…………………
ウルウ->(いつになく自分の話をする彼女を下から見上げる
璃雨->大した事無いでしょう。
璃雨->全身を切断され、四肢を弄ばれる苦しみに比べれば。
璃雨->光の無い場所に幽閉されたり、
璃雨->大事な人を喪ったり、
璃雨->そんな絶望に比べれば。
ウルウ->…………………
ウルウ->そうですね。
ウルウ->(静かに返答する
璃雨->えぇ…………
璃雨->死ぬほどでもない、狂うほどでもない、
璃雨->不幸ですらないなんて、
璃雨->何に逃げたらいいっていうのよ……。
ウルウ->…………………
ウルウ->不幸を望んでいるのですか?
璃雨->……そういう意味じゃ無いわ。
璃雨->…私は「不幸」ではないから、苦痛を感じる大義名分が無い。
璃雨->「不幸」を隠れ蓑にも出来ないってことよ。
璃雨->我儘だと思うでしょうけれど。
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->そう、ですね。
璃雨->………………。
ウルウ->…………………
璃雨->……ごめんなさいね。
璃雨->つまらない話をしたわ。
ウルウ->いえ…………………
璃雨->言った所で、何にもならないから、
璃雨->誰にも言った事が無かったのに。
ウルウ->…………………
璃雨->……
ウルウ->私めでは、
ウルウ->貴方を逃がすことも、
ウルウ->貴方を不幸にすることも出来ません。
璃雨->……(漆を見下ろす
璃雨->そうね。
璃雨->そんな事は……解ってる筈よ。
璃雨->……何がしたいのかしら、私。
璃雨->……こんな話、それこそ、
璃雨->カウンセラーにでも聞かせておけという話よ。(はっと自嘲し
ウルウ->…………………
ウルウ->(上を静かに見上げ続ける
璃雨->……
璃雨->……(何も言わないウルウを見下ろし
璃雨->……
璃雨->馬鹿みたいよね……(呟く
ウルウ->…………………
璃雨->(大きく身体が傾いて、
璃雨->(璃雨の姿が窓から消える
璃雨->…………(――後ろ側に。
ウルウ->…………………(平然と上を見つめ
璃雨->……。(時計台の床に仰向けに倒れ、鐘の内側をぼうっと見つめる
璃雨->……
璃雨->本当、
璃雨->何がしたいのよ……(倒れたまま、両手で両目を覆って
璃雨->いい加減にしてよ…………
璃雨->(どうせ、
璃雨->(あの人はここには来ない。心配してもいない。そんな事期待してない。望んでない。信じてない。
璃雨->(そんな事……解ってる筈でしょう。
ウルウ->…………………
璃雨->……馬鹿みたい、、
璃雨->馬鹿みたい、馬鹿みたい……………
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->私めでは、
璃雨->(まるで子供じゃない、如何して良いのか分からなくなって、癇癪起こしたみたいに、
ウルウ->…………………
ウルウ->貴方を逃がすことも、貴方を不幸にすることも出来ません。(言い聞かせるように小さく呟く
璃雨->…………(言葉は届く事も無く
璃雨->(時計台の冷たい床に頬をつける
ウルウ->…………………
璃雨->(長い金髪を床に広げ、呆然と身体を横たえ
璃雨->………………
璃雨->なんで、
璃雨->あの人なのよ………………(掠れた微かな声音で、呟く
璃雨さんが退室しました
ウルウさんが退室しました
最終更新:2013年09月13日 05:44