月天心 [ミア いのり]

 

鬼さんが入室しました
 : (時刻は、夜―― 喫茶近くを徘徊する異型な影
 : ――、――、
 : 悪い”子”は、 い”ねぇが―――
 : (ずり、ずりと引きずり――
鬼さんが退室しました
はかるさんが入室しました
はかる : (どばしゃー!と衣装突き破って登場!) ま、僕なんですけどね?
はかる : みなさん!節分ですよ節分!
はかる : 福豆を食べ、撒き……厄除け、福招きを行う伝統行事です。
はかる : まぁあんまりラブに繋がらないんでアレなんですけどね!
はかる : いえいえしかし、節分が終われば次に来るのは――
はかる : そう、バレンタイン! ヴァーレンタインですよ!
はかる : 店や街は赤く染まり恋慕に惑う人々で溢れかえる…
はかる : 良いですねぇ! 愛ですよね!
はかる : 皆さんが勇気と共に一歩踏み出すこと、私は見守っておりますよ…!
はかる : (指で福豆をぴーんと弾いてヒョイパク
はかる : …… うんチョコが良い!(笑顔
はかる : ええ? 私? 私が? 誰かに?
はかる : あっはっは冗談はよしこちゃん!(手をひらひらと
はかる : 遍く全ては天のもの。 ですからね。
はかる : …そういう意味ですと、チョコを私が作って奉るのも良いかも知れませんが。
はかる : そういった想いが届かぬからこそ、天なのですよ。
はかる : それでは、ばいびー!
はかるさんが退室しました
 
ミアさんが入室しました
ミア : (某日の夜。喫茶EBにて いつものように従事するメイド服
ミア : (昨年のような怪奇騒ぎは無いが、昨年に倣ってオープンキッチンなどが特設されている
ミア : (「チョコください!!ギリギリのチョコでいいから!義理!リリリ!」とかいう変な剣士が来たような気もするが
ミア : (そこは適当に往なしつつ業務をこなしていった
ミア : …ふぅ。(一段落。この時間帯だと殆ど客も来ない。
いのりさんが入室しました
いのり : (カランカラン… 控えめな音と共に入店してくる
ミア : (振り返り) …。 いらっしゃいませ(会釈
いのり : (グレーのタータンチェックのマフラーにピーコート。冬の装い。
いのり : …。 やあ。(ゆるく片手を挙げ、傾げながら微笑む
ミア : いつものお席で?(半目で微笑み、案内するように
いのり : うん。よろしくお願いできるかな。
ミア : (案内。 慣れ親しんだ、程よく距離があり、店内を見渡せる端の席
ミア : ご注文はカプチーノで?(いつもの通りかと伺うように
いのり : (いつもの様に案内を受け、席へと歩む
いのり : うん。 …それと、(ミアを向いて
いのり : フォンダンショコラの、白桃ソース添え。
ミア : ……。 いのり様?
いのり : …… を、お願いします。(笑みを浮かべてミアを見る 柔らかいが、何処か意志が籠もったような
ミア : ………(腰に手を当て、何か言いたげそうな表情をするが
ミア : (すぐに店員らしい表情に戻り) 畏まりました。 では少々お待ちくださいませ。
いのり : うん。(席に腰掛け、なんとなしに店内を見渡す いつもの待機姿勢
ミア : (特設キッチンの方へ
ミア : ………(色々思う部分はあったが。 まずはオーダー通りに
いのり : (…思えば、一年前のあの日からバグってるんだ。
いのり : (長いのか短いのか。途中間を開けたりもして、今日此処に来たのはもう、夏以来。
いのり : (……いつからどこまで狂ってるのか、もう解りやしないな。
ミア : おまたせしました。(程なくして声
ミア : カプチーノと、フォンダンショコラの白桃ソースと、バニラアイス添えになります。
いのり : ぉ。(香りにつられるようにそちらをいて
ミア : (皿を置き終え――)今年はアイスが溶けぬうちに召し上がってくださいね、いのり様?
いのり : 、(眉顰め、だが困ったような笑みで)あぁ、そうだね。折角作って貰ったんだもの。
いのり : それじゃあ――いただきます。(ナイフとフォークを持ち
ミア : (会釈し) では何かありましたらお呼びください(すっと下がろうと
いのり : …今年は食べるとこまで見ていかないのかい?(やや冗談めかした調子で
ミア : …。 いのり様? それだと食事し辛いでしょう。
いのり : あはは、確かにね。(笑って返して、冗談だよ、と
ミア : ……。(ふー、と溜息ついて  いのりの後ろで待機するように
いのり : (改めて、フォンダンショコラにナイフを入れる。とろけだす生チョコと共に口に運ぶ
ミア : ……
いのり : …(丁寧に味わって食べる。次はソースを付けて…と
ミア : それにしても、同じモノをご所望されるだなんて、罪な方ですね(しれっと後ろから呟く
いのり : あはは、まあ……とても美味しかったから。
いのり : …。それに、今度はちゃんと食べたかったしね。
ミア : ……そこまで仰るなら何も言いませんが……
いのり : …。うん、やっぱり美味しい。(呟くように感想を述べつつ
いのり : …此処に来るのは少し久しぶりになるけど、
いのり : ミアさんは、最近はどうだった?
ミア : 最近……(片手を腰に手を当て) 最近ですか。
ミア : 概ね元に戻りましたね。ええ、髪の話ですが(瞑目しつつ
いのり : あぁ、切れてたよね。(どうやら気付いてたコイツ
ミア : ………
ミア : まぁ、変わりなく。概ね。
ミア : そういういのり様はどうなのですか?
ミア : 暫くお見えになりませんでしたが… スカイロード辺りにでも?
いのり : …ボクも余り変わりはないね。活動場所がそう、変わったぐらいでさ。
いのり : 冬辺りからは何というか…そういう時期だからね。 今もそうだけどね?(あはは、と
ミア : そうでしたか……
いのり : …まぁ、そんな感じで。なかなか顔を出せてなかったな。
ミア : ……。
いのり : …。…また来るかどうかは、結構迷ったんだけどね。(更に視線を落としながら
ミア : …………
いのり : (カチャ、と食器の音。フォンダンショコラを食べてしまう。
ミア : …そうですね……
ミア : (小さく息を吐いて
ミア : …私は、苦手な方がお見えになられない分、平穏な日々を送っておりましたね。
いのり : …。(食後のカプチーノを一口)
いのり : あはは、質の悪い客がいたのかな? いち店員を妙に突き回すような不届き者が。
ミア : ええ。それはもう。
ミア : 暴き癖のある方でそれはもう困りました。
いのり : 災難だったね。 誰にも知られたくないような事を。ソイツは一体何を考えていたんだろう。
ミア : さぁ、どうでしょう。ご自身のことは二の次の方ですから(瞑目しつつ
ミア : それに黙するかと思えば大暴れされて街一を潰す始末。
いのり : 安全な場所から他人をつついてばかりいた癖にねぇ。ろくなもんじゃないな。(あはは、と
ミア : ……そういえば覚悟を決められたようにも見えましたが。
ミア : 結局その後音信不通。 全く困ったものです。移ろいゆくものだと、知っている筈ですのに。
ミア : …………
いのり : ……。
ミア : いのり様。
ミア : 貴方は、困った方です。
ミア : 更に付け加えるなら、これでも料理の覚えがあるにも関わらず、同じ品目をご所望された。
ミア : ええ……困り種です。本当に(いのりに届くのは 後ろからの言葉 表情は見えない
いのり : …。(カップを見つめたまま
ミア : ですが、
ミア : 居ますよ。
いのり : 
ミア : (あまりにも言葉足らず。存外にも意図は通じない
いのり : ……。………。(驚いたように目を開き、片手で顔を押さえる。…その表情は、ミアには窺えないが
いのり : ………(言葉が出てこない。 どうしたらいい。こんなの、とんでもない受容だ。
いのり : ………。 ありがとう。
ミア : …。(何となく気配で会釈したことが判る
いのり : (あぁ、そうか。……とっくにわかっていた事。だけど、やっぱりボクは―――
ミア : (家柄のことも、宿命めいた生き方があることも、少なくとも判っているつもり。
ミア : (いつからだろう。 気が付けば逆に追い詰めてしまっていた。
ミア : (だから(これは(私なりの――
ミア : ……(仮眠室の方を見遣る
ミア : …他を片付けてまいります。 何かあればお呼びください(改めて頭を下げ
いのり : …、待って、(咄嗟に そう 咄嗟に口から出ていた
ミア : 、 何、か?(何歩か歩いた所で
いのり : ……、(続きなんて考えてない。 テーブルに両手をつき、ゆっくりと立ち上がる
いのり : (スローな動作で歩き、ミアと少し離れて向かい合うように振り返る
ミア : …、、
いのり : …、(何も言葉が出てこない まるで繕えない、余裕の失せた表情
いのり : (一歩、ミアに近付く
ミア : …いの、り 様……?(様子に気付いて、一歩下がる
いのり : (様々な感情が足を鈍らせる。 クピドがとか、家がとか、何かそういうアレだ
いのり : …離れないで。(――――もう知るか。 今、ボクは、このままにしたくない。
いのり : (更に一歩、歩みを進める
ミア : …。 いのり様、それは……(また一歩と下がり背に壁
ミア : 落ち着いて、ください、いのり様。 (それ以上は、と静止するように
いのり : ――…嫌だよ。 さっきこそ君、言ったじゃないか。(ふ、と笑み
いのり : 君、ずっとボクに困ってくれるんでしょう。
いのり : (静止しようとするその手に片手を伸ばし、ぐいっと引き寄せる
ミア : 、それは……――っ(掴まれ引き寄せられ
いのり : (両腕で思いっきりミアを抱き締める
ミア : ぁ っ ――――
いのり : ――― 結婚しよう。
いのり : …… どんな手使ってでも。(ミアの耳元で、ふ、と自嘲気味に息を吐きながら
ミア : ―――、
ミア : (何、で これ、は
ミア : (彼の 理想の 距離だったのに どう、して
いのり : (あぁ、いざこうしてしまえば、抱え続けた逡巡が如何にも馬鹿馬鹿しい。
いのり : (自らの想いを燃やし、愚直に殉ずる生き様が、ボクは昔から好きだった筈だ。
いのり : …。(黙したままのミアの様子に、
いのり : …言い直そうか?(少し拘束を緩め、間近で向き合う形に
ミア : ぁ……、
ミア : (子供じゃない――。 お互いの感情は判っている。 だからこそ積み立ててきた。
ミア : (いのりの胸元を押そうとする手は小さく震えて、いのりに触れすらしない。迷子のような手
ミア : (子供じゃない――。 だから 言葉にされてしまうと
いのり : ボクはずっと君の事が大好きだよ。 君が困り倒して、うんざりするくらい。
ミア : (ビクリ、と指先が引っ込む
いのり : ボクと結婚して欲しい。 ――ミア。
ミア : そ、 そんな(俯いてた睫毛が僅かに揺れる
ミア : 困らせ……ない、で……
ミア : (泣きそうなほど赤く火照らせて 言葉が続かない
いのり : それでも居るって、言ったじゃない?(じっと見つめ、覗き込むように顔を近付け
いのり : ねえ。(ふ、と笑みを湛えて
いのり : はい って、言って。
ミア : それ、はっ……ま、待っ……
いのり : ね?
ミア : (近いことは 予想していた
ミア : (家柄のことを、乖けられない
ミア : (自身のことが、相応しくない
ミア : いの、、り、、様
ミア : 愛、咲家の、、っ……!
いのり : (こつん、とミアの額に額を当て、その言葉を静止)ボクでは役者不足?
ミア : 汚れ、て  私――、(塞き止められて、代わりに頬を伝う
ミア : (何で 全部 飛び越えて来てしまったんだろう
いのり : 忌子の半天使とは良い吊り合いじゃないか。(ミアの言葉を軽く笑い飛ばし
いのり : それに、ボクは君がいい。
ミア : ――、 、、
ミア : (もう、言葉<言い訳>が出てこない
いのり : (頬に手を伸ばし、人差し指で涙を拭い
ミア : ……、…、ぃ…(か細い声
いのり : …(笑み、促すように、ゆっくりと頷く
いのり : …ボクに、君を、
いのり : ……愛させてくれ。
ミア : ――、
ミア : (真っ赤になって、絞り出すように
ミア : は……ぃ
いのり : ―――…、(その言葉を聞き、感慨に瞳を揺らし
いのり : …―――ありがとう。
いのり : ありがとう、ミア―――…(待ち望んだ2文字を口にしたその唇に そっと己の唇を寄せる
ミア :  ――…(潤んで、僅かに怖がっていたものの、瞼を閉じる
いのり : (首筋に腕を回し、そっと抱き寄せ
いのり : (何処かこわごわと、やさしく触れるような、長いくちづけをする
ミア : ―――(ぴくり、と反応して
ミア : (やがて、委ねるように強張りが溶けていく
いのり : ―――……(抵抗のほどけていく体を、包み支えるように抱き締める
いのり : (――この先も、色々な事があるだろう。身分だとか。使命だとか。互いの心の事だとか。
いのり : (――だがあえて、この日の。この夜の一幕は――この言葉で締めくくりたい。
いのり : (―――― HAPPY END!!
ミアさんが退室しました
いのりさんが退室しました

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最終更新:2019年02月20日 04:17