壱王->(そんなわけで
壱王->(つつがなく披露宴、
壱王->(余興やら、パーティやら、が進み、
壱王->(蒼菖蒲家金鳳花家を含む薔薇家グループ、亜人貴族、関係者各位を含めた大パーティも、
壱王->(一つの区切りを迎える頃
壱王->「えー。てすてす。壱王です。皆様、本日は僕の妹、金鳳花或在と、素晴らしき蒼菖蒲家当主の壱葦の結婚式へご来場頂きまして、真に有難う御座いますー。」
壱王->「お時間もそろそろと言った所でございましてー。これにて一幕終了とさせて頂きますー。続いてお遊び頂ける方は存分にお楽しみくださいー。それではー。」
壱王->(そんな会場アナウンスをマイク越しに届け、
壱王->(ひとまずの役目を終える。
壱王->(蒼菖蒲家当主壱葦と金鳳花家長女或在の結婚
壱王->(貴族会的にも大きな意味を持つこのメインイベントは、これにて一幕が終了となる
壱王->ふー。
壱王->柄にもなく緊張しちゃったよねー。
壱王->楽じゃないよねー?
壱王->(放送室を出て、廊下へ
壱王->(廊下を歩く
璃雨さんが入室しました
璃雨->(壱王の向かいから歩いてくる女性
璃雨->(まるで最初から放送室を目指していたように、真っ直ぐに
壱王->おー?(その姿を見つけて
壱王->(立ち止まって、璃雨を見る
璃雨->…(壱王をみて
璃雨->御機嫌よう。壱王兄さん。(微笑みを浮かべ、壱王に歩み寄る
壱王->うんー。ご機嫌ようー。(立ち止まって話をする。通り過ぎる気は無い
壱王->なんだかんだ会うのも話すのも久しぶりな気がするねー。
璃雨->ええ、そうね。久し振りだわ。(壱王に歩み寄りながら
壱王->どうしたのー?
璃雨->……今日はね、
壱王->うんー?
璃雨->兄さんにお願いがあってきたの。(困ったような笑みを浮かべ、立ち止まる
壱王->へー。璃雨がお願いかー。珍しいねー?(うんうん。と話を聞く姿勢
璃雨->(まるで邪気の無い、柔らかな笑顔のまま
璃雨->ッ(思いっきり拳振り被って
璃雨->―ッらぁ!!(壱王の頬に渾身のグーパン
壱王->ぎょへッ(ブン殴られてぶっ倒れる
璃雨->……(ぶっ倒れた壱王を見下ろして
璃雨->(拳を手でぴっぴと払い
璃雨->現当主サマに狼藉を働いた愚かな妹を
璃雨->勘当してちょうだい。
壱王->………(バタリと倒れたまま瞬きして、
壱王->うわー。怖いなー。(倒れたまま呟き
壱王->そんな手段に出るなんてねー?(壱王の背後に現れた闇の人影が彼の体を起こす
璃雨->また口だけの事を。(眉間に皺寄せて見下ろし
璃雨->別に、あなたの四肢を折って拷問したって気が晴れる訳じゃ無いから。
璃雨->それ以上は無いし、これ以上は望まないのだけれど。
壱王->いつもならー。そうだねー、(闇を背負い 腫れた頬に笑みを作って
壱王->これが可愛い崇卿とかだったら策に乗ってあげてもいいんだけどー。(思案して
璃雨->……別に、
璃雨->あなたが認めないと言っても、私は勝手に消えるだけよ。
璃雨->……ただ、
璃雨->筋を通すのは「必要な事」だから。
璃雨->こうやって「お願い」に来たのよ。
壱王->へー。(璃雨を見て
壱王->なるほどー。なるほどー。
壱王->・・・(背の闇を濃くして
壱王->まー。良いんじゃないー? 元々家出状態だったしー?
壱王->金鳳花璃雨は今日から懲罰を持って追放。それが望みかなー?
璃雨->ええ。そうね。
璃雨->言質が欲しいだけよ。私は。
壱王->楽じゃないなー。どうしてそんな道を選ぶかなー。
壱王->この家から離れてー。君に行きたい所でも有るのー?
璃雨->あるわよ。(一言で
壱王->へぇ。
璃雨->貧しくて、何にも無くて、少しも楽じゃない迷い道よ。
壱王->そう。
璃雨->けどね、
璃雨->その場所の方が、余程寒くないの。
璃雨->あなたにはわからないでしょうね。 一生。(嘲い
壱王->うん。理解る気もないよ。(腫れた頬で笑み
璃雨->ええ。
璃雨->それでいいのよ。
璃雨->私と、金鳳花家<あなたたち>は。
璃雨->(踵を返し
壱王->そうだね。
壱王->辻褄合わせはやっておくよー。(背中に呼びかけて
壱王->結婚式の日に兄妹喧嘩別れしたっていうんじゃあ或在が可愛そうだしー。
璃雨->(振り返る事も無く、
璃雨->そう。
璃雨->どうも「ありがとう」。 壱王兄さん。 (恐らく最後になる礼の言葉を残し、
璃雨->(去っていく
璃雨さんが退室しました
壱王->「どういたしまして。」
壱王->「おつかれさま。」
壱王->はー。楽じゃないねー?
壱王->(璃雨と逆方向に向き
壱王->妹達が皆自由すぎてお兄ちゃんは大変だなー。
壱王->ちょっと。予想外。(頬抑えて歩き出す
壱王->色々崩れたら嫌だなー。楽じゃないなー。
壱王->すぐに治ったらそれはそれで怖いけどねー?
壱王->(その言葉と共に闇が揺らめき
壱王->(頬の腫れを闇が覆い隠し
壱王->楽したいなー。
壱王->(歩き去っていく
壱王さんが退室しました
璃雨さんが入室しました
璃雨->(時は結婚式 蒼菖蒲家玄関口前
璃雨->(薄い水色のシンプルなロングドレスに身を包んだ女性
璃雨->(実兄をブン殴って無事勘当を物にした彼女は、
璃雨->(清々しい足取りで帰路に着こうとしていた
璃雨->(彼女は今日この日、その目的を果たす為だけに来た。もうこの場所に用は無い。
璃雨->(広い庭を通りすぎ、玄関へと歩く
芭珀さんが入室しました
芭珀->(その後ろから
芭珀->(ぱたぱたぱたーっと走ってくる
芭珀->璃雨~~~(一応それらしくめかしこみドレスを着たアルビノの少女
璃雨->、(声に足を留め
璃雨->……。(後ろを振り返る
芭珀->・・・・。(ぱた、と立ち止まり璃雨を見上げ
芭珀->えっと~~~、(笑顔のまま
芭珀->えっとね~~~・・・
芭珀->・・・・行っちゃうの?
璃雨->ええ。(一言で
璃雨->……だから、お別れね。芭珀。
芭珀->アハハハハ、そっか~~~。
芭珀->・・・。(笑顔のまま
芭珀->あはははは、
芭珀->そっか~~~~~。(繰り返す
璃雨->……。(そんな芭珀の様子を見て
芭珀->やっぱりわたし、
芭珀->璃雨に嫌われちゃったのかな~~~・・・?(笑顔のままで
璃雨->……
璃雨->別に、
璃雨->嫌いだと言った事は一度も無いわよ。
芭珀->あはははは。そうなの~~~?
璃雨->ただ、そうね。
璃雨->だからといって、続けて善い縁ではないから。
璃雨->ここで断ち切るつもりよ。芭珀。
芭珀->・・・・。
芭珀->あはははは!璃雨むずかしい事ばっかりだよ~~~。(笑ったまま
芭珀->わかんないよ~~~?
璃雨->……。
璃雨->……大丈夫よ。
璃雨->あなたは私よりも、余程まともな人間だから。
芭珀->・・・・にんげん?
璃雨->ええ。
璃雨->私が居なくなっても、孤独ではないわ。
芭珀->・・・・。
璃雨->にんげん活動、を、してるんですって?
芭珀->うん~~~!そうだよ~~~。(ぱっと両手上げて
芭珀->なんかね~この間は大会出たんだ~~~!
璃雨->そう。
璃雨->楽しかった?
芭珀->うん~~~!
璃雨->お友達は出来た?
芭珀->あはははは!むしっぽいにんげんと一緒に戦ったよ~~~!
璃雨->そう。
璃雨->良い事ね。
芭珀->・・・だから、
芭珀->璃雨はいなくなっちゃうって事?
璃雨->……。
璃雨->ええ。(つとめて、突き放すように
璃雨->私はあなたの頭がイカレてると思ってたから一緒にいたのよ。(はっと嗤って
芭珀->、、、、
芭珀->あはははは! そうだったんだ~~~~~。(変わらず、笑顔のまま
璃雨->けど、思ったよりずっと、あなたはただの妹だったわ。
璃雨->光の無い幼少期を過ごし、微かな幻想に救いを見出してしまっただけの、
璃雨->ただの可哀想な普通の子どもだったわ。
芭珀->・・・・。
芭珀->・・・わたし、
芭珀->ほんとにふつうなの?(つい、最近
芭珀->(別の誰かにもそう言われた事を、思い出しながら
芭珀->だって、
芭珀->ず~~~っとわたし、みんなから『キチガイ』だって言われてきたし、
芭珀->璃雨だってずっと、わたしにそういう風に接してたじゃない~~~?
璃雨->……それは。
璃雨->私も…、いえ、私が、普通じゃなかったからよ。
芭珀->・・・えぇ?
璃雨->(芭珀と目を合わせるように屈んで
璃雨->でも。 …いえ、だから
璃雨->もう終わりにしましょう。
芭珀->・・・璃雨~~~?(僅かに紅瞳を開き、璃雨を見つめる
璃雨->私も普通になるから。
璃雨->もうあなたを、『気狂い』に仕立てあげたりしないから。
璃雨->あなたも、私も、普通のにんげんとして生きるために、
璃雨->さよならをしましょう。 芭珀。
芭珀->・・・・。
芭珀->・・・・。
芭珀->・・・・そう、
芭珀->しなきゃいけない、の?
璃雨->…。(言葉は無く、無言で頷く
芭珀->……あは、は、
芭珀->そっか~~~。
芭珀->・・・・。(笑みが、
芭珀->そっ、か~~~。(ずっと浮かべ続けていた笑みが、崩れ
芭珀->そっ、、、、、(両目から大粒の涙が零れ出す
璃雨->……。(立ちあがり、ふっと目を逸らすように
芭珀->じゃ、じゃあ、……じゃあ~~~、、、(制御が利かないように涙を流し続けながら
芭珀->げ、、げ、、、ん、、、(絞り出すように
芭珀->げんきでね、、、、、(片手を挙げて振る
璃雨->………っ(ふっと目を逸らし踵を返す
璃雨->元気でね、芭珀。
璃雨->………どうか、
璃雨->幸せに。
璃雨->(目の端に滲んだ雫を隠すように、背を向けたまま言い切り
璃雨->(外へと去ってゆく
璃雨さんが退室しました
芭珀->・・・・。(誰も居なくなった庭で、一人立ち竦む
芭珀->・・・・。(何も言わず、笑顔も無く、ただ涙を零しながら
芭珀->(冷えた夜の庭で、ずっと立ち尽くす
芭珀さんが退室しました
最終更新:2016年02月17日 17:58