藍 よるにこうねがい [フィウミ カルク]

フィウミさんが入室しました
カルクさんが入室しました
カルク : (キアシス中心地近くの路地にある喫茶エンドレスマジック、通称EM
カルク : (昼は周りの大学の学生が食堂代わりに使ったり、なんだか賑わってるのだが…今は夜。
フィウミ : こんにちは〜(チリーン、と入店してくる女子大生。
カルク : (店内は閑散としており、吹き込む夜風に設置された大きな笹が揺れる葉擦れの音が聞こえる
カルク : …(そんな喫茶にて勤務中の、いつもの察しのいい店員。入口を見遣って
カルク : いらっしゃいませ。お席はどうされますか。(歩いてくる。
フィウミ : あ、いたいた。
フィウミ : じゃあカウンターに座ろうかなぁ〜
カルク : かしこまりました。 カウンター席一名様ご案内します。(踵を返し、カウンター席に案内
フィウミ : (……ちぇ、素っ気ないなぁ。
フィウミ : (ひょこひょこ歩いてカウンター席に座る
カルク : (まるでいつも通りに、マニュアル通りに案内。すぐにお冷を出す
フィウミ : ありがと〜。じゃあ、ミルクティーをください。(メニューを見ずに
フィウミ : ……ひさしぶり、だよね。(お冷出すカルクの目を覗き込みながら
カルク : 畏まりました。(注文を受け
カルク : ……はい。 確かに。久々に感じますね。(トレイを準備し、ティーセットを配置しながら
フィウミ : ふーん…、
フィウミ : …………。
カルク : 街全体が混乱していましたしね。 漸く落ち着いてはきましたが…
カルク : ……どうですか、君は。 …もう何ともありませんか?
フィウミ : うん、なんか操られちゃってたみたいで、
フィウミ : ここで色々やらかしたって後で聞いてびっくりしちゃった。
フィウミ : でも、今は大丈夫だよ。
フィウミ : それに雨降ってなんとか、じゃないけど、
カルク : …そうですか。(最後の言葉を聞いて少し安心したように
フィウミ : それがきっかけでお母さんと少しだけちゃんと話せるようになったし、
フィウミ : でももう夜はあんまり出歩けなくなっちゃうかも。
フィウミ : あんまり会えなくなるかもしれないね〜。こういう風に。
カルク : …いえ、良い事だと思いますよ。君の問題が良い方向に向かうのが一番ですから。
フィウミ : ………。
フィウミ : ……ねぇ、(カルクの目をじっと見る
フィウミ : 本当にそう思ってるのかなぁ……?
カルク : …… 。(大きな瞳に覗きこまれる 相変わらずの鉄面皮だが…
カルク : …人の家出を喜ぶような人間では無いつもりです。…家族と拗れるのは疲れますし、瓦解するのなら何よりかと。
カルク : …そこに関しては、本心です。 ……ただまあ……、
カルク : ……個人的な事を言うなら、寂しくなりますね。 …少し。(付け足すように
フィウミ : ふーん……。少しなんだぁ。(いたずらっぽい笑みで
フィウミ : カルクくんって何考えてるのかよくわかんない。あ、これ悪口じゃないよ。
カルク : …… 。、 よく言われる事ですね。
カルク : 自分としては、思った事は正直に、騙らずに喋っている心算なんですけれど。
フィウミ : そっか。そうなんだ。
フィウミ : (ミルクティーを飲む
フィウミ : ………(カルクの目をじっと見る。観察しているかのような視線だ
カルク : …… それを言うなら、君の方がどうなんですか。
カルク : …、(少し息を止めて目を閉じて、意を決したように
フィウミ : ……えっ。(意表を突かれた、という表情
カルク : …君から僕への『わからない』より、僕から君への『わからない』の方が、ずっと多いと僕は思っているんですが。
カルク : ……、、 いつだって、本当の事を教えてくれないのは、
カルク : …君の方じゃないですか?
フィウミ : なるほどぉ。うーん……、たしかに。そうかも。
フィウミ : ………
フィウミ : わたしはね、とても残念。
フィウミ : ここでいろんな人と喋るのも楽しかったし、カルクくんと喋るのも楽しかった。
カルク : …、
フィウミ : ずっと家にいることが多かったから。
フィウミ : 夢のなかでゲームしたり、
フィウミ : カルクくんが包丁で刺されたり、
フィウミ : 怖い魔法使いに殺されかけたこともあったけど、
フィウミ : わたしはとても楽しかったよ。……カルクくんがいたから。
カルク : ………、
カルク : ……僕も、とても楽しかったですよ。 …時には大変な事にも巻き込まれましたけど。
カルク : …ですが、同時に辛くもありました。
フィウミ : そっか、よかった。(フィウミが初めて見せるにやにやではない普通の笑顔
カルク : 君はずっと何かを抱えていて、助けを求めているようにさえ見えるのに、…決して僕にそれを見せてはくれなかった。
フィウミ : ………
カルク : …僕は、ずっと君を助けたかった… いや、そんな立派なモノじゃない。
カルク : 君を、ちゃんと、堂々と心配したかったんです。
カルク : …この際言いますけど僕、君に会う為に夜のシフト増やしましたからね。(真顔で
フィウミ : ………
フィウミ : ……だって助けを求めたら、
フィウミ : いなくなっちゃわない?
フィウミ : わたしをそういう風に大事にしてくれるの、なんでかわからなかったけど、
カルク : ……、いなくなる? …なんで、そう思うんですか?(思ってもみなかった言葉に、少し目を丸くして 
フィウミ : ……なんで? ……なんでだろ。うーん、
フィウミ : (お父さんもそうだったし、なのかな…?
フィウミ : …わかんない。(いたずらっぽく舌を出す
カルク : ……。そうですか…。(何処か根深いモノを感じて、追及は避ける。
カルク : …何故そういう風にするのか、という事に関しては、はっきりと答えられますが。
カルク : …。聞きますか?
フィウミ : え〜、どうしよっかな〜(いたずらっぽく笑いながら
フィウミ : ………
フィウミ : ……いいよ、聞かせて。
カルク : ……はい。 それは……、
カルク : 君に呪いを掛けられたからです。(真面目な顔で
フィウミ : ……呪い?(きょとんとした顔で
フィウミ : ……ああ〜、(何か思い当たる節もあるらしい
カルク : ……… 本当に掛けたんですか?(何故か動揺が見える 
フィウミ : チョコのなかに、ちょこっと。(ちょこっと、と手で
フィウミ : わたし以外の誰かと付き合ったら、ぎっくり腰になっちゃう呪いがかけられていたのでした〜
カルク : ちょこっと。 ……そうだったんですか……(何やら色々籠った吐息混じりに
カルク : …発動しなかったでしょう。ソレ。
フィウミ : そういうこともあるよね〜。はい、どうぞ。(その話でないと気づくや、続きを手で要求する
フィウミ : たしかに、発動しなかったね〜。えーっといたずらっていうか、なんていうか…、
カルク : …「いなくなってしまう」事を恐れたんでしょうか。
フィウミ : ……。そうかも。
カルク : ……、、(言って自分で、指で顔を押さえる
カルク : ………だから、君が、そういう事をするから……、(…そうだ、思い返してみれば、始まりは実に俗っぽい。
フィウミ : …………
カルク : (「カルクくんがお嫁さんにしてくれてもいいんだよ」
カルク : (――切っ掛けは、あの一言。
カルク : (…同級生で常連の女の子にそんな事言われて、そりゃあ変に意識もする。そうして、気付けば戻れない所まで。 …実に単純な話だったのだ。
フィウミ : ……そういう事?(ピンときていないようだ
カルク : ……、(じ、とフィウミを見て、
カルク : 何考えてるかわからない、と言われましたので、はっきり言いますね。(変に前置きして
カルク : 僕は君に恋をしています。
カルク : 気になって気になって仕方がありません。君の事をもっと知りたいと思うし、憂う事があれば払いたいと思っています。
フィウミ : …………
フィウミ : (顔をほんのり赤くして
カルク : こんな風に遠回しに様子を窺うのではなくて、傍で話を聞きたい。可能な限り助けたいし支えたいし、何より頼られたいです。
フィウミ : そっかぁ。
カルク : …はい。
フィウミ : ……でも、怖いかも、だよ。
カルク : 疑問点があれば……、、適宜答えますが。(少し視線を逸らし
カルク : ……怖い?
フィウミ : そんな講義の発表みたいに。
フィウミ : ………(顔を赤くして一瞬黙り込む
フィウミ : あのね、カルクくん。わたしもカルクくんのことが好きなの。
カルク : ……、、分かり辛い、と言われたので……。(頭抱えて
フィウミ : 自分でも止めなきゃいけないと思ったんだけど、
カルク : …… 、っぇ。(顔上げて
フィウミ : どんどんカルクくんを独占したくなってくるの。誰にも渡したくないの。
フィウミ : ……だから怖いの。気持ちが大きくなりすぎちゃって、……関係を潰しちゃいそうで。
カルク : ………。 それで、躊躇っていたと?
フィウミ : ……、それでもいいの?(カルクを軽く見つめて
フィウミ : (黙ってうなずく
カルク : ………。 手前勝手な事を言いますと。
カルク : 「デリカシーが無い」とか「きらい」などと言われて拒絶され続けるよりは、
カルク : 君の独占欲に潰される方がよほど幸福だと断言します。
カルク : …それに僕、タフさには自信がある方なので。
カルク : 潰されるくらいで終わらせる心算は毛頭ありませんね。
フィウミ : そっかぁ。ふーん……。
フィウミ : じゃあ付き合って、くれるの?
カルク : はい。…むしろ、此方からお願いします。言わせてください。
カルク : 僕と付き合ってください、フィウミ。
フィウミ : はい、よろこんで。(晴れやかな笑みで
フィウミ : じゃあ覚悟してね〜。とりあえずまた秘密のチョコを〜
フィウミ : ……ってうそうそ、冗談だけど。(いたずらっぽく
カルク : それは… 来年に期待しますね。(さらりと返して――僅かに、口の端を上げて
フィウミ : ………(口の端をあげたカルクの隙をついて、
フィウミ : (ちゅ、っと軽く口付ける
フィウミ : ……いなく、ならないでね。
カルク : 、―――(目を開いて
カルク : 、、、、(片手で口許押さえる 明らかに動揺の色があるし、顔がじわじわ赤い
カルク : ……… 勿論。 大事にします。(顔押さえて俯きがちに、なんとか口にする
フィウミ : (顔を真っ赤にして黙って頷くフィウミであった。
フィウミさんが退室しました
カルク : (――笹の葉が夜風に揺れ、願いの書かれた藍色の短冊もまた、揺れる。
カルク : (誰にも読まれないように、天辺も天辺に吊るした。 そこに書かれた願い事は――――
カルクさんが退室しました

 

 

 

キアシスさんが入室しました
フィウミさんが入室しました
キアシス : (メレ・ラニ邸。
フィウミ : (「おやすみなさい。ゆっくり休むのよ」という母の声が聞こえる。
フィウミ : はぁい、お母さん。(そう返事をすると、二階の自分の部屋にたったったと上がっていき、
フィウミ : (すぐにベッドに潜り込む
フィウミ : (……と見せかけて、こっそり準備したロープを伝って窓の外から家を出る。
フィウミ : ……ごめんなさい、お母さん。わたし、不良になっちゃったみたい。
フィウミ : 彼氏の影響、かなぁ?(舌を出しながら悪戯っぽく笑い、外へ
フィウミ : (行く先は……、
フィウミさんが退室しました
キアシス : (ヴァースという世界のなかに、魔術を讃える都市がある。
キアシス : (確認されているなかでは、大陸唯一の学園都市。
キアシス : (今日も学生、研究者、市民、公務員、警察、冒険家、元老、貴族。その他も含め、あらゆる種類の人がこの街を行き来する。
キアシス : (その街の中央の裏路地の目立たない場所に、ある喫茶が。
キアシス : (どこの街、どこの世界の住人だろうと、きっと察しのいい店員たちが快く迎え入れてくれるだろう。
キアシス : (そう、ここは魔術喫茶エンドレスマジック…ご来店お待ちしております
キアシス : (–––––––キアシス編 完  
キアシスさんが退室しました